【今月の北研について】
今回の北研も昭和女子大学附属中学校の素晴らしい教室で開催されました。壁一面に映像が投影できる環境で、どの座席からもスクリーンが見やすく、参加者はとても快適に研修を受けることができました。初めてのオンライン同時開催となり、全国から50名以上が参加しました。会場校の近藤先生には、素晴らしい環境をご提供いただきまして、参加者一同大変感謝しております。開会時には北原先生がオンライン参加の先生方にご挨拶をされ、今後1月に授業公開があることもご案内されました。例会への直接参加が難しい方も多くの学びを得ることができ、感謝の声が多数寄せられました。
【講師の大西先生について】
大西先生は、中学校英語教員として16年間勤務され、昨年度退職後は非常勤講師(午前のみ19コマ担当)や教育×生成AIアドバイザー、ICT関連の講師、教育起業家として幅広くご活躍されています。Apple製品がお好きで、iPadなどICT機器の活用歴が長く、MicrosoftやGoogleの資格も多数取得されています。Apple TeacherやMicrosoft認定教育アドバイザーとしての肩書きもお持ちです。初任の頃からiPadを授業で使い始め、デジタル教科書、タブレット、生成AIと進化させてきました。授業では、生徒が海外とつながる英語コミュニケーションや、ICTを活用した個別・協働学習への転換に力を入れていらっしゃいます。モットーは「温故致新」で、北原先生の言葉から深く影響を受けており、北原先生の著書や理念を積極的に取り入れて授業を実践しています。今回の講座では、「エドログ」などの新しいツールの紹介もあり、ICT活用のヒントが満載でした。授業の冒頭20分には「帯活動」を行い、生徒の基礎力・定着とコミュニケーション活動をしっかり取り入れている点が特徴です。生徒はCanvaで英語記事を作成するなど、ICTで多様なアウトプットに挑戦しています。
【なぜタブレット端末が全国で導入されたのか】
日本全国でタブレットが使われるようになった背景について、参加者の皆さんのグループディスカッションでは、GIGAスクール構想やコロナ禍により配布が前倒しされたこと、オンライン授業の必要性、北欧など海外の影響でICT教育を追いかける形で導入が進んだことが話題になりました。
大西先生は、Society 5.0時代に対応する令和の日本型学校教育では、「一人ひとりのニーズに合ったサービスが選べ、多様な幸せを実現できる社会」を目指してデジタル化が進んでいると説明されました。OECDの調査で日本の学校内でのICT活用が平均以下であることを指摘し、教育現場での1人1台端末活用の必要性を強調されました。一方で、子どもたちが学校外でタブレットを学習目的外に多く使っている現状も問題視されていると述べました。
文部科学省は英語学習において、タブレットを活用して海外とつながる「本物のコミュニケーション」や、ライティングの自動添削、スピーキングの音声認識機能によるアウトプットの質と量の向上を想定しており、タブレット導入の本質的な意図はこれらにあることを示しました。
【ICT導入の経緯と教育的意義】
大西先生は、ICTが学校で導入され始めた背景として、特にコロナ禍で急速に必要性が増したことを挙げました。コロナ前の海外ではICTを学習目的で使う子どもが多かったのに対し、日本ではゲームや動画視聴が多かったため、学校内でのICT学習利用を推進し、学校外でも学びに活用されることを期待している点を説明されました。
文部科学省はICT活用によって、海外と簡単にオンラインでつながり「英語で交流する」「ライティング自動添削」「スピーキング支援機能」を使ってアウトプットを高めることに注力しているとし、大西先生は「ICTは今まで到達できなかったところへ連れて行ってくれるツール」と強調されています。ICTを長期的な学びの手段と捉え、学校での利用が進むことで家庭でも学習的な使い方が増え、YouTube等を見て怒る必要がなくなる未来を描かれていました。
【大西先生のICT活用の全体像】
大西先生は、スキットや英語ポスター作成(2時間程度)、ALTとの会話、アンケートや自己評価、小テスト(Microsoft Forms等)、動画を活用した授業形式を駆使されています。3年間の定期考査の解説動画を作成し、生徒はいつでも過去問を見直せる環境を用意しているため、感謝されているそうです。動画作成には約2時間かかるものの、AIを活用したテスト採点システムの導入により採点作業の大幅な時短を実現されています。動画解説はiPadの画面録画機能を用い、編集を行わない“一発撮り”で作成して効率化を図っています。
【授業での具体的なICT活用例】
①ポスター作成や英語での調理パーティー(ALTとの英語のみの会話を含む家庭科とのコラボ授業)
②アンケートや自己評価、小テストをリアルタイムで行い、生徒は即時にフィードバックを得られる環境を設計
③定期考査後の解説動画は大問ごとに分割し、生徒が必要な部分だけを選んで視聴可能
④「おーいお茶」の英語俳句などコンクール作品作成と相互評価
⑤卒業課題としてAI(SUNO)を使い、生徒が歌詞を作り音楽をAI生成して学級の卒業ミュージックアルバムを作成
⑥AIドリル(ドリルパーク、英語漬け)の導入による個別学習促進
⑦Microsoft TeamsのReading Progressで音読練習を行い、AIによる採点を実施。合格ラインを正答率80%に設定
⑧テスト採点のAI化で、8時間かかっていた作業を約1時間に短縮(リアテンダント、百問繚乱などのシステム利用)
⑨学校行事を英語学習に結びつける活動として、修学旅行先の米沢市について英語ポスターを作成するなどの実践
【授業設計におけるICTの活用方針と課題】
大西先生は、ICTは「授業の効率化及び個別化を進める強力な手段」であり、実際にAI採点により教員の負担が軽減される一方で、システムの設定や運用には手間と慣れが必要と述べています。AIによる英作文の採点では、手書き採点との併用や採点基準の工夫が求められることも指摘されました。動画解説は生徒から「無くさないでほしい」という声があり継続しているとのことです。また、AIやアプリは生徒の興味を引き出すスパイスとして適切に活用し、基礎力育成があってこそ効果が発揮されるとの認識も示されました。卒業制作など特別な場面で効果的な採用を心がけているとのことでした。
【大西先生が紹介したICTツール一覧】
・(音読採点・音読支援系)Microsoft TeamsのReading Progress機能を活用し、生徒の音読をAIが採点しています。正答率の合格ラインは生徒の実態に合わせて80%に設定し、自治体でTeams未導入の場合は「音読メーター」アプリも推奨されています。
・(自動採点システム)「リアテンダント」や「百問繚乱」などのAI採点システムを導入し、以前は8時間かかっていた採点作業を1〜2時間に短縮。設定の難しさはあるものの、使いこなせば大幅な業務軽減につながると紹介されました。
・(フォーム作成・アンケート)Microsoft Formsを利用して、アンケート・自己評価・小テストを簡単に作成し、即時採点・フィードバックが可能です。
・(動画作成・共有)Streamなどを用いて、テスト解説動画や授業動画を作成し、Teamsにアップロードして生徒がいつでも視聴できるようにしています。iPadの画面録画機能も用い、編集なしの一発撮りで効率化しています。
・(デザイン・教材作成)Canvaを頻繁に使い、英語ポスターや動画制作、英語授業のHP化などに活用。英語共同学習や卒業課題の動画編集にも用いられています。
・(翻訳・校正)DeepLを翻訳やライティング添削に利用し、Grammarlyも文法の細かいミスチェックに活用しています。
・(その他のツール)QRコード作成ツール、Web制作ツールWix、クイズ作成のKahoot!、単語学習用Quizlet、アイデア出し用の吹き出しくん、掲示板兼SNSのPadletなど、多様なツールを適宜使い分けています。
・(英語学習アプリ)「キュビナ」「ドリルパーク」「英語漬け」などを使って個別学習を促進。特に英語漬けは短時間で多くの単語を学べる利点があります。
【ICT活用のポイントと展望】
・大西先生は「ICTでイメージできることは何でもできる」と述べ、効果的な授業には明確なイメージ形成が大切だと話されました。
・AI採点システムの導入によって採点時間が大幅に短縮され、その分をデータ分析や授業準備に充てることが可能になりました。最初の設定は難しいですが、使いこなすほど効率が上がるとのことです。
・京都市など一部自治体では「百問繚乱」を導入しており、採点の工夫(例:英作文の先行手書き採点など)も共有されました。
・授業内で使うツールは多様ですが、基礎力を育てるために日常的なICT活用が不可欠であり、生徒の興味を引き出す“スパイス”としての役割も評価されています。
【ふきだしくんの体験】
「ふきだしくん」は、ログイン不要でブラウザから無料で使えるシンプルなオンラインホワイトボードツールです。先生がボードを作成し、参加者は付箋(ふきだし)で自分の意見ややってみたいことを書き込んで共有できます。参加者同士で「いいね!」を付け合えたり、先生は画面を一斉に切り替えたりして活動をコントロールできるため、授業中に急に使いたい時もすぐに活用可能です。機能がシンプルで、小学生でも迷わず使え、Google Jamboardの代替としても注目されています。参加者はオンラインで自分の「やってみたい授業」を書き込み、共有し合うことで活発な意見交換ができました。
【Kahoot!の体験】
Kahoot!は、北研でも定期的に使われているクイズ作成アプリです。今回は北原語彙を用いた「サブマリン隊」というチーム協力モードを参加者全員で体験しました。このモードは全員が協力して潜水艦を深く潜航させていく仕組みで、楽しみながら語彙の定着を促す工夫がされています。通常のクラシックモードのように個人戦ではなく、協力プレイ形式で盛り上がりが違うため、今後の授業への導入も検討されています。また、問題作成は時短のためにスプレッドシートのインポートができ、ChatGPTなどAIを使って効率的に英語問題を作成する方法も紹介されました。
【参加者からの感想】
ICTができる大西先生はサクサクここまでされていましたが、自分がやるとなるとモタモタしそうです。でもとにかくやってみて「経験値」を積むしかないと思います。
懇親会ではラッキーなことに大西先生のお隣の席になり、個人的にお話しさせていただくことができました。大西先生は普段の授業では、ICTとアナログのバランスをよく考えて授業をされているとのことでした。実際帯活動は25分されているとのことで、具体的には歌や英会話などでした。
何でもかんでもICTが良いわけではなく、なぜICTをここで使うのかと使用目的が考えられていないICT活用は意味がない、と大西先生はおっしゃっていました。カフートに関しても、北原先生の発信語彙については意味があるが、基本的にはあくまでもゲームなので、有用なものを使わないと時間の無駄になる、ログインにも時間がかかるし10分取られるのはもったいないともおっしゃっていました。
研修会の最後に生徒たちの感想の中に「大西先生のような教え方をした先生はいない」「3年間大西先生に教えてもらえた自分はラッキーガール!」「他の教科にも影響を与えた」など、絶賛していたのは決してICTのことだけではなく、ICTとともに使える英語を教えたためと納得しました。
この機会に大西先生に「同僚になかなか北原メソッドの良さに気づいてもらえないのはなぜなのか?」をお聞きしました。大西先生から、「入試にだけ目が向いている人は北原メソッドの良さには一生気づけない。北研に来ている先生方は生徒のその先の未来を見ている。だからたくさん音読をさせる。目標が違うのだ」と答えをいただき、改めて納得しました。目先のことだけ考える人は北原メソッドのすごさに気づかないんだ、いや気づけないんだと、とても腑に落ちました。
北原先生にはたくさんの企画をしていただき、感謝の気持ちに絶えません。北原先生、北研でいつまでも教えてください。ただ、大西先生が以前の研修会で聞かれた北原先生が言われたという言葉「俺はここまで来た。俺を超えていけ」という言葉も胸に刺さりました。それを元に、今大西先生のモットーは「温故到新」だそうです。
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「Canva使用するにあたって、フォーマットは利用してよいと思うが、英語についてはコピー&ペーストできるので、使用することを躊躇してしまうのだが…」という質問をさせていただきました。また、北原先生が「(人に聞いたり、翻訳ソフト使用したり、生成AIで英作文したとしても)英文を音声にするのは自分の体を通してしているのでパフォーマンスすることを評価できるが、Writingについてはどうなのか?」と質問されました。大西先生の答えは「その場で書かせたものしか英作は評価できない。評価のポイントを外すことが必要。」でした。評価できないとはっきりおっしゃってくださってスッキリしました。それならCanva使えるかなと思い、「偉人の言葉」をやってみたいと思います。
今回の大西先生の講座はA先生もおっしゃっていましたが今まで受けたICTのお話の中で一番楽しく、あっという間に時間が経ってしまいました。授業でやってみようということがたくさんありました。
時々参加させていただいていたSPICEの主催者である犬塚先生にお会いできて、懇親会の最後にお話しできたことも嬉しかったです。懇親会では何とジャレル先生の目の前の席になり、大変光栄でした。ジャマガを定期考査で使用しており、生徒たちに「ジャレル先生は実在の人だよ」と伝えており、先日は「ジャレル先生と今度会うの、一緒に飲むの」と宣言していました。写真を撮らせていただき、お話ししている様子も撮影させていただき、動画を流して良いとの了承もいただいたので今週の授業で使わせていただきます。生徒たちの反応がとても楽しみです。
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吹き出しくんを実際に使い、北研の皆さんでアイデアを共有できたのを参考に、授業で英作文をするときに先にブレインストーミングとして使えるなと思いました。また北原語彙カフートを授業で使っていますが、サブマリンというやり方があるのは知らなかったのでこちらも早速使いたいと思いました。みんなで必死に問題を何度も解かないと目的達成できないところが子どもたちにも楽しそうだと思いました。
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①ICTへの「頼りすぎ」への対応
課題をAIに丸投げする生徒への対応として、北原メソッドの「スキット発表」を到達点に据えることが提案されました。「スピーキング」ができることに重点を置き、パフォーマンスで評価する。ライティングは、その場で紙に書かせて回収するなど評価の観点を工夫する必要性を感じました。
②ICTに馴染めない生徒への支援
先生のサポートは不可欠であり、先生のコミュニケーションの取り方が生徒の学習成果に大きく影響するとのことです。生徒が助けや励ましを必要とするタイミングを逃さず、適切な声かけ・働きかけを行うことが大切だと思いました。大西先生はICTを単なる効率化の手段としてではなく、「血の通った形」で活用されていると強く感じました。
「教育はAIに取って代わられるのではないか」という予測も耳にしますが、個々の生徒の困り感に気づき、心に響く言葉をかけられるのはやはり人間の先生だと信じています。
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大西先生と温泉に行く途中など研修後に話して、先生の授業では毎時間帯活動で20分くらい生徒と一緒に活動するものがあり、その後ICTを活用した活動をされているとのことでした。北原先生の最後の研究授業を参観されていたり、初任の頃に北原先生と田尻先生との辞書指導ワークショップに参加されて、いい意味で常識を壊されたと言われていました。大西先生は対面して生徒とたくさん関わりながら活動することの大切さや楽しさを活かしながら、ICTの効果的な利用をされていることがわかりました。
そういう話を聞かなければ、大西先生が50分の授業でずっとICTだけの授業をされているように勘違いしてしまうこともあったかもしれません(もちろんそんなはずはないと思っていましたが)。大西先生は例会の冒頭で、今日紹介するものを全部してほしいわけではなく、参加した私たちが「これは使ってみたいな」と思うものがあれば嬉しいという旨のことを話されていたので、「じゃあ自分だったら何を使うと効果的かな」と考えてみました。
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大西先生から、ICTで何ができるのか、どのアプリがどの活動を実現できるのかを、実践例とともに詳しく教えていただき、大変学びの多い時間となりました。これまで参加してきたICT研修の中でも特に印象に残る研修会でした。英語だけでなく、道徳や学活などさまざまな場面で活用できる具体的なイメージを持つことができたのも大きな収穫です。今回学んだ内容はメモを見直しながら、今後の授業にしっかりと生かしていきます。このような学びの機会を与えていただき、心より感謝申し上げます。
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最後に、大西先生が評価についてお話しされていたことが印象に残っています。ライティングについて「その場で書かせたもの」を提出し、評価をするということでした。評価のポイントを外すことが必要、という言葉が私が思っていた疑問を払拭してくれました。また、「ICTでイメージできることは何でもできる」というお言葉に、自分がどんな授業をしたいのか、どんな活動をしたいのか、具体的なイメージを持つことが大切なのだと学びました。
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「イメージできるものは何でもできる」という言葉がとても印象に残りました。大西先生のICT×授業の飽くなき探求心と実践は、この言葉からも伺えました。大西先生は別のところでもオンライン研修をされていて、私も何度か参加させていただいておりました(大西先生、ありがとうございます)。ものすごく引き出しが多く、どれだけこのオンラインやタブレット活用の世界を知っていらっしゃるのだろうと深く感心させられると同時に、授業に役立つアイデアのレパートリーのすごさに毎度驚かされます。しかも、大西先生の実践には北原メソッドが根底にあるので、よくある無味乾燥なタブレットの授業ではなく、生徒目線の愛が感じられる授業をされていることが、生徒の感想からも伝わってきました。一度大西先生の授業を参観させていただける機会があれば、ぜひ伺わせていただきたいです。
北研には現在、北原メソッドのオーソドックスなチームとICTチームがありますが、ICTの可能性を探るのは面白いと思うと同時に、T先生がMLに書かれていたように、無駄のないオーソドックスな北原メソッドにICTを入れる余地があるのか、本当に必要なのかを考えさせられる機会ともなりました。どちらの良さも取り入れた「新・北原メソッド」なるものが確立されたりするのかなとふと考えてみたりもしました。
何を使うにしても、何をするにしても、「ねらい」が必要ですね。何のために教師になったのか、何のために英語を教えているのか、何のためにこの活動をするのか等々、根っこの部分も考えさせられる機会となりました。ありがとうございました。
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今回の大西先生のお話はとても分かりやすく具体的でした。私はコンピューター操作やICTが苦手であまり使用してこなかったのですが、これからの教育では「使えること」が必要だと改めて感じました。自分で試して使ってみて、何ができるか、ゴールは何かをよく考えて使うことを意識しながらICTと関わっていこうと思います。
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大西先生のICTの知識とその活用の多岐にわたることに目を見張るものがありますが、最新の技術・知識の習得とその活用もすべて(当然のこととはいえ)生徒に楽しみながら使える英語を学んでほしいという願いから発するもので、すべてのアプリの活用、活動はそこにつながっている、その一貫した教育への情熱、生徒への愛情も強く印象に残りました。見習わせていただきたいです。
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1番印象に残ったことは、大西先生がおっしゃってくださった「AIを使えば、イメージできるものはだいたいできる」という言葉です。だから教師は、AIにさせた方がいい作業をAIにしてもらい、空いた時間で教師にしかできないことをすればいいと思いました。大西先生、発表でいろいろなことを教えてくださりありがとうございました。テストの自動採点など、これからの教師人生になくてはならないことを学べました。本当に助かりました。ありがとうございます。
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ICT活用に関する私自身の気づきです。感じたことは2つあります。
1つ目は、ICT活用の魅力は、生徒の英語学習の入り口を広げる点にあるということです。小さい頃からデジタル機器に触れてきた彼らにとって、それを使うことは自然な行為で、操作に抵抗がありません。ゲームをするかのようにデジタル機器に向き合って英語を学び始める時間が生まれます。友達が投稿した発表動画を互いに鑑賞する活動もその一つです。流行りのアプリを使う感覚で、Flipgridで英語スピーチなどの動画を見合うことができます。
2つ目は、教師が「どう使わせるか」「何のために使わせるか」を明確に持っていないと、ICTを使うこと自体が目的となってしまう授業になるという点です。英語を学ぶきっかけとして、また生徒によっては学習へのハードルを下げるためにも、ICTを適切に活用していくべきだと強く感じました。
大西先生のご講演の後半では、教員の負担軽減が期待できる採点ソフトについてもご紹介いただきました。本校でも採用しており、実際に使ってみると非常に便利です。どんなことにもメリット・デメリットはありますが、一人の答案をじっくり見る時間は減る一方で、効率的に採点ができるため、生徒のためにそれ以外の時間を確保できるという魅力があります。
言語も、そして時代も変わりつつあります。生徒にとって良いと思うものは、これからも積極的に取り入れていきたいと感じました。
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さまざまなアプリや方法があることを学びました。「たくさんスキットさせる、誰から学んでもいい、自分の体から出てくるものが本物の力」今まで通り、聞く・話す・助け合う・書くなどの活動を大切にしつつ、必要に応じてICTを使いながら、授業を工夫していきたいと思いました。
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今回、さまざまなアプリケーションやwebサービスをご紹介いただき、大変参考になりました。実際に授業で試してみて、生徒の声を聴きながら、より良い授業につなげていくことが大切なのだと改めて感じたところです。ICT端末が我々以上に身近なものとしてある中学生に対して、その意義や使い方をしっかりレクチャーすることが求められているのだと思います。
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これまでにICTの講座を受講したことはありますが、本当に2時間半があっという間に過ぎていきました。今までは、どこか他人事のように聞いていたことが多かったのかもしれません・・・しかし、今回は、「これをやってみたい!」「こういうのができたらいいな!」といろいろイメージし、ワクワクしながら話を聞けたからだろうと思います。「イメージできたものは何でもできる!」という言葉、心に残りました。迷ったとき、私の背中を押し、挑戦する方向へ導いてくれる言葉になりそうです。可能性を広げてくださり、ありがとうございました。
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大西先生が仰った「(ICTは)イメージできることは実現できる」という言葉には、すごく勇気づけられました。子ども達の学習がICTでどうなってもらいたいかイメージしながら教材を作ろうと改めて思いました。
今回は、北研後に銭湯を体験しました。江戸の風呂は何から何までカルチャーショックでした。熱い風呂から出て体を冷ましていた時に大相撲がテレビ放送されていました。昭和な雰囲気がムンムンでしたが、大変懐かしくて穏やかな気持ちになりました。最先端のICTと対極にあるような昭和な銭湯を1日で同時に勉強できる、またとない機会になりました。今回もありがとうございました。
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自分自身の所属する市教研でも、「ICTを使いこなすことが目標」になってしまっている研究授業を見たことがあります。あくまでも、ICTは手段であり、ICTを使う向こう側に「相手がいる」ということを意識させたいと再認識しました。
ただ、今もまだ子ども達の方がICT機器やアプリについて詳しいので、自分自身もその知識をブラッシュアップさせたいと思います。大変個人的に刺激を受けた講座でした。ありがとうございました。
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教師が一人で行っていた指導を、AIやアプリを使って、個別に指導することができると感じました。Reading ProgressやDeep Lなどは、とても有効だと思いました。ドリルの時点ではAIを使い、教師の個別の指導の後、評価をするなど、アプリの長所を生かしながら指導することで、教師が1対1で生徒を指導する時間を確保できると思いました。
また、帯学習を十分にペアで行うなど、音声面でのインプットを行うことで基礎力を担保している点も勉強になりました。
私も以前、自由進度学習を実践したことがあります。しかし、音声から離れる場面が多くあり、生徒の力をうまく伸ばすことができませんでした。いろいろな要素があるかと思いますが、学習集団として育てることができなかったことが原因かと思っています。帯活動はペアで行ったとしても、自由進度で各自が学習を進めると孤立してしまうことがありました。しかし、大西先生は多様で知的で楽しい活動を行い、他の生徒の発表や作品から学ぶ機会を作っておられました。それにより、生徒は互いに刺激し合い、互いのファンになるような学習集団に育っていったのではないかと推察いたします。Learn from your friends. / Contribute to the class. / Try to be different. に当てはまると思います。
さらに、生徒は学び方やアプリの使い方を学んでおり、自分で多様な学習方略を体験しながら学んでいることは、今後の英語学習においてとても有効だろうと思いました。
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得意とは言えませんが、ICTにはとても興味があります。どちらかと言うと好きな方かもしれません。コロナ以降、急速に発展してきたICT教材やアプリは、非常に使い勝手がよく、生徒の興味関心を惹きつけるものであると同時に、教員の採点や教材作成の時短になり、一層働きやすくなると思います。
自分自身、今回紹介していただいたアプリなど使用したことはそんなにありませんでしたが、これから実際やってみたいことは沢山出てくると思います。一方で、本当に効果のある使い方になっているか? 北原メソッドの邪魔になってはいないか? と考える必要はあると思いました。ICTの良さをもっと知り、どの場面で使うか、どう使わせるか、目的とその先を考えながら使いこなせるよう、勉強していきたいです。
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大西先生の「イメージしたことはICTでほとんどできる。大切なのは教師のイメージ。どんなことをしたいのかが大事」「使う目的をしっかりと分けていくことが大切」というお話に、ICTの可能性と、それを効果的に活用できるかどうかは教師にかかっていることを強く感じました。聞いたことがあるだけで、ほとんど使ったことのないアプリもたくさん紹介していただきました。オンラインでもこのような充実した研修を受けさせていただき、大変ありがたかったです。また、北原先生が休憩時間にオンライン参加組の一人一人に声をかけてくださり、一緒に研修させてもらっているなぁ、という気持ちになりました。
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「AIによって、こうしたいと思ったことは、ほとんどできる」との言葉が一番印象に残りました。たしかに、先生の講演を聞いていると、おもしろそうな実践例が次から次へと登場して、やってみたいことがいくつも浮かびました。
また、北原先生からのこんなコメントもありました。生徒には、「たとえALTや辞書など、どこかから引っ張ってきた英文でも、一度自分の体をとおって発話されたら本物だよ」と伝えている。
昨今の安易な翻訳ソフトからのコピペによる英作文も、このプロセスが大事だと感じました。課題を書かせて終わりにせず、発表させたり、テストで書かせたり、何度も自分フィルターをとおさせることが欠かせません。今回、大西先生から見せていただいたAI活用の多くの事例を、試行錯誤しながら生かしていきたいと思います。
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本校では、百問繚乱という自動採点システムを使っていますが、8時間かかる採点が1時間ほどで終わり、その分、分析などに時間を使うことができています。先日は3年の私立の評定をすぐに出さないといけないということで、英作文は後日行うことにしてすべてマークにしたところ、すべての採点が2秒で終わってしまいました。計算まですべて一瞬でやってくれるので、もう元には戻れません。最初の設定は大変ですが、3回ほどやると慣れるとのことでした。私は若者に丸投げしているので、全く悩みがありませんが、解答用紙がちょっとズレたりすると、採点に支障が出るので気をつけないといけないです。
本校では、個票も百問繚乱を使って出しているので、テスト当日に休んだ生徒の採点も百問繚乱に入れて、訂正があったものも百問繚乱に入れ直してとなると、ちょっと面倒くさかったりしますが、280人分のテストがすぐに終わるほうが助かるので、そこは我慢です。
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研修の後、定期考査前だったため、クラスで早速 Kahoot!のサブマリンバージョンでテスト範囲の復習を行いました。大盛り上がり!生徒は何度も何度も同じ問題を繰り返し、良い復習になったようです。
この度は、「授業の引き出し」を増やすことができました。良い機会を頂き、ありがとうございました。
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実際に自分が授業で使うとなると、担当学年が今年度1年生なので、Kahoot! や「音読メーター」などかなと考えています。ちょうど例会のあった前日に期末テストが終わったので、採点をいつものように(昔のやり方)やりました。が、今後一番改革したい部分です;身近なところから実践してみたいと思いました。
ありがとうございました。
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ICT はまったく不得意である自分ですが、ICT を使用することで、生徒にどんな学びが起きているのか、活動の本来の目的に合った内容になっているかを確認しながら、授業や家庭学習で生徒に活用させる機会を作る、また授業以外の日頃の業務でも自分が活用して業務の効率化ができる使用を考えていきたいと思いました。
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ICT を活用することのメリットは大きく3つあると思います。生徒にとって新しいものを提示できる新奇性効果、教師の負担を減らす業務の効率化、学習自体に難しさを抱えている生徒への支援ツールです。
・タブレットやAIを用いた新しいアプリを活用することによって、生徒たちは新しいことにワクワクしながら授業に取り組むことができると思います。
・Kahoot! での問題作成、フォームを使った生徒の振り返り及び小テスト、採点アプリなどを活用していくことで、授業準備において一番時間をかけたいところに力を注ぐことができるようになると思いました。
・板書を写すことが苦手な生徒には、板書内容を生徒のタブレットにも映し出すことで、ノートとの距離が近くなり、授業についていきやすくなります。テストの解説動画は、生徒自身が苦手な箇所を選んで復習できるとても素晴らしい教材だと思いました。
英語教育の最重要課題は何か?と問われると、「生きたコミュニケーション」という言葉が浮かびます。その点を念頭に置いた上で、生徒と向き合い、生徒の声に耳を傾けながら一緒に授業を作り上げていければ、ICT 活用の方向性は間違うことはないと思います。
ICT 自体が授業へ悪影響を与えているのではなく、それを実践・推進する立場の者が間違った活用法で広めてしまうことが不安ですが、自分自身はぶれずに実践していきたいと思います。
改めて、貴重なお話を聞かせていただいた大西先生、学びの場を設けてくださった北原先生、例会実施にあたり様々なところでご尽力くださった先生方、ありがとうございました。
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大西先生の講演は、まずタスクをスムーズに高いクオリティで完成させるために、アプリやブラウザを使用する。そして生まれた時間も「生徒に使う」という思いが根底にあるように感じました。結局、生徒も先生も作業が楽になり、英語が生徒にとってもっと身近になり、英語力の向上につながる、というのが理想のループ。そのためのAIの活用であって、AI の活用ありきの授業に陥らないように気をつけていきたいと感じています。
今回、久々の例会への出席で、このレポート作成に思っていた以上に時間を要してしまいました。これは毎月例会に出席していたら、必然的にレポート作成の機会も増え、皆さんのように時間をさほど要せずとも学びになるレポートが書けるような気がしています。何をどう書き始めようか、と悩んで時間を要するのは本末転倒です。なるべく参加して、少しずつ、このスキルも磨いていこうと思いました。
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大西氏の講演を通し、ICT 活用が学習を豊かにする力であることを再認識した。私の勤務校では DX の研究の指定を受け、2月5日に全教科発表になります。本発表前までの中間発表で授業をさせてもらいました。学習進度表を作成し、各自でルーブリックで目標を決め、学び方の選択をし、Canva、スライド、スプレッド、ヒントカードを生徒が活用し学習を進めていく授業をしました。自分の授業スタイルは、「この指導法がよい」と言われれば合わせて何度も何度も変えてきました。ICT を活用し個別最適な学習を、生徒の学びを大切に、さらに技術を習得し今後の授業づくりにも積極的に取り入れていきたいと思います。
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最近は、テストの採点もデジタル採点を採用している自治体も増えてきています。勤務市もデジタル採点を採用し、昨年度、先進校として使ってみました。私にとっては、採点前の設定に時間がかかり、複数の文を読んで採点する問題などはとてもやりにくく、クラス数が少ない学校には向かないのではと感じました。しかし、先生に意見を求めると、まず3回は使ってみてほしい、そうすればきっと便利に感じると言われました。まだ2回しか使っていなかったので、もう少しやってみようかという気になりました。これまで、できる範囲で使ってみてはいましたが、まだまだ使える、そして使うことで授業が効率的になったりするのだなと思いました。
しかし一方、小学校から徹底して使っている生徒たちが、書くことが苦手になっているようにも感じるところもあります。どこをデジタルにして、どこをアナログにするかという見極め、バランスが大事だと思います。そのためにも、知らなければ判断できないので、学んでいく必要はあると思いました。ありがとうございました。
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例会後は希望者で銭湯に行きました。道中もそうでしたが銭湯の中で私は大西先生とお話させていただく機会があり、大西先生は今回の講座について感想を尋ねていました。私は感想を大西先生にお伝えしながらあることを思い出しました。以前北原先生に授業後の振り返りについて相談させていただいたことがあります。私の学校では授業の終末に振り返りを生徒に記述させることが奨励されているのですが、授業時間が限られているなかで例えば5分間も時間を取って生徒に授業の振り返りを日本語で毎回書かせることに疑問があったからです。英語の授業ならば、英語力を上げることにつながる活動を少しでも行いたいです。北原先生曰く毎回の授業で振り返りを書かせたことはなく、授業後生徒に授業の感想を聞いていたそうです。(特に授業後教室から早く出て行くような生徒に聞いていたと教えていただきました。)
次期学習指導要領では今以上にAIが大きなキーワードとなり、ICT を使った授業がより求められると思います。Information and Communication(s) Technology の名前が示す通り、生徒がタブレット端末に向かってひたすら作業をするだけのような活動ではなく、生徒同士のやり取りを伴った ICT の活用を行なっていきたいです。
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授業改善、テスト作成など AI を使った教育がこれからどんどん増えていくと思います。それについていけるように、いろいろな研修が必要だと思います。ですので、今回のような研修はとても大事だと思います。このような機会を設けてくださってありがとうございました。
大西先生、たくさんの学びを本当にありがとうございました。時代についていけるように、またいろいろとご指導ください。よろしくお願いいたします。
北原先生、今回もたくさん学ばせていただきました。ありがとうございました。いつか対面の例会に参加したいと思いながら、なかなか叶いませんので、今回のようにオンラインで参加できるのは本当にうれしいです。北研の例会は参加すればするほど学びが深くなりますので。12月のオンラインもよろしくお願いいたします。
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これを書く前に、直接、私が抱いた講師の先生には失礼な感想については、事前に大西先生に申し上げましたし、研修資料で目にした疑いようのない大西先生の生徒たちが付けた優れた英語力に関しては、ICT以外も駆使した生徒に発言させる活動が関わっていたことは、研修後の懇親会でお聞きしました。
正直に言えば、大西先生の「今日学んだことを、自分の授業に生かせることは何ですか?」という問いかけに答えられるものは一つもなかったし、研修から時間が経った今でも思いつきません。このことは、北原メソッドの活動が無駄なく、あらゆる場面で生徒同士、あるいは生徒と教師が人間としてかかわって成り立っていることを示すという結論を導き出すと実感しました。ただ、私自身が教材を準備する過程の中で、生成AIを活用したいと思うアプリは全く無かったわけではありません。
興味深いのは、ジャレル先生に、ジャレルマガを書く上で生成AIを使ったことがあるかという問いに対して、ジャレル先生は一回だけ試してやめたとのことでした。私も、何か表面的で一貫性のない生成AIには気持ちの悪さを感じて使う気になれません。私が日常的に接しているベートーベンやモーツァルトの音楽とは異質な、無機質で味気ないものに感じます。
例えば、生徒が作った英作文を元に音楽を作るSUNOによるデモンストレーションで聞いた歌は、私が今取り組んでいるモーツァルトとは天と地の差があるほどの酷い代物で、聞き心地の良さそうな単純な和音進行の伴奏に、メロディーは言えないような音の高低差を伴った歌詞の進行であり、私にとっては聞くに堪えないものでした。創造力のかけらもないものに何も価値は見いだせませんでした。
もしも生成AIで、モーツァルトやベートーベンに匹敵する感動的な音楽が得られるならば、喜んで使っているでしょう。そうでなければ、時間の無駄で、自分の人生の貴重な時間を費やす奪う悪質なものに他なりません。ゲーテやシラーの詞にシューベルトが音楽を付けた至高のリートを聴く時間のような、生きていて良かったと思える感動を味わってもらいたいです。
もしも生成AIを日本の教育が推進していくのであれば、正常な論理で考えれば、今後、音楽や美術などの教科の重要性が増し、何が良い芸術であるかを見極める能力を高める必要性が高まるでしょう。
しっかりと生徒たちが教科書の音読をしていれば、生徒たちは補助的にしか翻訳アプリを使用していないのが、私の教室の生徒たちの実態です。
生徒の音読を促進させるのは、AIによる善し悪しの判定ではなく、生身の人間である先生による判読であり、先生自身の経験と努力に裏付けられた指導だと思います。人間同士の指導は、指導者がまともであれば、生徒は音読の宿題をやろうとする気持ちになります。