職場の会議が長引き、5分ほど遅れて到着。
北研の今年度の例会の予定が説明の一環で、
ちょうどI先生によるMLSの説明中。
つづいて北原先生からもMLSについて、
太田社長さんとのご縁についての興味深いお話。
最近読み返していたエッセイの「MLSとの共闘?」には、
現在の学校教育の閉塞状況や理不尽な批判にたいして、
学校教育の可能性(すでに上がっている実績も含め)を強く
世に訴えていく、とうい内容にわくわくとしてくるものがあったことを
思い出しました。6月15日がとても楽しみです!
そのあとじゃれマガカルチャー⑪
公園に花見に行き、出店の一つから珍しい”ramen burger”をみつけて食べた、というお話。
いつも通り1分で読んで設問に答え(該当箇所にアンダーラインする)、教師が範読し、
下線部の答えの確認、文中の下線部について質問(今回は、
「Cherry blossoms」ってなに?と、
「木に咲く花はflowerでなくblossom」と確認
そのあとそれぞれのペアのなかで競い合って、
1 教師からの以下の英語の質問に素早くこたえる。
Do you go to cheery blossom viewing every year?
Where do you go?
Where do you recommend seeing cherry blossoms?
2 ペアで「お花見」を外国人に説明しよう!
短い間で、読んで楽しく、英語発話に挑戦して、楽しい!(そこそこできるので)
2 北研生誕20年祭
まず、当日配布レジュメに、北研の「設立趣意書」が掲載。
先達からご自身が受けてきたように、後進の教員を指導、応援し、また参加者がともに学びあえる場を提供したいという北原先生の心意気に、襟を正されるとともに、感謝の念がわきます。
北研第2回目例会(2004年5月15日)の映像を見る。
冒頭、北原先生はなぜ教師になったのか、幹本下巻の「まえがきに代えて」でも語られている長先生の「雪の日の公開授業」に触れてのお話。
随所でビデオをとめて、北原先生によるコメント。そのなかで印象にのこったものを以下に。
「気づいたのは、いい授業をするためには、どんどんいい授業を見て、見る目を持たないといけない。ぼーっと見ていないで、誰かに解説してもらいながら見る目を養う必要がある」
(フラッシュカードについて)
「同じ時間帯に3人で同じ単元の授業をしているのに、フラッシュカードがひとセットしかなかったこ。教育長が学校を訪問した時に、現状をうったえ購入を打診したが一度目は却下されたものの、あきらめずに次の訪問の際に
再度訴えたら買ってくれることになった」
かつて、長先生のワークショップに参加したとき(e-prosだったか?)、
「フラッシュカードを使っていない研究授業は帰りたくなる」と言われていて、それほどに、効果を約束された、大切な教具であるのだと、感じたことを思い出しました。
「フラッシュカードの裏面に日本語が書かれていなかったのは、英語と日本語の一対一対応がよくない、という大学の先生の指摘から。しかし、日本語(表意文字である漢字)の視認性、を使わない手はない。
それとうら面は逆さま(素早く回転してフラッシュできるように)にしたのは私(北原先生)が最初」
サンシャインでやったら、ほかの教科書会社もそうなっていった。
いつも先駆的な北原先生。
→いつも生徒目線で、学びが最大になること、英語がむりなく頭に残ることをを考え、一時的な流行に振り回されないのが北原先生だと思います。
(語彙リストの作成 ビデオ内の話し、よく聞き取れない部分もあり)
「文科省もその根拠を問われるのでやろうとしない、発信語彙のリスト。2004年アメリカに行った際
アメリカ訪問の際、米人の小学生が使う first dictionary 7種類を買って帰り、青山学院のリストなど組み合わせて、
コーパスを構築し、2006年に都中研より発表。この当時にすでに発表語彙という概念をつかっていた。
これに基づいてフラッシュカードに赤丸をしたりしていた」
・ここまでの労力を傾注するそのもとになっている考えは、やはり、教える単語に軽重をつけて、生徒の余計な負担を減らし、学習の効率化を図るため、という発想なのでしょう。
第2回例会の映像視聴のあと、北研の2000年ひとケタ代の頃の写真を見る。
そのなかで、第一回が開催された狛江中の教室。
空き教室を活用した英語専用教室となっていて、
オーディオセットや、教室の後ろの棚(元は生徒用)に、
3年分の大量のフラッシュカードが収納されている写真。
「この部屋を三つつくった。車にオーディオ機器をせっせと積んで、空き教室に詰め込んだ」
なんと積極的な環境整備!
つぎに、先日の「生存確認」から、
My First Kitaken レポート(北研の特色をうまく表現してあるもののみ厳選)
レジュメに転載されているもの(北原先生による下線が要所に)を、一つ一つ目を通しながら、
北原先生が思うところにコメント。
私がとくに印象に残ったことを以下に列挙します。
・北研のおかげでいまの自分(楽しくて力のつく授業ができている)がある・人生の恩人」と述べている人がとても多い。
・北原先生が自分のこと(書いたこと、言ったこと等も)を覚えてくれていた。
→北原先生は、例会前に、前回の参加者の名前をみなおすなど、そうした努力もしている、と北原先生。
・英語だけにとどまらず、社会で生きていくため、良い人生を生きるために大切なことを教えてくれている。
・先生の指示なしに子供たちが主体的に動く!→北原先生:25分間一言もしゃべらず授業が進んだこともあった。
・研修会で、実際に生徒になって体感する学びの大きさ!
・すごい先生なのに「なんか私もできそう」と思わせてくれる研修
→「汎用性」かつて北原先生は、他のだれがやっても同じようにできるのが北原メソッドといわれていました。
・「授業の動き、活動の一つ一つが連動し次に何をするのか、そしてそれらの活動がどのように力になっていくのかを生徒が実感しながら成長できる感覚」
・「授業の理念」←これが大事!と北原先生。そこではたと自分の授業に理念は?とおもったとき、そこが弱いことに気づきました。理念より、活動そのものに意識がいっておりました。
・「みなさん、英語教師ですよ、そんなんでいいの?」とお尻叩かれるような研修会は初めてでした」
→まさに!その感覚。あとからあとから追い立てられているような、それでいて嫌でない、むしろワクワクする感覚。
もうちょっとで出来そう、というところにいつもおかれていて、頑張らずにはいられない、という気持ちになる。
私は、北原先生のその匙加減が絶妙であり、そこは、なかなか真似できないところだと感じています。
愛のある厳しさ、とでもいうのでしょうか。
************
❶じゃれマガカルチャー
Cherry blossom viewing
①1分間黙読
②質問に対する答えの部分に線を引かせる
③教師が質問を読み、生徒は答える。キーワードだけでも正解
④範読
⑤下線部について質問する。今回はCherry blossom って?のみ。なるべく日本語の使用は控える
⑥書かれている文化が日本文化の場合、それについてペアで会話する。→即興会話練習
1.先生が生徒にお花見について問いかける。生徒はペアで競って答える。
Do you go cherry blossom viewing every year?
Where do you go?
Where do you recommend to see cherry blossom s?
2、ペアで「お花見」を自分の経験を交えて外国人に説明しよう。本文の語句を表現を使ってもよい。
⚫︎今回U先生とペアでした。専門学校で働いておられますが、校種は違っても北原メソッドを取り入れておられ、真摯な姿で学んでおられるU先生に英語を習う生徒さんは、幸せだなあと思いました。それとU先生の英語の発音が素敵でした。
❷北研生誕20年祭
【第1回北研映像より】
2004年平成16年5月15日土曜日開催
北原先生は教員4年目の頃、部活と学級経営をしっかりやってもなかなか上手くいかなかった。当時は学校が大変荒れていたため、研修で教員が学校を空けると他の人が大変だった。それで、研修会のアナウンスがなかなか回って来なかったが、たまたま見た案内を頼りに、長先生の雪の日の授業を見に行った。地球儀を出してI’m
not moving but I’m moving. 地球儀を回す。You’re not moving but you are moving
now.地球儀を回して言うのを見て衝撃を受けた。現在進行形の導入はこうやるのか!今までやっていた自分の文法の導入授業は何だったのだろうと考えさせられた。帰りに同僚と喫茶店で無言でお茶も飲まずに考え込んだ。一緒に行った同僚は、当時からいつも「英語のブラッシュアップどうしてる?」という人だった。その同僚が、新潟の大学院にいくというので、自分も行こうと思い、母校に成績証明書を取りに行くと,笑われた。北原先生の大学時代の成績は加山雄三(可山有三?)だった。(可が3つ?!)なので,大学院に行くのを諦めた。
長先生から学ぶにつれ、他の人の授業を見に行くことは大事と理解した。26歳で学年主任をやっていて、当時2年生の担任だったが、敢えて学校異動を希望。葛飾区から墨田区へ。錦糸町中学校に異動した。
【第二回北研例会より】
1.フラッシュカードの効果的な使い方
①出来合いか手作りか?
②カードの体裁
北原先生は板目紙B4横半分カットがベストサイズとのこと。昔のフラッシュカードは裏面がなかった。
裏に意味がなかったのは、文科省が「
1語1対応が良くない。」と当時は言われていたから。でも北原先生は、日本語の意味がパッとわかる方が理解が早くなると考え,提案し、サンシャインで採用された。(当時から生徒目線。)
裏に逆さまに日本語を書くことは北原先生のアイディア。
フラッシュカードが同じ時間の授業で使えない不便さを指導室訪問で教育長が来た時に、「同じ時間に同時に3人フラッシュカード使うので,困ってるんです。」と訴えたが、改善されず。次に来た時にもう一度言ったら、その年から学校予算で買ってもらうことができた。(願いは諦めないでいれば,必ず叶う!)
⚫︎フラッシュカードの様々な用い方パターンは、幹の本に書かれている通り。2004年当時(今から20年前!)には、すでにフラッシュカードのやり方は確立している。
2.語彙指導I
現在2年生868語、クラウンのフラッシュカードはある。サンシャインも2箱。語彙が増えた分全部フラッシュカードで扱わず、受容語彙はリストにして渡すのが良い。発信語彙のみフラッシュカードで扱う。受容語彙はリストにした方が効率的に覚えられる。(語彙指導第一人者麗澤大学望月教授)
3年生では例文をその時の文法で教えるとよい。
Person who plays music is musician.など。
発表語彙635語
アメリカから買ってきたファーストイングリッシュディクショナリーから選んだ。理論に裏打ちした語彙指導を行うことが大切。
a.未習語→フラッシュカード
b.既習語の強化→イングリッシュエクスプレス(現在スパイラルワークシート)
c.既習語の別の使い方→English Express と辞書
d.意図的な語彙のリサイクル→Teacher Talkと辞書
e.既習語を元に語彙を広がる→フラッシュカード、
English Express
f.既習語同志を繋ぎ合わせる→「あ、そうか!」とシナプスがつながる。
⚫︎語彙指導は継続的に計画的に行うことが大切。
⚫︎理論に裏打ちされた語彙指導をすることが大切。
⚫︎北原先生は当時からアンケートなどでデータを取り、理論を打ち立てて、検証されていた。
【北研photo】懐かしい写真を公開
現在と同じように前を向いての研修会スタイルや円卓にして学ぶ会もありました。「すごい美人がいてね?!とみんなも見たいでしょ?」と紹介された20年前のBenesseの山田さん!今もお綺麗ですが、当時とても可愛らしい初々しいお姿でした。今いらっしゃる先生方のお姿もありました。
【My First Kitakenレポートより】
⚫︎どの先生方も北原先生から大きな影響を受け,授業が楽しくなって生徒の反応も変わり、ワクワクしている様子が文面から読み取れました。
「単に勉強だけでなく人生について教えることができる。」「点ではなく線で3年間を見通した授業を行うことができる。」「すごい先生なのに,なんか私でも出来るかもと思わせてくれる。」「先生方の縁と縁との繋がり。本当に力がつく授業。」「By
the way the students-arranged in mixed -ability pairs-were working on a
reading
assignment. 」「楽しくて役に立つ北原メソッド」「参加している先生方の熱量に驚いた。生で北原先生の指導を見ることで、幹本の理解がさらに進んだ。生徒の立場で問題に取り組んだり、挙手して発言したりすることで生徒視点の大切さに気づいた」「授業時間が短縮できるのに、楽しく,力がつく授業」など。
【懇親会】
さらに内容が濃いお話がありました。やっぱり北研は懇親会も大切ですね。私も初回から懇親会に参加させて頂きました。それ以来,ほぼ毎回懇親会参加です笑
⚫︎I先生は退職されてから、さらにパワーアップされ、MLSの英会話スクールで中学校レベルの英語の生徒さんを指導されており、そのことから,6月の北研例会へとつながるチャンスが開かれました。現在アメリカの大学院で学ばれているY先生とも研究チームを作っておられます。人と人とのつながりがとても大切と思いました。
⚫︎また、海老名市から初めて参加された先生を通しても、北研の繋がりを感じました。海老名市で今は学校現場から離れておられるK先生の移動パン,次の例会で購入できるそうです。
日頃学校業務で忙殺され,疲れ果てている先生方も、北研に来るとパワーがもらえます。北原先生のいるところはパワースポットですね!(笑)
⚫︎今回特に強く感じたのは,北原メソッドが改めて理論、データ,生徒目線で裏打ちされているということです。さらに確信を強めることができました。本当に楽しくて力になる,北研例会。
************
1 じゃれマガカルチャー⑪
今回のテーマは「お花見」
いつものように黙読、Q&A、音読、下線部についての質問、ペアで即興会話とすすめられました。
花より団子でしょうか、屋台の食べ物に関するワードがたくさん出てきました。ramen burgersは見たことがないので興味をそそられました。
2 北研生誕20周年祭
1️⃣北研第2回例会ビデオ(2004年5月)
冒頭: バレーボールがしたくて教員になり、部活と学級経営をしていればうまくいくと思っていた北原先生が、長先生の「雪の日の授業」をご覧になり、雷に打たれたように打ちのめされたお話しをされていました。長先生の現在進行形の導入は、地球儀を回しながら、I’m not moving, but I’m moving. You’re not moving, but you’re moving. だったそうです。素敵な導入に、当時の生徒たちはどんな反応をしたのでしょう。「雪の日の授業」を見たいと思いました。長先生の本来の授業姿をご覧になった北原先生は、授業準備もしないで授業をして、わからないのは生徒が悪いというのは詐欺じゃないかと思ったそうです。長先生の授業を一緒に参観した同僚の先生が大学院に進まれ、英語のブラッシュアップを図る姿にも感化されたそうです。「いい授業を見ることが大切、いい授業を見る目を持つことも大切」と仰られた言葉をメモしました。
中盤:フラッシュカードによる語彙指導についてお話しされていました。今まで当たり前に使っていた、表面に英語、裏面に日本語が書かれているフラッシュカードは、北原先生のアイデアだったことを初めて知りました。しかし、musicのように既に生徒が意味を知っているような単語は、裏面の日本語を見せる必要はなく、派生語であるmusicianを引き出すことが大事とのこと。
語彙指導に関しても、都中英研研究部で語彙アンケートを取られ、データから、理論に裏打ちされた指導へと繋げられていたことを知りました。研究とは、このようにして現場から発信することが大切なのだと思いました。
2️⃣北研 photos:「すごい美人を見たいでしょ?」という先生の一言に、前のめりになって早送りされる画面を必死に目で追いました。一番前にいらっしゃる方が後ろを振り返った瞬間、皆さんから「山田さんだー!」御本人がいらしたら驚かれたでしょう。たくさんの写真から、長年に渡り、多くの先生方が北原先生のもとで授業力のブラッシュアップを図ってこられたことを知りました。
3️⃣My First Kitakenレポート:たくさんの先生方の北研との出会いを知り、北原先生が長先生の授業を参観し、打ちのめされたように、北原先生に洗礼を受けた先生方が全国各地にいらっしゃることを改めて実感しました。また、北原先生とそれぞれの先生方の繋がり、そして北研メンバーの方々の繋がりが、とっても強固で温かいと感じました。
私の目が釘付けになったコメントはこれ、「授業では、北原先生はほとんど喋らず、生徒達は北原先生の視線、動き、表情ですべてを察し活動していました。北原先生はもちろん、生徒達がものすごくカッコよかった。」
北原先生曰く、22分間一言も喋らなかった授業もあったそうです。残念ながら、北原先生のライブ授業を見たことのない私は、どんな空気感だったのだろうと想像するしかありません。参観された先生方が羨ましいです!
3 今後の予定
1️⃣5/18 NHK教育テレビ「わくわく授業〜私の教え方〜」放映21周年祭ー実際に先生が録画され、ノーカットで視聴できるそうです!拝見したことがないので、楽しみです。
2️⃣6/15 MLS(Model Language Studio)によるドラマメソッド研修ーMLSは1974年に奈良橋陽子さんと太田社長が主催、東京代々木に本部を構える英会話学校です。奈良橋陽子さんという名前を耳にすると、ドキドキワクワクするのは私だけでしょうか⁉︎
3️⃣7/20 M先生の授業研究ーコメンテーターに、M先生の大学時代の恩師である田口徹先生と、教育実習の際の指導教官であった川崎慶介先生がいらっしゃいます。とっても楽しいお二方だそうです。楽しみです。
4️⃣8/24&25 第8回北研広島合宿ー広島YMCAが会場になるそうです。近々研修の詳細をお知らせくださるそうです。
楽しい研修内容となっています。多くの先生方とご一緒に研修できることを楽しみにしています。是非、皆様奮ってご参加ください。
4 I先生、M先生につぎ、本市における小学校英語教育の現状
北原先生のエッセイNo.715の「小学校英語は要らない?」をベストエッセイとして投票された方が多かったことと、I先生とM先生が小学校英語教育について昨日発信されましたので、私も新潟市の小学校英語の実状をご報告致します。
新潟市内には107校の小学校があり、外国語専科教員は26名おります。専科教員は2、3校掛け持ち勤務をしており、47校が専科教員を抱え、他の60校は基本、担任が外国語活動と外国語を教えています。
専科教員は、基本3年間同じ学校に勤務します。専科教員が3年経ち異動すると、その学校には専科教員は配置されません。ですから、私たち専科教員は、子ども達だけではなく先生方へ外国語指導もしなければなりません。というのは実は建前で、専科教員を希望する学校というのは、生徒指導困難校が圧倒的に多いのです。ですので、担任の先生は日々の生活に疲弊しています。専科の授業の時だけ休むことができるというわけです。
私も専科教員になったばかりの頃は、先生方へ啓発しなければならない立場なのにどうしたものかと悩み、校長先生にお話しをさせていただきました。働き方改革を謳っている今、管理職から外国語授業を参観しなさいとは言えないので、長期休業期間に研修をしてほしいと言われました。そこで、夏と冬各1回ずつ研修を行いました。しかし、これも過去の話で、今の学校では研修もしていません。意識の高い先生は、子ども達と一緒に授業を受けていますが、私が異動する来年以降、皆さんどうされるのだろうと危惧しています。実際、この4月に異動された先生方は、転勤先に外国語専科教員がいるか否かをとても心配されていました。
また、M先生が外国語の授業が軽んじられているとお感じの件、私も同感です。特に3、4年生の外国語活動は、教科書をさらりとすませてしまう方が多い印象です。繰り返し英語を使うという基本理念が欠けています。そして、5、6年生の外国語授業は、評価を伴ってから教え込みに力を注ぐ先生のなんと多いことか!市内の研修に参加して、「〇〇をやっていますが、英語嫌いがたくさんいます。」と言っている授業者を見て悲しくなりました。先生の為の授業でなく、子ども達のための授業のはずが、矛先が違う方向を向いていないでしょうか。
I先生の、「本物の英語教員が本物の英語を教えるべき」というお言葉に背筋が伸びました。市内26名の外国語専科教員のうち、中学校英語教員は片手ほどしかいません。小学校教員から専科になられた方は、英語が好きという方がほとんどで、ALTとの会話に苦労されている方もいます。それにもまし、市内勤務のALTは日本人も含まれています…教員不足はこんなところまで影響が出ています。外国語専科教員を増やすだけでなく、質の向上を目指し、専科の研修会を開いて欲しいと指導主事にお願いしました。
同じく、「生徒の人生を左右する」というお言葉に激しく同意します。小学校英語だからとちょちょらに教えられ、目の輝きを失った子どもが、中学での週4時間の英語を楽しみに思うでしょうか?長い英語学習が始まるはじめの一歩を大事に捉え、日々授業をしていきたいと思っています。
毎月の北研の例会で得たエッセンスを、小学生バージョンにして授業で還元するのが私の楽しみとなっています。北原先生のちょい見せフラッシュカードの手法を取り入れ、A4縦版の25枚の動物ピクチャーカードを正しい発音で言う活動や、一人ひとりが指定されたカードを言い、クラス全員が言い終わるのに何秒かかるかという活動は、クラス対抗戦が大好きな子ども達に大受けでした。多動傾向の強い子ども達ですが、前のめりに構え、カードを食い入るように見て発音し、私のピンポンブーを待つ姿は可愛すぎました。
************
①じゃれマガカルチャー
毎日北原先生がじゃれマガをメーリングリストで送ってくださり、拝見させて頂いている上で今回初めて実際にじゃれマガを取り組んでみて、じゃれマガカルチャーという教材の素晴らしさと北原先生の教材を活かす工夫の素晴らしさを感じました。
〈教材の素晴らしさ〉
・日本文化を英文で読み取ることで生徒が知らない単語でも身近に感じることができる。
・ストーリーや語数が1分間で読み取る量として最適である。
・クイズがあることで速読練習や読解の練習にもなる。
・以上の点から英語が得意でない生徒でも取り組みやすい。
〈北原先生の実践・指導の流れ〉
・1分間で黙読させるだけではなく、その後範読を先生がすることで単語の読み方の確認や読みきれなかった生徒でも内容を整理できる。
・クイズの後にじゃれマガの内容について英語でペアワークをするように指導を繋げることでアウトプットの機会を作ることができる。
→個人的にはこのプラスアルファの活動の工夫に感動をした。
②北研生誕20周年ビデオ
ビデオを見る前にまず、北研が20年目を迎えるということにその凄さと驚きを感じました。どんなことでも続けていくことの大切さとその難しさをコロナ禍で身に染みて感じていました。コロナ禍を経て無くなったものが多くある中で、北研が今もこうして続いていることはやはりとても凄いことであると感じました。北原先生と北研の多くの先生方の熱意があり、このように多くのことを学ぶことができる機会があることに感謝です。
ビデオを観て、北原先生の話の中で長先生が、地球儀を出してI’mnot moving but I’m moving. You’re not moving
but you are moving
now.と言い現在進行形のイントロダクションをしていた話を聞いたことが1番印象に残っています。また、同僚の先生が英語の授業のブラッシュアップについて、会うたびにそのような話をしていたということを聞き、子どもに教えることも大切だが、同僚間でも切磋琢磨しながら、アイデアを出し合ったり、刺激し合える関係も大切だと改めて感じました。
③フラッシュカードと語彙指導
今年度5、6年ぶりに1年生を担当することになり、語彙指導についてどうしようか考え幹本を読んでいたところで、ちょうど今回フラッシュカードと語彙指導についてビデオと北原先生の話から考えを深めることができました。勤務校ではSunshineを使い、その付属のフラッシュカードを使いながら指導をしていて、単語の裏には品詞と日本語の意味が当たり前のように書いてあるが、当初の頃のフラッシュカードは単語しか書いてなかったということを聞き、驚きました。その理由としては、一語一訳になることが当時はよくないとされていたとのことでした。また、フラッシュカードを作る上での工夫点、例えば、板目紙のように少し厚手のものにすることでフラッシュしやすいことや女性の先生でも持ちやすいサイズ感が例としてB
4を横向きにして切ったサイズであることなども、普段当たり前のように使っていましたが、改めてそう言った細かな工夫の上で便利に今使うことができていることを知りました。
************
第2回例会から、語彙について取り扱う前に、長勝彦先生の授業参観したときの衝撃を語る北原先生の様子がモニターに映し出された。そこから始まった授業改善が、北原メソッドや北研設立に至った。「いくら良い授業を見ても、見方が分からなければ意味がないので、自分自身も勉強した」という。
My First Kitakenを読んで、現在の大きな北研の参加意義の一つは、研究会で出会う先生達との交流であると認識をあらたにした。特に、小学生の指導は、小学生指導経験者からの話がとても役立っている。
ところで、「日本はいかなる国なのか」という問いにこたえてくれるのは、丸山眞男(1914-1996)の著作。晩年のインタビューで、異なる業種の人が交流する重要性を、日本国民への遺言のように語ったことを思い出す。懇親会では、「集団の力」が話題になったとき、集団の力が人数の合計であるという発言があったとき、丸山の東大での講義録によると、集団の力は人数の合計ではなく、乗数であると紹介して丸山を思い出した。
高校の国語の教科書で『「である」ことと「する」こと』を読んだ覚えのある方もおられるであろう。最近、実感していることを、そこから引用する。
「たとえば、日本国憲法の第十二条を開いてみましょう。そこには「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない」と記されてあります。この規定は基本的人権が「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」であるという憲法第十七条の宣言と対応しておりまして、自由獲得の歴史的プロセスを、いわば将来に向かって投射したものだといえるのですが、そこにさきほどの「時効」について見たものと、いちじるしく共通する精神を読みとることは、それほど無理でも困難でもないでしょう。つまり、この憲法の規定を若干読みかえてみますと、「国民はいまや主権者となった、しかし主権者であることに安住して、その権利の行使を怠っていると、ある日目ざめてみると、もはや主権者でなくなっているといった事態が起るぞ」という警告になっているわけなのです。」
昼前に、同じ時間に仕事に出かけると、以前は、駅の周りに年寄りが沢山いて歩きにくかったが、最近は、老人の数が随分と減ったと感じて、気味の悪さを感じている。丸山が述べていた、民主主義の不完全性が出ているように思える。
先日の米国議会での、日本の首相による演説を英語のまま動画を視聴した直後、私は恐ろしさで眠れなくなってしまった。中高生達と一緒に英字新聞を読んで、もはや国民の利益を考えているとは思えない、この数年の政策が英字新聞にどう書かれているかを知っている背景がある。
じゃれマガでも取り上げられた事。タモリが、最近の日本について「新しい戦前」と言ったのはなぜなのだろうか?
第二次世界大戦の時に、山本五十六は、戦う相手を知るために英語を学ぶことが重要であると訴えたが、残念ながら、英語は敵性言語と見なされて、英語教育は逆の方向に向かってしまった。
コロナ渦以降、情報統制が明るみになって、世の中を生き抜くために、海外からの情報を、フェイクニュースかどうかの見極めも含めて、見極めることがますます重要になってきていると、個人的には感じている。翻訳機能が発達してはいるものの、英語をどのように生活の中で道具として使うか、あらためて生徒達に問いかける時期なのかもしれない。
************
1 じゃれマガカルチャーの使い方
使い方の一例
1 1分間黙読させる。かかった秒数をメモさせる。
2 読み終わったらquestionに対する部分に下線を引かせる。
3 1分経ったらquestionを読み上げる。生徒は自分の答えを言う。この時キーワードさ
え合っていれば正解とする。
4 範読する。
5 下線部について質問する。生徒は答える。なるべく日本語使用を控える。
6 書かれている文化が日本文化の場合、それについてペアで会話する。
1 先生が生徒に初詣について問いかける。生徒はペアで競って答える。
Does your family go to shrine and temples at New Year’s?
Do you like going with them or with your friends?
When dod you go for “hatsumode”?
How much money do you throw into the wooden box?
2 ペアで なぜ正月に初詣に行くのか、を自分の経験を交えて外国人に説明
しよう。
7 授業後にWPM数値を教室の記録用紙に記録する。
以上、北原先生のハンドアウトより
実際に自分がやってみて、脳みそが動いていました。
Do you go cherry blossom viewing every year?
Where do you go?
Where do you recommend to see cherry blossoms?
の質問に対する答えが自分でもすぐに言えませんでした。そして、
ペアで「お花見」を自分の経験を交えて外国人に説明しよう。
も言いたいことが言えませんでした。しかし、脳みそはよく動いていました。
以下は、自分に刺さった話
*良い授業を見る。そして、見る目のある人に説明をしてもらうことが必要。そうする
と授業を見る目が養われる。
*フラッシュカードについて 以前は英語の表記の裏は白紙で何も書いてなかった。一
語一訳が批判されていたから。しかし、北原先生が単語の意味を漢字で書くと一目見て
わかるので、記憶する手助けになるからと書いた。まず、サンシャインがそういったフ
ラッシュカードを作り、他社もそれにならった。
*フラッシュカードを使って空書きさせた単語は、テストで書かせる。授業でやってる
こととテストに出ることがリンクしている事を生徒と共有しているので、生徒の取り組
みも真剣になる。
*簡単な名詞だったりしたら、文の中でそれを入れて単語を導入したりするという方法
もある
*教科書は語数制限があったので、その中で文章を書くのは大変だった。妙な文章があ
ったのは、語数を越えられなかったから。
今は、制限はないが、逆に、語数が多い。精選して、発信語数を伝えるべき。北原先
生はアメリカ旅行で子供用の辞書を買ってきて、発信語彙をしぼっている。文科省は絶
対覚える語などはおそらく提示はしない。
*以前から北原先生は頭のいい先生だと思っていました。よく名前やエピソードをお話
しなさっているし、覚えていてもらって、嬉しかったことがなん度もありました。ぽろ
っと、2度目に行く場所では、1度目の参加者リストに目を通して名前を覚えることはし
ていたとおっしゃっていました。頭のいいことと同時に努力家であったと改めて感じた
瞬間でした。
*刑務所には知的障害者が多い。きちっと教育されていない。バカにされて、いじめら
れて、事件を起こしてしまった人が多い。そして福祉政策も追いついていない。学校に
来た人には、知識だけでなく、人としてのことも教えていかないといけない。授業で人
としてあるべき姿を教えていかないといけないという北原先生の言葉に、生徒への愛情
を感じました。
*授業の理念無くして、テクニックに走っちゃダメだよ とも話していました。
*北原メソッドが時短につながるので、広がってくれないと困るなー。
*イギリスにいるときにリスニングの教材を買ってきて、日本でリスニング教材を開発
した。
*飛び込み授業で北原先生も失敗した授業があったという話もありました。手順を間違
えて失敗したそうです。そして今度ビデオを見せていただけるとも。また、北原先生の
定年の時のビデオも見せていただけるとも話していました。
とにかくデータをとって、分析して、より良い授業、効果的な指導方法を研究してさら
にそれを人生を賭けて人に伝える続ける北原先生はすごいと思いました。少しでも近づ
けるように、頑張りたいと思いました。
************
0 北研2024年度の予定
HPに掲載済み。5,6,7月は内容も詳しく載っています。
場所:大田区立志茂田中学校(JR蒲田駅 徒歩15分) 2階学習室A(すぐ分ります)
日時:毎月第3土曜日(9月のみ第4土曜日)14:30~17:00
(懇親会はJR蒲田駅すぐ、美味しくてreasonableなnice Indian restaurant!)
5/18 NHK教育(今のEテレ)「わくわく授業~私の教え方~」北原先生の授業の紹介番組
確か30分番組、ゴダイゴのタケカワユキヒデさんがコメンテーター。必見!
6/15 MLS( Model Language Studio)によるドラマメソッド研修会
MLSから講師の先生がいらっしゃいます。
7/20 北研メンバーM先生(東京都世田谷区立中、新採3年目)の授業研究(ビデオ)
講師:田口徹先生(明治学院大学時代恩師)
川崎慶介先生(現世田谷区立中副校長、中学時代恩師+教育実習指導教官、
川崎先生は東京教師道場での北原先生の班で学ばれた先生)
1 じゃれマガカルチャー
(1)体験+即興発話練習
(2)「ペアで『お花見』を自分の経験を交えて外国人に説明しよう。本文の語句や表現を使ってもよい。」
を実際に体験。⇒意外と難しかったです。とにかく発話しようとする体験と恥ずかしいとは思わない
という共通理解が生徒の話す力を育てると実感しました。
2 北研生誕20年祭
①北研設立趣意書⇒HPにあります。
②北研第2回例会(20160515)資料と映像
・フラッシュカード
以前は裏が白。英語と日本語の一対一対応を防ぐため。しかし、日本語の漢字は表意文字。
一目で意味が分る。そのメリットを活かさない手はない。という北原先生の発想で今の形に。
・長先生
例えば「現在進行形」の導入。大きな地球儀を置いて。“I am not moving. I am not walking.”
と言ったあとで、地球儀をビュンと回して”I’m moving. You’re moving, too.”と語りかける。
生きた言葉の教え方。
・北原先生が新採の頃の同僚
常に英語のブラッシュアップに何をしているか、聞いて来る人がいた。
⇒今でも必要な考え。私は、こういう意識が年ごとに薄れているように感じていました。教師が学ば
なければ、生徒が学ぶはずはない。
・語彙指導
①日本人中学生に語彙はどれだけ必要か。
東京都中学校英語研究会(都中英研)(北原先生が部長先生)が2006年に「発表語彙」
(今の発信語彙)の考え方を発表
②映像視聴:私の以前の同僚が写っていてびっくり。
・北研photos
・My first Kitaken 皆様の熱い思いに圧倒されます。
私も北研があったからこそ、一層学ぼうという意欲を持つことができました。学び続ける先生方から刺激され現在に至ります。
本日は、Jeramiのレポートと、それを掲載して下さった北原先生に感謝、感謝、です。
懇親会:美味しくてreasonable なインド料理を満喫。今までお話したことがない先生方のお話が新鮮。
帰り道+山の手線でも、英語の授業談義がつきませんでした。
○北研は本来は現役の先生方が北原先生のもとで切磋琢磨した学ぶ場だと考えております。退職者としては躊躇していましたが、私でご恩返しができることがあれば、、、という気持ちでお仲間に入れさせて頂いております。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
************
1 じゃれマガカルチャー⑪
花見についてのじゃれマガ。即興発話練習は、Do you go cherry blossom viewing every year? Where do you go? Where do you recommend to see cherry blossoms? そして、「お花見」についてペアで自分の経験を踏まえて外国人に説明しよう。お花見は日本文化紹介の活動でも取り上げるトピックなので、「また2学期にもやるからね」と次に繋げられるようにしたいと思いました。
“Hanami” is a spring event we enjoy seeing cherry blossom and coming of spring. We go to the place where we can see cherry blossom such as parks. We usually eat lunch or have a party under the cherry trees.
2 北研生誕20年祭
(1)第2回北研
第2回北研の映像を見ました。当然ながら、若い北原先生(当時48か49歳でしょうか?)。会の初めに、自分が英語の授業改善に力を入れ始めたきっかけについてのお話。長先生の授業を参観して衝撃を受け、同僚とともに打ちのめされた経験を話されていました。そのときの長先生の授業は浜島書店から「雪の日の授業をあなたに」というタイトルでDVDが出ています。もう絶版になっているようですが、まだアマゾンで中古が買えるようです。興味のある方はぜひ購入してみてください。
そして、この会は語彙指導についての話でした。フラッシュカードの大きさから始まり、構造(現在では表に英語、裏に日本語が当たり前ですが、当時は表に英語しか書いてなかった。)、そして使い方の説明をしていました。私は、北研に通い始めてからフラッシュカードの使い方を学び実践するようになりました。特に発信語彙には赤丸をするなどのことを北研で学んでいないと未だに無駄な単語テストをやり続けていたのではないかと恐ろしくなります。このころからすでに多くの指導を支えるデータがあり、北原メソッドが完成されていたことを感じさせます。
(2)My First Kitaken
北研会員のみなさんのエピソードを読みました。北原先生が自分の名前を覚えてくれていたとか、感想の内容を覚えてくれていたというエピソードが多く、北原先生の温かさがよくわかります。きっと生徒に対してもそうなのだろうと思います。また、北原先生からは生徒との関係、教師としての在り方、楽しく生きるスキルなど、学ぶことが無限にありますという感想は私も実感するところです。北研で学び始めて10年以上になりますが、なかなか北原先生に近づいているなという実感が持てません。北原メソッドはすごい指導方法なのに自分もできそうと思える、でも、北研で学べば学ぶほど北原メソッドの深みや北原先生の偉大さがわかるのです。
私が一番共感したのは「お尻を叩かれる研修会だ」というものです。私は、北研で何度も北原先生から発音のダメ出しを受け、そのたびに努力をしてきました。いまの私がいるのは、教師として成長できたのは、北研があるからです。それは、北研がただ参加するだけの研修会ではなく、北原先生が会員1人1人と関わってくれる研修会だからだと思います。