例会のテーマは評価②でした。
テストの返却の際のリフレクションシートはテスト返却後に解説をしても、興奮して点数のことばかりに集中して頭に入っていないことがある可能性があるから紙に残してあげるという意図があるそうです。ひとつひとつの活動が計算されているので、北原メソッドを学ぶのは面白いです。
評定に関して、北原先生は5が全得点の9割、4が8割以上、3が5割以上、2が5割以下、1が2割未満とあらかじめ決めているそうです。
この割合をテストの難易度や生徒の出来によって調整する学校も多いようです。私の勤務校もそのやり方でなんだかアンフェアだなと思っていたので北原先生のやり方を改めて学びこれが理想!と思いました。そして、イギリスの大学院の評価法と類似している点にも気がつきました。
あらかじめ何割達成でこの成績と提示している点、すべての点数も即時開示+カルテで手元に残る(大学院場合はウェブ上)。自分でも次のテストで何点取れば評定5になると計算することができます。透明性があることで、頑張ろうと思えると思います。学生の時、主に体育、美術など一体何で成績をつけているのか、どの項目がどれくらいの比重があるのか不透明すぎて、5を取るためにひたすら先生との心理戦でした。アメリカとは違い、イギリスでは授業点はなく、レポートのみの評価でした。さらに先生が採点する際は匿名で採点するようになっていて媚びを売る必要が一切なかったので最高でした!そのため、授業の改善して欲しい点をすぐ先生に直接メールで送りまくっていました。
北原先生の過去のエクセルの成績評価シートを見せていただきました。
評価のボーダーにいる生徒に対して「3Σ」という%を計算されていて、ギリギリ届いていないボーダーの差3%(636点中)を一つ上の評価にしてあげるという措置を取られているそうです。これもイギリスの大学院であっていいなと思った制度でした。そのように助けられた生徒には、コンサルテーションで、個人的にそのことを話されるそうです。
(差の3%は総合点によって重みが変わるので常に3%というわけではないのでご注意ください。)
**********
20分遅れて参加しました。皆さん、テストについて話し合っておられました。ついた時に「1番いいところを逃したね〜」といけずなことを言われました涙。他の方のレポートを待ってます。
幹の本p.15テストの返却方法について
集計結果をプリントにする。
理由は説明しても聞いていないから。
狛江一中の時最後の年の1年生は大変な学年だった。始業のチャイムでも寝転んでいる生徒がいた。それで、何とかして勉強させるため、あれやこれやアイデアを出してみた。
●回答用紙を貼る
●過去の問題用紙を貼る
●問題の一部を貼るなど。
そうすると、必死に写したり,考えたりして、そこだけでも点数が取れる様になった。(勉強させるための楽しいアイデアです。)
幹の本p.17個人カルテ
反省で人は伸びない!無駄に反省させない。それより出来たことをたくさん書かせる。ポジティブ。
家庭学習、忘れ物、積極性などを自分でスコアをつける。反省欄に5点の人には書かなくて良い。98点の子は、出来なかった生徒と同じ分量は書かなくて良い。(本当に合理的な方法です。)
子供たちの中にはToo over estimated 、Under estimatedがいるので,教師の側で調整する。
幹の本p.17-19北原先生が、個人カルテを始めた理由
お医者さんのカルテを見て素晴らしいと思ったことが発端。個人の状態が載っているので,安心。これを見て対応することができる。(色々なアイデアの種が転がっていますね)
中間期末で200点、合計592点なので、テストだけでは3しか取れない。中にはパフォーマンステストに対して懐疑的,反対勢力もあるが、スピーキングを授業でやるのは、習ったものを使って覚えるため。そう言って説明することが必要。(理論武装というか、きちんとメソッドの効果と価値、意義を伝えられる様になりたいです。)
文法の問題だけやっても意味がない。話す練習をすることで,英語を覚えることができる。
幹の本p.21できるようになったこと
最後の時間にコンサルテーションタイムのため必要。学期の振り返りをもとにコンサルテーションを行う。反省スペースは少ない。出来る様になったこと、先生や友達に褒められたこと、参考までに希望受験先を書かせる(指名時の参考のため)。褒められたことについては、教員側の反省にもなるし,友達同士褒め合うことの大切さも気づかせることが出来る。(生徒たち同士の温かい関係づくりにも役立つのですね)
どのように評価から評定に結びつけるか
東京の場合(2つの方法)
観点と評定で評価する
A….8割以上
B….4割以上8割未満
C….5割以下
5….全得点の9割
4….全得点の8割以上、9割未満
3….全得点の5割以上8割未満
2….全得点の2割未満
3Σ(サン シグマ)の法則
救済措置として参考にする。全体の0.3%は誤差とみなして上の成績に上げてあげる。そのことはコンサルテーションで話す。(救ってあげるためのきちんとした根拠をあげるところが流石だと思いました)
ディクテーションテストについて(Last Sentence Dictation )
長先生がやっていたものを北原先生も行っている。
1年生の教科書は全て暗誦させたい。音声言語を文字言語に直すことが大切。幹の本P.277-278出題箇所を明示することで自学を促す。
!,?,”,’まで全く同じでないとだめ。
幹の本p.279教科書マスターテスト
幹の本p.280北原先生の授業の流れ
北原メソッド授業のコンポーネンツ
Aパターン
I.帯活動
2.新出語句の復習
3.宿題の答え合わせ(ワークブック)
4.音読箱読みチェック
5.教科書本文の復習読み
6.教師のジェスチャーを見て本文を言う
7.必ず1年生Lesson 1に戻る文法なの導入
8.Basic Dialog そのままスキット
ペアで暗誦し、教師の前で「発音完璧,ジェスチャーをつけて」プレゼン→合格したら役割交代してもう一度→合格したら暗写
9.教科書にある練習(リスニング)
10.教科書にある練習(スピーキング)
11.教科書にある練習(擬似コミュニケーション活動)
BDを考えたのは、1行だけキーセンテンスがあっても使えるようにならないから。それで、「これだけは覚えようね。本文は覚えなくてもいいから。」と言い、覚えさせる。赤坂に来てから始めたが、千葉大の西垣教授がびっくりした活動である。効果絶大。
3月の北研では文法編のパワポのパフォーマンスをして下さる、とのこと。
北原メソッドのBパターン
I、帯活動
2、わくわくペアワーク
3.ピクチャーカードを使ったQ&A
3.ピクチャーディスクライビング
4.Oral Introduction
5.新出語導入
6.教師による範読
7.Repeating 教師がデータを取るために行う
8.内容理解
「わくわくペアワーク」サブスクリプションで3学年分、年間4000円で使えるのは生徒の負担がなくて良い。消耗品費で買えば良い。
英語の指導案の方が読みやすいので、英語教師は英語で指導案を書いてみると良い。
日本語はRedundancy な言語。
指導案に、Productive vocabulary とReceptive vocabulary
について載せておく。題材語については終わったらすぐに忘れていい(忘れなさい!)という。
単語については世界の語彙指導と潮流ではプリントで覚えることが効果的とされている。
フラッシュカードとの兼ね合いを考える必要がある。(はるか昔のことですが、私も高校生の時に先生が覚えるべき単語をaからzの順番に裏表何枚もくれたのを覚えています。その時は「こんなに覚えられない」と思いましたが、それでも、今でもそのことは覚えていますので、特にreceptive
vocabulary についてはこれで十分だと思います。)
膨大な本文理解を解決する方法:
中3プログラム6は、89語あるので暗誦できないだろうから、52語まででテストに出すよ,と言ってあげる。
生徒の負担感を減らしてあげる。(どこまでも優しい)
**********
「評価②評価と評定の実際」
1 個人カルテ
北原先生は生徒一人一人の個人カルテを作成していました。このカルテを見ると生徒の学習の達成状況が
一目で分かります。見せていただいたのは、旧学習指導要領の4観点のものですが、現行の学習指導要領の3
観点でも十分に使えます。
「関心・意欲」は(宿題・家庭学習)(忘れ物)(積極性)などで判定しますが、教師の主観でつける部分が
大きいので、生徒に自己評価させて、少しでも客観的に判定できるようになっています。
「表現」に関しては、多くのパフォーマンステストがあるので、定期テストの部分の何倍もの得点になって
います。例えば、定期テスト分が50点だとしたら、評定に使われているのは250点くらいある。
2 評価の付け方
それぞれの都道府県で評価の付け方が異なることを知っていますか?北研のような全国から人が集まる勉
強会に参加していないと自分の県、もしくは市の状況しか知らないなんてことになってしまいます。
東京都では都教委が基準を示しているようでAはその観点の全得点の8割以上、Bはその観点の全得点の
5割以上、その観点とは別に5段階の評定にも基準があり、5は全得点の9割以上、4は全得点の8割以上と
なっています。
ですので、私の千葉県では観点で成績をつけるようになっているので、AAAは5しかつけられませんが、
東京都ではAAAでも4もあるということです。
成績の付け方については学ぶ機会も話し合う機会も学校外では少ないので学びが大きかったです。
**********
評価と評定の実際
【1】テストを何のためにやるのか?
1.指導効果測定
2.学習促進
3.次の学習の指針のために
「学習促進は学生からは出にくいが、極めて重要。」
「学習の促進のために、解答用紙や試験問題の一部を壁に貼るなどしたこともある。」
「テスト返却をするの生徒は点数のことばかり気にして、何も話を聞いてくれなので、試験を振り返るプリントを作るようにした。」
【2】個人の評価と学習促進
①個人カルテ
「パソコンは画面を上下には動かしやすいので、成績を出す表計算ソフトを見ながら全体の把握はしやすい。一方で、左右には動かしにくいので、個人の様子はわかりにくい。個人カルテはその手助けになる。」
「自己評価カードは、主観的な評価であり、生徒によるoverestimate, underestimateを教師が修正する必要がある時もある。」
「3Σの理論を使って、大きな母数(満点が約600点)での3パーセント以内の数字が足りずに、5段階の数字が変わる場合には、誤差とみなして救済していた。ただし、個人面談で1回は救済したけれども、次はもっと頑張れと声をかけた。」
②「1学期の英語学習を振り返って」
「「反省、これからやるべきこと」の欄が少ないことを大学生たちが驚き、支持を表明した。点数の高かった生徒が、この欄をたくさん必要としないし、反省して本当に次に向けてプラスになるとは限らない。」
「「先生や友達にほめられたこと」の欄は大学生たちから高い評価を得た。この一言が大きく生徒たちに良い影響を与えると。」
【3】指導案について
「英語で指導案を書くべき。英語で指導する指導案を日本語で書くには違和感がある。」
「(モデルに示した指導案について)新しく書き加えたのは2つ。①生徒に渡す受容語彙の表②教科書本文全文(89 words)と暗証すべき部分(52 words)。選んだ部分には、新文法が入っていて暗唱できる語彙数に抑えてある。省いた部分は、話し言葉で、それほど覚える価値が見いだせない。生徒には、「暗唱すべき部分」が試験に出て、省いた部分は出さないとあらかじめ伝えるべき。」
**********
1 評価
始めに11月例会でも扱ったテストに関する復習からスタートしました。
11月の例会で学んだ集計方法を今回の期末テストで早速私もやってみました。
テストを返して終わり!ではなく、紙にすることで、子どもたちは自分が間違えたところなどを一生懸命読む姿がありました。
マーカーで印をつけて、次のテストに備えられるように、次のテスト前にももう一度見返すように伝えました。
リスニングも間違いが多いところなどは、もう一度聞かせることが大切とのこと。
テスト編P16
狛江一中でチャイムが鳴っても寝転んでいる生徒を奮起させるために
解答用紙ブランクを掲示する
去年のテストを掲示する
問題の一部を掲示するということをされたとのことです。
■北原先生のアイデアは、常に生徒をやる気にさせるためにどうすればよいかを深く考えておられ、
そこから産み出されたメソッドだから、どこの学校でやっても生徒がやる気になれるんだと感じました。
P17 自己評価カード
反省しても先につながらない➡️自己評価カードの作成で、できるようになったことを書く。
反省欄は、5点の人は書かなくていい。
満点なのに反省を書くのは…。
英検の取得級も書く。
over estimated 、Under estimatedは、教員が調整。病院のカルテのように、生徒の履歴や頑張りが見てわかるように。
《個人カルテ》
中間テスト、期末テストで200点
パフォーマンステスト
トータルで520点
習った文法を使ってスピーキングをするため、パフォーマンステストは習ったことを定着させるためにも大切。
2 できるようになったこと P21 (プリントp2)
振り返りは、できるようになったこと、これからやるべきこと、がんばったこと、成功した勉強例、先生や友達にほめられたこと(ここで書いてない子は、教員が声掛できてないバロメーターに)、希望受験先(授業での指名の参考に)
これをもとにコンサルテーションを行う。
3 評価から評定へ
東京都は、
5….全得点の9割
4….全得点の8割以上、9割未満
3….全得点の5割以上8割未満
2….全得点の2割未満
これで、評定を決めるので、AAAで4になることもある。
千葉はAAAは5でしかないので、県によって評価の付け方に違いがあることに驚きました。
赤坂中、評価項目の一例
【表現】
オリジナルスキット
日本文化
ピクチャーディスクライビング(ノートに書かせた数)
中間テストライティング問題
期末テストライティング問題
【理解】
中間テストリスニング
期末テストリスニング
リスニング教材
【知識】
中間テスト
期末テスト
ミニテスト(現在完了)
※現在完了が終わってすぐに確認テストをするのではなく、しばらく経ってから行う。
定期テスト50点満点
パフォーマンステスト100点満点
と、パフォーマンスの重みが大きい。
重みは一対一にしてもよい。
(定期テスト100点、パフォーマンス100点)
主体性(関心・意欲・態度)は、
スピーキングの主体性(授業内で)
振り返りシートで点数をつけている
日本文化や、ピクチャーディスクライビングは、満点を越えている生徒もいる。
言えるだけ言った生徒、書けるだけ書いた生徒がどんどん点数を取れる。
3Σの法則
全体の3%以内は誤差のうち。1つ上の評価をつけてあげる。それをコンサルテーションで伝え、次の救済はないよと伝える。
それをするためにも、個人カルテはマストだと思いました。
4 その他のテスト
P277 ディクテーションテスト
Last Sentence Dictation
音声言語を文字言語に直す。
1年生の教科書を暗唱させたい
出題範囲一覧を出しておく
! , ” ”もまったく同じに書かないとだめ。
そうすることで、本文をしっかり読んでくる。
P279
マスターテスト 1年生の総復習
7 北原メソッド授業のコンポーネンツ
Aパターン
I.帯活動 教師の指示なし
2.新出語句の復習
3.宿題の答え合わせ(ワークブック)
4.音読箱読みチェック(家庭学習)
5.教科書本文の復習読み
6.(閉本で)教師のジェスチャーを見て本文を言う
7.必ず1年生Lesson 1に戻る文法なの導入
8.Basic Dialog (10分)
ペアで暗誦し、教師の前で「発音完ぺき、ジェスチャーをつけて」プレゼン→合格したら役割交代してもう一度→合格したら暗写
※1回目はなぜ間違えたのかは言わない
2回目は言ってあげる
9.教科書にある練習(リスニング)
10.教科書にある練習(スピーキング)
11.教科書にある練習(擬似コミュニケーション活動)
北原メソッドのBパターン
I.帯活動
2.わくわくペアわーく
3.ピクチャーカードを使ったQ&A(1、2年)
3.ピクチャーディスクライビング(3年)
4.Oral Introduction
5.新出語導入(辞書指導含む)
6.教師による範読
7.Repeating (1回のみ)教師がデータを取るために行う
8.内容理解(ジェスチャーをさせる)
プリントp11
本文の暗唱する部分
全文は89語で多すぎるので、暗唱すべき部分を絞ってあげる。52語までは覚えよう。それ以降はテストに出さないことを伝え、負担を減らす。
**********
第2節
1「個人カルテ」
北原先生は「お医者さんが作るカルテいいなー」と思い、それを教科にも導入した。エクセルは上下の比較が簡単=1つの項目について他の生徒と比較するのに優れているが一人ひとりの生徒の出来・不出来や成長が見えてこない。お医者さんのカルテのように一人ひとりのカルテを作り、場合によっては他のお医者さん(教師)と共有する。
現在も大森第六中の一年生は授業の予定にもコンサルテーションを設定し、個人カルテを使って学期を振り返る時間を設けています。それ以外にも三者面談の時に保護者が来校した時や三者面談前に担任が生徒の成績を確認し、成績が上がったり下がったりした理由を事前に知っておきたいという時にもこの個人カルテを使っています。その生徒の状況をすぐに理解し把握することができるので、個人カルテは非常に使い勝手がよく優秀です。
ただ、当時北原先生がフォーマットに各生徒の各評価項目ごとの成績を手書きで書き写しているのを見て、悪い意味で驚きました。絶対にやりたくないと思いました(笑)赤中の生徒数ならそこそこに時間をかければできてしましますが、他の学校に異動した時、果たして同じことができるのだろうかと。そこで勉強し始めたのがエクセルの関数「VLOOKUP」でした。赤中に来た時はエクセルの「エ」の字も知らない状況だったので、そこで初めてエクセルを勉強し始めることになるのですが、今では成績処理に使っているエクセルファイルはIFやらCOUNTIFやらVLOOKUPやら関数と関数のコンビネーション三昧です。
他の先生方がどのくらいにエクセルを使いこなしているのか個人的に興味があります。場合によっては(個人カルテを作成する時のように)ある人が5時間かかる作業が、ある人はエクセルを使って15分で終わるような状況もありえます。来月お会いした際は是非飲み会等でエクセルの活用具合についてお聞かせください。
2「できるようになったこと」
「学期を振り返って」というプリントの中に以下の項目があり、それについて記述させます。
1できるようになったこと
2反省、これからやるべきこと
3がんばったこと、成功した勉強法
4先生や友達にほめられたこと
5希望受験先高校
生徒に学期を振り返えらせ、できるだけたくさん「できるようになったこと」を書かせます。教師がその学期に重点的に指導したことが生徒のフィードバックから得られるかどうかを確認するのがこの「できるようになったこと」。今の勤務校で少人数展開したクラスの中で僕が担当するクラスからは他のクラスとは比べ物にならないくらいに、具体的で詳細な「できるようになったこと」が生徒から得られます。生徒が書いたものをワード等に打ち込んで集計するには莫大な時間がかかるのでformsを使って集計していますが、この集計結果を、お酒を飲みながらにやにやして読み込むのが学期最後の楽しみです。
上智の学生に北原先生がこのプリントを見せた時、反省の欄の狭さに驚いたそうです。ネガティブなこと(反省)よりもポジティブなこと(できるようになったこと)に焦点を当てる、この点は、授業を中心に生徒を積極的に褒め、生徒の成長を認めるところに共通して見られる北原先生の教師としての生徒に対する姿勢だと感じます。
また、授業中に生徒を積極的に褒められたかどうかも生徒から集計します。北原先生の背中を見て教師として育った僕のクラスからはやはり他のクラスよりも断トツに多くこのフィードバックを得ることができます。
3評価から評定へ
都道府県によって観点や評定の出し方や基準が違うようです。知りませんでした。
・スピーキングテスト(スキットオリジナルや日本文化紹介など)
満点を超えて得点した場合はボーナス点にしている。
・3Σ
次の評定の数字までの差が全体の得点の3%は誤差と判断してもいい。意欲関心(現、主体的な学習態度)の評価に教員の主観が入っているし、生徒のモチベーションを上げるためにも、全体に対する誤差が3%未満なら評定を上げてもいい。※母数(全体の得点数)が小さい場合は注意。
4その他のテスト
1ディクテーションテスト 音声言語を文字言語にさせる活動。1年生の教科書はすべて暗唱させたい。採点基準・・・「!?””,」など全て教科書と同じじゃなきゃダメ。
2教科書マスターテスト
最後に北原メソッドのコンポーネンツ
Aパターン
1帯活動
2前時復習 新出語句の復習
3前時復習 ワークブック答え合わせ
4前時復習 音読箱読チェック
5前時復習 教科書本文の復習読み
6前時復習 閉本し、教師のジェスチャーを見て教科書本文の再生
7必ず1年生のLesson 1に戻る文法導入
8Basic Dialogそのまんまスキット(場面がわかるように4行程度の英文)
9教科書にある練習(リスニング)
10教科書にある練習(スピーキング)
11教科書にある練習(疑似コミュニケーション活動)
Bパターン
1帯活動
2前時に導入した新出文法を使ったペアワーク(わくわくペアワーク)
3ピクチャーカードを使ったQ & A(1,2年)
3’Picture Describing(3年)
4Oral Introduction
5新出語導入
6教師による範読
7Repeating(教師がデータを取るため)
8内容理解(ジェスチャーをさせる)
9音読
10writing
**********
① 集計結果シート
定期考査後にテストの結果を受けて、正答率や各問題に対する分析、がんばった生徒の名前を挙げるなど、1枚のプリントにまとめて生徒に配布する。単に問題の解き直しや解説をするだけでは、生徒の記憶に残るものは少ないため、集計結果シートなどを活用する。
実際に作られている先生がいらっしゃいました。参考にさせていだたこうと思います。
② ディクテーションテスト
授業内でのディクテーションテストの実施方法についてもお話がありました。
ディクテーションをするときには、「 , / . / ! / ? / ” “」なども含めて、教科書通りに書かせる。そうすることで、ただの聞き取りでなく、生徒が努力してきた部分を測ることができる。英語力があればできるというテストにしない。
③ 学期の振り返り
学期が終わるごとに、英語学習を振り返る。反省の欄をあえて少なくし、できるようになったことやがんばったこと、友人や先生にほめられたことを書かせることで、次学期の目標を掲げさせ、生徒に前向きな気持ちを持たせられる。また、生徒がプリントに記入している間に全員面談を行い、成績に関することも話すことができる。教師側としては、振り返りをもとに生徒がほめられていると感じているかどうか知ることができ、次学期の関わり方を考えることもできる。
④ 3Σ
評定を出すときにカッティングポイントの3ポイント下の生徒は、成績を上げる調整をする。1回目は救済しても、2回目はなし。学期末の面談(コンサルテーション)の中で、生徒にも成績について伝える。
評定の出し方については、他県の先生方のご意見もいただき、カッティングポイントが学校ごとに異なることもあれば、教科ごとに異なることもあるようです。
**********
○テストの目的
1 指導効果測定
2 学習の促進
3 次の学習の指針のために
○個人カルテ(観点別評価、評定のつけ方)
・生徒の学力の変遷を見るためのもの
・個人カルテを使ったコンサルテーションは、毎学期の最後の授業で行う
○英語学習の振り返り
1 できるようになったこと
2 反省、これからやるべきこと
→「生徒は反省ばかりしても伸びない」という北原先生の言葉に共感しました。次のテストから、反省欄は小さめにします。
3 頑張ったこと、成功した勉強例など
4 先生や友だちにほめられたこと
→この子にはあまり声をかけてなかったなど、教員の反省材料にもなる
○評価から評定へ
・北原先生が使用した実際の資料を見せていただきました。満点を越えた良い評価にはボーナス点を加える。そのことは事前に生徒に周知。
・3Σの理論(カッティングポイントが少し足りないのは誤差と考える。母数が小さい場合は注意。また、2回目の救済はなし。このことも事前に周知。)
・都道府県で評価方法が異なることを初めて知りました。
○その他のテスト
1 ディクテーションテスト 使用する教科書は1年生用 教科書と全く同じで○になる(符号等も含めて)
2 教科書マスターTEST
○北原メソッド授業のコンポーネンツ
北原メソッドAパターン
1 帯活動
2 新出語句の復習
3 宿題の答え合わせ(ワークブック)
4 音読箱読みチェック
5 教科書本文の復習読み
6 (閉本で)教師のジェスチャーを見て本文を言う
7 必ず1年生Lesson1に戻る文法の導入
8 Basic Dialogそのまんまスキット10分
9 教科書にある練習(リスニング)
10 教科書にある練習(スピーキング)
11 教科書にある練習(疑似コミュニケーション活動)
北原メソッドBパターン
1 帯活動
2 前時に導入した新出文法を使ったペアワーク
3 Picture discribing
4 Oral introduction
5 新出語導入(辞書指導含む)
6 教師による範読
7 Repeating(一回のみ。生徒がどれだけ読めるかを確認するため)
8 内容理解(ジェスチャーをさせる)
9 音読
10 Writing
**********
使用したのは「英語の幹・テスト編」です。「幹本テスト編」を手元に用意してレ
ポートを読んでみてください。
幹本を深く読み込み返すよい機会になります。
例会で何度も情報を聞き、実践の中で試行錯誤をしている私たちだから「幹本」を読
み返すことで理解が深まります。
1.「幹本 テスト編」P11~ 「テストの目的」
Q: 北原先生の問い
「テストは何のために行うのか、幹本を読んでからみなさんの意見を交換してくださ
い」
私はお隣のペア、河瀬さんと情報を共有しました。
①学習効果を測るため
②学習を促進するため
③次の指導に生かすため
④テストのあとに彼らがすべきことわかるようにするため。
☆私の答えは、「その時点での学習目標、学習の達成度を測るため」「その後の学習
や指導に生かすため」
「幹本」には生徒の言葉で「テストでよい成績をとるためには、毎日の授業の活動を
しっかりやって積み重ねることが大事」
と語られています。北原先生のテストは、授業で教えたこと、学んだことがどれだけ
身についているかを測るテストです。
学習の基本コンポーネントがそのままテストになるので、生徒も「授業をしっかり
やって、テストでもいい成績がとれるよう
がんばろう」というよい有機的かつ能動的な「よい連鎖」が生まれると思いました。
☆北原先生の生徒さんたちは、テストを通して「改めて日々の授業の大切さを実感し
た」
「授業の毎時の学習が、テスト勉強、テストの成績をつなげることにつながってい
る」と実感したと感想を書いていました。
生徒からストレートにこんなコメントが来る「テストや評価につながる日々の授業の
積み重ね」にしていきたいものです。
☆「生徒によるテスト結果の分析」
私は教師になってから20年間、世界普遍のAchievementのためのStrategy「ナポレオ
ン・ヒルの成功法則」を「学習の成功法則」に応用して、
「テストふり返りシート」というプリントを作って、テストのたびに生徒に「ミスの
振り返り」→「ミスと正しい答えを書き出して、自分で解説を書く」
→「次回のテストの目標設定と、そのための学習法を考える」ステップを生徒に課し
てきました。
大切なことは、生徒がこうした「テストの振り返り」のステップを大切にして、3年
間積み重ねて力をつけることです。
20年間続けてみて、その成果も体験的に検証できました。重要なことは「正しいよい
方法(ステップ)を、繰り返して継続して結果につなげる」ことです。
その方法は人それぞれ工夫を加えてよいと思いますが、「続ける」→「検証する」の
ステップは必ず必要だと思います。
「テストの返し方」
○集計シートを作り、テスト結果の分析をその都度生徒に知らせ、読み取らせ、自分
の立ち位置を知らせる。
⇒北原先生は、テストの採点そのものよりも、分析シートを作る方が時間がかかるけ
れど、続けていると以前よりうかがっていました。
Q:北原先生の問い「集計シートを作っている人」
⇒K先生、A先生など、わずかな先生から手があがりました。素晴らしいで
す。
私も一時がんばって集計と分析プリントを作って渡していましたが、時間と労力の関
係でなかなか続きませんでした。
しかし、やってみることで「自己振り返り」の力がぐんとつくのは確かです。そし
て、そのためには「生徒が統計資料から必要な情報を読み取る」
力と意気込み、集中力が不可欠です。うちの生徒は「分析資料」を読み取るまでの熱
量、力量がまだ不足しているように思います。
この力は、じつは英語だけでなく、他教科とも連携してつけていくべき「生きるため
に必要な情報分析力」だと思われます。
*「テストの採点」に関わって、北研の皆様にお礼とご報告をさせていただきます。
以前北研の懇親会で「長野県では定期テスト5教科を1日で行い、採点はその夜に150
名~200名分をやって翌日に返却する。
なので採点で精いっぱい」と話したところ、そのような無謀な県は他になく、関東近
隣県では、2日に分けてテストが実施されていると
教えてもらいました。確かに東京でも、群馬県もそうでした。その場にいた会員の皆
さんの各県の事例をさっそく集めて教務にあげました。
その後すぐ、次年度のテスト年間行事計画の変更に間に合うように教務に根回しをし
て、テストを「1日実施⇒2日に分けて実施」に
変えてもらうことができました。さらに、テスト実施日は木、金にして、土日にも教
師が採点できるようにする」ようにしてもらいました。
生徒と教師の採点、傾向分析の負担がだいぶ軽減され、「教師の働き方」(採点ミス
の軽減も含めて)につながりました。
私の勤めた県内の4つの中学校でこの改革してきました。全国で学ばせてもらってい
る自分が地域に貢献できうる改革です。
全国ネットワークにつながるからこそ、自信をもって変革の声をあげることができま
す。感謝します。
また、学校や教員全体での「テストの作り方」「教員のテスト作り」への意識は全体
に大きな課題があります。みな全体にテスト作りを甘く見ています。
ミスや問題出題の妥当性など、レベルが低いと言わざるをえません。
学校全体で教師の意識や、テストの精度・質をあげられるよう、1年前から根回しを
して、今年はテストの質を引きあげることもできました。
英語科のテスト作りだけでなく、このように、学校全体でテストや評価について、問
題点を見つけて改善することも大切なことだと思います。
2.自己評価カード 「テスト編」P17~
Q:北原先生からの問い
「自己評価カードを作って、カウンセリングをしている人?」
挙手をしましたが、意外に少なかったです。M先生とわずかな少数の先生でし
た。
3.1学期の英語学習を振り返って 「テスト編」P21~
北原先生、振り返りのプリントを見ながら
「これがよかったって生徒から意見が出たのが『できるようになったこと』のスペー
スが大きいこと。『反省スペースが小さいのがいい』こと。
生徒はいつもできていても反省を書かされる。できた人は反省しなくてもいいんじゃ
ないですか。『先生や友達に褒められたこと』
これは忘れないよね」
4.評価から評定へ
・東京では評価基準が大体決められている。
・東京以外の関東、関東近郊各県では、学校ごとの裁量に任されているところが参加
者の挙手からわかった。
・さらに、各県での「テスト」事情がわかりました。各県の先生がいるからこその成
果です。
*長野県では、3年では「定期テスト」は1学期の中間と期末テストだけです。夏休み
明け8月~1月は、合計6回、校内の英語科の先生が作った
「総合テスト」が実施されます。各時期の既習学習内容で作る総合テスト。定期テス
トと違って、教科書とほぼ同じ内容の出題はなく、ほぼ全体に
入試に近い形式、分量の総合問題が8月から毎月1回、1月には月2回実施される。これ
を合計したものが3年の総合成績となり入試の資料となる。
*東京を含む関東圏では、3年では「定期テスト」が実施され、実力テスト、学力テ
ストとして、市や県で指定した業者などのテストが実施されるとことがわかった。
採点も業者に任せられるとのこと。(うらやましい!)
*長野県も同じようなシステムになれば、年間を通して「定期テスト」で授業と連携
したテストを出題して学力測定、指導ができ、生徒のモチベーションも上がるはず。
総合テストを6回校内で作成する膨大な手間ひま、そのたびごとの採点(翌日返却)
の膨大な手間ひまが大幅に減らせる。
この近隣核県の情報も、学校や市や県に報告したいと思います。
☆そのほかに、北原先生から次の2つの有益な教材の情報をいただいたので共有しま
す。
①1年~3年までの文法導入をすべてパワポの形で教材化したものができたので販売ま
じかです。
②「わくわくペーク」のサブスク配信(年間4000円)が1~3年分、令和4年4月より販売
されています。
いつもながら、1回の北研で学ぶ「生きた情報」は膨大な量です。
また「探している情報、有益な情報」多数です。
**********
1. Speaking は習った文法、語彙を定着させるためのもの。
授業時間を使って、コミュニケーションすることで、習った文法、語彙を定着させ
るのは、高校ではほとんど行われていなかったのは「今は昔」、となりました。
現在の高校1年から、「英語コミュニケーション」という科目名になり、積極的に
ペアワークやグループワークを行って、実践力を鍛えている日常です。
子供の数がますます減っていくこれからの英語教育は、コミュニケーション活動が
主流になるものと思われます。北原メソッドのノウハウをもっと吸収していきます。
2. 個人カルテの重要さ。
前任校の都立M高校で、個人カルテを作成し、生徒にアンケートを取らせて、結
果をフォローしたことがあります。しかし、個別のコンサルテーションまでは実施で
きませんでした。
新学習指導要領になり、高校でも観点別指導が導入されたため、この個人カルテは
より一層の重要性を持つようになったと思います。
今回高校一年生に、観点別評価をおこなったものの、どうしても評定が主観的にな
りがちになることに、矛盾点を感じていました。
そのため、一人一人の生徒と対話し、矛盾点や不信感を少しでも緩和できるよう、
コンサルテーションの必要性を改めて、納得しました。
高校では、40人クラスのため、コンサルテーションを実施するのはなかなか骨が折
れる活動ではありますが、今後導入すべきものではないでしょうか。
3. 3Σの理論。
評定を付ける際に、例えば、5と4の切れ目が3%程度の点数の開きならば、誤差
のうちと考えて、柔軟に対応して、評定を上げてあげる、というのは高校でも実際に
行われています。
しかし、3Σの理論というより、その時々の担当教員の裁量で上げたり、下げたり
していました。これも極端な主観にならないように何等かの理論づけをもって評価す
るように切り替えるべきだと勉強させていただきました。1と2の評定の切れ目の場
合、保護者からクレームが来たり1を付けた理由を問いただされたりすることが多々
あります。
**********
1.評価
何のためにテストするか
① 指導効果測定
② 学習促進
③ 次の学習の指針のため
⇒H先生のレポート、「みな全体にテスト作りを甘く見ています~」というお言葉にどきっとしました。そして、北原先生のおっしゃっている「テストのときにクラスを周り~」というのはまさにやってしまっていることです。何も質問がないとホッとしてしまうという・・・。私の勤めている中学では定期テストはなく、教科担当が自分のタイミングで単元テストを行います。さらに、その後「再テスト」があり、1回目のテストで満足できなかった生徒がさらにテストを受けられるという制度があります。時期によってはほぼ毎週のようにテスト作成⇒採点を繰り返しており、正直テストに対しての気持ちが薄くなってしまっていました。反省です。今後気を引き締めてテストづくりに臨まねば!と感じました。
2.答案用紙の返却方法
〇上智の大学生は、「返却時、覚えてるのはただ難しい場所を解説されただけ」とのこと。
〇北原先生は、分析シートを配布。自分にかかわるところにマーカーを引かせる。
⇒A先生がつくられているのをみて、これなら返されたとき生徒も解説を聞くし、次回のテストも頑張ろうと思えるな、と思いました。ただ、初めてだったのでとても時間をかけられたとのこと。情熱が素晴らしいと思いました。私の今までのテストの返却の仕方を反省しました・・・。
3.個人カルテ
「自己評価カード」宿題・忘れ物・積極性について5点満点で書かせる。
これを評価に生かす。
⇒S先生は、赤坂中の時、万が一保護者から評価に質問があった時も、この評価カードや幹にある個人カルテを見せると納得されていた、とありました。これは生徒自身も評価に納得感を得られるとても良い取り組みだと思い、3学期から取り入れたいと思います。
4.1学期の英語学習を振り返って
「振り返って ワークシートの項目」
① できるようになったこと(枠沢山)
② 反省、これからやるべきこと(枠少し)
③ がんばったこと、成功した勉強例など
④ 先生や友達に褒められたこと
⇒今年度よりアンケートに1・2・3の項目を入れさせてもらっていますが、生徒たちは喜んで書いています。ただ、4が抜けていました。確かに周りに褒められてことはとてもうれしく、忘れられないはず。それを記入させることで「この子への声掛けは足りてなった!」とのこちらの気づきも。3学期は追加します。
5.評価
〇評価の基準 ABCの割合は、都道府県によって違う。
〇北原先生の評価では、3Σ⇒3%は誤差のうち で4を5に上げたりなど調整していた。ただし一回のみ。(なるほど!と勉強になりました)
6.その他
①3月の北研で 1年~3年の文法導入用のパワポ教材を披露する予定。
②「わくわくペーク」のサブスク配信(年間4000円)が1~3年分、令和4年4月より販売されている。
7.次回予定
1月28日(土)マイクロティーチング(Bパターン)
※指導案はなるべく英語で(できたものは事前に北原先生へ。印刷して人数分当日持ってくる。)
⇒9月に北原先生に授業を見ていただいた際、事前に日本語の指導案と英語の指導案を作成しました。英語は、幹の「映像編」に入っているものを参考に作らせていただきました。英語で作成したほうが、結局英語で基本は授業を行うことを考えるとスムーズに考えられましたし、日本語バージョンよりも本当に必要な情報だけを入れることができたように感じます。(周りの先生方にお渡しした際、「えー!英語なの!初めてだ」と感激されました。正直、周りの指導案を沢山作ってきた先生にお渡しするときも気が楽でした笑 英語で指導案を作成している方は北研メンバー以外にあまりいないのでしょうか?北研メンバーで良かった、授業を見ていただいて本当に力が付く。と感じました。)
**********
1.評価
第2節 各論
1.「個人カルテ」
生徒個人の各学期の取り組みなどを見るために、個人カルテを用い、
「学習状況の自己評価」でその学期の間の「宿題や家庭学習への取り組み」、
「忘れ物」や「積極性(授業中の活動への参加度)」を具体的な項目別に3段階(5点・3点・0点)で評価する。
各項目とも細かく具体的な材料が挙げられ、3段階評価なので、生徒自身も評価はしやすい内容です。
2.「できるようになったこと」
「できるようになったこと(振り返り)」では、「学習状況の自己評価」で浮き彫りになったその学期の学習状況の事実を、
生徒自身がどのように評価し、次の学期にどのようにつなげるのかを考えて記述するので、
生徒自身が自分の学習をどう進めるかについて、具体的に考える機会になり、主体的な学びにつながっていくと思います。
この後半の振り返りでは、「1.できるようになったこと」(以下、「1.」)に焦点を当て、記述のスペースが、
他の「2.反省、これからやるべきこと」「3.がんばったこと、成功した勉強例など」「4.先生や友達にほめられたこと」
(以下、「2.」「3.」「4.」の項目に比べ大きいレイアウトになっているところも、
その学期での成果、英語力の伸びを生徒自身が確認する意味では大事なことです。
その他、「1.」以外の3項目のうち、「2.」よりも「3.」「4.」のようにポジティブにとらえられることが、
具体的な項目として多く挙げられてるところも、頑張った生徒や成果を上げた生徒が前向きに評価できる内容になっていると思います。
「4.」については、「指導する側にも参考になる。」と北原先生もコメントされていました。
「学習状況の自己評価」と「できるようになったこと(振り返り)」を中心に生徒自身がその学期を振り返り、
自己評価を行います。その後、教師は生徒が書いたシートを見ながらアドバイスをします。
3.評価から評定へ
観点別でABC3段階で評価し、その結果を総合的に判断した上で、評定を算出する。
都道府県ごとにABCの各観点での達成度は異なり、また現在の3観点でAAAであっても、
5となるケース、4となるケースはある。
その他、以下はお話の中で紹介されたことです。
1)パフォーマンステストの評価では、いわゆる「よい意味での外れ値」(たとえば
「この生徒をAにした場合、他の生徒はB相当になってしまう。」などのケース)の
生徒には、ボーナスポイントのような形で、100点満点のところを、125点など
100点を超える形で、ボーナスポイントを載せる。
2)3Σの理論で、各評定値の当落線上にいる生徒に対し、全体の得点(今回紹介された
事例では200点満点)の3%以内の差であれば、誤差の範囲として、1回目であれば、
切り上げの対象とするが、2回目以降は対象としない。
4.その他のテスト
ディクテーションテストや暗唱などでは、いわゆる「英語力のある生徒」が有利になる形にしないためにも、
教科書通りの表現、記号も含めたセンテンスで書いたりアウトプットさせる。
**********
ちょうど、季節は”Introducing Japanese Culture”のパフォーマンステストを実施したところでした。
今回も、評価についての講義でしたので、幹本「テスト編」を勉強しました。
パフォーマンステストでは、この「日本文化紹介」についても学びました。
9月から練習を始めて、12月初めに実施しますが、以前、長野県S市であった研修で、(2015年12月)やはり北原先生に
教えていただいたメモ書きが見つかり、あらためて、IJCの面白さを実感しています。
私の大好きなパフォーマンステストの一つです。
ペアで、お題を当てっこするゲーム感覚の練習に生徒はいつも大盛り上がりで、その後に皆でまとめる時間を
「とてもためになる活動」だとアンケートにも結果が出ています。
メモ書きには、以下のように残っています。
大→小 主語は3つのみ。 it, they, we(私たち、日本人) 最低3つのキーワードを使って言えたらOK。
実際、2分間 一番多い子→15枚。(英検2級合格3名)
あくまでも、impromptが目標。
何度講義を受けても、新鮮で新しい発見というか、メンテナンス(F先生流にいうと)をしていただける、だから例会に
通うというパターンなのだろうなと思いました。
スピーキングを授業でやるのはSpeakingそのものが目的ではない。
スピーキングを授業でやるのは、文法や語法の力をつけるため!(読む力、書く力)
先日行われた都立高校の「スピーキングテスト」に対して反対意見も出ているが、、、大学受験でもうまくいかなかった(外部テスト)のに
都立高校受検に「スピーキング」を入れただけでもすごいことだと思います。費用も相当かかるでしょうに。
私の授業をサラッと覗きにくる他教科の教師が、「英会話ね」って感想を持つのだろうか、そうではなくて、BDにしても、
Introducing Japanese Cultureにしても、文法を身につけるためにやっていることなのに。
あらためて、今回の北原先生のお言葉が身に沁みました。
テストはなんの為にやるか?
1 指導効果測定・・・自分が教えたことがきちんと身になっているか。
2 学習促進・・・だから「箱読み」をきちんとやった人が試験の点数を取れるよといった問題を作りたい。
3 次の学習の指針のために・・・新学習指導要領にある、「主体的に学びに向かう態度」に大いに関係する。
○「教科書本文を丸ごと定期試験に出さないように」ということだけれど、それでは、箱読みを一生懸命にやった子に報いるような
問題を作りたいのだから。。。工夫の余地あり。
*学期末の振り返り・・・「できるようになったこと」これを生徒に書かせるのを忘れていました。(→1時間かけて思い出させる)
「反省」これからやるべきこと。(←これは書くスペースを小さくしても良い)
「先生や友達に褒められたこと」という項目も必要。(「反省」をして良くなった人はいない)
*自己評価カードと個人カルテの違い。茨城のF先生にお尋ねして、納得。メンテナンスしてもらいました。
また、コンサルテーションをする時間(生徒との個別面談)が取れていないのが実情です。その代わりにできることを模索中。
記念すべき北研200回に参加することができてホッとしています。
100回をお祝いしてからもう、9年も経ったのですね。私はまだまだ勉強不足ですが、北原先生は、そのエネルギー、私たち後進への
温かいご指導は変わらず、本当に感謝です。私が、ずっと希望していた「文法」の幹の本が近々出版されるようで、嬉しいです。
幹の本テスト編もまだまだ、読み続けないと。。というのが、今回の例会に参加しての感想です。
**********
12月例会でいちばん印象に残ったものをあげましょう。実はあれからずっと考えてい
て。
「スピーキングは、スピーキングのためではない。習った語彙、文法を使っておぼえ
る(たぶん、使えるようにする)ためのツール」
このあとに、「(技能としての)スピーキングということばが独り歩きすると、結局
大学入試とか都立高のスピーキングテストのように叩かれることになる」と(理解し
たことが)続いた。
なるほどというか、当たり前というか、(北原先生の生徒のコスパに通じるとか)で
もこの表現は初めてでした。
ここが伝わらないといけないのかもしれません。「使える英語」も独り歩きしている
かも。(なんで我々が伝えないといけないのだろうか、という気がしますけどね →
公的な立場のみなさまがた!)
**********
●なぜ評価するのか?
・生徒の学習促進
・生徒がこれから何をすればよいのかを明確にするため
・学習内容がどれくらい定着しているか確認するため
・教師側の指導を振り返り、指導にいかすため
北原先生が普段より仰っているように、テストには、学習を促進させるという面もあるのだから、普段の授業と結びついたものである必要があると思います。
●どうやってテストを返却する?
北原先生は、テストを実施した日に採点を終わらせ、分析シートを作成して翌日には返却する。解説を聞くだけでは残らないので、きちんと言葉で残してあげる。ミスが多い箇所、よくできたところなど。よくできていた子の名前を載せたりもする。自分のことを言っている箇所にはマーカーを引く。リスニングは、1人でも違う答えをしている子がいたらもう一度聞かせてあげる。
採点で精一杯で、分析シートはまだ自分はできていません。テストの返却時の解説は聞いているように見えても聞いていない子もいます。このように文字で残してあげることは有効だと思いました。
北原先生が教えている上智大の子でさえも、テストがなければ勉強しないと話しているそうです。授業でやっていることがテストに出題されると分かっていれば授業も真剣になるでしょうし、がんばり方を示してあげることが大事なことだと思いました。
●自己評価カード、個人カルテ
学期の終わりに行う自己評価カードでは、宿題・家庭学習、忘れ物、積極性について生徒自身に点数で評価をつけさせる。先生はそれをもとに個人カルテを作成。その合計点数を「関心・意欲・態度」へ。振り返りでは、生徒には、反省だけを書かせるのではなく「できるようになったこと」「がんばったこと、成功した勉強例」「先生や友達にほめられたこと」なども書かせる。私は、今年はGoogle Formsを用いて振り返りをさせてみたのですが、紙に書かせていたころと違うのは、生徒の書く量がとても少なくなりました。じっくりと考え書かせるのに、タブレットの使用は向かないのかなと思いました。また、評価の材料にスピーキングが多いのは、習った語彙や文法を覚えるために行う、とのことでした。スピーキングを行わずに文法問題だけをやっても意味はない。納得です。たくさん話す機会をつくってあげないと、できるようにはならないですよね。
**********