5月12日(土)第154回例会(復活34回)

北研第154回例会

北原先生の近況:4月18日から上智で英語教授法を教え始めた
上智大学はICTの設備が整っていて、生徒もそれぞれの席からパソコンが目の前に出ている

0 教書が読めない子どもたち
・本の紹介「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」
第3章教科書が読めない
全国読解力調査
中学校は上がっている傾向はあるが、高校では読解力が学年をあがってもかわらない。
中学校の頃に読解力は決まっている。
小学校の頃の教育で決まっている。
・まず初めに、「AIvs.教科書が読めないこどもたち」という本を紹介されました。その中の第3章教科書が読めない-全国読解力調査、に書かれてある「数学ができないのか、問題文を理解していないのか?」という問題提起を私たちに伝えてくださりました。日本の中、高校生読解力のデータも示されました。教育委員会に申し込めばこの読解力調査を受けられるそうです。私も少し前にネットでこの本のことに興味を持っていたので、この本の話が出て、うれしかったです。数年前から、英語の長文問題が、もし日本語だったとしても、解けない生徒がいるのではないか、と思うことがあったので、じっくり考えてみたいと思い、本をすぐに購入しました。

1 世界は英語だけじゃないよ
~いろいろな言語のアルファベット紹介~
・ドイツ語(北原先生)、フランス語、イタリア語、スペイン語、・ヒンドゥー、アラビア語
英語・ドイツ(ゲルマン系)、スペイン・イタリア・スペイン(ロマンス系)この2つの要素があると、初めての外国語に出会った時理解しやすい。言語の関連性やルーツを教える。
・イタリア語のアルファベットの読み方が紹介されていました。併せて・frecceは矢の意味で、サンフレッチェのサンは3の意味て、これらを組み合わせた造語だそうで、ああ、なるほど、中国地方を治めていた毛利家にちなんでいるのかな、なるほど、とおもいました。・gのアルファベット読み方は「ジュ」ですが、ghはspaghettiのように「グ」のになり、nの前につくとgnocchiニョッキ、のようになる、など、日本人でも知っている単語にことよせての説明を興味深く聴きました。そのあとH先生よりヒンディ語の説明アッサラームアライクム、というイスラム教徒のあいさつではじまり、文字をボードにさらさらと右から左につづる様子に、圧倒されました。アラビア語、ペルシャ語、ウルドゥ語の関係、「ラブリーな」アラビア語の数字も紹介。(ドバイに行く予定がある北原先生も最近覚えられたそうです)ドイツ語科ご出身の北原先生が、weißと板書し、これはなんでしょう?と。その前にedelが添えられをつけて一同「あー(エーデルワイス)」となった。edelは高貴なという意味、そしてweißは白。英語ドイツ語はゲルマン語系、イタリア語やフランス語はロマンス語系(「ラテン語系」という声もあったが)この両方に通じていると、ヨーロッパの言語はつづりから意味の見当がつくことが多くなる、と北原先生。

 

・北原先生から直前に、「ヨーロッパ語以外の言語のアルファベット、インドの言葉も紹介して」と宿題をいただきました。10世紀~17世紀ごろ、南アジアはイスラムの勢力下にあり、ムガル帝国の首都・デリーの方言を、アラビア文字、ペルシャ文字を基本としたイスラムの文字であらわした言語を「ウルドウー語」と呼びます。今回はアラビア語、ペルシャ語、ウルドウー語のあいさつとアルファベット38文字のさわり、数字などを紹介しました。文字は、流れるような筆記体で、右から左へとつなげて書
きます。4月、1年の最初の授業で「世界のあいさつ」を練習するとき、アラビア文字で「アッサラームアライクム」と書いてあいさつを教えると、生徒たちが喜んで、文字も真似します。外大では世界のいろいろな言語のつながりを学びたいと思い、いろいろな言語のさわりにふれました。第1言語はインド・パーキスターン語、第2言語が英語。第3、第4がドイツ語、フランス語。他にペルシャ語、インドネシア語などを学びました。「言葉は世界を回って旅をするのだなあ」ということが楽しく、ロマンを感じました。教師が複数の言語を学んでいると、英語の授業に深みが出ます。今回北研に初参加した安藤さんを含めて、外大OBが5名も集合したので、奇跡のリユニオン!でした。外大では、在学中に全員が学んでいる世界の言語で「語劇」をやり、世界の料理店を開きます。今では1つの語劇を観るために600~700名ほどの列ができます。劇は言語の習得に必須なことを大学が証明してくれました。もっともっと言語の学びを深めたいと思います。夏休みには、外語大の「名誉図書館会員証」を使って、英語の文字の成り立ち、英語の歴史を調べてみたいと考えています。「夏休みには、教師が一番学ぶ」、「日々、英語を学び続ける」こそが、胸をはって英語の教壇に立てる理由であり、方法だと思います。

 

2 辞書指導 1時間目
~オリジナル辞書指導 指導CDを使った指導~
・ベネッセが作ったCDにそって、クイズ形式で辞書の決まりを生徒役として受講した。先生の名前を使って、日本語の辞書ではどれが早いか?という具体例
・「みんなで声を出して読みましょう。」「そろって読まないと(中1男子だけではなく中国や韓国から来た生徒を含めて)全員が(共通)理解できませんよ。」(ベルをチンチン鳴らせて)「もっと楽しく読まないと。では、赤枠の中はドラえもんの声でどうぞ!」「辞書に複数の意味がある場合、実際に使われる頻度順に載っている。」手は左右の水平かまっすぐ上。上は自分で開けた辞書のページにドンピシャで当たった場合。

 

・はじめに北原先生監修によるCDROMが参加者全員に配布された。このCDのかけて、全員が生徒役になって辞書指導の導入(1時間目)を体験。スライドショー仕立てで、コマごとに赤の□で囲まれた学習事項の見出しと、その説明や演習のための画像などがそれにつづく構成。この見出しと説明は生徒全員に逐一斉読させているとのこと。両親の出身国などから、日本語がまだおぼつかない生徒が増えてきていること、および、いまどこをやっているのか全員に(とくに男子生徒に!)ついてこさせるための配慮。生徒役の私たちが、普通に読み始めると、北原先生は「ふつうによんでちゃつまらない!囲みのなかはドラえもんの声でよもう!」と。これも生徒の注意力をキープする工夫か、となるほどと思いました。その後画面には「どっちがまえ?」d or bのようなアルファベットの組み合わせがでて、生徒は、順が先の方をの側の手を挙げるという活動。文字単位の比較のつぎは単語同士の比較。そこで、いま赤坂中にいる3人の先生の名「すが・すがや・すがい」のなかで先に辞書にでてくるのはどれ、といった導入を入れてから、tea or teacher など単語同士の順の比較にはいっていく。つぎにletterを実際に辞書でしらべさせ、1番目の意味が手紙だが、2番目には「文字」とでていることから、単語の意味は一つだけでないことなどを教える。つづいて英単語をあてるなぞなぞ形式の問題がつづく。(ヒントとして頭文字があたえられ、辞書引きを動機づけるようになっている)。さらにapple, melon, cat の共通点は?という問いかけ→答え「名」、つぎに異なった基本動詞が三つ示され同様に共通点を探す問題がだされ答えは「動」、品詞の種類への注意が喚起されている。

 

・「問題を読ませる」※声に出して読ませることで、全員がこれから何をするのか、理解できると思います。以前、スーパーペアワークを扱った際に、北原先生が「最初に書かれている注意書きを定着するまで声に出して読ませる。」とおっしゃっていたことを思い出しました。その時も新しい発見をしたと思いましたが、今回も同じように感じました。形だけをまねるのではなく、もっと根幹の部分を考えていれば、このようなことにも気付けるようになるのだと、反省したところです。※また、北原先生は「ドラえもんの声で読んで」など遊び心を忘れないというか、生徒の気持ちをよく考えて指示をされているように思います。北原先生の指導には厳しさ、楽しさ、やさしさ、様々な面があり、どれも「生徒のことを真剣に考えて本気で指導されている」とことが伝わってきます。

 

・辞書指導のCDを使って、実際に辞書指導をどう行うかのレクチャーを北原先生がしてくださいました。□のタイトルは生徒は声を合わせて読みます(ドラえもんの声で)。土地柄、韓国や中国からの生徒がいるため文字で読ませるのと同時に耳からも日本語を入れてあげて問題の理解の促進を図っています。画面上に「A or B」と表示されどちらがアルファベット順で早い方か、Aだと思う人は左手を左の方に挙げ、Bだと思う人は右手を右の方に挙げさせます。この調子でCDに収録されている分のアルファベットを行います。すが、すがや、すがいという名前。北原先生「辞書で引いたらどれが最初?」生徒「すが!!」北原先生「どれでもないよ、辞書に載ってないもん!!!」という導入で、実際に辞書を開かせ、辞書を開く練習を始めます。‘letter’を引かせ、①手紙②文字と書いてあることを確認させ「なんで?」と質問。1つの単語でも複数の意味があり、出る順でナンバリングされてあること伝えます。あとはCDに沿って辞書を使った問題やクイズに挑戦していきました。

◎1年生の音声指導(幹本上巻P44)
北原先生はアルファベットを音で以下のように分類分けした。
①赤グループ(bcdgp)イーの音で終わる
c、gは音が2つある…Circus,Giants
egg
②青グループ(flmn)
③茶色グループ(jk)エイで終わる
④緑グループ(A・I・U・E・O)母音
A・・・下の位置を上にして口を横にする。長い強い。あ~おまえデートしてたなのあ。
U・・・あっ忘れ物した 短い 弱い
Vは前歯が出てないとだめ。ふるえてないとだめ。
L・F・N・S・X
Fは前歯と風切り音
n…準1、2級
・HWYRQ
次にhatと教師が発音して辞書を引かせる。hutも発音後辞書で引かせる。1文字ずつ読めたら簡単なんだよ。・最後の一人がもういいと言うまでこの指導は続ける。

・アルファベットをA4ぐらいの厚紙に、片面大文字、片面小文字を記入。グループごとに色分けをして分けておく。大文字の面をBCDGPTVZを次々に見せる。赤色グループ。「はい、ではクイズ第1問。共通するのは何?」心の中で一つひとつ音にすると、「イー」という音が入っていることがわかる。「では、イーを取ってみましょう。」発音を確認。CとGには音が2つある。CIRCCUS, Giants, egg 該当箇所に下線を引いて発音確認。FLMNSX、青色グループ。「エ」を取って発音確認。日本に来たばかりのALTが「準1級」「準2級」をきちんと発音できずに「ニ」という発音が入ってしまうことを例に出し、「Nは鼻から出る音」と、鼻水ジャーのジェスチャーで説明。in it, on itも参考に。AEIOU、順番を変えてAIUEO。緑色グループ「母音なんて言ったら男子が余計なこと言うからダメ。アイウエオ」A, O, Uには発音が2種類ある。田尻悟郎先生「舌の位置を少し上げて…という教え方もありますが…」「「あ~↑分かった~」と「あっ、分かった↓」2種類の「ア」があります。日本語にもあるんですよ。」hatを発音して「辞書で引いて。」次にhut。JK茶色グループ。「エイ」。GとJの発音の違い。HWYRQ残ったやつ。Wワ、Yイャイャ、Rル、Qクワックワッ。単語に移行させる活動。BE, ED, BEDという順で、今やった発音をつなげて単語の発音をする。

 

・休憩後は、ブブブブビー、といったアルファベットの音(フォニックス)の導入の模擬授業。第一グループがBCDGPTZで、これはイーという音がつづくもので、このイーをとると、ブッ、クッ、ドゥッ、などの頭の音(子音)だけがのこる、これがそれぞれの文字のもつ音だ、という説明。そしてそのあとリズムボックスのリズムにのってブブブブビー、ククククスィー!とリピートしていくもの。つぎのグループがFLMNSでいずれもエで始まるもので、このエをとるとそれぞれの文字の音(子音)となると説明し、第1グループ同様にリズムに合わせて練習。つづいて第3グループがAIUEOで、これも文字の名と、音と二つある、ということで、Aの音は「おまえ〇〇したんだろーえー」?のえーの音で長くて強い。Uは「あっわすれた」のあの音(短い音)、田尻先生の教え方も紹介。つづいてJKは、文字の名前から「エイ」をとって音(子音)にする。最後に文字の名前と音が一致しないものHWYRQのグループをハハハハエイチ、Yはイヤイヤワイ(いやいやのジェスチャーしながら)、Qはクワックワッキュー(水鳥のジェスチャー)など北原先生がユーモラスな動きをしながらやってみせるところにも、生徒への愛情を感じました。

 

・hat / hut (意味は小屋)の音を2つ聞かせて、文字を書かせてみたそうです。数人が、あ、分かった!といって正しく書けたそうです。すごい。ちなみに、野外学習でジャージーハットのソフトクリーム屋さんがあったらしいですが、生徒はこの話にはピンとこなかったそうです。Alphabet zooのビデオを見せていただきました。同じリズムでフォニックスのルールを教えているけれど、楽器を変えているところが、子どもが楽しめるように工夫されていて、素晴らしいと北原先生が言われました。幹の本に書かれていましたが、販売されていないので初めて観るビデオでしたが、北原先生の教材作りの視点の一つを聞いたように思いました。 カードで、BとEとDの音を2文字ずつ組み合わせて発音を確認してから、bedの発音の確認。北原先生のフォニックスのルールは、子どもが勉強しやすいように考えて作られたそうです。

 

・辞書指導CDの使い方を北原先生が実践してくださいました。そのままCDを活用しても楽しみながら活動できる内容でしたが、北原先生流の生徒の興味を引く工夫があちこちに仕掛けられていて、大人でも楽しみながら学びました。・特に中1男子はどこをやっているかわからなる子が多い。問題文はみんなで声をそろえて読ませる。・普通に読むのは「つまらない!□の中はドラえもんの声で!」と言われ、恥ずかしがりながらもドラえもん調で問題を読む。きっと、中1男子はノリノリで楽しみながら読むと思います。たとえ英語が嫌いという生徒でも、参加させてしまうのではないかと思います。・b or d どうして間違えるのか?筆記体をやらなくなったから、文字の成り立ちを教えなくなったからではないか。  文字の成り立ちを教える必要がある。・辞書の中でどの順番で出てくるか?すが / すがい / すがや  挙手をして、「すが」が一番最初に出てくる!と自信を持って手をあげました。・・・が、答えは「どれも出てくるわけないじゃないか!」と言われ、参加された先生方のほとんどが見事に引っかかってしまい、笑いがおきました。・アルファベットの指導(参加された先生からのリクエストで急遽対応してくださいました)

B, C, D, E, G, P, T, V…「イー」の音が入るもの
A, I, U, E, O…母音
J, K …「エイ」の音
リズムマシンに合わせて、「ブ、ブ、ブ、ブ、B」のように音読みと名前読みの練習。リズムの中で太鼓の音の部分は、太鼓を叩くフリをするとか、ここにも楽しみながら学ぶ工夫がありました。

 

・「共通点はなに?分かる人Stand up.」と伝え、「B,C,D,G,P,V,Z」をカードで順々に見せます。「まるっちぃー?違うよ! 文字が赤い?違う!!」と笑いを取ったあたりで生徒から「全部イーと伸ばす」とあがります。北原先生「イーを取るとそのアルファベットの発音になります。イーを取ってみて?」→上記全てのアルファベットを発音させる。CとGに関しては「もう一つあるよ!」 Cに関してはCIRCUS、Gに関してはGIANTSとEGGを使って説明。Vは前歯が見えないとダメ。次は「F,L,M,N,S,X」へ。共通点は全て「エ」がある。「エを取るとアルファベットの発音になる」 → Fは風切り音が聞こえないとダメ。Xはくすくす笑うジェスチャー付きで説明。次は「A,I,U,E,O」へ。共通点は「あいうえお」。Aは口を横に開く。Uは縦に開く。田尻先生流→Aは「あぇー今日デートしてたろ!」の音、Uは「あっ!忘れちゃった!」の音。「J,K」共通点「エイ」、最後に「H,Q,R,W,Y」共通点「それ以外」。 リズムボックスを使いテンポよく帯活動で練習します。最後の一人が「もういいよ、もう覚えたからやめてくれ!」と哀願するまで帯活動で行います。

 

・1年生のフォニックス指導を生徒役で体験しました。アルファベットの大文字が書かれたカードを1枚ずつめくっていき,共通点を問います。私はカードの裏にマグネットをつけて黒板にはりだして考えさせていたので,時間がもったいなかったように思います。このようにスピード感を大事にしたいです。①B,C,D,E,G,P,T,V,Z 「イー」という音。「イー」の音をとると,その文字の音になる。Cは音が2つ。CIRCUSを例に。Gも音が2つ。Giantsとeggを例に。Vは前歯が見えていないと×。唇が震えてないと×。②F,L,M,N,S,X 「エ」という音。「エ」の音をとるとその文字の音になる。Fは前歯が見えていること,風切り音が聞こえること。大げさに。Mは口を閉じる。Nは口を閉じない。ここで準1級と順2級を例に。③A,I,U,E,O 「アイウエオ」の音。Aは口を縦に開く。0は口を横に開く。④「J,K」 「エイ」という音 ⑤「H,W,Y,R,Q」その他の音。それぞれボンゴボンゴのリズムボックスを使って太鼓の音に合わせて練習しました。この活動を毎時間帯活動として行い,最後の一人が「もう(やらなくて)いいよ。」と言うまで続けるそうです。北研に通うようになってから去年初めて1年生を担当して,こんな感じかな?と自分なりにやってみたのですが,やはり実際に体験することで,幹の本からだけでは分からなかったスピードや流し方を知ることができてとても勉強になりました。

 

◎今回の1年生の試験範囲
授業が多く潰れたので、Unit1の前のページのみ。辞書持ち込み可で行う予定

◎昨日の1年生の授業。(参観された先生からご報告)
Fine, thank you.の全員でチェック(下唇がかめているか、息が出ているか。大げさにできていなければ、あとで職員室前)
Song(Old McDonald Had a Farm)
アルファベットの音声
カードを使って大文字・小文字の即時変換
大文字を隠してペアで答える
発音も意識してチェックする
数字も1から順にテンポよく確認する。Fourもフォーという日本語英語だったら、アウト。
ALT先生があいさつをするのに返答する
発音された単語を辞書で引く
Word definition game (fruit)

音を中心にどんどんインプットさせていく。
教えていない現在完了もteacher talkの中に入れる。

 

3 3年生4月の指導
~受験生としての心構えを教える~
・じゃれまが(No4)
無料で楽しい!こんないい教材使わないなんてもったいない!じゃれまがを取り入れられていない先生たちの理由→読みトレをやっているので、時間が足りなくて実施できない。

じゃれまが生徒役体験
時計の秒針が12になったら読み始める、読み終えたところで時計を見て記録させる。読み終わったら、問題の答えに下線を引く。1分経ったら問題を読み上げる→生徒が答えを読む。読まなかったら、ゼロポイント。(昔は内容理解といったらO&A、TF、和訳のみ。和訳は日本語使いたくない、TFは2択、Q&Aは分かっていても答え方がわからなかったら答えられない。だから、答えに該当する部分に下線を引く方式を開発した。)その後教員が範読。聞いたらわかる単語があるから、教師がまず読む。
・female→対義語書けたらstand up.
・could not →ここでは高校でやる仮定法っていうやつ
・No one →=のもの?Nobody これは都立レベル。全員必須。
・took place・took part in →
→意味は?わからない人は辞書。都立高レベル、中堅高、トップレベルに分類されて、これは都立高レベル。
・won→読み方
・amazing→ingつけて感情を表す言葉 exciting surprising boring moving shocking astonishingこういう語は英語教師としてすぐに出なければならない。人が来ると?ed? Ing?
・that →□の何?接続詞。なんで接続詞?前に主語動詞がある。
・broke→活用は?
・six times →1回、2回?
・How did she do that?→thatは□の何?読ませればわかる。代名詞の時は強く読む。なんで代名詞なの?うしろがifだから。
・semi finals →準準決勝、決勝は英語で。中堅高以上受けるやつは今日中に調べてこい。Quarter final
・on →□ on the desk前置詞。Go on ずっと続く 副詞
こういう風にやってあげれば、上位層の生徒が公立中学校校でも大丈夫だと安心する。

・北原先生は、冒頭、効果が約束され、それほど手間もお金もかからないのに、「じゃれマガ」の使用がなぜなかなか広まらないのか、と疑問を投げかけ、そして使っていない参加者の人たちにその理由を尋ました。読解授業について、理解の確認について、かつてはTrue/False かQuestion & Answerくらいしかなかったが、T/Fは、わからなくても正解する確率が1/2、Q&Aは、内容は理解していてもAnswerを書けない可能性もある、と。そこで考え出した、設問に対して、答えの核心となる箇所のアンダーライン。手順は、以下のとおり、・生徒は配布されたじゃれマガを観ないよう、hands’ up, head’s upの姿勢から、教室の時計の秒針が12のところにいったら一斉スタート。読了した段階でタイムを書き込み、そのあと設問に解答。→生徒ほぼ全員が読了した段階で、先生(ALT、またはS先生)が読んで聞かせる。音できけばわかる生徒もいる。(音読させようとする教員がいるが、これを音読させても意味がない、なんでもかんでも音読させればいいのではない、こういう文は黙読できれば十分、と北原先生)そのあと、設問に対する回答を生徒に問う。そのあと文中の語句について先生と生徒の一問一答形式で内容理解や関連事項を確認をしていく。・female という語では、“I’m not female. Then What am I?”とmaleの答えを引き出すよう問いかけ。わかった生徒はその場で立ち上がる。語句の確認の際には、その語句や関連語句が、{都立・中堅校・トップ校}それぞれどのレベルの受験に必要とされるかを先生指摘し、受験への意識付けをおこなう。・no oneの英語での言い換え →nobody ――これは中学ででてくるので都立レベル。・took place・that がでてくるところはその都度、関係代名詞/接続詞/代名詞の見分けができるか、問いかけをして確認。・amazingのところではほかに感情を表す~ingの語をあげよ→解答としては、exciting, surprising, shocking, など参加者からでた。(ここで北原先生は、こういう語がもっとでてくることが英語教師には必須!とハッパをかけられました)・semifinal 「準決勝」のところでは、「では準々決勝は」と問いかける→答えはquarter final。この語は中堅校以上のレベル。この項目の結びに北原先生は「3年生になったらこういう勉強をしなければならない」「こういうふうにやっていかないと、できる子ものばせない」といわれました。なお、3年生のはじめだと、このじゃれマガを一通りやるのに15分くらいはかかるということ。いか、今回の例会で私が感じたことを、メモしておきます。言葉の多様性や共通性に関心をもち続けることの大切さ。世界の多様さ豊かさ、違いを受け入れ尊重することにもつながるのではと感じました。アルファベットの発音については最後の1人が「もうできるからいい」というまで、続ける、という点、じゃれマガを音読などさせない、という点、この対比について次のようにおもいました。無理があること、意味のない余計なことなどは徹底して省く一方で、しっかり身につけるべきこと(そうしなければこれからの学習が成り立たなくなるような大事な基礎)は徹底して身につけさせる、という点、生徒の学習の成果が最大限になるよう常に考え内容を吟味されていると感じました。文字の色がグループごとに赤や緑で色分けされている、アルファベットカードの色使い、について大学教授などから「その根拠は」などと問われることがあるが、「生徒にとってわかりやすく覚え易いかと、いつも子供目線でやっているだけ、学術的根拠などない」と北原先生がいわれていたことについても、データ、アンケートなどでいつも生徒の学びの様子、感じ方に耳を傾ける北原メソッドの姿勢と感じました。

 

・英文の内容理解を確認する方法について、これまでは「TF」もしくは「Q&A」。「TF」は確率50%。「Q&A」は、理解はしていても答え方がわからないために答えられない生徒が出てくる。「答えの部分に下線を引く」、内容理解を確認するうえで生徒が最もやりやすい方法。
じゃれマガ
1分間での内容理解(黙読)→1分後に教師が質問文の読み上げ、生徒が答えの部分を言う
→教師の範読→必要箇所の説明
説明の際に「トップレベル」「中堅校レベル」「都立レベル」と3つに分けて指示を出していることがとても勉強になりました。このように分けることで、生徒が自分で覚えるべきことを区別することで、どのレベルの生徒も成長できるのだと思います。また、「3年生の最初のころは15分くらいかかる」という話を聞き、4月からスタートして10~15分かかっていた私自身はほっとしました。ただ、北原先生の発問と比べると私の発問はまだまだ甘さが目立ちます。今回は幸運にも午前・午後で私が授業で取り上げた「じゃれマガ」で北原先生の指導を体験でき、自分の発問と北原先生の発問を比べることができたことです。4年前に初めて「じゃれマガ」を扱ったときもより、先生と同じ発問が増えたことに嬉しさを感じながらも、まだまだ甘い部分も痛感いたしました。過去に担当した3年生のアンケートを集計して、過去2回とも上位にくるのが、この「じゃれマガ」でした。1~2年生のときに英語で苦労していた生徒が「1学期中は何を書いているか全くわからなかったけど、10月くらいから、今までわからなかったのがウソのように内容がわかるようになった。先生の質問にも答えられるようになった」とアンケートに書いてくれたことが、支えとなり、この活動を継続できています。今年の3年生はこれまでのすべての活動で私が担当した過去の先輩たちを大きく越えてきている生徒たちなので、この活動を通してさらに大きく成長させてやりたいと思っております。そのためにも、さらに気を引き締めて、引き続き勉強を重ねていきます。

 

・じゃれマガ使用。生徒は内容を読んでタイムを計測。Questionの答えの部分に下線を引っ張る。普段はALTが1分間計り、1分後Questionを問いかけ、生徒は本文該当箇所を答える。その後ALTが本文を範読し、北原先生が内容理解を始めます。生徒は本文を音読することはない(北原先生「英文を見たら音読させる?音読の意味を考えるべき」)。内容理解は問題レベルを、都立レベル、中堅校レベル、トップレベルに分類し「これは全員、中堅校レベルは必須、トップレベルは知ってないといけないよ」と口頭で分類・指示(逆にこれはトップレベルの人だけ!という風に指示)し、生徒は自分のレベルに合わせて内容理解を進めていきます。まだ習っていない文法が本文に出てくる場合は例えば「関係代名詞Unit.5-2」と予めプリントに打っておいて「これは2学期にやるよ」と説明。また「仮定法(高校)」の場合は「これは高校に行ったら習います」と説明します。生徒が楽しく授業を受けられて、かつ内容に集中できる手立て(ギャグや突っ込み)を北原先生から丸パクリし、自分の引き出しの一つにしようと思った研修会でした。

 

・【新3年生に「受験生の心構え」を:3年になったらこう学ぶ】の中で、じゃれマガの指導の中で(も)、自分の受験校レベルを念頭に自分が答えるレベルを生徒に考えさせています。「都立高レベルまでは授業内でできる。それ以上は無理だから、自分で学ぶことを教える。塾行く子も自分で(塾以外でも)できるように。こういうことやってあげないと公立校には来なくなる」

 

・1分間で黙読→教師が質問文の読み上げ、生徒が答えの部分を言う→教師の範読→必要箇所の説明といういつもの流れ。説明の際に「トップレベル」「中堅校レベル」「都立レベル」と3つに分けて指示を出していることが勘所。これは日本の学校で行うことができる習熟度別指導と言ってよい。学習指導に関して戦後の日本の学校に特徴的なのは同一年齢同一内容というのが大枠として強固にはめられていることだ。現在の日本のような年齢=学年になっている国はそう多くはない。飛び級や留年が一般的ではなく、習熟度別の学級編成もなされない。つまり先に進むことも完全に学び終えてから進むこともしないのに全員が同一の内容の授業を受けるということだ。その結果として上位の生徒は授業で退屈し、下位の子は学力の伴わない名ばかり上級生として進級していく。そんな建て前だけの公立中学を本音の部分で補完し、「夜の習熟度別学級」として機能しているのが塾だ。そんな状況の中でどうすれば、より深く学びたい生徒も既習事項で躓いている生徒も同じ教室の中で意味ある授業を受けられるか、という発想がこれなのではないかと思う。多読教材の中で教科書の既習事項の使いまわしがなされ、何度も学び直す機会が保証されながら、しっかり発展的内容も盛り込まれる。そしてそれが基本事項なのか発展的内容なのかを明示することによって下位の生徒を徒に不安にさせずに済む。同時に上位の生徒が学校の授業に対して信頼を寄せ、授業を引っ張っていくようになる。よく言われる「真ん中の子に合わせる」というは、ほとんど「どの子にも合わせていない」と同義になっていることに気づいていかないといけないと思う。

 

★次回6月16日(土)。7月7日(土)は大好評だったH先生とのコラボ企画の演劇体験の予定