フォニックス指導の本について大修館の編集者の方よりお話し
本日メーリングリストに案内がありましたが、北原発信語彙カフートについて、問題を現代版に加工したものが、すでに検証済みなので、使用してみて欲しいとのこと。来月使い方について体験があるそうです。また発信語彙に関する書籍も今北原先生は執筆されているとか。
1️⃣じゃれマガカルチャー
髪を染める大学生の話。2008年の内容だから少し今と違うかも?隣同士で髪を染める話。学生時代に染めたことがあるか?染めたいと思うか?外国人に髪を染めることについて話す。→考えてみると、髪の色がさまざまいる海外と黒髪統一の日本人とでは髪を染める感覚が違いますよね?そこをもっと詳しく説明すればよかったのかなと今レポートしながら気づきました。
2️⃣2015年600人が参観した。体育館での北原先生最後の授業のビデオ鑑賞。
伝説の授業を拝見しました。前に一度見せていただいたことがありましたが、何度見ても気づきがあります。これからも北原先生の授業から何度も何度も学びたいです。
1. Greetings 簡単な挨拶だけ。
2.Last sentence dictation
チャイムと同時にJ先生が読み始める。
生徒はALTの後にリピート読みし、次にALTが1人で読み、ストップしたところを細長く切った紙に書く。
3.Vocabulary Building (Fish)
ラストセンテンスディクテーションで使用した紙の裏に書く。今日のボキャブラリービルディングのお題は魚。1番書いた生徒に魚の名前を言わせる。
他の名前を書けた人にも発表させる。
Tuna、Salmon 、Whale、Octopus 、Dragon fish 、flying fish、Shark、Carp
Sea cucumber を間違えてcucumber とだけ言った生徒に北原先生はCucumber is
vegetable.とおっしゃっていた。長先生がラストセンテンスディクテーションとボキャブラリービルディングは始めたが、北原先生も続けているとのこと。
4、Routine Work 3 Song
紙を生徒が集めて提出する中、Honestly
が流れてJ先生は生徒たちが歌っているか、耳を近づけて聞いて歩く。生徒もマイクを持って歌う→マイクを回していく。J先生もノリノリで歌うので生徒は自分たちも歌いたいと思うと思われる。
歌の間に北原先生はディクテーションペーパーのチェック→1つも書かなかった子にDid you
study?と言う。→3分で紙を返す。→一人一人生徒が取りに来る。流れがとてもスムーズ。無駄がない。
5.読みトレ50No. 45
読みトレの後、読みトレからどこで習ったのかを調べて開き、わかったら立つ。立ち上がる時に椅子で音を立てないようにDon’t make a
noise.不必要な指示はないが、生徒指導も英語でされていた。
教師の質問に関する答えを見つけたら、不定詞の番号(1.名詞的用法、2形容詞的用法、3.副詞的用法)を人差し指で示し、合っていたらピンポンを鳴らす。
5. Phonics
口を隠して発音して書く
daily , nail, trail, brail、braille (点字)
6.Before-Test Activity 1
Definition Game(定義を聞いて英語で答える)
Bridge、小さい声の生徒に声が小さいとかBig voice! と言わずに、周りの生徒にCan you hear?→高度な生徒指導
Health、Custom、Stomach ache 発音がダメでもダメ区切って読んだからダメ、Community、Opposite
、Personal、Meat、友達にヒントを出してよい、Amazing (surprising,wonderful
以外にもたくさん語彙をしっているべき)、Polite まだ答えていない人だけ答える、Friendly
、Writer、Thatch(藁葺き屋根)→教科書の内容。白川郷、ALTも、北原先生もその場で説明できる英語力を持っている。英語教師はこうあるべき!とのこと。
7.swatting game
Fly swatter ハエ叩き
英単語を良く聞いて叩く
次に先生が予測する力をつける
フライングや北原先生のひっかけに騙される生徒も。それがまた面白さの秘密。stuffed animalをstuffed chicken にすり替えて。
8.Gesture Game
教科書を見ないで先生のジェスチャーから暗唱する事ができたらポイント。
9.sentence telepathy
先生たちの頭の中を読み取る活動
教科書を見ていい。ただし、音読を十分にして頭に入っていないと英語が出てこない。
空欄だけ黒板に書く。3.4.6見逃しです。すみません。
1. —, — —? →Oh, are you?
2, —, — —? →Oh, did you?
3.
4.
5.—. — — — —. → I understood that later.
6. — — — — — —?
…………………………………………………………………………
団体戦
7. O—, — —? T— — — —. →Oh, did you? Tell me about it.
Team Joel VS Team Kitahara
IIIIIIII IIIIIIIIIIIIIIIIIII
前の白板に生徒たち自身が正解数をメモしており、後で数えてチーム対抗に決着が着く。
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4日後に載った広島の先生の感想より
1.600人の参観者に見られていても普通に授業ができるメンタリティ。この中で堂々と発言していた。生徒を熱中させる授業。会場の先生方を巻き込む授業。
2.授業に無駄がない。指示がほとんどない。自然につながる活動。
3.生徒一人一人に視点があり、評定がなされている
答えがわかっても教科書のどこにあるかというだけで、出来る子も参加するようになる。ここの生徒の進捗状況を確認されていた。ゲームで多くの生徒が活躍する授業。
4.授業規律がしっかりなされている。先生と生徒の区別をきちんとする指導。
5.意識的な発音指導
発音がよい。授業の帯活動でフォニックス指導をしていた。
6.家庭学習を促進する授業
テスト前日ということで、いつもとは違う活動。家でどれだけ音読してきたかを見る授業。たとえ英語が流暢でも教科書を勉強していないと活躍できない。教科書を暗唱しなければ話せるようにならない。学校から一歩出たら英語が話さない環境だからこそ、学校でたくさん英語を話す機会が必要。
7.生徒同士がお互いにヘルプし合う授業
助け合い教え合いが素晴らしく、早く席を立った生徒が最後まで座っていた男子生徒の席に近づき、ものすごく良い笑顔とジェスチャーで、男子生徒をヘルプしていた。とても素敵な笑顔だった。
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0 新著『中学生から始める英語フォニックス指導』
0 北原発信語彙問題集 Kahoot!問題集
1 じゃれマガカルチャー⑭
・Qに対して、正解の人、答えを声に出して言った人のみWPMを書くことができる。
(全員が参加する工夫)
即興発話練習
①先生が生徒に茶髪について問いかける。生徒はペアで競って答える。Have you ever dyed your hair? Do you want to dye your hair in high school? What would your parents say if you dyed your hair?(仮定法過去)(ライバルペアで行う)
②ペアで「茶髪」を自分の経験を交えて外国人に説明しよう。本文の語句や表現を使ってもよい。(協力ペアで行う)
2 北原先生還暦体育館での授業10周年祭
2014年2月24日(火)5時間目 2年生(26人)
1 Greeting
2 Routine Work 1 The Last Sentence Dictation (Writing)
始業のチャイムと同時にALTが教科書を音読する。生徒はリピートする。1年生の教科書を扱っているため、音読スピードは速い。生徒はチャイムの音を気にせず、音読している。教科書を音読し終えると、生徒はサッと教科書を閉じる。ここにも無駄な指示がない。自分が行っているクラスでは、
”Close your textbook.”
などと指示を出している。指示を出すから、その時間が取られてしまい、生徒は指示が出されてから動くように育ってしまう。「次は何をしなければならないのか?」を自分で考えて、自分で行動する機会が与えられている。自分で考え、自動化されているから活動の間がスッと切り替わるのだと感じた。ディクテーションはALTが1度音読をする。ターゲットセンテンスははっきりと発音していた。
(解説)長先生も行っていた活動。1年生の教科書はすべて覚えるつもりで繰り返し音読させる。
3 Routine Work 2 Vocabulary Building (Vocabulary)カテゴリー別単語
LSDで生徒が書き終わったころを見計らって北原先生が Today’s topic is fish. と言って、単語を書かせる。How many words did you write down? Who wrote seven?
など多く書いた生徒に単語を言わせていた。ALTはそれを聞いて、スペルをホワイトボードに書く。
(解説)これも長先生が行っていた活動。教科書には語数制限があるため、語彙を広げるために行う。生徒は生活用語が出てこない。「昨日魚を食べた」としか言えず、何の魚を食べたかを言うことができない場合が多い。
4 Routine Work 3 Song “Honesty” (Pronunciation)
Vocabularyの意見が出なくなった後、Collect paper.
と言って、生徒が後ろからディクテーションの紙を回収する。その間に英語の歌を流す。回収した生徒は各自、教卓に紙を置く。その他の生徒は歌詞カードを見て歌を歌う。今回はカラオケバージョンだった。ALTが生徒にマイクを渡し、生徒は大きな声を歌っていた。
歌が終わると、不正解だった生徒は起立。先生が間違いに対して解説・訂正する。立っている生徒に勉強したかを確認する。間違いをした生徒は先に自分が書いた用紙を教卓に取りに来る。その後、正解した生徒も取りに来る。友達のものを渡す生徒もいて、優しさが垣間見られた。ここで一度全員が起立して、立ち歩くことになる。しかし、間延びすることなく、サッと移動し、スッと自席に戻っていった。教卓に人が密集することになるが、その中でちょっかいを出すような雰囲気が全くない。指導が入るタイミングではあるが、生徒が自由にできる遊びの時間になっている。ずっと自席に座りっぱなしではなく、立って、体を動かすことで、集中力が続くようになると感じた。
5 Routine Work 4 Yomitore50 (Reading / Vocabulary / Grammar)
自席に戻るとすぐに生徒は読みトレを読み始める。ここでも指示がない。タイマーもセットしていないように見えた。そのため、生徒は自分で時計を見て、自分のタイミングで始めているのだろう。私が行う場合、どのページを扱うかを生徒に確認し、Today’s number is …のように指示をしている。しかし、北原先生の場合はページを伝えることもしない。生徒はどのページを行うか、自分で調べればわかることである。無駄な指示を極限まで削っていると感じた。
Qを読み、答えを生徒に言わせる。その後、ALTが範読をする。Grammar Huntの要領で、既習文法事項を教科書を使って復習する。
better thanについて、Where did you learn this? Stand up.
また、生徒が立つときにはTry not to make a noise.と伝え、他の生徒のことを考えて行動するように指導していた。細かな配慮ができることで、落ち着いた学習環境、ひいては学級経営につながるのだと感じた。want
toに関して、Program 6 Section 1, 2 or 3のどれかを、Show me your finger.と指示し、指で答えさせていた。「want toなので、Section 1」だと正解を伝えていた。不定詞の名詞的用法という文法用語は使わず、サッと復習を終えていた。既習文法事項のリサイクルの場面が設定されていることで、生徒は繰り返し、思い出すことができる。また、読みトレを忘れた生徒は教室を掃除し、静かに自席に戻ってきていた。
(解説)指示に使う英語は記号化される。そのため無駄を省き自動化させる。
6 Routine Work 5 Phonics (Pronunciation)
“Phonics”とALTが言う。(『フォニックス本』p.89参照)
1daily, 2nail, 3trail, 4Braille
ALTは口を隠して発音する。授業前に黒板に1234と書いておく。答え合わせのときは、dddd d/ai/ly
のように発音し、最初の文字をわかりやすく示す。
d/ai/ly n/ai/l t/r/ai/l What is trail? B/r/ai/lle 辞書で調べさせる。引いたら立たせる。Braille is used by … blind people. と受動態の復習を入れている。出てきた単語に応じて、既習文法事項をサッと取り入れて、生徒の耳に残していた。このあたりの英語力が必要だと感じた。答え合わせを終えた後、Perfect? 1 mistake? 2 mistakes? 手を挙げさせる。
7 “Before-Test Activity 1 ” Word Definition game(Sunshine24年度版)
試験範囲の単語を先生が英語で定義する。生徒はその定義を聞いて、どの単語かを当てる。発音が正しいこと、教科書に書かれている場所を指さす必要がある。そのため、帰国子女などどんなに英語が得意な生徒でも、家庭学習で教科書の音読をしていないと正解することはできない。しかし、苦手と感じている生徒も、教科書を繰り返し音読していると正解することができる。また、たまたまページを見つけられる偶然性もあり、誰もが参加でき、誰もが答えられるチャンスがある活動である。まさに逆転現象が起こる活動だった。北原先生がお話していたが、英語の授業で見せる生徒の顔と、他の教科や学級で見せる顔が異なることは、このように誰でも活躍できる場面が保障されている北原メソッドだからこそ、起こりうることなのだろうと考える。生徒は同じゲーム内では、1度発言すると、二度発言することはできない。答えていない人にチャンスを与える。ヒントは出しても良いため、ジェスチャーを用いて、仲間に教えていた。
北原先生が問う語彙の範囲が広く、深い。1つの語彙に対して、定義だけではなく、同意語、反意語、上位概念・下位概念を問う。また、正解を引き出すために使用するヒントが多様である。頭文字、語末、ジェスチャーで示す、抽象化・具体化、そのため、1年生のときからoppositeの意味を伝えてある。
the opposite word/meaning of “least” meatの下位概念。
What is he? – ALT
the beginning of the letter is “a.”
surprisingly同意語を言わせる
smoothly, speak fast, the end of this word is “ly.”
(解説)前もって原稿を書いているわけではない。そのぐらいの発話力・英語力が必要。
(考察)語彙に関して、意識を研ぎ澄ます必要があると気付いた。北原先生は1つの語彙に対して、いろいろな角度からアプローチされている。①発音・フォニックスルール、②同意語・類義語・反意語・多義語、③コロケーション、④言語機能・使用場面、⑤上位概念・下位概念、⑥接頭辞・接尾辞・語根、⑦コアイメージ、⑧ジェスチャー、⑨品詞などが考えられる。
様々な角度から北原メソッドの活動を通して、縦横無尽に1つの語彙にアクセスしている。例えば、スパイラルワークシートを作成することで、②同意語・類義語・反意語の角度からその単語にアクセスする。また、じゃれマガを作成する際には②だけではなく、⑨品詞も考える機会になる。そして、辞書指導をする際には②多義語、⑦コアイメージなどを学ぶことができる。北原メソッドを実践し、自分がワークシートを作る中で、自分自身の語彙への意識がより細かくなることができる。コスパ・タイパの北原メソッドが教える側の教師にとっての学びにもつながっていると感じた。1つの語彙に対して、北原先生がどのように指導するか(どのように、何を生徒に問い、どのように扱い、どのようにヒントを出しているかなど)を学びたい。
8 “Before-Test Activity 2” Card Swatting Game
次に先生が何を言うかを予測させるために行う。teddy bear を話した後、上位語である stuffed animal
が来るだろうと生徒は予想する。それを予測し、わざとstuffed chicken と言い、お手つきを誘う。これが教師の醍醐味だと北原先生はおっしゃっていた。授業の中に遊び心があることで、教師も生徒も授業を楽しむことができる。また、ハエ叩きを2本ずつチームに与えていた。
9 “Before-Test Activity 3” Gesture Game
解答する際、教科書を見ることはできない。中学2年生3学期になると、英文が長くなる。しかし、生徒はジェスチャーで頭の中にある英語を引っ張ってきていた。なかなか正解が出てこない問題に対しては、2点問題にするなど、その時々で指示を加えていた。難しくて解答を諦めようとする寸前に、ポイントを倍にすることで、生徒の集中力をコントロールしているように感じた。
10 “Before-Test Activity 4” Sentence Telepathy
教科書を持ってきても良い。いろいろな生徒が活躍できる授業。下線は文字数が多い単語の場合は長く書く。最後は団体戦。全員が書き終わったら勝ち。書いたら立つ、答え合わせをする。解答が終わった生徒は、ジェスチャーで座っている生徒を教える。英語が苦手な生徒に対して、複数の生徒がジェスチャーを用いて教えている生徒がとても微笑ましかった。そして、最終的に答えられなかった生徒が涙をふくジェスチャーをしており、自分の気持ちを表現することができていることから、この学級において、助けてくれる仲間がいる安心感、素直に自分の気持ちを表現して良いという信頼感が根付いていることが感じられた。まさに、授業で生活指導、学級経営を行っていた。
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第225回例会は、10周年祭、2015年2月24日赤坂中で行われた体育館での公開授業の様子を見ました。私は当時、カメラの後ろの席で見ていました。体育館に溢れんばかりの人だったのを覚えています。
J先生との息のあった授業の様子、当時は気が付かなかった事について本日はレポートします。
1.Greeting
2.The Last Sentence Dictaiton
3.Vocabulary Building ここまであっという間。”Fish”のお題で書かせている。教科書では足りない生活用語を補う活動。意外な生徒が活躍できる場面でもある。sea cucumber「なまこ」を知っている生徒がいた。
4.Song”Honesty” 大勢の前でも熱唱。むしろ見られて楽しんでいる感じ。普段の楽しそうな感じが伝わる。英語に自信が持てている。
歌の終わりまでに、採点を終え、北原先生は結果を全体に共有する。友達から学ぶ姿勢ができている。その後正解の生徒たちは集まってお互いに自分たちのシートを渡し合う。ここまで全く無駄がない。当時は何をしているか、よく分からなかったところがよく分かる。Dictationの採点は、歌の間に終わらせてしまう。慣れてくると、どのあたりがミスしそうかを予測できる。正解者のシートにだけスタンプを押す。そうすると時短になる。教科書を見れば正解は分かるので、生徒は自分自身でミスに気が付く。自立的学習者を育てる法則の一つである。
5.Yomitore50 質問に答えて正解ならWPMが記録できる。分かっているのに声に出さないのはダメ。さっと正解を読む練習。J先生の音読がヒントになることもある。音声で聞いて、「あー」と思えれば、なお良し。
6.Phonics フォニックスのリストはフォニックス本P.89に詳しく載っている。幹本にものっている。これを行うと音と文字に生徒は敏感になる。クイズみたいで盛り上がる。私はいつも2年生の3学期から行っている。Vocabulary Buildingと交互に行い、Dictationシートの裏に書かせている。
7.Word Definition Game 新出語彙を定義で説明し、教科書から探す。ページを探して示さなければならないため、教科書を使って家で復習をきちんとしていないとできない。定義を聞いて、日本語をイメージするトレーニングである。同義語や反対語の感覚も身につく。上位語と下位語を示すことにもなる。「知っている言葉だけを使っていては、使えるようにならないよ。」「友達が言える言葉は使えるようになるよ」この辺りがリンクする。北原先生もJ先生も台本を書いているわけではない。教師はこのような英語力がないとダメ。(耳が痛い)
8.Card Swatting Game J先生との日常会話の中に新出語彙をちりばめる。生徒は出てきた単語を聞き取って、ハエたたきでタッチする。いつもは床に並べるFCが見学者に見えやすいように、ホワイトボードに貼られている。トリッキー問題もあり、時制を意識すること、最後まで聞かないと間違えるものもある。次に先生が何を言うか、予測する力も大事。ハエたたきをバトンのようにチームで渡すので、発言していない生徒におのずとチャンスが回るような仕組み。
9.Gesture Game 2年生の後半の教科書本文を、ジェスチャーで導いて、再生させる。これは、教科書を見ないで行うため、しっかりと内容と英語がリンクしていないとできない。家庭学習を頑張った生徒が活躍できる。また、1年生からの単語→チャンク→時制→人称→語順のジェスチャーリーディングが積みあがっているからこそ、できる活動である。このトレーニングを徹底していると、ジェスチャーがヒントになって、英文を再生できるようになる。
10.Sentence Telepathy 今度は教科書を開けてよい。ボードに示されたヒントをもとに、書かなければならない。分からない子のところに行って、一生懸命ジェスチャーや表情でヒントを出している。ダイレクトに教えるのはダメだが、分からない友だちを置いていくのもダメ。生徒同士が本当の意味での協同学習を行っている。学びのピラミッドの頂点は、人に教えること。
その他北原先生の名言集です。
・生徒は自分たちが授業に没頭している。
・1回発言した生徒は、同じゲーム内では、答えられない。
・Teacher Talk、無駄な指示はいらない。言語を記号化してはいけない。
・流れや生徒の反応を見ながら、ポイントを増やす。Qを出す。
・継続的、体系的な指導の重要性。
・「あ、だから音読が大事なんだ」と実感させること。
・英語が得意な生徒だけでなく、逆転ができる授業。
・子ども目線で授業を行うこと。
・音を大事にする授業を。(英語は音から離れちゃダメ!)
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0「中学校から始めるフォニックス」(2024年大修館書店)
元大修館の編集者であるNさんからお話がありました。北原先生と時間をかけてようやくできた1冊であることが伝わってきました。4月以降にこちらを用いてご指導いただけるということで、楽しみにしています。
☆4月から北原先生の発信語彙問題集Kahoot!問題集
すでに杉並区のC先生からメールが配信されておりますが、3月の北研で実践があるとのことです。
1じゃれマガカルチャー⑭
今回のテーマは茶髪でした。外国人にペアで協力しあいながら、「茶髪」を自分の経験を交えて説明するというものでした。茶髪に対する考えをまとめることは簡単ではありませんでした。改めて当時を振り返りながら、学生の気持ちで説明してみます。
When we dye our hair brown, adults may think we are bad students. That’s because black hair has been considered the norm.
2北原先生、還暦体育館での授業10周年祭
2015.2.24の授業映像
1) Greeting
2) Routine Work1 The Last Sentence Dictation
J先生によるリピート音読練習。そのあとすぐに教科書を閉じ、英文が読み上げられる。最後に読み上げた英文を短冊シートに書く。
3)Routine Work 2 Vocabulary Building テーマはfish。
生徒は先ほどの短冊シートの裏側に、知っている魚の単語を書く。
いくつ書けたかたずねる。書けた単語を聞いていき、ホワイトボードに書いて共有。
短冊シートを集めている間に、次の活動の歌が流れ始める。
※このシートは、のちにディクテーションノート(兼ボキャブラリーノート)に貼り、裏の単語を写す。つづりの怪しい語やわからない語は辞書で調べる。幹本上巻(p.138)
※北原先生いわく、教科書に載せる語数には制限がある。生活で使う単語など、このようにして語彙を増やさない限りは増えない。例えば花をflowerとしか表現できなくなってしまう。しかし実際の場面では、特定の花の名前を用いて表現するのが普通だろう。
4)Routine Work 3 Song “Honesty”
生徒がマイクを回しながら歌っていました。堂々たるもので、見ているこちらが笑顔になってしまいました。
5)Routine Work 4 “Yomi-tore50 “ No.45
生徒は読み始める。1分経ったら質問をする。生徒が答える。その後、範読する。範読後は、いくつかの表現を、どこで学んだかたずね生徒は該当ページを開いて立ち上がる。椅子の音を立てないようにという声掛けがされていた。
※生徒が何度も教科書を開き、どこで習ったかを振り返れる時間を保証していることがわかる。
6)Routine Work 5 Phonics
J先生が、口元を隠して未習単語を発音し、生徒は書きとる。今回は二重母音aiを聞き取らせるためにdaily, nail, trail, Brailleを書かせた。
7)”Before-Test Activity 1” Word Definition Game
北原先生とJ先生が順番に試験範囲に含まれている単語の定義を言い、分かった生徒は前に出てきてピンポンを押し、マイクを通して答えを言う。教科書を見てもよいが、発音が違っていたら不正解となる。
※北原先生:日本語を介さずに定義を聞いて意味を理解することが大切!
※一つの活動で1度発言したら、発言権はなくなる。しかし、暇そうにしている生徒はおらず、他の子をヘルプしたり見守ったり、一緒に喜んだりしていた。先生は生徒の様子を見ながら、さらなるヒント(例えば最初の文字はp)を与える場面もあった。
8)” Before-Test Activity 2” Swatting Game
ホワイトボードにフラッシュカードが何枚も貼ってあり、Team KitaharaとTeam Joelに分かれた生徒がハエタタキを手に持ち、北原先生とJ先生のやりとりで発話された単語のカードを、カルタのようにとる。それぞれのチームでハエタタキをバトンのようにして次の人にパスして、どんどんカードをとっていく。
※下位語が先に出てきた時、おそらくその後に上位語が言われるだろうと生徒は予測して、ハエタタキを構えていた様子が見られた。北原先生曰く、生徒には、次に何を言われるか予測する力も必要。だからこの活動をしていたとのこと。
9)” Before-Test Activity 3” Gesture Game
先生のジェスチャーを見て、生徒は試験範囲の教科書の文を言う。教科書を見てはいけない。
※普段の音読から、ジェスチャーリーディングをしてたくさん読んで暗唱していなければ、これはできない。帰国子女でもできない。勉強すればできるから逆転現象も起こる。
10)” Before-Test Activity 4” Sentence Telepathy
北原先生がイギリスのエクセター大学で学んだきたもの。先生はホワイトボードに試験範囲の文をあらわす線を書く。例えば、Oh, did you? なら、_ , _ _ ?というように書く。生徒は教科書を見てよい。このヒントから、Oh, did you?を予想し、前に出てきてピンポンを押し、答えを言う。
11)Closing
授業全体を通して、先生の指示はほとんどない。例えばOpen your textbook.のような記号化してしまうような指示は一度もない。記号化している言葉がないからこそ、先生が発する言葉を生徒はしっかり聞くという姿勢ができている。本来コミュニケーションというのはそういうものであるはずだが、一旦記号化されてしまうと、言葉の重みが感じられなくなり、大切な発言も聞き逃されてしまうことがある。Routine Workはもちろん、テスト前の活動も生徒は何度も受けておりそのやり方を知っているから、生徒の動きは慣れたものであった。600人を超える観客がいようがいつも通りの授業風景という感じで、堂々と授業を受けていた。生徒一人一人が、自分が今何をすべきか分かっており、周りは大丈夫かというところまで気にかけており、能動的に授業を受けている様子がすべての活動で見られた。
温かい雰囲気、誰かのためにも頑張る、前の自分よりもできるようになりたい、みんなができたらみんながうれしいという感じが伝わって来る授業だった。授業のレベルはとても高い。できる人は自分の力を試せるし、教科書にない単語にまで触れられる機会があるし、一方で振り返りの時間も保証されている。生徒は、常に発話したりジェスチャーしたり、聞いたり読んだり書いたり頭はフル回転、立ったり座ったり体の動きも忙しい。先生の指導案にあるようにwriting, vocabulary, pronunciation(song), reading, grammar, phonics, listening, speakingと次から次へと様々な技能を使って、多くのことを学んでいる。Word Definition GameやSwatting Gameの表現は、その場で出てきた表現とのこと。決めた原稿を言わないという先生の英語力の高さが、生徒のモチベーションにつながっていると感じた。毎回違う文型の表現が出てくるから、生徒はそこから吸収することができるのだ。
当時感じたことと重複することも多いが、あれから10年、自分がどんな無駄を捨て、何を変えてきただろうか。10年経った自分の授業は成長したのだろうか。少しでも生徒のためになる授業に近づけているのだろうか。改めて深く考えさせられる例会となった。
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0 新著『中学生から始める英語フォニックス指導』
北原先生は今年は、この本を抱えて全国を回り、「音」中心の授業のための研修をされると宣言されました。
大修館書店の編集者、Nさん(御歳76歳)が参加されました。この本は2年の月日を費やしたが、こんなに時間をかけた本は初めてだと。8人いらっしゃるお孫さんの学校教育を間近に見て、英語教育について少し語ってくださいました。中学生のお孫さんの受けている英語授業は自分が中学生だった頃と全く変わっていない!
北原先生曰く、Nさんとは、新著を執筆している最中に意見が合わずに何度も戦った・・と。
Kahoot 語彙問題集 MLにアップされている。
1 じゃれマガカルチャー
・範読されたあとの品詞の確認(・change 2か所動詞、3番目のchangeは、名詞の確認)
・look for~ ジェスチャーで確認。
*「間違っていた人、声を出していなかった人はWPMを書けません!」の最後のこの一言にはっと気づきました。普段の授業で声を出していなかった生徒にこのように一言付け加えていなかったのです。これ、大切でしたね。(声を出さない=反応しないということで、英語を学ぶ上で最もやってはいけないことですからね)
・即興発話練習
1 Have you ever dyed your hair? Do you want to dye your hair in high school?
What would your parents say if you dyed your hair? (←task 1は、2人ペアでどちらが早く返答できるか競争)
2 ペアで「茶髪」を自分の経験を交えて外国人に説明しよう。
2 北原先生還暦体育館での授業10周年祭
2015年2月24日(北原先生の60歳のお誕生日)
港区立赤坂中学校の体育館に全国から612名の英語教師が集う。
私も、10年前のあの日赤坂中学校の体育館で歴史の1ページを目撃する証人となりました。
研究授業開始の数時間前に赤坂中に着き、少し早すぎたようで、ミッドタウンまで散歩して戻ってきた時にはもう玄関の中は全国から集まって来られた先生たちの列ができたところでした。一番ではなかったけれどまずまずの順番を確保。体育館では、アリーナ席、つまりホワイトボードに向かって左横側、先生と生徒の両方の表情をしっかり見ることができる席におさまることができ、ホッとしたことが蘇りました。あれから翌月の北研で「北研ファイナル!」でも拝見したビデオですが、今回も拝見して色褪せることのない新鮮な驚き、気づき、衝撃、情熱を感じることができました。本当に良いものは、どんなに月日が過ぎても良いままで私たちに示唆してくれるのだと改めて学ぶことができました。
〇Teaching Plan of English 2015 (FINAL)を読む
〇ビデオ視聴
Date: 5th Period (13:25ー14:15),Tuesday, February 24, 2015
Class: 2nd year Kitahara Course, Akasaka Junior High School 26students( 11 boys ➕15 girls )
1 Greeting(ほとんど、挨拶した印象がない。やったとしても始業前に軽く)
2 Routine Work 1 The Last Sentence Dictation (3min.)チャイムと共にtext reading aloud Students repeat after NT
3 Routine Work 2 Vocabulary Building (3min.)・・・長先生と全く同じやり方とのこと。
4 Routine Work 3 Song “Honesty” JTE plays the CD player. JTE checks the dictation paper.
5 Routine Work4 “Yomi-tore 50 No. 45
・Q&A
・NT reads the page aloud for Ss’ further understanding. (NT:NewZealand teacher: J先生のこと)
北原先生からの質問
・better than どこで習った? ・2nd line from the bottom , I’m going to ~
“Where did you learn?” ・I want to learn. Unit 6 Section 1,2,3を指で答える。
(これと同じto不定詞をどのセクションで習ったかを確認させる。生徒は指で1、23を示し、先生に見せる)
6 “Before-Test Activity 1” Word Definition Game・・・画面のホワイトボードに貼られたフラッシュカードを見て、参加者もわかったら挙手をしました。
Listening Vocabulary (12 min.)
7 “Before-Test Activity 2” Card Swatting Game(10min.)・・・JETとNTの会話を聞いてその中で使われた新出単語をハエ叩きで叩く。予測する力をつけさせる目的。
8 “Before-Test Activity 3” Gesture Game (5min.)・・・いかに箱読みの宿題をやらせるか、やっている生徒がこの活動で勝つことができる。教科書は見ないで行う。
9 Sentence Telepathy (5min.)・・・ホワイトボードにJETとNTが順に試験範囲の教科書の本文から選んだ当該センテンスの単語数だけ下線を引く。
10 Closing (1min.)
*自分の気づき、グループ討議
いつ拝見しても同じ感想にはなりますが、本当に先生の指示が全くない。全国から集った先生方のために英語で説明をする場面もあったが、普段のテスト前活動ではそれは、していない。2年生の3学期期末テスト前の活動なので、生徒はすでに9回この活動を経験済み。生徒の動きにも無駄がない。生徒は流れや、やるべき事をよくわかっている。そして北原メソッドの基本、競争心を巧みに取り入れた生徒を夢中にさせる要素が散りばめられている点。テスト範囲の勉強がどれだけ十分にできているかは、生徒自身が活動を通してわかる仕組みも素晴らしい。そして普段の授業で音を大切に学んでいるからあれだけの長い一文でも教科書を見ないで言える。発音も全てしっかりして。このテスト前活動は学期に2回ある、生徒にとっては誰でも主役になれるそして、日頃の練習の成果を存分に発揮できる運動部の試合のようなものなのではないでしょうか。そして一番できない生徒のところに同じチームの生徒が集まって、一生懸命にジェスチャーで教えているところも英語の学習だけではない、生徒指導につながる協力、学びあいの真髄を見せて頂きました。
あの時の興奮が蘇るような10年ぶりのビデオ視聴でした。
テスト前活動は、ずっとやっていますが、自分のはまだまだ、速さや質、量に不足を感じます。このビデオをA LTへの指導用として見せたいと思いました。ぜひ、ALTとの連携がうまく運ぶようにこのビデオを見せたいです。北原先生、どうぞご一考お願いいたします。
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はじめに、北原先生の新書「中学生から始める英語フォニックス指導」について、大修館書店の編集者のNさんからお話しを伺いました。発刊まで多くのご苦労があったそうです。
小学生のお孫さんの授業参観日に、外国語授業を見てがっかりしたというお話にドキッとさせられました。
北原先生は今後、この本を基盤に全国を周り、音声からはなれない授業を広めたいとおっしゃいました。7月上旬に、新潟市に来ていただき、教員向けの講座をしていただくことになっています。今から楽しみです。
1 じゃれマガカルチャー⑭
お題は”茶髪”
即興発話練習として、内容を読み終えた後、3つの質問がされました。そのうちの一つに仮定法が含まれていました。10年前の教科書では取り扱われていない文法事項ですが、内容がわかっていれば、問いの内容も容易に理解できると思いました。
更に、文中に3回出てきたchange、それぞれの品詞を確認しました。
2 北原先生還暦体育館での授業10周年
「伝説の赤坂中学校体育館での授業」、北研で何回も耳にしており、私も観たかったなぁと常々思っていました。
今回、北原先生ご本人から解説を交えながらのビデオ視聴は、大変楽しく身を乗り出して見せていただきました。圧巻な授業でした。計算しつくされているけれども、シナリオ通りの授業ではなく、生徒やALTとのやりとりがごくごく自然で、見ていて吸い込まれそうでした。
この授業は、試験直前の授業であり、5つのRoutine Workと4つのBefore-Test Activityから構成されていました。
多くの先生方が、試験前に「自習」(放任)する授業を許せなかったという北原先生。生徒が一番「勉強したい」と思っているその時期をないがしろにしてしまってはいけないと思われ、構成されたというところに衝撃を受けました。赤坂中2年生の生徒たちは、この試験直前授業を受けるのは9回目だったそうです。生徒は、何をするのかをわかっているので、たくさんの活動をスイスイとこなしていました。北原先生は、会場の先生のために英語で説明をされていましたが、生徒は説明なしで動ける状態であったとのこと。慣れているから淡々と進む授業ではなく、生徒の豊かな表情と笑顔、互いに自然に助け合う姿が随所で見られた、素敵な授業でした。
1️⃣ Routine Work 1 The last sentence Dictation 1年生の教科書の既習済み内容から出題(予告済み)
J先生による音読練習後、教科書を閉じ、先生が読む英文を聞き、最後に読まれた文章を小さい紙に書く→予告済みだけれども、どの文になるかはわからないのでドキドキ感があります。
2️⃣ Routine Work 2 Vocabulary Building トピックはfish
生徒は、1️⃣で記入した紙の裏に知っている魚の単語を書く→教科書内の単語では語彙力は広がらないので、生活用語や花の名前など、このようにして語彙力をつけさせることが大事だそうです。
※1️⃣と2️⃣は長先生と同じ手法
3️⃣ Routine Work3 Song ”Honesty”
マイクで熱唱する男子生徒が可愛すぎました!
先生は、歌が流れている間に1️⃣と2️⃣で記入された小さい紙を回収し、1️⃣の文の添削。スペルミスやスペースがない書き方をしている生徒に声をかけながら返却されていました。
4️⃣ Routine Work4 Yomi-tore 50
生徒が読み終えた後に、質問。その後判読。既習済みの表現はどこで習った確認させていました。
5️⃣ Routine Work5 Phonics→フォニックス指導
J先生が口元を隠して言った単語を書き取っていました。二重母音aiの指導をされていました。
6️⃣ “Before-Test Activity 1” Word Definition Game
北原先生とJ先生が、交互に試験範囲の単語に関することを言い、わかった生徒が答えを言うゲーム。教科書を見て答えてもよいが、発音が合っていないと不正解。また、1回発言したら次は発言できないので、答えていない友達をヘルプする姿が生まれていました。この日本語を介さない活動で、上位語と下位語、同意語を増やすことが可能となっていました。
7️⃣ “Before-Test Activity 2” Card Swatting Game
ホワイトボードにフラッシュカードが所狭しと貼られています。クラスを2グループに分け、先生方の会話の中で出てきた単語をハエ叩きで取っていくゲーム。ハエ叩きはバトンのように、使用したら次の人に渡していました。活動していると、生徒は時制に弱いということも判明しました。
8️⃣ “Before-Test Activity 3” Gesture Game
教科書を見ずに、先生のジェスチャーを見て、試験範囲の教科書の文を正確に言うゲーム。いくら英語ができる生徒でも、教科書をきちんと勉強していないと答えることができないし、普段からジャスチャーをつけて読んでいないと覚えられないという活動でした。
9️⃣ “Before-Test Activity 4” Sentence Telepathy
ホワイトボードに ーーー?のような下線と記号が書かれ、教科書を見ながら試験範囲の教科書の文を推測し当てるゲーム。答えられた子は、答えられない子に、ジェスチャーでヒントを出して一生懸命助けていました。この姿もとても可愛らしく、微笑ましいワンシーンでした。
全ての活動が音声からはなれない、北原先生の「言語を記号にしない」というお言葉通りの授業でした。
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(今月の北研)
〇北原先生の最新本「中学生から始める英語フォニックス指導」北原延晃著、清水あつ子音声学専門校閲(大修館書店)発売!!
中学生のためのフォニックスの決定版です! 音声学の本を作るのはとても大変だったと思います。大修館書店のベテラン編集者Nさんとタックを組んで、長い時間をかけて、ときに音声学的見地からバトルを繰り返して完成したそうです。音声校閲の清水あつ子さんは、東京外大の音声学の権威・竹林先生(元外大学長先生、研究者の英語辞典などの監修者)の教え子さん。4月からの新入生の姿を思い浮かべながらこの本をよく読み、指導実践に生かしていきたいですね。まわりの多くの先生方にも教えたいですね! 先生はこの本の紹介と指導のために全国で講演をしてくださるそうです。夏の講習会などで呼びたい方はお願いしましょう!長野にもぜひおいでいただきたいです! 今日のゲストは長年英語編集をされたNさんで、製作の様子をお話しくださいました。個人的な話の中でも講座の中でも次の事実を教えてくれました。私が初任時につとめた出版社・アスク講談社の同期で仲良しのB君は、大修館でNさんと同時期に働いていたそうです。B君は英語大辞典ジーニアスをヒットさせ、ジーニアスを電子辞書として世に出して大ヒットをさせて取締役となって大修館の屋
台骨を支えたそうです。そのB君は赤坂中での私たちの英語劇Friendsの舞台にバラの花束をもってかけつけてくれました。もうひとつの偶然が、私がModel Productionで英語劇をしたとき、一緒にスタッフとして働いてくれて今も同窓会を仕切ってくれているYさんは、大修館の創業者のお嬢さんだったそうです。Yさんと1月におしゃべりをしていて初めて知りました。なんと「渡る世間はせまいわよ」で、行き会う人、出会う人たちは、ひとつのリングのように、どこかしら何かで繋がっているようですね。
〇本日のじゃれまがは、宮崎から駆け付けられたスーパーティーチャー、北研旅行部の名誉会長に指名させていただいたT先生でした! 2時間半、ご一緒させていただいてとても楽しかったです。
〇伝説の「北原先生還暦 体育館での研究授業」
・600人の参加者を数えた「伝説のあの研究授業」のビデオを視聴して眼福でした。J先生とぴったり息のあったスーパー授業を見せていただきました。あの時の感動と目新しさも全く変わりません。一番後ろの列のHonesty♪をシャウトする男の子(1年後はFriendsキャスト)、長女役や次女役の女子生徒さんたちの動きや声もあのときのまま。よく覚えています。これ以上の研究授業は、あとにも先にも日本にはないでしょう。
・この研究授業の前年、私はTOSS(Teacher‘s organization of Skill Sharing)の夏の全国大会で、中学の英語の先生方の前で「北原先生のジェスチャー・リーディングを取り入れた授業」を紹介しました。先生方から大きな反響がありました。「この方法はすごい!」「もっと詳しく教えてほしい!」「北原先生の授業が見れないも
のか」と問い合わせが殺到しました。先生方に「今度、北原先生の大きな研究発表があるから一緒に行こう」と誘って、兵庫県からの二人の先生と一緒に研究授業の参観をしました。兵庫のM先生と、T先生、同じくTOSSで一緒に学んでいたK先生。4人で一番前列(北原先生のすぐ横)で研究授業を目におさめました。北原先生に敬意を表して新調したスーツで参観しました! 10年前、あの頃私も若かった。北原先生も若くダンディで素敵でした!!
・北原先生は落ち着いて威厳たっぷり。立派なお髭がありました。北原先生にGoodTrainingをされて流暢に授業をされるJ先生。二人の息がぴったり合っていて素敵でした。TTだからできる最高のパフォーマンスだという感じで、とてもうらやましくまぶしかったです。当時ALTの業務が規制されていたこともあり、いろいろな質のALTとやっていく中で悩み多かった私には「いつかたどり着く場所」を見せていただき、TTの具体的なイメージとなりました。念願かなって、今は理想的な感じで、息ぴったりなTTができるようになりました。よいイメージをいただけたことがその後に強く影響をすると思います。
・Words definition=北原先生とJ先生が語彙のヒントを次々に英語で出し、生徒がその語を答えます。英英辞典のオーラル版です。絶対にこの授業をやりたい!と思いました。そして実際にカナダのALT, アメリカのALTたちとやってみると、どの先生も「ネイティブの自分たちにもこの活動は難しくて、うまく流暢にヒントを出すのが無理。脳をめちゃめちゃ使う。頭がヒートアップして熱くなった!」と話していました。その場で、言葉の意、意を急に聞いたりすると、すぐにうまく答えられないネイティブの先生も多いです。また、中学3年分の語彙、表現の配列がわかっているJTでないと、ALTの先生がヒントを出すのはなかなか難しいのだと思います。一方で、この活動で英語のヒントをいかに流暢にうまく出せるかはJTの技量にかかっているの
で、教師自身の指導力、語彙力を測ることのできる適切な指標になるかと思います。
・単語はえたたきゲーム=TTが流ちょうに話している会話の中で聞こえた単語カードを、生徒が順にはえたたきでたたいてあてる活動。生徒は耳を傾けて英語を集中して聞くことになり、先生の話す言葉を予想してあてる練習になります。「テスト直前の活動でこの活動をするとは!」と当時は驚きました。一番やってみたい活動だったので、戻ってすぐに100金ではえたたきを10本そろえ、中1、中2の活動の中に取り入れました。すると生徒たちは夢中になって、ばんばんカードをハエたたきでたたくので、時々友達の手にあたって流血することがありました。危険なので、学期の終わりには「単語学習のまとめ」として、体育館を借りて床一面に並べて単語カードとりゲームをしました。生徒たちは楽しいのとはりきりすぎて、足をすりむいたり転んだりする場面も。全員が集中して夢中になる活動です。「H先生の英語の時間は、なぜか血を流してけが人が出る」という小さなうわさもありましたが、楽しくてよい活動なので仕方ありません。
・当時の私の指導力では、「テスト直前にこのような活動をするのはとても無理」と感じましたが、今は「テスト前だからこそ、教科書の語彙や表現、英文をすべて嘗め尽くすようにトレースする、このような活動が有効だ」→It works!と断言することができます。10年前にはもてなかった思想や指導が、今はだいぶ理想に近づいているように感じ、自分自身の研鑽の積み重ねの成果も感じることができました。
北原先生がイメージしたように、2月も素晴らしい例会になり、懇親会になりました。すべて北原先生、参加した私たちの力となり、エネルギーとなり、幸福感となりました。そのエネルギーの総和は、このレポートを読んでくださる全国の先生方に伝播することと思います。ありがとうございました。
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0 新著「中学校から始める英語フォニックス指導」
元大修館の編集者であるNさんからのお話
音声学に関わる内容であるためなおさらなのかもしれませんが、専門家の方々の意向や思いを摺り合わせながら、大変なエネルギーを注がれて完成に至っていることがよくわかりました。CEFRの関係で、現在は英検が簡単になっており、以前の準2レベルが現2級レベルになっているというのも興味深いお話でした。
0’ 北原発信語彙問題集kahoot!
私自身はほとんど自分でKahootをやったことがありません。Kahootを授業の帯活動として活用している授業を何度か参観する中で、単なるゲームになっているのではないかと疑問に感じることもありました。このような素晴らしい教材を提供していただき、大変ありがとうございます。使い方をぜひマスターしたいです。
1 じゃれマガカルチャー⑭
(1)Reading:下線で指定されている単語の品詞を□に記入しながら読み進める。
(2)北原先生からの質問(Q:Why do students change back to black again?)に答える。間違いや無解答の場合は
WPMに記入できない。
(3)異なる品詞として使用されている単語(change:形、動)の確認、ジェスチャーを用いて大切な熟語の意味を確認(looking for)。
(4)即興発話練習
①じゃれマガの内容(茶髪)についての北原先生のQにペアで競争して答える。速く正確に答えたら1ポイント。
②ペアで「茶髪」を自分の経験を交えて外国人に紹介。
・「内容理解」→「Qsに答えながら自分の経験に結び付けたり、自分の考えをもつ」→
「具体的な場面の中で会話活動」の流れだった。「質問に答えながら自分の経験に結び付けたり、自分の考えをもつ」部分があることで、即興会話につながりやすい。
2 北原先生還暦体育館での授業10周年祭(600人が参観)
(1)The Last Sentence Dictation(前年度の教科書を活用)
①J先生が英文を読み上げ、生徒がリピート。
②生徒は読み上げられた最後の英文をスクリプトに書く。
・どの英文が最後になるかわからないので、とても集中して聞いている。
・前年度の教科書、しかも、しっかりと音読し暗唱してきたことが活かされた活動。
(2)Vocaburary Building
①J先生がホワイトボードに本日のトピック(今回はfish)のイラストを描く。
②生徒は、The Last Sentence Dictationのスクリプトの裏に、トピックワードをできるだけたくさん書く。(Tuna、Salmon、Whale、Octopus 、Dragon fish 、flying fish、Shark、etc)
③最もたくさん単語を書けた生徒が、単語を読み上げ、それ以外の単語があれば他の生徒が読み上げる。
・日常語に触れさせる。とても力がつくとのこと。教科書だけではカバーできない日常語をこのような活動で増やしていける。スクリプトをノートに貼り付けるため、単語を再度書くことにつながる。
(3)Song “Honesty”
①”Honesty”
のカラオケが流れ、生徒がノリノリで歌う。J先生がマイクを回したり、生徒の側に行って歌声に耳を傾けたりして、うまく雰囲気を盛り上げていた。後列の男子生徒はシャウトしていた。
②北原先生は生徒が歌っている間にスクリプトのチェック→返却しながら間違いを指摘。
・このように短時間を利用して生徒の英文をチェックし、即座にフィードバックすることで、生徒に正しい英語が定着するのだろう。
(4)”Yomi-tore 50” No. 45 (浜島書店の教材)
①生徒が「読みトレ」のNo.45”Manga”を黙読。
②北原先生がWPMの確認。How many words?
③J先生が音読。
④北原先生からのコメントや質問。文法項目(want to 不定詞)の復習として、生徒に教科書のページを確認。
・常に復習、生徒の定着を確実にするための声掛けが活動のいたる場面に埋め込まれている。
(5)Phonics (詳細は「中学校から始める英語フォニックス指導」のpp.89-90)
①J先生が口元を隠して、未知語(d*a*ily, n*a*il, tr*ai*l, br*ai*l)をそれぞれ2回発音し、生徒は聞き取った単語をノートに書く。
②北原先生が音と文字との関係を示しながら、ホワイトボードにスペルを書いて答え合わせ。
Bが大文字であることに触れ、”Braille”を辞書で調べさせる。見つけた生徒は立ち上がる。
・口元を隠すのは、生徒がフォニックスのルールを活用して音から単語を正しく書けるようにするため。計画的・継続的なフォニックスの指導の効果が表れている。
(6)”Before-Test Activity1” Word Definiton Game (2チームに分かれて対抗)
①北原先生とJ先生が新出語を英語で説明し、生徒はその単語を教科書内に見つける。教科書のどこにその単語が書かれているかを実際に示し発音すること。発音が間違っていると正解にはならない。チームメイトにヒントを出してよい。発言は一人一回(→全員に発言のチャンスあり)。定義する際に必要な表現(Oppositeなど)は指導済みとのこと。
②北原先生もJ先生も、事前準備なくその場で発話している。それだけの英語力が必要。
・全員に発言のチャンスがある。英語が得意でなくても、教科書をしっかりと音読している生徒が活躍できる。発音の重要性もしっかり意識させる。
・私自身も生徒と一緒になって、先生の定義を聞きながら又は聞いた後も、何度も単語に目を走らせ、定義の単語を探そうと集中していた。見つけた瞬間の「やった!あった!」という生徒の達成感を体感した。
(7)”Before-Test Activity2” Swatting Game (2チームに分かれて対抗)
はえたたきは各チームに3本くらい。
①北原先生とJ先生のカジュアルなやり取りを聞き、その対話の中にホワイトボードに貼られている単語が聞き取れたら、はえたたきでヒット。先生の話す内容から、次にくる単語を予測する力がつく。(上位語
→下位語など)先生がわざと引っかけの発話をすることもあるので、しっかり最後まで聞かないと正解できない。
・私たちは常に相手の次の言葉を予想して対話しているし、予想することで単語が聞き取りやすくなる。このような当たり前に必要な場面を授業に取り入れるという発想がなかったのでとても勉強になった。
(8)”Before-Test Activity3” Gesture Game (2チームに分かれて対抗)
①北原先生とJ先生が、交互に既習の本文(テスト範囲?)をジェスチャーで示す。
②生徒は教科書を見てはいけない。正確な文を再生できる生徒はリズムマシーンを押して発話。
・2年生の終わりに扱う長い文はジェスチャーがなければ思い出せないし、引っ張り出せないとのこと。かなり長い英文を英語らしい発音でしっかりと発話する生徒にびっくりした。この活動が用意されていることで、生徒は英文を暗唱できるまで音読練習するのだと納得。
・2月の定例会で、M先生がBasic Dialog
を体験させてくださった際に、ジェスチャーの効果を実感しました。今回の生徒の様子からその効果の大きさを再認識しました。
(9)”Before-Test Activity 4” Sentence Telepathy (2チームに分かれて対抗)
①先生が、ホワイトボードに英文を示すラインを引く。
②生徒は、ホワイトボードに引かれたラインに一致する先生の頭の中にある文章を教科書本文から見つけ、リズムマシーンを押して答える。教科書は見てもよい。(実際に発話するときは生徒は教科書は見ていないようだった)
③7は団体戦。チームの全員が書き終わったら5ポイント
1. , ?
2. , ?
3. , ?
4. * a * * i .*
5
6
7
・ヒントとして最初の文字を与えたり、単語の長さに合わせてライン長く引くなど、いろいろな生徒が活躍できるような支援が行われていた。できないチームメイトに明るく一生懸命にヒントを出している女子生徒の姿がほほえましかった。
指示がなくても生徒はどんどん活動を進めていて無駄がなく、生徒の活動量の多い授業に圧倒されました。生徒の活動量が多いことはもちろんですが、先生と生徒の和やかな中にも規律ある関係性、生徒同士の温かなつながり、とにかく夢中になって取り組んでいる授業を見せていただきました
。今回の授業動画から、授業づくりの基本をもっと大事にしなければならないことを強く感じました。
・「家庭学習を促進する授業」であること(やらされている家庭学習ではないこと)。
・努力した生徒がその成果を発揮できるような場面を作ること。
・一人一人の活動状況をしっかりと見取り適切にフィードバックしたり対応したりすること。
・生徒が、先生が自分をしっかりと見取り、力を伸ばしてくれると感じるからこそ、信頼関係が生まれること。
・英文を暗唱しなければ、英語を話せるようにならない 英語の回路を作るためには音読と暗唱。
・必要のない指示は不要。言語を記号にしてはいけない。
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赤中体育館で行われた伝説の授業映像を見ました。このころは僕が赴任前なので僕が教えたことのない生徒のメンバーです。以前に一度拝見した映像でしたが、今回驚いたのは、なんといっても生徒の発音の良さです。僕が研究授業やら公開授業を見て、自分が携わっていない生徒の発音に驚くことはほとんどなく、それどころか「やっぱりうちの生徒のほうがうまいなぁ」と思うことが多々あります。今回拝見した北原先生が教える生徒たちの発音は、今僕が教えている生徒たちより遥かにうまく、流暢でした。そして、途中まで映像に映っている生徒たちを3年生だと勘違いしていました。いや、彼らの英語の定着度、レベルの高さにそう勘違いさせられていたと言った方が正確だと思います。なんと2年生。今僕が大森第六中学校で1年生からマネージメントし続けている生徒たちと同じだったのです。衝撃です。
授業内容はテスト前に扱うゲーム。”Word Definition Game”, “Card Swatting Game”, “Gesture Game”, “Sentence Telepathy”の4つでした。そのうち”Card Swatting Game”は個人的に授業でやったことはありませんが、他3つは、北原先生と一緒に教壇に立たせてもらって以降、 異動してからもずっとテスト前に扱っている活動です。
そして、このレポートを書いている日である今日も、そして昨日も、勤務校で同じゲームをやってきました。映像で見た生徒たちと同じ学年、同じタイミングで同じ活動をやってきましたが、やはり北原先生のあの生徒たちにはかないません。今回の北研で衝撃を受け、実際に自分で授業をやって昨日、今日で再び衝撃を受けております。
歌を歌う時の声量、ピンポンを鳴らしに行く生徒のスピード、活動への食いつき方、盛り上がり方、発話のスピード、リンキング、教科書を見ないで本文を再生できる音読量、生徒による生徒へのサポートの熱・・・・。
図らずしも、自分の襟を正すどころか、埋めなければならない差を考える切っ掛けとなった北研 でした。
懇親会では、いつものカレー屋さんに行きました。店内の半分を北研メンバーが埋め尽くしました。たくさんの先生とお話ができて楽しかったです。またの機会を楽しみにしています。
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〇北原先生還暦体育館での授業
授業案を確認してから映像を観た。
Activityの繋がりが凄くスムーズだが,生徒はやることを理解し簡単に活動を行っている。
余計な指示がないため,指導がゆったり見えるのに時間通りに進んでいた。
北原先生とALT J先生が作り出す空間は,生徒たちが生き生きと活動できる最高の場所になっていた。
伝説と言われる授業の凄さを他の北研メンバーと共有できて非常に良かった。
以下,勉強になった点
・TTが阿吽の呼吸で成り立っていた。ALTの先生も素晴らしい方だった。お互いの役割を理解した上で補い合っていた
・Vocabulary Buildingではfishのお題で出来る限り多くの種類の単語を書かせる。教科書以外でも重要な単語は多いため,このように身近な話題は最適。他の生徒が答える解答を聞いてより勉強になる
・Songでは堂々と歌う生徒が印象的だった。歌うのを楽しんでいた。赤坂中の生徒たちの発音の良さはこのような歌のお陰だと感じた
・読みトレ50では1分で読ませて範読していた。あっという間の活動で時間を無駄にしていない。読みトレの登場人物の一人が北原先生の娘さんと同じ名前と聞けて驚いた
・Card Swatting Gameはハエ叩きを持って走る生徒が衝撃的だった。他の北研メンバーの先生も行っている活動。語彙力向上や予測力の向上になる。生徒は時制が弱いとのこと
・できない生徒をまわりの生徒達が助ける姿は素晴らしかった。ジェスチャーで教えようと一生懸命な生徒たちを見て感動した。助け合うことは人格の成長にも大切な要素と感じた
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. はじめに
3か月ぶりの北研!もう何度も通い、自信をもって歩けるようになった蒲田駅からの通い慣れたN先生の学校、S中。来月この道も最後だと思うと寂しさと同時に毎月北研の学びの場として勤務校を貸してくださったN先生に感謝を申し上げたい。途中、R先生とお会いしおしゃべりしながら急ぎ足であっという間にS中に到着。北原先生のことがとても心配だった。心中をお察しし、それでも今日北研を開いてくれたことに感謝したい。少しでもお力になりたいと思った。
ゲストとして今回先生が出版された「中学生から始める英語フォニックス指導」の出版社、大修館書店のNさんのお話を聞く。Nさんは一度65歳で退職されたが、黒潮出版に呼ばれて仕事を続け、現在75歳までお仕事をされている。きっかけは、お孫さんの授業参観で英語の授業が昔と全く変わっていないと驚愕したからだそう。文科省で月に1回意見を言う機会がある。文科省はAIが先生の研修を行い、評価をAIが行うなどのシフトを行っており。新年度予算の6割5分がAIに充てられている、と将来の日本を憂慮されていた。私は、作文指導や発音指導にAIを取り入れているが、せめて教員の研修は、先人が経験を若い先生方に直にお話しし、血が通い合うやりとりや問答によって次世代の教員を育てて欲しい。また、最近の英検はCEFRの評価基準に合わせているために、準2級の合格基準が3.2級くらいに下がっているらしく合格しやすいとのことであった。
※☆印は感想
1. じゃれマガ
(1)Q:答えは?と先生が生徒全体に問い、全員が答える。
①時間内に終わらなかった人 ②答えなかった人 ③答えられなかった人 は、WPの数字なし!
☆「他の人と同じ人はWPMを入れて!間違えた人は数値なしです!」と言われ時に、急に私は焦った!「ぼやぼやしてると置いていかれる!」
生徒も同じ気持ちになるのだろう。北原先生の言葉一つで生徒のモチベーションは変わる。言葉の力が凄い!
(2)即興発話練習 (KT:北原先生)
Question: Have you ever dyed your hair? Do you want to dye your hair in high school? What would your parents say if you dyed your hair?
①K T: “Make pair near to you. Sit down. The first who answer first is winner! [rival pair: ペアで競う]
②K T:”You cooperate to explain the foreigner in front of you.” [cooperative pair:協力] ☆隣の人とならハードルが低く、限られた時間で私もペアの先生と全力で話せた。
2. 北原先生還暦体育館での授業 (2015 Final) 於:赤坂中 北原先生&J先生
☆10年前のあの日の授業の映像を見せていただいて、今日もあっという間に時間が過ぎた。生徒と同じように授業に引き込まれる。先を越されまいと必死にピンポンブーに向かってダッシュする生徒達、押せなかった時のあの残念そうな表情、そして答えたときの、余裕・安堵・プライドに満ちた表情。一人一人の生徒が活躍する場が北原先生の英語の授業にちりばめられていた。
☆あの日の記憶が蘇る。参観にいらした先生方は体育館いっぱいで人が多過ぎて、並べられたパイプ椅子がぎゅうぎゅうで隣同士前後の隙間が狭かった。
2-1. Routine Work(15分) ☆テンポがいい。
(1) Last Sentence Dictation【Writing】チャイムと同時にスタートし、先生の後について教科書を読む→先生が止めた文を書く。
T: ”Close the book. Take a pencil!”
(2) Vocabulary Building【Vocabulary】&(3) Song【Pronunciation】
KT: “OK. Today’s topic is fish!”(生徒はディクテーションカードの裏に書き出す)“6? 7? 8? or more? Who is 7? ○○, please.” J先生が発表された単語を黒板に書く。
☆突然言われても私は書けないが、7つ書き出せたり、sea-cucumberを知っている生徒がいた!
KT: “OK. Collect the papers!”→すぐに歌(“Honesty”)を流す。※ その間北原先生はDictation sheetの丸付け、J先生は生徒の様子を見てまわる。
曲が終わる→北原先生からDictation sheetのコメント:KT:“6 students have had mistake. ‘Classmate’ not ‘Class’ ’Mate.’ Did you study?”⇦厳しさも有り!
☆曲が流れるとすぐに歌い始め、マイクを順番に回して歌う姿がほほえましい。サビの部分を大声で歌う男子生徒達に、見ている先生方にも笑みがこぼれる!
(4)Yomi-tore 50 No.45 【Reading /Vocabulary/Grammar】
※執筆者:Jarrell先生、O先生、K先生、北原先生 (浜島書店)。頻出の‘しおりちゃん’は北原先生の娘さんの名前!
Ss:読み終えたら’時間’を書く→KT:Qを読む“How many manga does Shiori have?”
→Ss:答える→Joel T:英文音読→Ss:黙って聞く→KT:(英文に関する質問)“Look at ~. Where did you learn this ~? If you get, please stand up. Try not to make noise.(公開授業で体育館に椅子の音が響いたため)”→S:“Program2-1 Not to ~”→KT:“OK. Next. Second line from the bottom, ‘be going to .’ Where did you learn?→Ss:(わかったら立つ!)→K T:(ヒント) “Maybe you learn 1st semester before summer.” ☆じゃれマガと同じ要領。どこで使ったか思い出させる。無駄がない!
(5)Phonics【Pronunciation】
・Joel T:未知語4つを口を本で隠しながら発音→Ss:集中してJ先生の発音を聞いてノートに書く。☆純粋に音から推測しそれらの単語を書く→(答え: daily, nail, trail, brail )→KT:「はい、できた人?Who’s right? Perfect? 1 mistake? 2 mistakes?」「brailの意味?辞書引いて!」☆Ssはすぐに反応しわかったら立つ。実に習慣化されている。
2-2. テスト前活動
2-2-1. “1 Word Definition Game” 【Vocabulary】(Program 10 & 11)56語
※英語の定義を聞き、日本語を介さずに当てる。同義語をたくさん知っている方がいい
教室を2グループに分けて競う。先生方がテスト範囲の英文の単語の定義を言い、それを聞いて単語を当てる。分かった生徒はリズムマシーンを押し、教科書のどこにあるのかを示す!ポイントは自分で黒板に書く。発音が完璧じゃないとダメ!英語ができても(帰国子女でも)教科書を勉強していないと指し示せない!発言は1人1回。
☆中2でfridge, treat, similar, polite, fluently, replace, amount, breathtaking, amazingなど高校生がすぐに答えられないような重要語句があり、それらを含め2レッスンで56語もあった!中2生がこれだけよく頭に入っていて堂々と発音できて凄いと!改めて思う!これは家庭学習をやっているから答えられるのだ!
2-2-2. “Card Swatting Game” 【Listening/Vocabulary】(Program 12)22語
先生方がテスト黒板に張られた単語カードの単語を使ったcasual conversation(フリートーク)を行う。どの単語について話しているか分かった生徒がa fly swatter(ハエたたき-各チーム2本ずつ有)を持って黒板のカードを叩き、正解であればカードをゲット。スコアは各自、黒板に書く。KT: Please pass the swatter.
※次に先生が何を言うかを予測する力が大切。(stuffed animals →Teddy bear) ☆状況から次の単語を予測するため、リスニングの力が鍛えられる!
2-2-3. “Gesture Game” 【Listening/ Speaking】(Program 10-11)
先生方がジェスチャーで英文を表現し、それを見て英文が分かったらリズムマシーンを押して英文を言う。教科書を見てはいけない。スコアは自分で書く。教員は生徒がどのくらい英文を覚えているか把握する。例)Ss: “I understand that now.” “You can see many people on the roof.”※暗唱していないとダメ!ジェスチャーで英文を引っ張り出している!音読→暗唱→発話→英語の回路により、逆転現象が起きる。周りの子達が「よかったな、頑張ったな」と仲間を褒める!
☆普段の授業での揺るぎない積み重ねにより流暢な英語が脳内に蓄積している。
☆音声をベースにした家庭学習の習慣化やゲームを通して普段からクラスメートの前で正しい発音で英文を言う練習により、自己表現活動が定着している!
2-2-4. “Sentence Telepathy” (Exeter大の先生より)【Speaking】(Program 10-11)
先生が黒板に単語数だけアンダーラインを引く。長めの英文は二か所ほど単語の頭文字を書いてあげる。生徒はその英文を当てる。教科書を見ても良い。今まで同様マシンを押して答え、正解なら自分でスコアを書く。
例) 1. , ? 2. , ? 3. a ?
4. l s ?
☆勉強させる仕組みが確立されている。勉強しておかないと参加できず、参加できると楽しい。生徒は自身で力がついているのがわかる。家庭学習をしている生徒が頑張れる。音読の成果が表れている。
3. 北原先生の授業に関する討議
・途中でビデオを止め、私たちは、3~4人のグループを作り、感じたこと、疑問に思ったことなどの情報交換した。
☆自分がスルーしてしまっていたことが確認でき、他の方がポイントを押さえた的確な言葉で語ってくれたので、落とし込みやすくなり、ありがたかった。
・この日広島からE先生と一緒に来た先生が書いた長文の感想を読み、自分が感じたことと同じものにアンダーラインを引く。
KT: ①無駄なTeacher Talkは要らない!(言語は記号にしない) ②授業が停滞したら、Questionを出す!ポイントを出す!常に生徒を見る。
※個別評価:誰ができて、誰できていないか。誰が何をしているかを先生が把握すると、生徒は「先生は自分を見てくれている」と思う。
☆私が引いたアンダーラインの一部:
「復習をして英文を丸ごと頭に入れて、どこにあるかまで知っておく必要がある。教科書を読み、暗唱まですることで早く答えられ、チームの勝ちに貢献できる。」「できた人は立つ。グループ全員が経ったらチームの勝ち。立った人は他の人のヘルプ。ただし、答えを言ってはいけない」というルール…。…複数名が…男子生徒の席に近づき…良い笑顔とジェスチャーで…ヘルプしていた。…幸せを感じた・」
4. 最後に
北原先生は「生徒目線」と「もっと音声を大事にする授業」を強調しておられた。「全国行きます!」とも言っておられ、ほっとしたし、とても心強く感じられた。先生の新著「中学生から始める英語フォニックス授業」をしっかり読み、4月から音声を大切にする授業が構築できるよう、そして1年後に成果が上がったと学生が言ってくれるような授業を行いたい。改めて多くの学びを得ることができました!
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- 大修館のN様のお話が冒頭にありました。この度、北原先生のフォニックスの書籍の出版にご尽力された経緯をお話ししてくださいました。二年間かけて制作されたこの書籍は大変ご苦労された様子でしたが、ご自分のお孫さんの小学校の英語の授業を参観されたご経験や昨今の英語教育への懸念など研究熱心なご様子です。文科省の方とお話しする機会もある様子で、今後予算の約六割をAIに充てるとの事でしたが、改めて今後益々デジタル化が進むのではと感じました。
2,じゃれマガカルチャー
茶髪についてのトピックを読み、changeの品詞を全体で確認しながら進みました。また、enterをgo intoという別な語句で表現方法を確認しながら重要語句の意味も抑えて内容を読み取りました。その後、ペアになり、外国人に向けてどのように生徒の茶髪を説明するか実践しました。
活動の中で、積極的に参加することの大切さをビシビシと感じながら大変緊張感のある取り組みでした。
その日以降、私も授業内で、生徒に参加するように積極的に声掛けを行っています。声掛け1つで、授業を受ける側の意識も変わるなと感じています。
3,北原先生の公開授業
600名の先生方が全国から集まる中、北原先生とALTの先生との授業が赤坂中学校の体育館で行われました。
生徒たちは英語力が高く、進学先も優秀な高校へ進学したり、帰国子女であったり、宝塚高校へ進学したりとハイスペックな生徒たちが大勢いる様子が伺えました。授業は、テスト対策の授業だと教えていただき、びっくりしたのですが家庭学習をしていなければ、授業に参加はできない授業でした。家庭学習をしっかりとやっていれば帰国子女の生徒にも勝てる授業とあって、私も僭越ながら一つでも取り組みたいと考えております。
Vocabulary building
fishという上位語を取り上げて、下位語を生徒に発言させていました。教科書の語句だけでは英語の授業は面白くなくて、日常語を取り上げることで初めて活用できるのだというお話に納得です。昨夜の食事を例にとっても、魚を食べたでは面白くない。あじやサンマの話をするであるから、リアルな会話表現に近づける会話が大事だと理解しました。
Card swatting game
ハエたたきを使ったゲームは、単語の定義をALTの先生と北原先生が話し、それを表す単語をハエたたきで叩くというゲームでした。正解であれば、生徒は得点を獲得し、ホワイトボードに加点していました。クイズ形式の様な取り組みでゲーム的な要素を入れた学習形態が非常に生徒をアクティブにさせ、主体的に学ばせているのだなと感じます。
Gesture game
教員がジェスチャーをし、それを見て英文がわかったら、挙手して発表する取り組みです。長い英文をよくすらすらと言えるなと感心しました。この取り組みも普段から定着している様子で生徒も勝手がよくわかっている様子でした。
Sentence telepathy
先生が黒板に_____,______?の様に単語を書かずにホワイトボードに語句以外を書いて、下線を引いていきました。教科書をよく学習していればわかるような取り組みでした。スコアをホワイトボードにつけるときも、欧米式で日本式の正の字ではない点がさすがだなと気になった点です。
細部にわたって研究され、妥協が無い授業づくりです。
英語らしい発音じゃなきゃダメであるとか、発音コンシャスにさせるその教員側の姿勢も大事だと再度私自身意識します。
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新刊の案内
「中学生から始める英語フォニックス指導」の出版社、大修館のNさんから。
Nさんと北原先生は、この本を完成させるためなんども喧嘩したそうです。大修館として、「載せらない表現」等があり、苦労してやっと完成したそうです。この本は、Nさんと北原先生の思いがぎっしり詰まった一冊だということが伝わってきました。
私はこの本は、中学校の先生はもちろん、小学校英語担当教師を救う一冊だと感じています。なぜなら、実際に小中連携で月に1,2度、地域の小学校6年生の授業にT2として入ったりする中で、小学校の先生の嘆きを聞くからです。音声指導(主に音読み)もしていないのに、「書く」指導が求められていることと、音声指導のやり方がわからないこと、というような内容です。その都度都度私から提案させていただいたり、北原先生や幹に書かれていることを伝えている状況で、新刊を薦めたら「早速購入します」と言ってくれました。北原メソッド伝道師?のひとりとして、大きな手応えを感じました。
北原先生が、「全国で音を大事にする授業をもっとしてほしい。」とおっしゃっていましたが、この一冊がそれに貢献することを確信しています。(北原メソッドとこの本の宣伝頑張ります!)
北原先生還暦、体育館での伝説の授業
この伝説の授業を拝見するのは2回目でした。1度目は、ノートを引っ張り出して確認したところ、“平成27年3月7日(土)第120回例会 北研ファイナル!”のときでした。そのときの衝撃を忘れられません。まるでボクシングか何かがはじまると思われるリングの周りをカウントできないくらいの先生達(600人以上)が囲んでいる光景だけで、息を飲みます。そんな状況でも生徒はリラックスしていて、いつも通りの姿を見せてくれていたようです。(どの生徒もいきいきとしていました。)当時、同僚の国語の伝説の先生、K先生がこのやんちゃで大変だった学年を受けもってくださり、生徒はだいぶ成長したとのことですが、国語の授業で見せる表情と英語の授業で見せる表情は、いい意味で違っていたそうです。(それぞれの授業で、それぞれの違った良さが発揮されていた。)
とにかく、こんなスケールが大きく、楽しくて力のつく授業(しかもテスト前に。※北原先生は、テスト前に「自習」にする教科に対して、アンチだったので、テスト前のこの授業が誕生)見ている人も、思わず感嘆の声を漏らしてしまうほどの授業は、これからも見ることはないでしょうね。北原先生が長先生の「雪の日の授業」が忘れられないように、この日の北原先生の授業は、私たちにとって決して忘れられない授業になります。
50分の授業が全て生徒の学びになっていて(それは生徒の表情や姿、空気感で伝わってきます)、無駄がひとつもありません。芸術的なほどに、全てがシームレスにつながっていて、1つの作品となっているように感じます。
生徒1人ひとりがまさに授業に「参加」「参画」していました。ALTのJ先生との息もぴったりです。(ALTが初めてのJ先生をここまで育てられたことを伺い、それも英語教師の使命だということを思い出させられました)
生徒を「言わなければわからない」「指示がでないと動けない」人にしてはだめですね。「人」を育てる視点を授業でもっともっと取り入れなければ、と思いました。これは授業者の責務だと再確認させられました。さらに英語教師の責務、自由自在に英語を話す瞬発力と語彙力。北原先生が即興でALTとバンバン会話をしながらのCard Swatting Gameは、これまた圧巻でした。これは「できない」としり込みしていたらだめですね。(私はやっていませんでした。)やらないことには何も始まらないと思いました。
50分の授業の中で、ずっと漂っていたものは、あたたかい人間関係と安心感でした。自分だけできればそれでよい、と思うのではなく、仲間同士で助け合ったり、応援したり(答えを言わない、一生懸命ヒントを出す)姿がどの場面でも見られました。英語が苦手でも卑屈になる隙がなく、どの生徒も安心して授業を受けられる雰囲気が本当に素敵でした。生徒は、北原先生が1人ひとりを「見てる」という安心感、困ったら誰かが助けてくれるという安心感に包まれていることが伺えました。ボキャブラリービルディングの解答用紙の返却時でも、先に不正解の生徒の名前を全体の前で呼んで先生にとりに行かせることをされていましたが、普通であれば「できなかった」という生徒の名前を呼ぶことがマイナスに働くことが多くためらいますが(しかもこれだけの大舞台)、そんな心配は微塵もありません。“誰ひとりも置いていかず、みんなで伸びていく”とは、こういうことなんだな、と感じます。
10年前のこの授業を映像で見せていただいたとき、今回感じたこと以外にどのようなことを感じたりしていたかをノートから拾ってみました。以下、北原先生の補足説明含む。
・Card Swatting
2月の頭に教科書は終了。どこらへんからあやしくなったかを聞いて、生徒がProgram 4と言ったので、もう一度そこから復習を始めた。そのまんまスキットで、合格した生徒から暗写。「3回間違えたら教科書見ていいよ」と。
⇒この生徒に「聞く」というのを、こういうところで行って、こんなふうに授業設計を考えたらよいのですね。
・教師自身の英語力は授業でこのように練習していかないと英語力は身に付かない。
・Gesture Game
生徒は箱読み8つくらいはみんなしている。ショートメモリーを鍛えているから、箱の数が少なくてもいける。
生徒は英文を映像(ジェスチャー)を観ながら頭に入れる。ジェスチャーのままで身に付く。だから語順指導は必要なし。
⇒ショートメモリーが鍛えられているからこそ、なのには納得です。それまでの積み重ねを大切にしないとできないことですね。
・Telepathy Game
音が入ってないのにワークを解かせるのはだめ。
言える生徒には6語以上の英文でも言わせる。
2年のこの時期ジェスチャーにできる文は少ない。
⇒音声至上主義。生徒の限界を教師が決めつけない。
・生徒はテスト前の授業が好きだから、今回の公開授業は緊張しなかった。
⇒いつも通り(楽しくて力のつく授業)と分かっていることに加え、テスト前のスペシャルなこの時間だから緊張感は伝わってきませんでしたね。
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0. 北原先生最新刊「中学生から始める英語フォニックス指導(大修館書店)」担当編集者 Nさんのお話。
長年、大修館にて「ジーニアス英和、英和大辞典」等の編集に携わる。小中高の英語を参観し、今なお旧態依然の現状に「何とかしなければ」の思い。そこから、北原先生へ執筆の依頼をされた。文科省、大学の先生についてのお話や教科書作成の困難さなど貴重な興味深いお話を拝聴しました。私もジーニアスにはずっとお世話になっています。本には名前が載らない編集者のお陰で勉強できているのだと再認識しました。Nさん曰く「北原メソッドで勉強していれば必ず力がつきます!!!」
0. Kahoot! 完成報告 都立深沢高校 K先生より。
私も少しだけお手伝いさせて頂きました。制限がある中での例文作りは、勉強になりました。K先生、お知らせをありがとうございました。
1 じゃれマガカルチャー⑭
(1) ペア 先生の問いに答える。速さを競う
(2) ペア 本日のトピック「茶髪」について話し合い。
茶髪とは、red~gold? まで幅広い!など、ペアで話し合うと気づきが有り楽しいです。
2 北原先生還暦体育館での授業10周年祭
○20150224 赤坂中 2年生(北原先生の所属学年ではない)学年末テスト直前の”Before-Test Activities”
○都中英研 研究部の部長をされていた北原先生の定年前最後の研究授業。
○参加者約600人の一人として私が当時感動したこと
⇒立ち見でしたが、約600人(含む先生、生徒)全員が吸い付けられるように授業に集中していた、あのただならぬ空気をはっきりと覚えています。
⇒あの中で、全くの自然体で平然と学習している生徒さん達、すごい!!北原先生との強烈な信頼関係がよく分かりました。そこに一番感動しました。
○10年前、まだ教師ではなかった先生や、まだ、北原メソッドと出会っていなかった先生もいらっしゃったので、例会で一斉にビデオ研究をすることは有意義だと思いました。
○昨日、初めてご覧になった先生方へ
『あれらの活動は「幹を作る本」にやり方、ねらいと効果、時期など全て記載されています。特に東京は少人数制なので同僚の先生と共に、の姿勢が必要。学校図書費や教科予算で「幹本」を購入し、職員室の目立つところ=誰でも手に取ることができるところへ置き話題にするように心がけました。自宅用にも購入しました。』
『北原メソッドの活動は全てが密接に結合して効果を上げるので「部分コピー」はだめ、なのですが、私はとても全部はできず、部分でした。また、ビデオの各Activityは3分でしたが私はとても3分では不可能でした。5分が目標。目標もきつかった。ですからいくつも一度には出来ませんでした。すみません。しかし、それでも効果は顕著でした。北原メソッドはたとえ部分でも必ず効果がある、生徒が喜ぶ、だから、授業者も楽しくなるメソッドです。まずは、できるところから。やってみると生徒の変容がすぐに分かるので同僚でも協力して下さる先生の方が多かったです。Never Give Up!』(東京の少人数はこの『協力』が課題でした。私はかなりエネルギーをつぎ込みました。)
『生徒さん達が楽しそうで、夢中になっていて、北原先生の解説によると『逆転現象』も起きていて。そういう授業は生徒が元気になる。それを見て先生も元気になります。』
3 所感
せっかく北原先生を通して多くの学びとエネルギッシュに生きる皆様との出会いに恵まれているのだから少しでも恩返しをしたいと改めて思いました。『不登校生向け教科書』興味あります。ただ、こんなに増えているということは学校が変わらなければいけない、と思っています。
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・まず最初に、北原先生の新著「中学生から始める英語フォニックス指導」のお話がありました。元大修館の編集者のNさんから喧嘩しながらも作り上げた新著に関してのお話でした。それと共にNさんから今の英語教育に関してのお話やご意見がありました。
1 じゃれマガカルチャー
・トピックは「茶髪」。changeは動詞と名詞があり、同じ単語でも違う意味・使い方がある。looking
forの意味はジェスチャーで確認。
・即興発話練習として、茶髪についてのTの質問にペアで競って答える。
・ペアで「茶髪」を英語で説明。わたし的には外国の方も髪を染めてオシャレされてるのを、YouTubeなどで見ることがあるので、意外と伝わりやすいトピックかな?と思いました。
2北原還暦体育館での授業10周年祭
この伝説の授業は当時遠い地から心惹かれながらも参加できずで、先生方を羨ましく思っていた記憶があります。その映像を今回拝見することができ、大変嬉しくそして勉強になりました。
2年生 2014年2月24日 @赤坂中学校 体育館
1. Greeting
2.Routine Work 1 The Last Sentence Dictation
3. Routine Work 2 Vocabulary Building
・「Today’s topic is
“fish”.」で細長いLSD用のシートの裏に知っている魚の名前を英語で沢山書く。一番沢山書けた生徒が発表する。
・この活動から教科書以外の語彙を増やしていく。魚=fishではなく、より生活の中にある自然な語彙があって良いはず。
4. Routine Work 3 Song “Honesty”
・この時間の間にLSDの採点をする。
・生徒たちが生き生きと大きなこえで歌う。本当に楽しそうに歌っているのが見えました。
5.Routine Work 4 読みトレ50
・単なる読み教材で終わらせるのではなく、中の表現を教科書のどこで習ったかを確認させて復習になる。
5.5. Routine Work 5 Phonics
・ALTの発音した単語を書かせる。音とアルファベットとの関連を意識して聞き、書こうとしている。
6. “Before-Test Activity 1” Word Definition Game
・クラスを2つのチームに分けて競わせる。単語をシンプルな英語で説明し、どの単語のことか生徒は発言する。
・原則として発言は1人1回。チームの他の人にジェスチャーでヒントは出して良い。
(教師の英語力が必須!!)
7. “Before-Test Activity2” Card Swatting Game
・教師2人による会話から、どの単語のことを言ったか(言おうとしているか)、分かったらホワイトボードに貼ってあるカードを、ハエたたきで見つけて叩く。
・リスニング力と予測する力。
8. “Before-Test Activity 3” Gesture Game
・教科書本文をジェスチャーで表現。ピンポンで早押しできた生徒が発言。教科書は見えないから、音読を沢山して暗唱出来ている子が活躍する。音読の大切さを実感する。
・英文をジェスチャーで引っ張り出す。
9. “Before-Test Activity 4” Sentence Telepathy
・教科書を見ても良い。ホワイトボードに書いたラインの、本数や線の長さでどんな単語のどの英文か考えて発言する。
(団体戦では分からない子に懸命にジェスチャーして教えているチームメイト。本当に微笑ましくてこちらも笑顔になります!!)
10. Closing
いただいた資料からの言葉です。
○指示がほとんどない○1つの活動と次の活動が指示なしでも自然につながっている○多くの生徒が活躍する機会を提供○意識的な発音指導○家庭学習を促進する授業○生徒がお互いにhelpしあう授業
自分の授業の中でやろうとしても出来ないことが、北原先生の授業では自然と生まれています。
上手く言葉では表せないのですが、英語にフォーカスしているようで実はもっと深いところで個々の生徒の心を動かす種を蒔きつつ育て、授業という時間を共有しているように見えました。
北原先生の温かさと厳しさ、そしてその生徒たちの姿に圧倒されました。
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1、last sentence dictation
前の教科書を使って音読活動。読まれた文の最後を書き取るディクテーションを行い、今までの復習から定期考査前の学習が始まっている。また、次の活動に移りながらALTとの連携が円滑になされ、生徒への活動のフィードバックまで行ってしまう、無駄になさに度肝を抜かれた。
2、じゃれマガ
リーディング→即興スピーキング(茶髪の説明)と言う流れで行われていた。リーディングの題材には賞味期限があるように、その時の情勢や流行を取り入れることは生徒のリーディングへの興味関心を高める工夫がされている。また、スピーキングにつなげることで、やり取りをするために必要な語彙を、自分の頭の引き出しから出してくるという過程を踏ませ、記憶を定着させる活動にもなっていた。
3、sing a song
間髪入れずにイントロが流れる。マイクをもって歌えるところを歌う様子があり、思い切り英語で歌う楽しみが一体感を醸し出していた。1フレーズずつマイクを回して歌うような活動で、なるべく多くの生徒が歌っていること共有できるような工夫があった。ワイアレスマイクとスピーカーを使用して、自身の授業に取り入れてみたい。
4、読みトレ 読んで数分後にALTが質問を読む。生徒が答える。生徒は口頭で答えずにshow me your fingerで教師とのやりとりをしている。ボンゴボンゴを使うことで、非言語でのやり取りを行なっていることに、メリハリがあった。
5、phonics 教師の口頭によるリスニング&ライティング活動。1年生の段階で終わらせてしまっているフォニックスの指導方法として目から鱗であった。
6、word definition game
ピンポンブーを使い、答える人を限定する。競争心を生む工夫がある。
音声の部分も答える際に判定要素になっている。答えられたら自分でポイントを黒板加算する。自分の手で点を加えることや全体の前で成果を発表できる部分が、生徒の外発的モチベーションとなっている。また、実際にその場でヒントを生徒が考えられるような単語を使って与える。
7、card swatting game
小道具を使い学習に競争心を持って取り組ませる、活動であった。今までのフラッシュカードを活用することもできるので、重要単語の復習や取り組ませたい単語をピックアップして定期的に取り入れたい活動である。
8、gesture game
言語的なヒントではなく、ジェスチャーで言語をイメージすることで、言語をより頭の中で映像的に残すことができると感じた。これも、北原先生の表現力があってこその活動であるが、挑戦していくことで磨くことのできるスキルであるとも感じた。
9、sentence telepathy
特に印象的だったのは、教え合い活動が積極的におこなわれていたことである。わかった生徒がわからない生徒に対して、なんとかわかってもらおうとあの手この手を使って伝えようとする姿は、生徒の主体性が伝わってくるものがあった。
10、consolidation
音読の成果が必要な授業、定期考査ではなく、家で努力して授業で活躍することで、モチベーションがあがるような雰囲気を感じた。授業での活動が、家庭学習への意味づけをしていることが大切であると気づかされた。日頃から宿題と言っているが、生徒が必要だと思うような取り組みでなければ、主体的な学びには結びつかない。今後の自分の授業と家庭学習の関連性を高めるよう努めなければならない。
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10年…あっと言う間のよう…改めて以下を感じた、鍛え上げた生徒さんとの貴重な映像でした。
〇ふつうの授業であることはもちろん、「定期テスト前の授業」であることのメッセージ性
〇ここまで細かい指導(特に語彙と文法)
ここに至るのに、どうしていけばいいか?
例)北原先生のコメントでぽろっと言った「時制が弱い」(今日の研究部の授業でも、何度かM先生が直していた)
〇ベースに演劇があることのさまざまな効果
さらに明らかにする価値があると思いますが、同時にそこから自分はどう実現するか?
これから「どうする?」(いやーん、古い)のくさびを、先生方は改めて打ち込まれたのでしょうか。
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1 じゃれマガカルチャー⑭
Qを解かせた後、範読
because of と言うと、生徒が「〜のために」
品詞の確認
即興発話練習
1 )先生が生徒に茶髪について問いかける。生徒はペアで競って答える。Have you ever dyed your hair? Do you want to dye your hair in high school? What would your parents say if you dyed your hair?
早く答えた方にポイント。
2) ペアで「茶髪」を自分の経験を交えて外国人に説明する。ペアで協力して。
2北原先生還暦体育館での授業10周年祭
ついこの間のように思いましたが、もうあれから10年経つんですね。私も真後ろから拝見しました。
初めて赤坂中学校で北原先生の授業を拝見した時は、ぼーっとしてたら、読みトレなどで既に授業が始まっていて、あっという間に指導案のいくつかが終わってしまっていたということがありました。衝撃でした。指示なしで授業がテンポよく進んでいくことにとても驚きました。
この日は、そのことをもう知っていたので、流れにはついていくことができました。私がまだマスターできていない、テスト前の授業。
10年経ったとは思えないほど、しっかり記憶に残っています。
1.Greeting(1min)
2.Last Sentence Dictation (3min)
1つ前の学年の教科書を使用
NTの先生の後についてリピート、
最後に読んだ文を紙に書く。
紙後ろから集める。
3.Vocabrary Building(3min)
Today’s topic is fish. 1分で書く
一番たくさん書いた生徒が書いた語を言い、
出てこなかった語を他の生徒が言う
4.ビリージョエルの”Honesty”(3min)
何度聞いても、役者揃いで、絶唱している姿がとてもかわいいですね。
歌の間にディクテーションペーパーをチェック
歌が終わったら、ディクテーションペーパーを生徒が取りに行く。
ラストセンテンス間違いを先生が訂正
5.読みトレ(3min )
生徒は、ペーパーをもらったらすぐに読みトレに取り掛かる。
QアンドA 答え合わせ
NTの範読
better than
Where did you learn this?
教科書のページを見つけたら立つ
second line of the bottom
Try not to make a noise.
立つ時に、音を立てないように。他の生徒への配慮
to
Show me your finger.
Program 6 Section 1, 2 or 3のどれにあたるか指で答える。
一人ひとりを見て、あっていたらピンポンまちがってたらブーを鳴らされていました。この技はまだまだ私には真似できません。
フォニックス
NTが口元を隠して言った言葉をノートに書く
「中学生から始める英語フォニックス指導」P89
daily nail trail d-ai-lyと説明
Braille 辞書で調べて、終わったら立つ
Perfect? 1 mistake? 2 mistakes? と手を挙げさせて確認。
6Word Definition Game
定義を聞いて、単語を答える。
発音が悪いと正解にならない。
全員が言い終わるまで、同じ人は言いに行けないので、皆でジェスチャーで教え合っていた。
北原先生は、前もって原稿を書かずに定義を言われている。そのくらいの英語力はつけないとだめ。
7 Card Swatting Game
fly swatterでフラッシュカードを取る。
北原先生とJ先生が話されている中で出てきた単語を取る。予測する力も重要。
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今回の例会では北原先生の還暦体育館での授業10周年企画として、北原先生が2014年度に行われた研究授業を見て、グループ討議と北原先生による解説を聞くことができました。
主な指導手順は以下のとおりです。
○Greetings
指導案には “Every S must look at Ts.” と記載があります。毎回行われるからこそ悪い意味での慣れが出てきてしまってきちんと前を向かなかったり、まだ話している生徒がいたりするなど授業が曖昧で、だらけた雰囲気のなかで始まってしまいます。最初に全員と目を合わせてから授業を始めること。基本的なことですが生徒の様子をきちんと捉え、また授業規律を守る上でも、日頃から意識したいです。
○Last Sentence Dictation
対象生徒たちが、1年生で学習した教科書本文からの出題でした。教師(今回はALTの先生)が出題する本文を読む際どこで終わるか生徒はわからないので、かなりの集中力が必要です。毎回の授業で行うからこそ、大きな効果が現れます。あらかじめ生徒たちは範囲がわかっているので、家庭学習を促すことができます。
○Vocabulary Building
生徒のもつ語彙を豊かにする活動のひとつです。例えば “What did you eat last night?”というような質問に対して、 “I ate fish.” だけでは寂しい感じがします。私自身、外国人の方も含めて和食料理屋さんへランチに行った際、私が好きな秋刀魚を英語で言えなくてモヤモヤしたことがあります。Vocabulary Building を通して、たくさんの生活用語に生徒は触れることができるので、自己表現の場面でとても役に立ちます。
○Song
初めて聞いた曲でしたがメッセージ性があり、しみる歌でした。またバラードで英語も聞き取りやすいので、中学生にとって取り組みやすいと思いました。実際ビデオで見た生徒たちも、大勢の参観者の前でも堂々と歌っていました。歌の間に北原先生は、ディクテーション用紙をチェックされていました。私もディクテーションを実施していますが、短時間でチェックは済むとはいえ、一旦溜めてしまうと面倒になってしまいます。返却するのが遅くなってしまうこともあります。しかしディクテーションの活動を歌の前に行うことによって、生徒が歌っている最中に確認ができますし、授業内でフィードバックを行うことができます。テストの結果はなるべく早く生徒に知らせる必要があります。今回の授業でも、北原先生はディクテーションをもとに声掛けをされていました。個別評価の場面です。指導手順が綿密に練られていて、勉強になりました。
○読みトレ
読んだあとで既習事項について、“Where did you learn this?” などとおっしゃって教科書に戻る指導をされていました。学校はみんなで復習をするところ。また無駄な日本語がなく和訳などもさせないで、テンポ良く行われていました。
○フォニックス
日常的な音声指導を受けていたら未習語でも予測することができると生徒にとって大きな自信になりますし、英語学習をするうえで音は大切だと実感をもつことができると思います。ALTの先生は出題の際、口元を隠していました。
○Definition Game
英語を聞いて、その英語が表す語彙を当てるゲームでした。チーム戦で北原先生とALTの先生が交互にクイズを出していました。この活動もテンポ良く進んでいき、生徒も素早く反応していました。この活動から先は定期考査前の活動です。定期考査前の授業と言えば、よく自習が行われることがあり、実際私も自習にしてしまったことがあります。しかし自習といって生徒を放任するのではなく、きちんと最後まで生徒に英語力をつけさせ、テストでも点数が取れるようにする。生徒ファーストな視点です。さらに、この活動だけに限らないのですが事前に文を準備するなどせず、即興で英語をおっしゃっていた点に驚いたのと同時に、私自身英語力も磨かなくてはと思いました。
○Swatting Game
北原先生とALTの会話を聞きながら、出てきた単語をハエタタキで叩く活動です。英語のインプット量を増やすことができるのに加えて、文脈のなかで語彙を捉えることができるのと、会話のなかで次にどんな単語が出てくるか予測する力を養うことができます。またデジタル教材ではないので、生徒の様子を見ながらアドリブを入れることが可能です。ひっかけることなどができて、遊び心をもたせることができます。
○Gesture Game
教科書は見ないで、教師のジェスチャーから英文を当てていきます。ジェスチャーでは日本語を介さないで、英文を頭にイメージさせることができます。生徒にとって難しい語順指導もジェスチャーで行うことができます。普段の指導から、そして1年生の最初から生徒たちと一緒に取り組んでいきたいです。
○Sentence Telepathy
答えられていない生徒を周りの生徒たちがジェスチャーを使って、一生懸命教えていた姿が特に印象的でした。とてもあたたかい場面でした。全体を通してビデオをよくみると前方の方で、生徒たちを和やかな表情で見守っている先生がいらっしゃいました。北原先生曰く国語科のK先生で、今回授業を受けていた生徒たちの担任をもっていらしたそうです。また、国語と英語では活躍する生徒たちが異なるそうです。様々な教科を通して、たくさんの生徒たちにとって輝ける場面がある。どちらも生徒たちにとって、わくわく感のある授業がなされていたから起こったことであって、当たり前のことですが授業は何よりも大切だと思いました。
定期考査前の授業が自習になってしまうことは今も昔もあることですが、自習にしてしまって本当にいいのか。自習にしてしまうより、こんな活動やってみませんかなどと問題提起が含まれた授業でした。50分間のなかで10個もの活動がある授業でしたが、非常にテンポが良く、かつ無理やり詰め込んだわけでもない生徒たちが思考したり表現したりするゆとりの時間もきちんと設定されていた授業でした。さらに、無駄な指示がない(言語を記号にしない)、家庭学習での頑張りが授業でも生かされる、英語での指導案づくり、みんなで復習できる場面がある、協働して学ぶことなど、たくさんの勉強すべき点がありました。今回伝説の授業と呼ばれるものを見ることができて本当に良かったですし、これからも学んでいきたいです。またよろしくお願いいたします。
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0 新著『中学生から始める英語フォニックス指導』
大修館のNさんが参加され、北原先生のご新著を紹介されました。
この本の編集過程で、北原先生、Nさん、清水あつ子先生で何度も議論されたとの裏話も窺いました。
北原先生が現場目線を大事にされて、音声学をどう現場の指導に落とし込むか、書籍から学ばせていただきます。
(例会の本題に入る前にK先生から”KPK”リリースのお知らせ)
例会の日にC先生からMLでのご案内があった「発信語彙問題集」のKahoot!版のリリースを例会で発表され、3月の例会で実際にスマホで参加する形で体験することになりました。
1 じゃれマガカルチャー⑭
「本文を読んで内容を確認した後、後の問いに正しく答えられればWPMを記入する。
その後、即興発話練習用の活動をペアで行う。」という手順で進められました。
1.はペアで競う活動、2.は協働的な活動となっています。
1.先生からの茶髪についての質問に答えて競い合う。
”Have you ever dyed your hair?” “Do you want to dye your hair in high school?”
”What would your parents say if you dyed your hair?”
2.ペアで「茶髪」を自分の経験を交えて外国人に説明する。
2 北原先生還暦体育館での授業10周年祭
2014年2月24日、当時勤務されていた赤坂中学校体育館で、行われた研究授業の録画を視聴しました。奇しくも北原先生のお誕生日の日でもあり、15日の例会に参加した北研メンバーも多く当日会場にいました。当日歌った英語の歌“Honesty”を生徒さんたちが熱唱していたことや試験前の授業ということで、復習のゲーム活動を行い、生徒さんたちがとてもよく参加していたこと等、思い出されました。
2.Routine Work 1 Last Sentence Dictation
復習として教科書本文を全体で、ALTのモデルリーディングをリピートして音読する。
その後生徒は教科書を閉本して、ALTの音読を聞きながら、ALTが途中で音読を止めた最後のセンテ ンスを書き出す。
センテンスを正しく言える、書けるレベルまで家庭学習で練習して、活動中もALTの音読をしっかり聴く必要があり、音読からリスニング、ライティングに繋がる活動です。
3.Routine Work 2 Vocabulary Building
生徒さんたちは渡された細長い紙に書かれたお題に沿った語彙を1分間でできるだけたくさん書き出して、その後全体で共有する。 ここで、他の生徒から挙がった語彙を思い出したり、気づいたりなどの深まりが生まれます。
4.Routine Work 3 Song “Honesty”
とても声が出ていて、特に後部座席の男子生徒さんたちは熱唱、他の生徒さんもとても楽しんで歌っていました。その間北原先生はLast Sentence Dictationの採点、ALTのJ先生は机間指導をしながら生徒たちに声をかけていました。
5.Routine Work 4 Yomi-tore 50
指定のページを各自で読み、所要時間を記録する。1分間経過したらALTから質問“How many manga does Shiori have?”
その後本文中の表現をいくつか拾い、教科書のどのProgramで扱ったものか、確認する。
6.Routine Work 5 Phonics
未習語をJ先生が声に出し、生徒はノートに綴りを書く。北原先生が生徒さんたちの書き出したものを確認する。この時のターゲットは“ai”のつづりの/ei/の音で、daily nail trail brailが扱われ、最後のbrailについては、Brailを挙げて、両者の違いも確認されていました。
7.”Before-Test Activity 1″ Word Definition Game
生徒さんたちがクラス全体で2チームに分かれて対戦するゲーム形式
Program 10~11で扱われる語彙が対象で、北原先生。J先生それぞれから英語で話される語義を聞いて、そこからイメージして語彙がわかった生徒は教室の前にあるボンゴボンゴを鳴らして答える。この時正しい発音で答えないと正解とはみなされない。
8.”Before-Test Activity 2″ Card Swatting Game
こちらも生徒さんたちがクラス全体で2チームに分かれて対戦するゲーム形式
ホワイトボードにフラッシュカードを貼りだして、それらの語彙を使ってALTと北原先生が英語で会話をする。その中で貼りだされた語彙に気づいた生徒が、ハエたたきでカードを取るゲーム。話を聞きながら、次の展開を予測することも求められ、文脈を考えるトレーニングにもなっていると思います。
残念ながら、この活動の途中で失礼しなければならなかったので、報告はここまでとなります。
授業を観させていただき、帯活動として毎回行っている活動が充実し、しかも時間をかけずにテンポよく進んでいること、指示か無くても生徒さんたちがよく動き、英語の歌を楽しんで歌っていることなどがとても印象に残りました。
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