北原メソッドのいいところ

「北原メソッドのいいところ」 最優秀投稿1 MN先生(北研アカデミー修了生)

1 音声最優先
 特に中1の入門指導で意識づけができ、生徒の取り組み方が変わります。その後の指導でも同様に継続できます。音読テストの評価で生徒に還元するため、指導と評価は一体化しています。帰国子女の生徒が堂々とネイティブ並みに話せる雰囲気になります。英語の発音をよくしようという感想が学期の振り返りで多く見られます。
2 生徒が楽しいと感じる
 たくさんの活動が盛り込まれているため、どの生徒も「これが好き」という活動が一つは出てきます。英語が苦手でも歌は好き。テストが苦手でもスキットが好き。恥ずかしいからスキットは苦手でも友達のを見るのはとても楽しみ。といった具合です。
3 スピーキング技能の育成が多い
 「北原メソッド」を全学年で取り入れ、全英語科教員で曲がりなりにもどうにか導入できるようになってから、英検の2次試験の対策をする必要がなくなりました。そして、3級の2次に落ちる生徒もいなくなりました。クイックQAの活動や文化紹介の活動は「英検じゃん!」と言われます。
4 言語の本質を突いている
 第2言語習得において必要なプロセスどおりに学習できていると思います。スローラーナーに良いと思って、必死にアルファベットを書かせ、小テストをしていた過去はなんだったのか!スパイラルに何度も行える語彙指導のおかげで、中3にもなるとどの生徒も初見である程度の英文を読み、教科書の本文は読めるという力がつきます。
5 生徒目線でベーシックな指導法
 パターンが決まっているため、通級に通う生徒も安心して受けることができます。(自閉症の生徒等は、ルーティンがあることで安心できるようです)教師の余計な説明を省くことができ、練習に時間を費やすことができます。授業の中で、テンポよくたくさん発話させることができます。生徒は授業が終わると「早!」と言い、「疲れたー」と言います。ただし、ペア学習の意義や、苦手とする生徒への手助けは必要となります。意義を伝え続け、ペアリーダーの生徒が本気で助けてくれるようになると、英語の授業がよりスムースに進むようになります。またこれによって、ペアリーダーの英語力が各段に伸びます。まさに、「学びのピラミッド」を実践しているのだなと思います。
6 CLT中心
 じゃれマガで文化に触れ、読みトレで最新の世界情勢やニュースに触れることができます。話題によって、野球好きの生徒が活躍したり、歴史マニアが解答したりといつもと違う生徒に尊敬の眼差しが注がれる時間です。
7 伝統的な日本の英語教育の悪いところを壊す
 「訳そうとして余計分からなくなる」「訳読して分かったつもりになる」「苦行の英単語テスト」が無くなり、その分「1年生の教科書を振り返るラストセンテンスディクテーション」「語彙が増えるボキャブラリービルディング」「文法を考えながら埋めていく頭を使ったボードワーク」と、盛沢山の帯活動を行うことができます。
8 語彙指導が手厚い
 あらゆる方面からのアプローチが可能です。ボードワークの際に、アンダーラインに入れる語彙を考えることで、単語を単体で覚えるのではなく、使うという意識になります。発音から文字を導き出すフォニックスの概念を取り入れることができます。フラッシュカードで何度も音声に触れ、そこから派生して増やすこともできます中学生で接頭辞、接尾辞の役割を知り、辞書指導により品詞の概念ができます。スパイラルワークで何度も確認ができ、まるで漆塗りのように学習できます。
9 北研という組織の仲間感
 転勤して新しい環境で授業がうまくいかずに困ったとき(北原メソッドがうまく進まなくて)、北研の先生方が励ましてくださいました。今でも忘れません。とても勇気づけられ、頑張ろうと思えました。
10 先生も楽しい
 そのまんまスキットの合格でペアでハイタッチして喜ぶ様子、ALTとのテストでうまくできたときの笑顔、スキットを見て、クラス中で英語を聞いて大笑いできる瞬間がたまらないです。授業がとても楽しいです。
11 時短
 準備にそんなに時間を取られなくなりました。やることが決まっているので。ただし。北原先生のスピードには追い付けません・・・。
12 復習が多い
 教科書だけは捨てさせず、持ってこさせます。(中2なら2冊、中3なら3冊置いておくようになります)そして必ず「どこで出てきた?」と問いかけます。生徒は何度も教科書をなぞり、復習することができます。語彙指導でも登場人物の説明でも文法指導でも、あらゆる場面で使えるのがこれまでの教科書です。たくさんの副教材を使い、帯活動を行いますが、これほど過去の教科書にもどる授業はないのではないかと思います。
13 その他  
 生徒からもらった手紙を載せます。私の学年でなかったのですが、卒業時に渡されたものです。学年やクラスの生徒ではないため、忖度がない本音だと思います。「(省略)先生の授業はいつもユーモアに溢れていながらもしっかりと発音や文法も学ぶことができ力がついたと思います!(以降省略)」(卒業生 男子)「(省略)能美先生の授業は、私たち生徒にアクティブだけではなく、主に生徒一人一人に英語を話す努力を求めているのではないかと「Picture Discribing」を通してそう思いました。始めはなぜ先生が生徒の最後の人まで聞いて座らせるのかが正直少し疑問がありました。英語が苦手な人でも先生は私たちに話す場を与えて下さったおかげで、得意な人も、不得意な人も公平に協力しあって、自分の意思を表現する大切さを教えて下さいました。(以降省略)」(卒業生 女子)

「北原メソッドのいいところ」 最優秀投稿2 RK先生(北研アカデミー修了生)

1 音声最優先
①音声面での指導では、学習時間に差が出にくいです。そのため、英語が得意な生徒も、そうでない生徒も同時に取り組むことができます。まさにユニバーサルデザインだと思います。
②生徒は教師から即時のフィードバックを得ることができます。(BDそのまんまスキット、フラッシュカード、スパイラルワークシートなど)それにより、日ごろから生徒は発音に意識的になります。
③日本語にはないr / l / f / v / thの指導が明確です。特に、初期指導の段階で、f /
vにおいては前歯を下唇に当てる、thは舌が見えないとダメなど、多少大袈裟にして視覚的に誰が見てもわかるように指導することで、口や舌の動きを意識させることができます。また、フラッシュカードを用いた語彙指導の際に、1人1人立たせてチェックすることで、音声が大切だと全体意に意識させることができます。音声という目に見えにくいものを可視化して指導できるようになったことはとても指導しやすいと感じました。
2 生徒が楽しいと感じる
①生徒にアンケートをしてデータを取り、「おもしろく、ためになる」ものが精選された結果が北原メソッドであり、このように科学的に生徒から学ぶことを継続することで、さらに進化(深化)、発展していくのだと思います。
②活動量が多いため、生徒が飽きることなく、次々にいろいろな活動にチャレンジすることができます。まるでサーキットトレーニングのように、回数を重ねるごとに上達することができるので、生徒は伸びを感じることができます。
③マルチプルインテリジェンス(MI理論ハワード・ガードナー)に沿っていると考えられます。言語的知能が優位の生徒が学習に向いていますが、英語の歌を使うことで音楽的知能が高い生徒、スキットを行うことで身体運動的知能が高い生徒も、学習に取り組むことができます。特に、いわゆる「やんちゃな生徒」もスキットの原稿作成や演技などで大きく活躍することがあります。
④Picture Cardsを用いたQ&Aにピンポンブーを使うなど早押しクイズのようなゲーム性があります。立って行う緊張感、何度も手を挙げてチャレンジすることができる、他の生徒の間違いから学び自分の解答のヒントにすることができる、今回答えられなくても次回の授業で生かすことができるなど、生徒が楽しいと感じる要素が多くあります。
⑤ペア活動が多いことです。ヴィゴツキーの「発達の最接近領域」にあるように、1人では難しい課題でも仲間と協働して行うことで課題を達成することができるようにデザインされています。Basic Dialogそのまんまスキットなどが当てはまると思います。仲間と協力してできた喜びと楽しさが、学級経営にもつながると思います。
5 生徒目線でベーシックな指導法
①1年生1学期から戻る文法指導は、最初は時間がかかりますが、1人も取りこぼさない愛のある指導だと思います。
②日々の授業で生徒とのやり取りや学期末のアンケートから生徒の声を聞き、データを取り、授業を改善するプロセスは科学的であり、生徒目線に立っていると思います。
③Aパターン、Bパターンとはっきり授業構成がわかれており、さらにコンポーネンツが明確であるため、生徒はこの活動は何で、この次は何かということがわかっています。そのため、見通しを持って安心して授業を受けることができます。
④同じ活動をスパイラルに行うため、今回できなくても、次回できるようなチャンスが与えられています。例えば、クイックQ&Aなどです。それにより、粘り強く授業に取り組むことができると思います。
8 語彙指導が手厚い
①フラッシュカードを用いた語彙指導では、文字・音声だけにとどまらず、ジェスチャーを入れるなど、目・耳・身体感覚を用いて身に付けさせています。また、類義語、反意語を考えさせたり、カテゴリーを考えさせたり、フォニックスを意識させたりと、1つの語彙からシナプスが広がるような指導を繰り返し指導しています。
9 北研という組織の仲間感
①はじめましての先生にも優しく、久しぶりの先生にも温かいです。指導法に悩んでいるときに、一緒に考えてくださいます。
②多趣味な先生が多いと感じています。
③全国に北原メソッドの実践者がいます。
④懇親会が美味しくて楽しい。直接北原先生から学ぶことができます。
10 先生も楽しい
そのまんまスキットやピンポンブーを使った活動は必ず教師も生徒も一緒に笑顔になります。
11 時短
タイパ・コスパが最高だと感じています。授業準備を最短で終えることができます。
12 復習が多い
語彙をリサイクルする場面が多く設定されています。特に、フラッシュカード、スパイラルワークシートでは、問いの数をこちらで設定できるため、授業のボリュームを見て、その場で調整することができます。特定のフォニックスの語彙がたまったところで、フラッシュカードで指導している際に他の単語は何かと聞いたり、その後スパイラルワークシートで書かせたりと、計画的に指導することができます。
13 その他
①北原メソッドという「やり方」を追試することで、教師としての「あり方」を学ぶことができます。発音指導での「厳しさ」を発揮すると同時に、ピンポンブーのような「楽しさ」を共有し、生徒から学ぶことや1年生1学期から戻る文法指導などで「優しさ・愛情」をもって指導しています。発音指導で生徒に甘くなり、基準を低く設定すると、上達しません。しかし、厳しいばかりだと生徒との関係性が悪くなってしまいます。そのバランスを北原メソッドの指導を通して、身に付けることができると思います。
②学級経営につながります。北原メソッドはいろいろな活動が流れるように進んでいき、生徒が暇になる時間がありません。そのため、クラスにリズムとメリハリがうまれます。全員が授業に集中していないと滞ってしまうので、指導を入れるチャンスがあります。Learn
from your friends. Share your knowledge. Contribute to the class. Try to be different.はそのまま学級目標にもなる内容だと思います。
③教師の英語力が上がります。Picture Cardを使ったQ&Aで時に即興でQを作ったり、Oral Introductionをしたり、接頭辞・接尾辞を学んだり、自分を鍛えることができます。
④「メソッド」として確立されており、さらに「幹本」というテキストがあることです。しかも、指導法だけではなく、テストについてもです。また、じゃれマガ、Listening
Training Poweredなどコンポーネンツがそろっています。
⑤3年間を通して、パフォーマンステストが決まっているため、定点で評価ができます。分析し、指導の軽重を考えることができます。