7月例会(北研第123回)の参加者は19名でした。
メニューは以下の通りです。
1.最新のパフォーマンスビデオ視聴 (1)平成27年度1学期1年生スピーチ「自己紹介」(2015.7.4撮影)
Sunshine English Course Book 1, Kairyudo My Project 1 自己紹介をしよう
(2)平成27年度1学期3年生スキット「有名人にインタビューしよう」(2015.7.2撮影)
Sunshine English Course, Book 3, Kairyudo My Project 7 有名人にインタビューしよう
2.北原メソッドAパターンの授業
(『英語授業の幹をつくる本 授業映像編』より)
1.最新のパフォーマンスビデオ視聴 (1)平成27年度1学期1年生スピーチ「自己紹介」(2015.7.4撮影)
【参加者の感想・考察】
・8~14文くらいで自己紹介のスピーチを行う。
1年生の7月なのでまだ発音は不十分ということだが、私が聞けば十分綺麗!
多分基本の型は
Hello, everyone. I’m ~. I’m ~ years old. I’m from ~.
I’m a Akasaka junior high shcool student.
I have ~ (little / old) (brother / sister).
Her / His name is ~.
I like ~ very much. I’m on the ~ team.
Thank you for listening.
ジェスチャーは1語にほぼ1つ付けている。
私の生徒も同じような条件でやりましたが、1語に1つジェスチャーを付けると流暢さが失われてしまいました。しかし、赤坂中の生徒のスピーチはスラスラと言えていました。日頃のそのまんまスキットの指導の差が出ているのでしょう。
・ほとんどの生徒が原稿を見ないで、というよりその場に持ってこないのには(たぶん)驚きました。自分の生徒には、「原稿は持ってきてもいいけど、(忘れたら目を落とすだけで)読まないでね。」と言っています。そういう状況でもクラスで2、3名は、「原稿なしでいきます。」という生徒がいます。でも赤坂中の生徒はその、「なし」がほぼすべてでした。これはよほど読み込んで自信をつけていることと、友人には負けたくない、との競争心から成り立っていると感じました。もうひとつ。ジェスチャーが微妙に違っていました。例えば「赤坂中」というとき。これは先生がモデルになってそれを真似る「後付」と、自分で考える「先付」のどちらかといわれれば、「先付」でしていることになります。つまり、自分のイメージでジェスチャーをしているということ。これだと、考えないで自然にジェスチャーができるようになります。このことはCreativityもうながせます。指導するに「後付」の方が楽なのですが、最初から「先付」にするように指導しておくと後々楽だし、生徒も強制しないで自分からするようになると思います。そのことは自分の指導で実感しました。
・共通して言えるのはとにかく発音が綺麗。北原先生は、1年生はまだまだだとおっしゃっていましたが、私はとっても綺麗だと思いました。スピードがナチュラル、3年生はネイティブ並の速さとナチュラルさです。そして時間が長い(分量が多い)。また、1年生も3年生も既習事項はもちろん、まだ習っていない難しい文法や表現を自分達で積極的にバンバンとりいれています。
・特に印象的だったのは、haveのジェスチャーです。ジェスチャーに気を取られるのではなく、ジェスチャーを基に英文を頭から捻り出しているという感じでした。私の生徒だとついついジェスチャーばかりに気をとられてしまう子が何人かおり、発音がゆるくなってしまいます。日々の発音指導、「何回も繰り返し」ということを意識して指導していきます。
・「聞き手を意識している」という発表の基本ができている。「伝える」ということを大切にしている。だから、下を向いて発表するような生徒は一人にもいない。1年生において大切にすべき点「ジェスチャー」と「発音」がしっかりとできている。
・出来は毎年と同じ位で、発音はこれから上達していくとのことです。しかしrやlの音を生徒さんたちが意識しているのは伝わりました。また、既に英語らしいイントネーションが出来ているのは、普段の音読練習の成果だと思います。そして全員、自信をもって発表していました。前回北原先生がおっしゃった「先輩の映像を見せる」ことの重要さを再び感じました。
・1年生のこの時期のものとは思えないパフォーマンスでした。何人かの生徒がちらちらと目線を落としながら発表していたように見えたので原稿が下にあるように思えましたが多くの生徒は顔を上げジェスチャーを使ってスピーチをしていて素晴らしかったです。
・I’m from の “f”、I’m on the badminton team. の badminton のアクセント、My sister is lovely. の “l” “v” など、1年生ながらとても丁寧に発音していました。やり切った表情の生徒が多く、発表を楽しんでいるように思いました。また、表現の種類が多く、今までの先輩のモデルがあることがうかがえました。
・1年生とは思えないほど言葉がよどみなく出ていました。皆わかりやすい英語を使っていました。挨拶の仕方から様々でお互いに学べて良いなと思いました。1年生の発音を直すのはこれからと北原先生はおっしゃっていましたが、十分きれいです。また、人によって違うジェスチャーもありました。ちなみに私が教えている1年生は1人ですが、英語が苦手で語彙指導を何度行ってもなかなか単語を読めるようにならないので、今PROGRAM 4です。しかし、夏休みが始まる前に「自己紹介スピーチ」はさせたいと思っています。
・全ての生徒がジェスチャーをしっかりとしているのが印象的でした。また、全ての生徒が違った表現で自己紹介をしているのに驚かされました。
・今年の1年生はとても人数が少ないようですが、1学期の成果として自己紹介を、すこぶる明瞭な発音でしていました。終わって拍手が終わるまで、前に立っていることがしっかり指導されていました。
気づいたポイント
①1つ1つにジェスチャーがつくこと。
⇒あいまいなジェスチャーではなく、1つ1つを大きく、正確にジェスチャーをする。
また、北原先生も、1年は特に1つ1つのジェスチャーを大きく正確に指導している。
②とてもよかった発音
Hello, everyone. Very のv
Thank you. のth, I’m from のf、I have two sisters のhave
My favorite のfとv、brotherのth
⇒このあたりの1年生で扱う表現の発音をしっかり固めていくことが大切と思います。
③”Hello, everyone!(Hi, class!)から”Thank you.”、まで10文程度。13文くらいの生徒もいました。
④「チラ見」で原稿を見ている生徒もいました。
⑤ジェスチャーが豊富であることが印象的でした。name, student, have, like,loveなど。
⑥発音では、fromのf、brotherのthなどを意識していることが感じられました。
⑦”was a”や”good at”など、自然なリンキングができています。
⑧驚いたことの一つに”I’m an Akasaka Junior High School student.”と、”an”が定着していることがあります。リンキングを意識させることが、スムーズな発音につながるのでしょう。
⑨評価項目は「内容」「発音」「演技」で、A+からDまでの7段階。C+以上が合格です。プロジェクトのスタートに示すので、生徒はさらに意識して取り組んでいると思います。(前述した細かい発音など)
・発音がとても丁寧。去年、「なんかやることが遅いと思ってたらウサギとカメのカメだった。ものすごくやることが地道で丁寧」と言われた現2年生の良さが、先輩ビデオを通じて伝わっているのではないかと思われました。
・初めの挨拶や結びの言葉にもいくつか種類がある。先輩映像からの借用や辞書指導のたまものと思われる。
(2)平成27年度1学期3年生スキット「有名人にインタビューしよう」(2015.7.2撮影)
【参加者の感想・考察】
・まず今回のインタビュー撮影に際しては、教室全面の左右に2グループが位置し、studioA, studioBとなっていました。カメラは左右に動かしてそれぞれを撮影し、映ってない側がその間に次のグループと入れ替わるというものです。これによりいちいち撮影が中断されて、入れ替え時間の間にガヤガヤ感想を述べ合って集中力が切れるということを防いでいます。北原先生は厳しい、とはよく言われますが、それ以上に授業のテンポを作り出して、怒らずに済ませる工夫というのがあるということに気づかされます。おっかないからというだけで生徒がきびきび動いている訳でもないということです。
・これは筑駒で久保野先生がやっていたものだったと思います。当時の高校生がやったものがDVDになっているのを見たことがあります。SunshineはMy Projectを見ると、伝統文化の紹介→北原先生、会話をつなげる→中嶋先生のように、それれぞれの先生方が実践され、「わくわく授業」その他で見覚えのある言語活動がちりばめられています。
ただし、それを単発の活動で終わらせるのではなく、中学の三年間にどの配列順で位置づけるか、を考えているところに意味があるのだと思います。
今回のパフォーマンステストにしても大まかなところで、
疑問詞の徹底→クイックQ&A→1年MP3「どんどん質問しよう」→2年MP4「対話をつなげよう」→3年MP7「有名人にインタビュー」→MP8「伝統文化を説明」という流れの中にあって初めて成立するものであることがわかります。例えば、他の先生がたも指摘されている、つなぎ言葉があって、警察尋問のようになっていない自然な談話である、というのもその前の2年生での「対話をつなげよう」というのがあるから可能になるものであると考えられます。逆に言うとこうした活動を自分の生徒にやりたければ、その前段階まででどんな指導がなされてどんな力が身についているから可能になるのかを見極めたうえで計画的に導入する必要があるということにあると思います。
最近の教科書はこの流れがわかりやすい構成になっていて素晴らしいのですが、やはり漫然と意味がわからずにこなしているだけでは同じ教科書を使っていても仏作って魂入れず、になるのはいつの時代も変わらない、ということでしょうか。
・とにかく、発音も発想も、自分たちでの楽しみ方もすばらしいので、「何も言えねえ!」。すみません、そんな感じです。この一場面を評価しても無理で、ここに至るまでの過程が、計画良く、辛抱強く、緻密になされた、ということだと思います。ただこれにGive upせずに、「3年間の計画をもち」「1年づつの計画を遂行し」「軌道修正を図り」ながらも、先ほどの、辛抱強く、緻密になすことをするべきでしょう。簡単にはもちろん行きませんが、このゴールの映像を見ることで終着点がイメージできるので、ここではそれが大事だと思います。
・中3は発音もそうなのですが、語彙が豊富でした。教科書だけでは身に付かない表現もジャレマガや辞書などから学んでいるのかなという印象を受けました。
・さすが3年生という内容。このレベルまで来ると、「発表する」というよりは「発表を楽しんでいる」という印象を受けます。3年間で積み重ねてきたことをすべて出ている発表でした。赤坂中の3年生の発表を見せていただくと「語彙」と「表現」が豊富であることにいつも驚かされます。今年の3年生も中学校3年間で習う表現が自然に使われています。
・会話がとてもナチュラルに繰り広げられていることに驚きました。3年生になるとここまで発展するのか、と衝撃でした。北原先生から、見る際には高校で習う表現がどれだけあるかに注目と言われましたが、会話があまりに自然で発見は難しかったです。
・「人を笑わせようという気持ちから出る創造力、これぞ中学生」という北原先生のお言葉。私たちはその力を上手に引き出さなければならない、それがプロだと感じました。私の学校でも、今3年生がスキットを作成していますが、彼らがああでもないこうでもないと内容を練り練習する姿を見るのが、本当に好きです。堂々と発表出来るよう、引き続き支援したいと思います。
・2年間の北原メソッドでの英語学習による成長をみせていただきました。ペアごとにオリジナリティがありどれも個性的なインタビューになっていました。effectively, compared to~,involved in~などがあったと思いますが、中学3年生にとっては難しいと思われる表現がいくつも出てきました。テストなのですが生徒は楽しんで発表しているようでした。これまでの積み重ねがあのようなパフォーマンスにつながっているのだと思います。スキットに対して余裕が出てくるのでより内容を深めることにつながっているのではないかと思いました。評価も見せていただきましたが、「演技」の項目が入っていたことが印象的でした。
・Q→A、Q→Aの繰り返しではなく、Q→A→Reaction→Q→A→Reactionの流れで、スムーズに会話が続いていました。
・皆非常によく話し、表現が豊かでした。発音が上手でこちらがついていけない程でした。表現では間接疑問文などが使われていました。生徒も奇抜なマスクをつけたりして受けをねらったり、話がどの方向に行くかわからない楽しさがありました。有名人も歴史上の人物からふなっしー、どらえもん、スパイダーマンなど多彩で台本を考える時は夢中で頑張ったのだろうと想像できました。また質問に対するreactionも上手で2年のMy Project「対話をつなげよう」をやった経験が生きてい ると思いました。途中で会話が止まってしまうとアウトになってしまう生徒もいました。生徒がかわいそうにも思えましたが、この悔しさが次回のやる気の原動力につながるのでしょう。特別支援学校では一緒に学ぶ生徒が少ないです。どの学年も1~4名程度です。個別指導に近く良い点もありますが、友達から学べる北原メソッドのメリットは出なくなってしまいます。
・どのペアも内容に工夫があり、自分たちが演じることを楽しむとともに、見る人を楽しませようという気持ちが伝わってくるものでした。覚えているものを発表しようとすると、矢継ぎ早に話してしまいがちですが、赤坂中の生徒たちは“間”の取り方が上手かったです。
・どの生徒もこのパフォーマンスを演じること、話すこと、考えることを心から楽しんでいると感じました。
自由にインタビューのテーマを選べる。それを友達や先生に受けとめてもらえるという「心が開いている」こと、「心の自由さ」が成長を促していると思いました。教師側から「○○でないとだめ、ここから選ぶこと」のような制限を加えないほうが、生徒に工夫や英語表現に大きな成長が生まれるように思えました。
・本当のテレビ番組の中継のように、リズムをくずさず、次々にインタビューが展開される。
「こうすることで、だれなくなる」と北原先生。とてもスムーズな発表です。
・自分たちで調べたものもあると思いますが、今まで様々な場面でインプットしてきたものがアウトプットされている感じもしました。
【登場した有名人】
「納豆」、「きゅうり」「一ノ瀬先生(赤坂中英語科教諭)」「アイアンマン」「ウォーリー」「ふなっしー」
「石田純一」「ハリーポッター」、「ジョン・レノン」「織田信長」「江戸川コナン」「ミッキーマウス」
「ジャスティン・ビーバー」「スヌーピー」「ゴリラ」「スパイダーマン」「ドラえもん」
「ハリーポッター」「ウォーリー」「グリーン・ペッパー」
【使われていた表現】
I don’t know who you are.
Is it fun for you to ~?
enough to
Would you mind answering the questions?
a.k.a = also known as ~としても知られている
Firstly, … Secondly,…
It’s important for …
Is it fun for you?
May I ask you some questions?
I don’t know who you are.
I like to save people.
I know what you mean.
My dream 意is to find people who … ←不定詞と関係代名詞!
Wonderful!
Really?
Are you kidding?
Come on!
Wow!
Wow, amazing!
You’re amazing.
Just kidding.
That’s awesome!
I’m sick of you.
That means your dream came true.
I appreciate to meet you.
I know what you mean.
I’m sorry to hear that.
That’s not impossible.
That’s terrible.
・ウォーリー
Why do you wear the same clothes?
・マイケル・ジャクソン
I don’t know who you are.
・一ノ瀬先生
I have an enough effort to~.
I made a big effort to ~.
I have enough effort to be a teacher.
What is English for you?
It’s a part of my life. I get energy from my students.
・ジョン・レノン
What’s the message behind your songs?
Please leave us message.
Why did you become a singer?
Hello good byeを歌いだしてリポーターがHe’s singing terribly.
・ドラえもん
My mission has been finished.
What do you want to be when you are a child?
What is the most memorable adventure?
Who is your best friend?
I hear that …
He’s very brave.
How did you come from the future?
– By time machine.
Why did you come?
– To help Nobita.
When will you go back to the future?
・ジャスティンビーバー
What do you want to be~?
My hobby is having party.
・スパイダーマン
Why did you become the hero?
・スヌーピー
Where are you from?
What’s the most important thing for you?
・織田信長
How did you come here?
I rode a time-machine.
I got it from Portuguese.
How do you feel ~ compared to ~?
・コナン
Why are you so clever?
Why were you involved so many crime?
How does he know that?
・納豆
It’s easy for me to increase natto-kin.
I don’t know who you are.
・ミッキーマウス
You were made by Walt Disney.
・きゅうり
Let me introduce myself.
・グリーンペッパー
I eat green pepper every day.
But actually I don’t like~
2.北原メソッドAパターンの授業
【参加者の感想・考察】
・実はこのビデオを研究授業前に50回以上見させてもらいました。(多少の拡張はあります) 何度見ても、「ああ、そうか!」という箇所が出てきます。それは、「よし、今度これでいこか!」というところもあれば、「いや~、これはなかなかできないわ~」というところもあります。とにかく、見れば、見るたびごとに勉強になります。何度も視聴されることを推薦します。
・何度も北研に参加させていただき、実際に北原先生の授業も拝見させていただき、自分も実施しているのですが、改めて反省すべきところがたくさんありました。ワークブックの答え合わせは、声が小さい子をこれぐらいならいいかって甘くなっていたり、発音がしっかりできているかどうかも甘かったと思っていま す。明日から早速やはりもっと厳しく、それが子ども達のためになると思って頑張ります。
・音読チェックもやったりやらなかったりになってしまっていました。音読の大切さをわかっているのに、私がもっともっとあきらめないで言い続けてチェックしてあげなければならないと思いました。
・新出文法の導入では、変型生成文法(TransformationalGrammar)という教授法の1つだそうです。学力的に厳しい学校に行ったときに、生徒に理解度を確かめがら、色々試行錯誤した結果、最後まで残った教え方だとおっしゃていました。この方法で一から戻ることによって、学力的に厳しい子もついていけるとのお言葉に、時間がかかっても実践していこうと決意しました。
・映像を見ながらAパターンの授業についてグループで話し合ったりしました。北原先生の授業は 「最初から」「繰り返し、何度でも」 例えば、1年生の一般動詞を最初はあまり理解できなくても、何度もやっているうちにできるようになる→自信をもつ→どんどんチャレンジする。生徒の成長する姿がよくわかりました。
・映像を見ながら北原の解説を聞くことで、普段の自分の授業の改善点をより明確に見つけることが出来ました。生徒の様子を見ながら、コーチングすることが常に必要だと感じます。例えば英語の歌では、生徒が歌いにくい箇所は教師が先導する。リンキングなど細かい点も指導することが、発音強化につながると感じました。
・「初めに戻る文法指導」についてこの指導法が生み出された経緯や詳しい解説をいただきました。高校の授業ではどこまで戻るか、時間配分について自分の中で迷いがありましたが、北原先生が「ここは時間がかかっても仕方がない。戻らなければならない」とおっしゃられたことですっきりしました。理解できていない生徒がいたら戻らなければならないと思いました。この方法がどんな生徒にも理解できる文法指導なのだと改めて感じました。
・この映像は何度か見ていますが、北原先生のコメントから新たに学んだことは、
①教科書本文の“Robin is…”はつなげて発音すること。日本人の n は弱いから“Robin”“is”と切ってしまう。
②リエゾンで代名詞の語頭を弱く読むことにも注意すること。
③音読はジェスチャーを見て再生できれば回数が足りていること。
④追いつきたい生徒よりたくさん読むようにアドバイスすること。
⑤Octoberなどつづりを言う時、c を「シー」と言ってしまうと“she”と書いてしまう恐れがある。
⑥「1年生のLesson 1に戻る文法指導」は、「変形生成文法」という。北原先生が編み出した、英語が苦手な生徒に受け入れられ、しかも得意な生徒にもそっぽを向かれない方法である。ちなみに私は4月に2 年生にこの指導を行った時はうまくいきませんでした。今1年生にやっています。自然に“What”が出てきたりして、落ち着いて取り組む様子が見られます。
⑦SUNSHINEのBasic Dialogの下の「言ってみよう」は「聞いてみよう」で聞いたものを使っている。1年生でも余裕のある生徒は文で答えるようにするとよい。
⑧Basic Dialogは暗唱させるように。(授業参観で確信しました。)生徒に1度紹介してその後何回使わせるか、何回読ませるかが鍵。(英語の苦手な生徒の指導の良いヒントになりました。)
・今回、改めてDVDを拝見して分かったことがあります。それは「文法指導をおろそかにしてはならない」ということです。つまり、「文法」か「コミュニケーション」かの二律背反ではないということです。
「文法は英語の基本なんだからしっかりみっちり授業で教え込まなければダメだ!」とする先生と、「間違えてもいいから英語は授業でたくさん使ってコミュニケーションを大切にしましょう」という先生がいますが、この二者は相反するものではなく、どちらが欠けていても英語教育は成り立たないということです。
・北原メソッドのAパターンでは、変形生成文法(Transformational grammar)を軸に、日本語を介さずに英語を音声として入れながら、中1の文法までさかのぼって全員がついてこられる文法指導を行っています。
北原先生がおっしゃるように、日本語を英語に変換するということはとても高度な言語操作であると同時に、頭の中の言語スイッチをオンにしたりオフにしたりすること(=脳の中で日本語と英語の言語野を行ったり来たりすること)はとてもストレスを感じるものです。できるだけ英語から離れないで指導することが大切なのだと実感しました。
・「1年生1学期に戻る文法指導」は「変形生成文法」をもとに、生まれたものだそうです。当時、いい生徒だが、学力不振だった本町田中時代にどんな生徒でもわかるように、ということで開発されたものです。しかしこれは学力がある生徒相手なら必要ないか、というとそういうものでもないと思います。以前にも書きましたが、板書というのはもともと出版物がないからそれを黒板に書いてみんなでノートに写すという、教科書作りの作業だったので、今日のように教科書やワークの説明はカラフルで丁寧だし、パソコンの普及でプリントもいくらでも作れる、という時代になると学習事項をただ書かせるだけの板書は意味がなくなってきます。「教科書かワークを見れば済む」からです。下手をすると「きれいに書き写すのが勉強だ」という刷り込みにつながり、作業と勉強の区別がつかない生徒を多数生みだしています。
そこでこの指導は今日考えられる板書の役割のうち、
①既習事項に何度も触れさせる。
②思考の過程を授業の中で時系列的に示す。
③生徒の意見や考えを集約する。
のうち①と②の機能を果たしているのだと言えます。
北原先生からのコメントを追加いたします。
変形(生成)文法(Transformational Grammar)については私の説明が悪く、誤解されたレポートばかりだったので、訂正します。北原メソッドAパターンの板書は変形生成文法の「初歩的な手法を使った」ものです。