3月3日(土)第152回例会(復活32回)

平成30年3月3日

第152回例会報告
(序章)
・赤坂中学校2年生「読みトレ50」感想文紹介
山形支部長のO先生から先日あったMLのものと同じものです。山形の生徒の作品を読ませてその後、2分与えて書かせて、残りは家で書いてくるようにと言ったところ、翌日には全員が提出されたそうです。中には、to Yamagata junior high school students.と書いたものもあり、ほほえましかったです。北原先生はMLでは、山形の方が赤坂の生徒よりよく書けるとおっしゃっていましたが、書かせると想像以上に書けていたそうです。赤坂中学校の生徒が、ぐんとライティング力で差をつけるのは3年生になったらだそうです。

・S先生から中1の報告「英語力の伸び調査用紙 英検5級レベル」
4,9,12,3月に取ったcan-doリストの結果集計からの分析をしていただきました。「話す」の全ての項目の質問に対して、できると答えた生徒が12月9割越え4月から9割越えが多い。港区は小学校から英語に力を入れている。「聞く」の項目が高いのは、放課後や色々な機会に英語を聞くチャンスを作っているため。

 

・中3のじゃれマガ(WPM)の報告
現在116番まで終わっている。集計によると、平均は167語。トップ384語(帰国子女)。2位は純ジャパ280語。200代が半分くらい。一番少なくて130語。

授業に生かせる英語劇
1.Hディレクターの講義とウォームアップ
・英語劇をやってみましょう。H先生の学校では、注文の多い料理店を最近始めたそうです。生徒はなんだか楽しそうといってノリノリだそうです。英語劇の効果は?→殻をやぶれる、たのしい、いやでも覚えられる、何度も音読できる。実生活に今まで習ったことにつながる。ジェスチャーリーディングや今までやっていたものが中3の最後の活動につながる。H先生の大学時代。モデルプロダクションに大学1年の時に応募した。英語のみで出会い、英語のみで生活。そこで、自分が大きく変わった。奈良橋陽子先生が監督。奈良橋先生はラストサムライの渡辺謙の英語の指導や一期生に遠山顕先生などがいる。初日に衝撃を受けた1分間で100人全員の人とハグし、印象を聞くという活動があった。当時人見知りの萩先生にとっては、かなりの衝撃で、これがあってからだれとでも話せるようになったと感じている。英語劇は殻を破れる。先生がおしえたいことは、なんにでもできるよということだった。北原先生も劇を通してこのようなメッセージを伝えようとされているのでは?自分とは違う人になって、その人の気持ちを理解すると、人としても成長できる。その後、体操、ヨガのようなリラックスのポーズ、声のキャッチボール、立ち歩いて合図されたら握手して互いの印象を言うどんな気持ちになった?→緊張が解けた、温かい気持ち、距離が近くなった。

2.Hディレクターによる英語劇体験
「2グループに分かれて、30分間練習、その後体育館に移動して本番をします」「えええ~!!」すごい本格的。そして、役職を続々と立候補していただいて読み込みに入ります。2年前に演じた役者は基本アドバイザー。シナリオのP5~6のシーンをみんなで再現しました。1回通して読んだら、台本を持ってはいけないというのが北原メソッド。H先生グループは北原先生、F先生グループはH先生の演技指導を受けました。
・自分の役の年齢層は?それによって声色、立ち方も変わる
・セリフがない時に棒立ちしない
・最後の子音はっきりと
・お客さんの方を見て話す、自分のセリフの時は私を見て!というように前に出てくる。絶対にお尻を向けない。重ならないよう、周りとの動きも配慮する。
体育館では真っ暗にしてスポットライトを当て、音楽や電話の効果音も使用して本番さながらの状況を作り出しました。
・教室に戻って、ビデオを視聴。とても即興でやったものとは思えない迫力。特にセリフが多かった主役のT先生、Fさんお疲れさまでした。その他の先生もお疲れさまでした、感想楽しみにしています。とてもハイレベルで勉強になりました。

 

・〇授業に活かせる英語劇を体験しましょう!
(1)基本のエチュード
1、心と体のストレッチ 心と体を自由に開放することから表現が生まれる。
→立って、腕をグーっと伸ばしたり回したりするなど、ゆったりした気分でストレッチをしました。
2、息と呼吸を整える お中から声を出しましょう!
→「ア~」と大きな声を長く出したり、「ア~、ア、ア、ア(横隔膜が動くように)」と発声したり、向かい合って、相手に声を届ける(キャッチボールする)という練習をしました。
3、人間関係作り ふれあいから感じたことを伝え合う~How do you feel
now?)
→まず、教室内を好きな方向へ歩きます。H先生の合図(Clap hands)で向きを変え、そこで会った人とアイコンタクトを取るということを何度か行いました。
4、出会いの挨拶 人と出会い、感じたことのリアクションから人間関係や芝居が生まれる
→次に、H先生の合図でNon verbalな挨拶(手を振ったり、おじぎをしたり)をしました。そして、最後に、合図が出たら、相手の印象を伝えるということをしました。
以上を体験し、心が温かく、うれしい気持ち、周りの方との距離が縮まったような感覚を持ちました。
(2)発音と滑舌練習~滑舌よく言ってみましょう!子音も最後まではっきりと。
①The temperature of bath water was exactly right.
→上の文のwaterだけの発音チェックがありました。その後、「(自分がちゃんとやっていないんじゃないかと疑われているなかで)自分は確実にお湯の温度をしっかり設定したんだ!」という状況を教えていただき、その気持ちを表現するチェックがありました。私はただのReadingになってしまいました…。
②Good heavens!(あるものを発見した驚きの表現)
→高貴な方の赤ちゃんを発見した時という設定で練習しました。北原先生のGood Heavens!はその言葉の言い方だけでなく、その状況をジェスチャーや表情で表現されていて、見入ってしまいました。まるで本当にそうであるかのように見えました。
(3)「Friends第一幕」自由な発想でキャラクターの人物設定を膨らませて演じましょう!
年齢は?性別、性格は?外見は?話し方の特徴や癖、歩き方や立ち方は?家族との関係(相関関係)は?どんなバックグラウンドをもっているかなど。

 

・15:00~グループ分け、役決め、第4幕のセリフの読み合わせ、廊下での練習
15:40 体育館へ移動、発声練習と立ち稽古
16:10 体育館で実演
→読み合わせを始めてから体育館へ移動するまでの約25分。一通りセリフを読み合わせた後、北原先生から「もう覚えた?」「台本は見てやらない」と言われ、たった3行の短いセリフでも自分のセリフを覚えるのに、精一杯でした…。私たちのグループで長セリフの男役をやってくださったT先生や父親役のS先生には頭が下がります。また、先生方の演技がとても上手く、素敵だなと思いました。
また、北原先生から、一つ一つのセリフに対し、「誰に向かって言ってるの?」「〇〇のところなんだからセリフを重ねるように言わなきゃ!」「ここはどんな場面なの?」などどんどん突っ込みが入りました。その一言一言に、考えさせられました。また、「子音をしっかり言う」「ゆっくり言えば大きな声が出る」といった発声についてや、「右に移動したときは最後に右足を前に、左に移動したら左足を前にすると体が前を向く」「観客におしりを向けない」といった立ち居振る舞い方も指導していただきました。また、2年前にFriendsに出演された先生方からもアドバイスをしていただき、とても分かりやすかったです。終わった後は、ほっと一息しつつ、他の先生方との一体感、そして達成感を感じ、さらに距離が縮まったように思いました。最後に撮影したものを見ましたが、客観的に見ても面白いものでした。グループによって登場人物のキャラクターが少し違っていて、演技も違う。学ぶことがたくさんありました。私はセリフを言っていないときの動きが不自然で、もっと堂々とやればよかったと感じました。長女役で、北原先生に「Seduce me!(そそのかす、誘惑して)」と言われましたが、その感じがあまり出せていなかったかなと。最後に北研の先生方が出演された2年前のFriendsと赤坂中の生徒が演じたFriendsを見せていただきました。見ていて引き込まれました。自分と同じ役の先生と生徒に特に目が行き、こういう演じ方もあるんだ!と勉強になりました。私は今まで一度も演劇をやったことがなく、人前で演じるなんて絶対ムリ!と思っていました。T先生のメールにもありましたが、演劇が嫌いなわけではない、やってみたいけど上手くできそうにないし、恥ずかしい…まさに生徒と同じです。生徒にはジェスチャーを使いなさいと言いながら、自分ではきちんと演劇を学んだことも演じたこともない。それではダメだと思い、今回の北研にはぜひ参加したいと思っていました。今回の体験を通して、教師の具体的な問いかけで生徒にイメージを持たせること、登場人物の具体的なキャラクター設定、発声の仕方や立ち居振る舞いの丁寧な指導、生徒に負荷をかけて頑張らせる、そして何より本気で取り組むと楽しいということを学びました。

 

・1 ウォームアップ
「授業に生かせる英語劇」を体験しました。ウォームアップで身体をほぐし、声を出す準備をしました。身体は案外凝り固まっているので、音楽に合わせてほぐしたり、声を出すのは、とても気持ちが良いのと、解放される気がします。会話は、相手とのキャッチボールです。それを体感させ、声を出す準備をします。活動の後に、必ず”How do you feel ?”と問いかけ、振り返りをさせる、意識づけをさせるという点が大切だなと感じました。授業においても声の大きさは大切です。大きな声を意識させることはやっていますが、大きな声を出す方法を体験させることもやってみたいと思いました。
2 英語劇体験
グループを2つに分けた後、立候補で配役を決め、状況、役柄の性格や内面を含めた確認の後すぐにセリフの読み合わせ、立ち稽古とトントン拍子に進んでいきました。さすが、英語の先生方だけあってみなさん英語が素晴らしい。しかし、進みが速い!とにかく「身体で、やりながら覚える」という感じです。

3 体育館で実践
全員で体育館に移動し、暗幕、スポット照明、舞台用の机、小道具の電話、音楽を使用しての即興舞台英語劇。実際に舞台を使うと、より本物らしくなります。一チームずつの実演。先ほど立ち稽古したばかりとは思えない出来栄えです。舞台では観客を意識した大きな動きと、セリフを観客に向かって言う点がポイントになります。どんなにうまくても聞こえなければダメ。声が大きくないと話になりません。
4 ビデオで振り返り
すぐさま教室へ戻り、今撮影したばかりの映像を見て、振り返りました。生徒の気持ちがよく分かる。自分を客観的に見ると、動きや発音、セリフのタイミングなど考えるポイントが一目瞭然です。すぐの振り返りは大切だと感じました。
(感想)やはり、どの点においても「声の大きさ」は重要だと思います。まずは、聞こえないと伝わらないからです。また、生徒に教えるために、自分の発音のブラッシュアップも大切です。私はALTによく「違うと思ったら直してください」とお願いしています。普段の打ち合わせの中で、日本に勤務しているALTはこちらの言葉を予測して話をしてくれるからです。先生方の英語劇は、どちらのグループも今日やったばかりとは思えない出来栄えだったので、見ていてとてもワクワクしました。それは一人一人の演者が本気だからです。見ている側にも、たくさん考えること、気づくことがありました。

 

・グループ分けをして、役を決め、台本読み、廊下で立ち稽古したらもう本番でした。深く考えずにMan役をやることになり、セリフの多さに「やばい」と感じました。とにかく、役が決まってから本番が終わるまでひたすらセリフを自分の中にいれようともがいていたので、同じグループの方には「あまり声をかけちゃいけないと思った」と言われてしまうくらい、周りが見えなくなっていました。廊下での立ち稽古の際、北原先生が演技を実際に見せてくださいました。「チャンス!」とばかりに先生の動き方やセリフのタイミングも食い入るように見て真似ていきました。北原先生の演技で大変勉強になったのはアドリブのセリフと声の張り方です。「今、誰に喋ってる?」と先生は声をかけてくださいました。その時、あれ?誰に対して怒っているんだっけと思いなおすと、役の感情の先にいるキャラクターや怒りが爆発する様がスッと体の中に入ってきました。そこからはセリフを覚えることではなく、いかに自然に英語を発音することができるかに集中することができました。本番では体育館で小道具を用いて、照明や音響もつけていただき、本格的な舞台で演技をさせていただきました。死ぬほど緊張をしましたが、同じグループの先生方と劇をつくりあげることができ、とても楽しかったです。その後、教室にもどり撮れたての劇の映像をみました。映像をみて一番衝撃をうけたことは、違うグループのman役を演じたF先生が警察に話すことから劇を始めたこと(僕は受話器を置くところから始めました)、そして困った表情で電話で話す様がまさにmanであったことです。僕は北原先生にたびたびイントネーションを注意されました。それは今まで勢いに任せて英語を話す癖があったのだと思います。シャドーイングもジェスチャーをつけることにのみ力を入れていたと思います。

 

・参加者の数から2グループに分けられ、すぐに立候補で役を決め、即、本読みへ。私たちのグループは北原先生が指導についてくださいました。私は音読大好き、生徒に音読させるのも大好き、recitation contest出場などへの指導も大好き、「発音が良い」と褒められることも多く、北原先生にお出会いしてからは、「生徒の発音は中学校教師の責任」と、生徒への発音指導も少しずつですが、力を入れるようになっています。私のyounger sonは「自分のこと(ビールを飲むことだけ・笑)しか考えていない、どこか人を小馬鹿にした風来坊」というところでしょうか、台詞も3か所だけ。manやfatherに比べたら普段の発声好きが幸いするだろうから「楽勝」ぐらいに思っていました。自分を過信していました。過信しすぎていた、と言っても過言ではありません。まず自分の英語発信力の瞬発力のなさ、定着の遅さ。2、3度本読みをしてすぐに廊下で行った立ち稽古では、北原先生から「なんで台本なんか持ってるの!」と指導が入ります。プロンプター役をしてくださる先生がいてくださいましたが、ついつい不安で台本に手が伸びます。大きな声で感情を込めようとすると、今度は発音が崩れます。不本意な発音しかできていない自分に「え?私こんな下手くそやったん?」と愕然としました。それに比べて皆さんの英語の素晴らしいこと!特に自分のグループでmanをされたT先生の英語発声には惚れ惚れとしました。別グループのman先生もそうですが、皆さんからのご報告で一朝一夕であれだけの英語力をつけられたわけではないことがわかり、自分の努力不足と思い上がりを突き付けられました。今回演じたのは7人が会話するシーンです。「誰に向かって喋ってるの?」「どんな気持ちで喋ってるの?」「この役が喋ってる時、他のみんなはどんな様子で何を思って聞いてるの?」「同意する場面は、首は縦?横?どっちに振るの?」「ぼーっと立ったまま喋るの?」「早く止めに行かなきゃ!何みんな突っ立ってるの?」とビシバシ指導が入ります。前の人の台詞にかぶせてもいいのか?どんな動作が要るのか?自分のことだけに必死になって周りが見えていない状況から脱出したくて、頭フル回転させていました。役決めから立ち稽古終了までたった30分!体育館へ移動しました。体育館ではベテラン北研の先生方にお世話になり。照明、音響付きでリハーサル(2回だけ・涙)そして本番。やりきった感が半端ない数分間を過ごしました。

④視聴:教室に戻り、自分たちの演劇の映像を視聴させていただきました。ミラー効果を実感しました。また、2年前に上演された北研先生方の舞台、赤坂中の生徒さんによる舞台、どちらも見せていただきました。自分が体験した後ですので、2つの舞台を見て「こんな完成度が高い演劇だったなんて!」と、心から驚きました。体験していなければ、単に「すごいなぁ」で終わっていたと思います。

 

3.Friends(Teacher’s Version)2周年ビデオ視聴
その後、生徒versionも前半のみ見せていただきました。

・すでに何度か見せていただいたものである。しかし、実際に自分が演じた後で見るのでは全然違って見えた。自分もほんの少しでもやったからこそ、そのすごさが肌でわかる。中学生がよくあれだけの台詞を覚えられたものだ。さらにテンポがいい。声の張りがある。英語の発音がきれい。観客におしりを向けず体の向きは常に前か斜め。本当に役になりきっている。台詞のない人の動きが見事。1年生からの日常の授業の活動のひとつひとつの積み重ねがここで結実したことがよくわかる。