4月14日(土)第153回例会(復活33回)

第153回例会報告

1 3年生3学期にできるようになったこと
4人1組のグループになって、感想をシェア。・苦手な分類の生徒から「将来は西洋料理をやりたいのでフランス語やイタリア語をやりたい。」そういった生徒の声が嬉しい。
赤坂中学校
新中3、3級所持者 70%
新中3、準2級所持者24%

 

・ 今年度卒業した3年生が書いたものを読みながら、グループ討議。 北原先生が一人一人について説明をしてくれました。新三年生は準2級をもう24%取得している。(昨年度の卒業生を超えるであろう)私が思ったことは・かなりの生徒が中学校に入った時はさほど英語が得意でないという自己評価だったが、卒業の頃には、話せるようになった、とか、書けるようになった、と思うようになっている。・英語を今後、どのレベルまで上げたいかそれぞれに目標がある。・自分が将来なりたい職業で、英語を使って、活躍しようとしている生徒もいる。・とにかくみんな前向き!

 

・「できるようになったこと」では、多くの生徒(たとえ通知表の評定が2であっても)が、「コミュニケーション」「話すこと」の力が向上したと*実感できている*という点が印象的だという意見が多く出されました。また「これからできるようになりたいこと」では、生徒から「西洋料理を学びたい」「情報処理の仕事に就きたい」「医師になりたい」から英語を学び続けたいといった、声が多数あり、学校の成績を越えた「道具」としての英語のあり方、「職業観・勤労観」と結びついた高い意識が中学時点で確立されていること感銘を受けました。

 

・準2級取得率が44%と過去最高の学年になった。年間評定が3の生徒でも準2級を取得した生徒がいて、英語の力はある(3になる理由は授業態度や提出物等の影響を評定が反映しているため)。生徒のコメントを見ていて多かったのは「英語が書けるようになった」「将来英語を使いたい」「英語だけでなく他の言語も学びたい」でした。また「外国人に話しかけられても慌てずに答えられる」という記述もありました。去年赤坂中学校勤務と決まった時から、外国人が多い地域ですので、いつでも外国人から話しかけられた時に対応できるように構えて1年間過ごしてきましたが、一度も話しかけられることはありませんでした。「自然に口から英語が出てくるようになった」「見違えるように上達した」という記述もありました。

 

・このアンケートには、1進学先 2できるようになったこと 3将来どの程度まで英語力をつけたいか。との3点について生徒が書いたものとそれに都立高校の入試でとった英語の点数も書かれていました。・評定3程度の子が準2級を取っている。(準2級は3年生の44パーセントが取得)・「書けるようになった」と感じている生徒が多い。・レベルの高い生徒も授業に満足している様子。・語彙力はじゃれマガで養っていると思う。去年は125本読んだ。(S先生) 歌→じゃれマガ→読みトレ→いつものルーティン聞いて、読む→目で見て、理解する力→語彙力も。・辞書が早く引けるようになった。・発音を褒めてもらえるようになった。・外国人に話しかけられても慌てずに質問に答えられるようになった。・大学生のうちに1級まで取りたい。・英語の発音がよくなり、それによりつづりが覚えやすくなった。

 

2 後輩に伝える役に立った授業と自分の勉強法「これをやるといいよ!」
・自分が強調していることが生徒が書いているかが問題。
・リーディングは去年の中3は過去最高の枚数をやる。じゃれまが125、読みトレ100枚。
・準1、2、準2とコメントの横にそれぞれの級が書いてある。
「自分の力とかけ離れている人と同じことしてもだめだよ。ちょっと上くらいの人がいい。」と指導。

 

・「和英で単語を調べたら、英和でも調べる」という後輩へのメッセージがありましたが、北原先生から、これは私が常日頃話していること、日頃自分が強調していることが、後輩へ贈る学習法の中に生徒の言葉として反映されることが大切だとご指導いただきました。私は自身の授業の中で生徒に対して強調していることは何だろう?と考えさせられました。

 

・記述内容は上から英検準1級、2級、準2級、3級、4級取得者の順に表示し、波線を引っ張ったセンテンスは北原先生もおすすめする勉強法です。準1級から並べたのは、読む生徒が自分のレベルにあった方法を真似させるという意図があるからです。自分よりちょっと上のレベルの勉強法を選ばせます。
集計結果から、カテゴリーとして辞書、英語の歌、発音、音読、文法、宿題、テスト、パフォーマンス、長文、積極性、過去問、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング、語彙、ベーシックダイアログ、その他です。赤中の語彙力の高さを物語る記述として、リーディングのカテゴリーから役に立った教材として「じゃれマガ」と「読みトレ」が挙がり、辞書のカテゴリーからは「(分からない単語を辞書で調べる際に)関連する語もチェックする」「その単語の名詞形、形容詞形も覚える」「付近にある単語も見ておく」という記述がありました。じゃれマガと読みトレを扱う時にチェックさせたい単語を調べさせ、その単語に例えば’-ful’を付けた形容詞形や’-ly’を付けた副詞形にも触れさせる指導法を続けた結果が表れていると感じました。

 

・北原先生の生徒は、今年度、もうこれを読んだそうです。私もそういうスタートを切りたいと思いました。私は自分の生徒に関して、まだできていないことや再確認したいことにアンダーダインを引きました。北原先生がまとめてくださったワークシートには、上から英検準1級、2級、・・・4級取得者の順になっており、生徒は自分のレベルでは、どんなことを頑張ると役にたつのか、生徒が見つけやすくなっています。私が今週、自分の生徒に伝えようと思ったことをいくつか抜粋すると、
<辞書>
・わからない言葉はとにかくわかるまでなんども調べると自然に身につくと思います。
・単語を調べた時、その名詞形や形容詞形を覚えるのがオススメ。
・先生に辞書を引けと言われる時以外でもわからない単語や気になる単語を調べるといいと思います。
<英語の歌>
・大きな声で歌うと楽しいし、体で覚えられるので発音も良くなると思います。
・歌詞の意味をわかって歌うのと、そうじゃないのは楽しみが全く違う。
<発音>
・子音を特に意識。
・耳を澄ませて細かい音まで聞き取る。
<音読>
・単語を読むのではなく、文を相手に伝えることを意識すると上手くなると思います。
・毎回10箱(50回)以上やる。3年生になってもしっかりと音読をやる。大変かもしれないけど受験の時に文が残っていて役に立った。
<文法>
・慣れだと思います。とにかくたくさんの文に触れて練習してください。
・文章ごと覚えるのが早い。
・まずは宿題(音読、ワークなど)をきちんとやる。声に出しながら書く。
<宿題>
・文法の確認や授業の復習ができるので、その日のうちにやるとより効果的です。(*すぐやった方がいいという記述が多数ありました。)
<テスト>
・範囲の教科書を丸暗記。
・学校で覚えれば家で勉強しなくてもよくなるからサイコー。
<パフォーマンス>
・パートナーと事前計画を立てて練習すること。パートナーが忘れたら、他者がカバーする。
・スキットなどは恥を捨ててとにかく全力で。
<長文>
*この春の卒業生は、じゃれマガを125、読みトレを100、それ以外にも読んでいるから授業で140個は読んでいる、と北原先生が言われました。
・毎回読み続けることが大切。最初はなかなか読み進められなくても、慣れるとスラスラ文章が頭に入るようになる。
<積極性>
・積極的であればあるほど英語は身につくと思います。失敗を恐れずにどんどん手を挙げましょう。

 

・卒業生が書いた新1、2、3年生に贈る英語学習法です。ここ数年、その年の卒業生が書いたものを見せていただいていますが、今年は、「辞書」にしても、「英語の歌」、「発音」、「音読」、「文法」、「宿題」、「テスト」「パフォーマンス」、「長文」、「積極性」、「過去問」、「リーディング」「リスニング」、「スピーキング」、「ライティング」、「語い」、「ベーシックダイアログ」、「その他」 どれを取ってもより詳しく、専門的に、一生懸命後輩のために書いていると感じました。「北原メソッドはいつも進化している」と自分が感じる源がわかったような気がします。特に、印象に残った生徒のコメントを記載します。
「語い」
・授業だけでも、普通の学校より確実に語彙力が上がる。(2級)
・辞書を読む(3級)<ーこの表現に驚きました。
・発音を意識しておくと書けるようになる。
「スピーキング」
・事前に書くのはメモ程度にして内容を頭でまとめておき話すようにする。
・書くより大切 (2級)
・一度日本語にしてから英語にするのはNG。(準2級)
「その他」
・自分が目指す学校に関わらず、北原先生の授業は力になります。授業にのめり込む勢いで受けましょう。
・北原先生はとても厳しいけどとても力がつくからがんばれ!など。
これを新1、2、3年生に渡すのですが、上から順に(準1級~)コメントがまとめられているので、「自分とレベルのかけ離れた人のを参考にしても仕方ないよ」と言ってあげると良い。自分がやってみるべき勉強法がすぐに見てわかる。

3 生徒の最初の映像
(1)2年生3学期(big bookを使った)絵本の読み聞かせ(2018.3.8)
・はらぺこあおむし(The Very Hungry Caterpillar)・動物の声に似せたり、しゃべり方をかけて工夫していた。

 

・動物のセリフでは、その動物っぽく声を出したり、グループで声やジェスチャーを合わせたりして、セリフを読む係でない生徒もみんなが体を使っていて、これは体で覚えているから、きっと忘れないな、と思いました。
(2)1年生3学期 赤坂小講演(2018.3.13)
・小学校に行ってやるという目標があるから、教室でもちゃんとやる。自分たちも小学生の時に見ている、小学校もこのイベントを期待している。こんな形の小中一貫教育はどうでしょうか?赤坂中学校に新入生が37人が入ってきた。昔教えた生徒の弟と妹が多い。開隆堂のHPに過去の赤坂中学校の生徒のグランマババの読み聞かせの音声が載っている。

 

・New Year’s Visit(Sunshineの教科書にある)、Grandma Baba(Sunshineの教科書にある)、Olivia

 

・小学生へ絵本の読み聞かせを行うグループでの発表です。「Can you do it?」→「I can do it!!」声を変えてキャラになりきってやっている。itのtの発音がはっきり確認できる点に感心しました(Sは最後の子音をはっきり発音しないという悪い癖があります)。絵本の内容に合わせ、折り畳み傘や画用紙で作った雨のしずくなどを使ってどのチームもオーディエンスを飽きさせない工夫が施されていました。実際に赤坂小学校に行って、小学生を目の前に絵本の読み聞かせや、劇を披露しました。New Year’s Visit, Grand Baba(Sunshineから),Oliviaをやりました。小学校に行って披露するという目標があるから生徒も頑張れるし、小学生もこんな風にできるようになれるんだという気持ちになれます。この公演でもカツラやドライヤー、親機、動物の被り物、着物などを準備して小道具として使いました。どんな時でもリアルさを求めるのは北原メソッドならではだと感じます(Be authentic)。

(3)2年生3学期 ミニ・ディベート(2018.3.18)
・チームキャプテンを呼び、じゃんけんさせてどちら派か考えさせる。(当日まで両方できるようにさせておく)mountain or beach、3分間作戦タイム。(誰が1番に話させるか、何を話させるか決める)・意見を言う時でも発音がきれい・生徒からの発言mountain sickness/beaches are more、dangerous because of tsunami→Volcano→sharks eat person、poisonous animal、you can play in the river.→River is so fast and dangerous. Beach has many games for example surfing ,swimming. We can do fireworks in the beach. But we can enjoy them in the mountain. But mountain fire is very dangerous.・意見が出なかったら、次のグループ。 ・言っていない人がいたら、マイナスポイント。・英語はできるけど、ユニークアイディアが少ないと北原先生は指導。・ユニークアイディアは3ポイント、反論は2ポイント、ジャッチはALT。ALTに意味が伝われば、文法が完璧でなくてもポイント。

 

・その日にチームぎめ(どちらになってもいいように準備はしておく)Beaches vs Mountains、Fundamental error / global error はバツ。文によって1点か2点をゲットできる。ユニークなアイデア3点、 反論2点 、意見1点。この学年の生徒は英語はできるけどユニークなアイデアがあまりない、という北原先生のコメントがありました。しかし、女子のMountains are better because I’m not good looking.という自虐ネタや男子のBeaches are better because we can see many beautiful girls.のような英文があり、笑いました!(英文はちょっと違っているかもしれません。)このビデオでは、(即興では)言いたいことを表す英語は出ていても、誰もが語順を正しく言えているわけではなかったです。しかし、この子たちがあと半年後には、あの日本文化紹介の映像のように、正しくしかも速く、そしてALTの先生のコメントにもしっかりと反応して話せるようになるのでしょうから、この半年間を追っかけてみたいです。

 

・Team beachesとTeam mountainsに分かれてそれぞれの良さを主張してディベートを行います。どっちのチームにもなっても良いようにとだけ伝え、チーム編成は当日告知します。ディベートの流れは先行チームが1つの意見を言い、それをJoelがunderstandableと判断したら1ポイントで、それに対して後攻チームが反論します。反論ポイントは2ポイントです。文法的ミスはあるもののミスを恐れずに多くの生徒が発言していました。生徒が言えなかった単語や、表現の仕方は直後に北原先生がさりげなくフォローを入れていました。

 

4 新年度のための北原式週案
・東京は、週案を毎週提出している。北原先生式週案を大公開。

 

・毎週末といっても過言ではないほど、日本全国で研修会をしてくださっている北原先生の日常的な仕事の運び方を少しでも参考にしたいと思っています。初めから1年間の指導内容や活動が書かれてある資料を見せていただきました。これをこのレポートに書き表すのは大変そうなので、北研に来月行けたら詳しく紹介します。(すみません、もったいぶって。)3年間の見通しというのは、このことだと言えます。この2月に自分がたてた新3年生のカリキュラムにこれをかぶせてやってみたいです!(それでこそ昨日の北研に参加した意義があるように思います。)