【1日目: 北原メソッドの実践報告と感想】
【開会セレモニー】
1日目の開幕は、北原先生のユーモアあふれる挨拶から始まりました。北原先生は「広島」と刺繍されたキャップを被って登場し、「東京ではちょっと被りづらいけど、ここなら大丈夫だね」と冗談を交え、参加者たちの緊張を和らげてくれました。参加者たちは、このセレモニーの瞬間から、北原先生の温かさと教育に対する情熱に触れ、これからの合宿に対する期待感が高まりました。
北原先生は、「教室は学びの場であると同時に、楽しさを感じる場所であるべきだ」と強調し、その後、全国各地での北原メソッドの実践について触れました。「どの地域でも、このメソッドを使えば生徒たちが生き生きと学び、教師も楽しく授業を展開できます」と述べ、参加者たちに北原メソッドの持つ強力な可能性を改めて感じさせました。
ある参加者は、「北原先生が教室を『楽しみの場』と表現したことが非常に印象的でした。英語の授業が、ただ教科書を学ぶ場ではなく、生徒たちが自分の世界を広げる場所であるべきだと感じました」と感想を述べました。別の参加者も「生徒たちが自分から学びたくなる環境を作ることが大切だという点に改めて気付かされました。教師として、そのような場をどのように構築するか、今後の報告を通じて学びたい」と、これからのセミナーでの学びに対する期待を示しました。
さらに、参加者たちはこのセレモニーを通じて、自分自身が生徒たちにどのような学びの場を提供できているかを振り返る契機となったようです。多くの参加者が「私の教室でも、もっと生徒たちが楽しんで学べる環境作りに努めたい」という共通の目標を持ち始めた様子でした。これにより、セミナーの最初から参加者たちは積極的に学び、実践のアイデアを吸収する姿勢が作られました。
【発表者: 広島支部のS先生】
【実践内容】
広島支部のS先生は、1年生から3年生までの広範囲にわたる北原メソッドの実践を紹介しました。特に1年生のアフレコ活動に焦点を当て、生徒たちが教科書の内容を基に、ペアでリハーサルを行いながら、リズムやイントネーションを掴む過程を詳しく報告しました。S先生は、「最初は英語を声に出すことに戸惑っていた生徒たちも、次第にリズムを掴み、自信を持ってセリフを話すようになりました」と語り、1年生の英語に対する抵抗感が徐々に薄れていく様子を説明しました。
アフレコ活動の過程で、最終的には電子黒板を使い、映像に合わせてセリフを声に出して発表する形式に進展しました。生徒たちは、ただの暗記ではなく、英語のリズムやイントネーションを体感的に学びながら、実際に使える英語を身につけていくことができました。
S先生は、特に3学期に行われたアフレコ活動の成果を強調しました。この時期になると、生徒たちは自分たちでセリフを工夫し、独自のアイデアを発展させて発表できるようになりました。S先生は「彼らが自分自身で考え、創造的に英語を使い始めた時が、指導者として最も嬉しい瞬間でした」と語り、生徒たちが英語を単なる学習対象ではなく、自己表現のツールとして捉えるようになったことを強調しました。
また、S先生のクラスでは、韓国の生徒たちとのオンライン交流も積極的に取り入れられました。この活動では、双方の文化や食事について英語で紹介し合う場面が設定されました。広島の生徒たちは、自国の屋台料理を英語で説明し、韓国の生徒たちも自国の料理について紹介しました。このような異文化交流の場は、生徒たちに英語の実践的な使用機会を提供すると同時に、異なる文化に対する理解を深める機会となったと報告されました。
【参加者の感想】
S先生の実践報告に対して、参加者たちは非常に感銘を受けていました。ある参加者は「S先生のアフレコ活動は、生徒たちがリズムやイントネーションを通じて自然に英語を使う力を身につける素晴らしい方法だと感じました。特に教科書の内容を単なる暗記に終わらせず、実際の発話に繋げるアプローチは、生徒の英語力を大きく伸ばすために効果的です」と感想を述べました。
別の参加者も、オンライン交流の価値に注目し「異文化理解を深めるために、英語を使って実際に他国の生徒たちと交流する経験は、単なる語学学習を超えた大きな学びです。私の学校でも、こうした国際交流の機会を増やし、生徒たちがグローバルな視野を持って英語を学ぶ意義を実感できるようにしたいと思いました」との感想を述べ、S先生の取り組みを高く評価しました。
さらに、別の参加者は「3学期になって、生徒たちが自分たちでセリフを工夫し始めたという点が非常に印象に残りました。生徒たちが自発的に学び、英語を創造的に使う姿勢が育つことは、教師としても大きな達成感があります。私も、自分のクラスで生徒たちにもっと自己表現の機会を与えたいと感じました」と語り、S先生の取り組みを自らの指導に取り入れたいという意欲を示していました。
また、別の参加者は「オンライン交流を通じて、生徒たちが自国の文化を英語で説明する場が作られたことが素晴らしいと思いました。英語を学びながら、自分たちの文化に対する理解も深めることができるという二重の学びがあるのは非常に意義深いです。生徒たちにとって、英語を学ぶことが、単に試験のためではなく、実際に使えるスキルであることを実感する素晴らしい機会だと感じました」とコメントし、異文化交流の効果に深く共感している様子でした。
【北原先生の講評】
北原先生は、S先生のアフレコ活動について「生徒たちが自然なリズムやイントネーションを習得するためのアクティビティとして非常に効果的です。教科書の内容を超えた発話練習は、生徒たちが英語を使って自己表現をするための第一歩として、非常に重要なプロセスです。特に、3学期に生徒たちが自らのセリフを工夫して創造的に発表するという点は、彼らの成長を強く感じさせます」と高く評価しました。
また、北原先生は、オンライン交流についても「生徒たちが他国の生徒と英語でコミュニケーションを取り合うことで、リアルな英語の使用経験を積むことができるのは、非常に意義のある取り組みです。異文化理解と英語学習の融合が生徒たちに与える影響は計り知れません」と述べ、国際交流の重要性を強調しました。
さらに、北原先生は「S先生の取り組みは、生徒たちに自己表現の場を提供し、英語を使って自分たちの考えや文化を発信する力を育てる非常に効果的な方法です。これからの英語教育においても、こうした実践を通じて生徒たちに自信を持たせることが重要です」と述べ、今後の英語教育における指導法の指針としても、この取り組みを推奨しました。
北原先生は、最後に「アフレコ活動やオンライン交流は、生徒たちが楽しみながら学び、英語を使うことができる絶好の機会です。こうした活動を今後も積極的に取り入れ、英語教育をさらに豊かにしていってほしい」と、S先生の実践を称賛しつつ、今後の活動にも期待を寄せました。
【発表者: 熊本県のC先生】
【実践内容】
C先生は、熊本県の小規模中学校での北原メソッドの実践について報告しました。全校生徒が50名程度の少人数の学校であるため、1人ひとりに目を配りながら細かい指導ができる環境が整っていることを強調しました。特に、1年生の「ハンバーガーショップの会話」をテーマにしたスキット活動に焦点を当て、英語を実際の会話の中でどのように使うかを学ぶ活動について詳しく説明しました。
このスキット活動では、生徒たちが実際の場面を想定し、英語を使って店員役と客役に分かれて即興でやり取りをするという形式で行われました。C先生は「最初は、ほとんどの生徒が恥ずかしがっていました。原稿を持たずに自分の言葉で会話することに対して、不安を抱いていたようです。しかし、練習を重ねるうちに、生徒たちは自信を持ち始め、徐々に楽しみながら会話を展開できるようになりました」と語り、生徒たちが成長していく過程を紹介しました。
また、C先生のクラスでは、ALT(外国語指導助手)との交流や、他校の生徒たちとのオンライン発表も取り入れられており、英語を使った実践的なやり取りが積極的に行われていました。C先生は「生徒たちは、他校の生徒と英語で交流することに最初は緊張していましたが、実際に話し始めると、授業で学んだ英語を使うことでコミュニケーションが成立することに気付きました」と、生徒たちの経験を語りました。
特に、夏の旅行プランをテーマにしたプレゼンテーション活動が行われた際、生徒たちはALTに対して自分たちの考えた旅行プランをスライドを使って発表しました。この活動では、原稿を使わずに自分の言葉で英語を使って説明し、スライドの内容に応じて即興で話を進める力を養うことができました。C先生は「最初は不安だった生徒たちも、発表を終えた後には非常に達成感を感じ、英語を使うことへの自信をつけていました」と報告し、こうした活動が生徒たちに与えたポジティブな影響についても触れました。
さらに、C先生は「生徒たちにとって、英語を使って他校の生徒やALTとやり取りをすることは非常に刺激的な経験であり、彼らが英語を使うことに対して積極的になるきっかけになりました」と語り、生徒たちの積極性を引き出すために、英語を使った実際のコミュニケーションの場がいかに重要であるかを強調しました。
【参加者の感想】
C先生の報告に対して、参加者たちはその実践の多くの部分に共感し、多くの学びを得た様子でした。ある参加者は「少人数の学校で行われる個別指導の重要性に非常に感銘を受けました。生徒たち一人ひとりに目を配りながら、彼らの成長に合わせて柔軟に対応できるC先生のアプローチは、自分のクラスでも参考にしたいと感じました」と感想を述べました。
また、別の参加者は「スキット活動が生徒たちに自発的な英語使用の機会を与えている点が非常に素晴らしいです。原稿なしでの会話を進めるという方法は、生徒たちが英語を実際に使う力を伸ばすために非常に有効だと感じました。私もこうした活動を積極的に取り入れて、英語が実際に使えるスキルであることを生徒たちに感じさせたいです」と述べ、C先生の指導法を高く評価しました。
さらに、別の参加者は「他校の生徒たちとのオンライン交流やALTとのやり取りは、教室内の学習を超えて、英語を使ったリアルなコミュニケーションの場を生徒たちに提供している点が非常に意義深いと感じました。私も、自分のクラスでも同様の機会を増やして、生徒たちが学んだことを実際に使えるようにしたいと思いました」と感想を述べ、実際のコミュニケーションを通じた学びの重要性に共感していました。
また、別の参加者は「プレゼンテーション活動を通じて、生徒たちが自信を持って自分の意見を発表できる場が作られている点が印象的でした。原稿に頼らず、自分の言葉で説明する力を養うことは、将来的にも非常に役立つスキルだと思いました。私の学校でも、生徒たちが自信を持って発言できる場を増やしたいと思います」と述べ、プレゼンテーション活動の効果に深く共感している様子が伺えました。
参加者たちは、C先生の実践を通じて、生徒たちに英語を使って自己表現する場を提供することの重要性を改めて実感していました。特に、少人数の学校ならではの個別指導と、国際的なコミュニケーションの場を通じて、生徒たちが自信を持って英語を使うようになるプロセスに共感を寄せ、自分たちの指導に生かしたいという声が多く聞かれました。
【北原先生の講評】
北原先生は、C先生のスキット活動について「生徒たちが自分の言葉で英語を使って会話をする機会を持つことは、非常に意義のあることです。特に原稿なしでの会話を行うことで、生徒たちは自分で考え、即興で対応する力を養うことができ、これは実生活でも役立つスキルです」と高く評価しました。さらに、「スキット活動は、生徒たちに実際の会話の中で英語を使うという経験を与えるだけでなく、英語を使って他者と繋がる楽しさを感じさせるための素晴らしい手法です」と語り、生徒たちが楽しみながら学べる環境を作り出すことの重要性を強調しました。
また、北原先生は、ALTや他校との交流についても「生徒たちが実際に英語を使って他者とやり取りをする機会を持つことで、教室での学びが実際のコミュニケーションに活かされることを実感できるのは非常に大きなメリットです。生徒たちにとって、英語がただの学問ではなく、世界と繋がるためのツールであることを実感する良い機会です」と、国際交流の重要性を強調しました。
さらに、プレゼンテーション活動についても「生徒たちが自分の意見を英語で発表し、他者に伝えるスキルを身につけることは、今後の社会において非常に重要な力です。特に原稿に頼らず、自分の言葉で発表することで、論理的思考力やコミュニケーション能力が同時に養われる点が素晴らしいです」と述べ、生徒たちが自信を持って英語を使って表現する力を育てる重要性を指摘しました。
最後に、北原先生は「C先生の実践は、生徒たちに自己表現の場を提供し、彼らが自信を持って英語を使えるようにするための非常に効果的な方法です。今後もこうした実践を通じて、生徒たちがさらに成長し、英語を使った国際的なコミュニケーションの場で活躍できるように導いてほしい」と、C先生の取り組みを称賛し、今後の発展に期待を寄せました。
【発表者: 愛媛県のY先生】
【実践内容】
Y先生は、生徒たちが特に英語のリスニングや発音に苦手意識を持っていたことから、音声を重視したアプローチを導入した経緯を語りました。彼は「教室での伝統的な文法指導や教科書の朗読だけでは、生徒たちの音声認識能力が十分に伸びないことがわかりました。そこで、音声に集中した授業を取り入れることで、生徒たちが英語を耳で感じ、口で発音する経験を増やす必要があると考えました」と述べました。
その結果、特に効果があったのが「ラストセンテンスディクテーション」でした。この活動では、教師が簡単な英語の文を読み、生徒たちがそれを正確に聞き取り、書き取るというプロセスを繰り返すことで、生徒たちのリスニング力とライティング力が同時に向上しました。Y先生は「最初は書き取りに戸惑っていた生徒たちも、繰り返すうちに耳が慣れ、次第に正確に文章を書き取れるようになりました」と生徒たちの成長ぶりを報告しました。
また、英語の歌や詩を用いた音読活動も、特に発音力やリズム感を養うのに非常に有効だったと述べました。Y先生は「生徒たちは音楽や詩を通じて、英語のリズムを自然に体得しました。彼らは、リズミカルなフレーズを何度も繰り返すことで、難しい発音やイントネーションも徐々に慣れていき、発音の自信がつきました」と語り、音声を使った活動がどれほど生徒たちの英語学習に貢献したかを強調しました。
Y先生のクラスでは、特に英語の音声に苦手意識を持っていた生徒たちが多かったため、このアプローチが彼らにとって大きな助けとなりました。彼は「音声中心の指導を行うことで、今まで英語を聞くのが怖かった生徒たちが、次第に英語の音声に慣れ、リスニングテストでも良い結果を出すようになったのは、教師として大きな喜びでした」と、生徒たちの成長を誇らしく語りました。
【参加者の感想】
Y先生の報告に対して、参加者たちは音声中心のアプローチに強く共感し、自分たちの現場でも取り入れることができるかを真剣に考えている様子でした。ある参加者は、「Y先生が導入した音声中心のアプローチは、特にリスニングに苦手意識を持つ生徒に対して非常に効果的だと感じました。私のクラスでも、ディクテーション活動や音読をもっと取り入れて、生徒たちが耳から英語を感じ、リズムを自然に身につける機会を増やしたいと思いました」と感想を述べました。
別の参加者は、「音楽や詩を使った活動は、生徒たちが楽しみながら英語を学ぶための非常に素晴らしい方法だと思いました。特にリズムに乗って言葉を発音することで、発音やイントネーションを自然に学べるという点に驚きました。私も今後、音楽や詩を授業に取り入れて、楽しい英語の時間を作りたいと考えています」と感想を述べ、Y先生の実践に触発されている様子が伺えました。
さらに、別の参加者は「Y先生のラストセンテンスディクテーションは、リスニング力とライティング力を同時に強化するための非常に効果的な手法だと思いました。生徒たちが自信を持って英語を聞き取り、正確に書き取れるようになるプロセスは、他の教科にも応用できると感じました。これから自分の授業に取り入れる際の参考にしたいです」と述べ、Y先生の指導法が他教科でも応用可能であることに気付いている様子でした。
また、別の参加者は「Y先生の音声中心の指導を聞いて、音声がどれほど重要な役割を果たしているかを改めて理解しました。文法や語彙にばかり焦点を当ててしまうことが多かったのですが、音声活動を通じて生徒たちがもっと自信を持って英語を使えるようになる可能性を感じました。私の授業でも、音声をもっと意識した指導を取り入れていきたいです」と述べ、音声指導の重要性を再認識したと感じていることを語りました。
【北原先生の講評】
北原先生は、Y先生の音声中心のアプローチについて「英語の音声に慣れ、発音やリズムを身につけるための音声活動は、生徒たちにとって非常に有効です。特に、ラストセンテンスディクテーションのような活動は、リスニングとライティングの両方のスキルを同時に強化できる素晴らしい方法です」と高く評価しました。
また、英語の歌や詩を使った音読活動についても「音楽や詩のリズムに乗せて発音を練習することで、生徒たちが楽しみながら英語の音に触れることができるのは非常に効果的です。彼らがリズム感を持って英語を発音できるようになることで、英語がより身近なものとなり、自然な発話力が身につくでしょう」と述べ、楽しさを取り入れた指導の重要性を強調しました。
さらに、北原先生は「Y先生のクラスで生徒たちが次第に音声に慣れ、リスニングテストでも良い成績を残すようになったことは、音声指導の大きな成功を示しています。生徒たちが英語に対する恐怖心を取り除き、自信を持って聞き取れるようになるのは、英語学習の大きな成果です」と、生徒たちの成長を称賛しました。
最後に、北原先生は「音声指導を行う際には、教師が生徒たちにリズムやイントネーションを楽しく教え、生徒たちが積極的に参加できる環境を作ることが大切です。Y先生のように、生徒たちが楽しく学べる場を提供することが、英語教育の成功につながるのです」と述べ、参加者たちに音声指導の重要性とその楽しさを活かす指導法を推奨しました。
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【2日目: 北原先生の講演「平和教育と英語劇」】
【講演内容】
2日目は、北原先生による特別講演「平和教育と英語劇」が行われました。この講演は、英語教育が単なる言語学習にとどまらず、社会的なメッセージや価値観を伝えるためのツールとしても重要な役割を果たすことを強調するものでした。特に、平和教育と英語劇を通じて、生徒たちが英語を使って自分たちの考えや価値観を世界に向けて発信する力を育むプロジェクトについて、具体的な事例を交えながら説明されました。
北原先生は、まず「広島レクイエム1: ぼくの家はここにあった」という英語劇の取り組みを紹介しました。この劇は、広島に原爆が投下された後の状況を描き、生徒たちがその出来事を映像に合わせて英語でナレーションを行うというものです。彼らは、被爆者の証言や広島の復興に関する資料をもとに自らセリフを作り、観客にそのメッセージを伝えるためにリハーサルを重ねました。北原先生は「生徒たちがただの言語学習を超え、自分たちが伝えたいメッセージを考え、表現するプロセスに非常に感動しました」と述べ、生徒たちの深い学びを強調しました。
このプロジェクトは広島県内だけでなく、東京や海外でも発表され、多くの人々に感動を与えました。観客の中には、涙を流しながら生徒たちの発表を見守る人もいたといいます。北原先生は「広島の悲惨な歴史を英語で語り継ぐことで、平和の重要性を世界に向けて発信できるのは、非常に意義深いことです。生徒たちはこのプロジェクトを通じて、英語が単なるコミュニケーションツールではなく、世界に対して何かを伝えるための力強い手段であることを実感しました」と語りました。
次に紹介されたのは、もう一つの平和教育に関連するプロジェクトである「はだしのゲン」を題材にした英語劇です。この劇は、戦後の広島で原爆の影響を受けながらも力強く生き抜く少年ゲンの物語を、生徒たちが英語で演じるもので、東京都の英語学芸大会で優勝を果たしました。北原先生は、このプロジェクトで生徒たちが自らセリフを英訳し、感情を込めて演じたことが、彼らの英語力だけでなく、人間的な成長にも大きく貢献したと強調しました。
特に「はだしのゲン」の劇では、原爆の被害とその後の人々の苦悩を描くシーンが多く、生徒たちはその悲惨さをどう表現すれば観客に伝わるかを真剣に考えながらリハーサルを重ねました。北原先生は「生徒たちが歴史の悲劇を英語で伝える責任感を持ちながら、真剣に取り組む姿には本当に感銘を受けました。彼らは、自分たちの声を通じて平和を訴える力を育てていきました」と、生徒たちの成長について感動的に語りました。
この英語劇の発表は、平和教育の一環としてだけでなく、英語学習の意欲を高める活動としても非常に効果的でした。生徒たちは単なる英語の暗記ではなく、自らの感情を英語で表現し、他者に伝えることを学んだことで、より主体的に英語を学びたいという意識を持つようになりました。北原先生は「こうしたプロジェクトを通じて、生徒たちは英語を使って自分の考えを伝える楽しさや重要性を学びました。彼らにとって、英語学習が単なるテストのための勉強ではなく、社会に貢献するための手段であることを実感する機会になりました」と語り、プロジェクトの意義を強調しました。
【参加者の感想】
参加者たちは、北原先生の講演に非常に感銘を受け、英語教育の新しい可能性を強く感じたようです。ある参加者は「英語が単なるコミュニケーションツールではなく、平和のメッセージを伝えるための強力な手段であるという北原先生の考えに強く共感しました。生徒たちが英語を使って自分の意見や考えを世界に発信できるような教育を目指したいと感じました」と感想を述べました。
また、別の参加者は「『広島レクイエム1』や『はだしのゲン』といった作品を通じて、生徒たちが平和の大切さを学び、それを英語で伝える力を養ったという点に非常に感銘を受けました。私も、自分の学校で平和や社会的なテーマを扱った英語学習の機会を増やしていきたいと考えています」と語り、平和教育と英語学習の融合に強い関心を示していました。
さらに、別の参加者は「英語劇という形式を使って、生徒たちが自分たちの考えを表現する力を育てるというアプローチは、非常に効果的だと感じました。特に、歴史や平和についてのテーマを取り扱うことで、生徒たちが英語を使うことに意義を見出し、学習意欲がさらに高まるのではないかと思いました。私も、自分のクラスでこうした英語劇を取り入れて、生徒たちにもっと積極的に英語を使う機会を提供したいと感じました」と感想を述べました。
また、別の参加者は「生徒たちが自分たちでセリフを考え、英訳するというプロセスが非常に素晴らしいと感じました。単なる直訳に終わらず、どのようにすれば自分たちの感情やメッセージを効果的に伝えられるかを考えさせることで、生徒たちの表現力や創造力が大きく伸びることが分かりました。英語学習の枠を超えた深い学びがあると感じました」と感想を述べ、生徒たちが主体的に学び、自分たちの考えを発信する力を養う重要性を感じ取っていました。
他の参加者も「北原先生の講演を通じて、英語教育が平和や社会に対するメッセージを発信するためのツールとしてどのように機能するかを学びました。私は、英語がただの言語ではなく、社会的な責任感や価値観を伝える手段であることを生徒たちに教えたいと感じました。今後、平和教育を取り入れた英語教育を実践していきたいと思います」と感想を述べ、北原先生の講演が今後の教育実践に大きな影響を与えることが伺えました。
【北原先生の話】
北原先生は、講演の中で「英語教育が単なる言語習得を超え、生徒たちが世界に向けて自分たちのメッセージを発信できる手段であるということは、これからの時代において非常に重要です」と述べ、平和教育や社会的なテーマを取り入れた英語教育の重要性を強調しました。彼は「生徒たちは、英語を通じて他者に何を伝えるかを考えることが、英語学習の本質であり、英語は社会に対して貢献できる強力なツールであることを実感するべきです」と語り、英語の役割がコミュニケーションを超えたものであることを再認識させました。
また、英語劇についても「生徒たちが自分たちでセリフを英訳し、それを演じるというプロセスは、彼らの表現力や創造力を大きく伸ばします。単なる文法や語彙の学習にとどまらず、実際の言葉として英語を使う経験が、生徒たちに自信を与え、彼らの学習意欲を高める大きな要因となります」と述べ、英語劇の持つ教育的な効果を高く評価しました。
さらに、北原先生は「『広島レクイエム1』や『はだしのゲン』といった平和に関するテーマを英語で取り扱うことで、生徒たちは自分たちの社会的な責任や世界に対して発信すべきメッセージについて考えるようになります。彼らが英語を使って世界に向けて平和を訴える力を身につけることは、将来的にも非常に重要です」と語り、生徒たちの成長と今後の教育の意義について強調しました。
最後に、北原先生は「平和教育を通じて、英語を使って何を伝えるかを考えさせることが、これからの英語教育において重要な課題です。生徒たちに自分たちの声を持たせ、英語を通じて世界に貢献できる力を育てるために、こうした教育を進めていってほしい」と述べ、参加者全員に対して、平和教育と英語学習の融合をさらに進めるよう促しました。
【発信語彙リストと問題集の紹介】
このセッションでは、「発信語彙リストと問題集」の紹介が行われました。北原先生は、生徒たちが効果的に英語でメッセージを発信できるよう、単語やフレーズのリストを作成し、それを基にした問題集を開発しました。このリストには、平和や社会的なテーマに関連する語彙が多数含まれており、これらの語彙を使って生徒たちは自分の考えを英語で表現する力を養いました。
問題集は、単なる語彙の暗記ではなく、実際のシチュエーションに基づいた問題形式で構成されており、生徒たちが実際に使える形で語彙を習得できるよう工夫されていました。北原先生は「生徒たちは語彙をただ覚えるのではなく、それをどのように使って自分の意見を発信するかを学ぶことが重要です」と述べ、生徒が主体的に語彙を使いこなせるようサポートすることの重要性を強調しました。
参加者たちは、この「発信語彙リストと問題集」が英語の実践力を高めるための非常に効果的なツールであると感じ、特に実際の場面を想定した問題形式が生徒たちの学習意欲を引き出す工夫として非常に参考になると評価しました。
【自由スキット】
また、2日目の後半では、「自由スキット」による発表を見ました。この活動は、北原先生が提唱する「楽しさを取り入れた英語教育」の一環で、生徒たちが自由にシナリオを作り、即興でスキットを演じるというものです。特に、生徒たちがコメディを取り入れたスキットを通じて、英語を使って楽しみながら表現する力を養うことが狙いとされました。
この活動では、生徒たちが自らのアイデアでストーリーを構築し、笑いを交えた表現力豊かなスキットを披露しました。北原先生は「生徒たちが英語を使って自分のアイデアを自由に表現できる場を持つことが、英語学習の楽しさを引き出す重要な要素です。コメディを通じて笑いながら学ぶことが、彼らにとって英語を身近に感じさせる手助けになります」と述べ、スキットやコメディを通じて生徒たちが英語に親しむことの大切さを強調しました。
特にこの活動では、生徒たちが自分たちでシナリオを考え、役割分担をしながら演じることで、英語のフレーズや単語を自分のものにするだけでなく、創造力や表現力も伸ばすことができました。北原先生は「スキットを通じて、生徒たちは自分の言葉で英語を使い、またその中でユーモアを交えることで、コミュニケーションの楽しさを学びます」と語り、この活動が生徒たちに与えるプラスの影響について言及しました。
【参加者の感想】
北原先生の講演とその後の活動に対して、参加者たちは英語教育の新しい視点と可能性を強く感じました。ある参加者は「発信語彙リストと問題集を通じて、生徒たちが英語を使って何を発信するかを考える力を育てることができる点に非常に感銘を受けました。特に、平和や社会的なテーマに関連する語彙を扱うことで、英語の学習が社会に貢献する活動と結びつく点が素晴らしいと感じました」と感想を述べました。
また、「自由スキットとコメディ」の活動についても、多くの参加者が高く評価しました。ある参加者は「生徒たちが自分たちでスキットを作り、コメディを交えて演じるという自由な活動は、英語を使う楽しさを自然に引き出す素晴らしい方法だと思いました。私も、授業の中でこうした創造的なアプローチを取り入れて、生徒たちがもっと自信を持って英語を使える環境を作りたいです」と語りました。
別の参加者は「コメディを取り入れたスキットは、生徒たちがリラックスしながら英語を学べる方法として非常に効果的だと感じました。彼らが楽しんで英語を使える環境が整えば、自然に表現力やコミュニケーション能力が育つと実感しました。私も、授業でこうした活動を積極的に取り入れていきたいと思います」と感想を述べ、コメディが英語教育に与えるプラスの効果に注目しました。
他の参加者も「北原先生の『楽しんで学ぶ』という考え方は、生徒たちが英語を学ぶ意欲を高めるために非常に重要だと感じました。英語をただの勉強として捉えるのではなく、笑いや創造力を通じて、学びがもっと身近なものになるような活動を私も取り入れていきたいと思います」と感想を述べ、授業での応用を考えている様子でした。
【北原先生の話】
北原先生は、「発信語彙リストと問題集」について、「生徒たちが語彙をただ覚えるだけではなく、それを実際の場面で使い、自分の意見や考えを発信できる力を養うことが重要です。このリストと問題集は、そうした目的に合わせた効果的なツールです。特に、平和や社会的なテーマを取り扱った語彙を使うことで、単なる語学学習の枠を超え、英語を通じて社会に貢献できる力を育てることができる」と述べ、語彙学習が自己表現や発信能力の向上に直結することの重要性を強調しました。
さらに、「語彙を使って何を発信するかを考える過程を通じて、生徒たちは自分たちが何を伝えたいか、どのように伝えたいかを考える力を身につけます。これは、今後の社会で必要とされるコミュニケーション能力やクリティカルシンキングの育成にも繋がるものです」と語り、この教材が生徒たちの将来においても役立つスキルを養うツールであると高く評価しました。
次に、自由スキットについても、「生徒たちが笑いながら英語を学び、リラックスした状態で自分の言葉で自由に表現できる場を作ることは、英語学習において非常に有意義です。コメディを交えた活動は、緊張をほぐし、英語に対する抵抗感をなくす効果があります。こうした活動は、特に表現力やコミュニケーション能力の向上に大きく寄与します」と述べ、スキットやコメディを通じた英語学習の価値を強調しました。
さらに、北原先生は「生徒たちは、自分のアイデアを即興で表現し、仲間と協力しながら物語を作ることで、クリエイティブな思考やチームワークの重要性を学びます。彼らが楽しみながら学び、英語を自分のものにしていくプロセスは、英語教育の最も理想的な形の一つです」と語り、創造力を引き出しながらの英語学習の意義を強調しました。
最後に、北原先生は「自由な発想を持ちながら、笑いと共に学びを進めることが、生徒たちの自信を育て、彼らが英語を使って世界に対して自分の考えを発信するための土台を作ります。英語教育は、楽しくなければならない。楽しさを通じて、彼らの英語力を最大限に引き出すことができる」と総括し、参加者たちに今後も創造的で楽しい英語教育の実践を奨励しました。
【総括】
2日目は、北原先生による「平和教育と英語劇」、そして「発信語彙リストと問題集の紹介」や「自由スキット」など、英語教育の多様なアプローチが紹介されました。特に、英語を使って社会的なメッセージを発信する力を育てることの重要性が強調され、平和教育を通じた学びが生徒たちに与える深い影響について、多くの参加者が学びを得ました。
「発信語彙リストと問題集」を通じて、語彙学習がただの暗記ではなく、自己表現やメッセージ発信に直結する力を育てるための重要なステップであることが強調されました。また、「自由スキットとコメディ」を通じて、生徒たちが楽しみながら英語を学び、表現力や創造力を伸ばしていくための効果的な活動として評価されました。
参加者たちは、これらの活動を通じて、生徒たちが主体的に学び、英語を使って世界に対して自分の意見を発信するための力を育てるための新しい視点を得ました。北原先生が示した「楽しく学び、社会に貢献するための英語教育」という理念は、参加者たちの英語教育に対する考え方を大きく変え、今後の実践に向けて強い意欲を持たせるものでした。