7月17日(土)第184回例会

●自己紹介とデジタル教科書の使用についての意見発表

1.千葉県S先生
scenesと本文のアニメーションを教師用のパソコンからプロジェクターに映して使っている。scenesや本文のアニメーションは内容理解が簡単でデジタル世代の子供達には合っている様子。QRコードの読み込みは各自できるが、そこまでやっているかわからない。英語の授業ではタブレットはまだ使用していない。夏休みの音読宿題を8箇所録画させ、提出させる予定。

2.千葉県K先生
生徒用のタブレットにもダウンロードしている。週末はタブレットを持ち帰らせているが、夏休みはタブレット持ち帰りはない。

3.埼玉県M先生
教師用のパソコンから電子黒板に映している。

4.神奈川県T先生
教科書会社のサンプルを見ただけで使っていない。

5.武蔵野市I先生
2016年からデジタル教科書を使っているが、生徒用にはダウンロードは許可されなかった。Chrom
Book、3年生に好きなアイスクリームを開発しようという内容で使った。How manyの内容で面白い内容を作った生徒がいた。都立の入試問題を見せたい。


6.長野県H先生
教師用PCでホライズンを使用。音読と語句の発音で使用。問題点は20クラス同時に使うと動かなくなること。QRコードはChrom
Bookでは使えないのでタイピングした物を印刷した。同時にするとノイズがひどい。子供の練習のスピードと合わないので音読には向かない。わかったことや調べた事を配信したり、コメントを集めたりすることができた。生徒の進行状況もわかってよかった。狭い机の上にタブレットを置くとスペースを取る。

7.千葉県Y先生
タブレットを持参して投影している。生徒の学力が高くないので、活用するようにしている。
8.Benesse Yさん
見た事がない。デジタル教科書は音声と画像が一度に出せるのがメリットかと思うが一長一短あるのではないか。

9.Y先生
ニューヨークタイムズを一緒に読むことや新聞やエッセイの書き方を見ることに使用した。
※デニア先生は日本語がとても上手ですが、アメリカで高校生の時から日本語勉強したそうで、2017年から日本にいるとのこと。

10.熊本県Y先生
英語授業では使っていない。美術では撮影に使っている様子。ニューホライゾンは内容が多く、すごく大変。

11.埼玉県O先生
ホライズン、生徒のタブレットには入っていない。電子黒板に入っているものを使用。ニューホライズンに慣れないため、1学期は生徒たちと関係を作ることで精一杯だった。使えそうなことがあったら使いたい。

12.東京都K先生
サンシャインScenes音声を消してどんなことを話しているかな?と予想させた。暗唱の時、同じジェスチャーになってしまった。アニメーションのところをスクショで貼り付けている。

13.兵庫県I先生
サンシャイン使用
遮光カーテンがなく見えにくいが、使う時は全体で映している。タブレット一人一人に入れるとお金がかかりすぎるとのことで入れてもらえない。大きなピクチャーカードを持ち歩かなくて済むので荷物が減って助かっている。タブレットのタブレット保管庫の出し入れが大変。

2、デジタル教科書①( 6月例会の積み残し)

「デジタル教科書」は子供の学力を下げる?先行する韓国では「学習効果なし」←なしと言い切る根拠が知りたいです。低学力の生徒や学習障害の生徒にはある場合もあるのでは?と思います。またデジタル世代の子供達には合っているように思います。

*読売新聞が全国の815の市区町村の教育委員会にアンケートを取ったところ、うち86%が教員の指導力や児童の視力低下などの点からデジタル教科書の使用に懸念を持つと回答。

←視力低下はデジタル教科書だけのせいではないのではないか、どんなコンテンツもメリットデメリットがあるのではないかと思います。確かにパソコンスキルが教員により差があり、指導内容にも差が生じてしまう危険があるので、研修をきちんとするか、常設でIT指導員を配置して欲しいです。

*情報量が多いと深く考えることが難しくなる。ワーキングメモリーに限界があるので、動画よりも写真、絵の方がよい。

←確かに思考力を求めるような観点になりながら、考えなくてもわかるようなコンテンツを使ってばかりだと思考力は育たないと思います。

*ノートの方がコンパクトにまとまっているので、短時間で復習出来るし、主体的に考えることが可能になる。
←考えを整理したり、振り返るにはノートの方が効率的だと思います。

*リーディングスキルテスト

最近は簡単なリーディングも解けない生徒が増えているとのこと。

問題:Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandra の愛称であるが、男性のAlexanderの愛称でもある。

この文脈において以下の文中の空欄に当てはまる最も適当なものを選択肢のうちから一つ選びなさい。

Alexandraの愛称は(        )である。
1、Alex  2、Alexander  3、男性 4、女性

正解は1のAlex
中学生235名中正解率は38%、高校生432名中正解率は65%だった。学校教育で基本的な読解力をつけないと多くの子供の将来が危ないのではないか。

*論理的思考力の不足

昔、読み聞かせが話題になりはじめた頃、日本人はただ単に読むだけだったが、世界的に学力の高いフィンランドでは読みながら、読み手が子供になぜ?どうして?どうやって?などを問いかけながら読み聞かせでいく方法が取られている事を知り、単に「読んで聞かせる」ことが「読み聞かせ」ではないことを納得したことがあります。じっくり考える習慣や読んだことを思い巡らし、整理する習慣を身につけるためには、デジタル化ではなく、考える時間や答える時間を取る必要性を感じました。それには小学校でもっと国語と算数を増やした方が良いという考えに私も賛成です。

*基本的な読解力は、読書量と関係がない

←なるほどと思う一文でした。もちろん多読は大切ですが、理解しながら読むことがもっと大事なので、読んだ後の感想や、自分にとってそれが与えた影響など、言葉で整理する国語力をもっと磨きたいと思いました。また知っているつもり読んだつもりの名作を読みたくなりました。この夏休み、読書に勤しもうと思います。

3、デジタル教科書②
コロナ禍で進むギガスクール構想、デジタル教科書への期待と懸念

*東京学芸大学附属小金井小学校の国語の授業。
「『自分の意見をまとめて投稿して下さい』と教師が声をかけると一斉にタブレット端末を操作し始める。デジタル端末だけで作業を完結する児童もいれば、ノートに考えを書き、端末のカメラで撮ってTeamsに投稿する児童もいる。その時学んでいる教材やその日の気分によって紙とデジタルを交互に使っている。」

←いいアイディアだなと思います。内容によっては調べたり、実際に音声を聞いたりすることが必要なものもあるし、まとめたり記憶したりする上では紙の方が利点があるからです。またその日の気分で、というのもわかります。紙で読みたい日、タブレットで見たい日、ノートを書きたい日、タブレットに書き込みする日なとがあると楽しそう。

←「小中でのデジタル教科書利用率4割」だが、実際にはまだ教師が見せているのも含めてではないか、という北原先生の感想に同感です。

*音声読み上げ機能を使った場合、聞き終わる時間が児童ごとにバラバラだった。各自でわかりにくかったところを聞き直していたから。

←学びに困難を抱えている子だけではなく、様々な子に役立つ利点があるとわかりました。

*クラスの課題である日記は、紙だったときは1回100字くらいだったのが、デジタル化したら300〜400字に増えた。

←いわゆるコピペが出来るので、作文力がついたのかは疑問です。しかしまとめる力はついているかもしれないと思いました。

☆ワープロの便利さ、見栄えの良さは北原先生もお気に入りだったので、イギリスに派遣された時も持っていたそうです。

*手書きより書き直しが楽になり、文章力が向上した。発表の際、横やりが入りにくく、発言しやすい。
←内気で声の小さい子でも、文字だと雄弁ということがよくあります。

*拡大縮小、図版などの拡大表示、ツール上のペンやマーカーによる書き込み、音声読み上げ、ルビを振る。
←デジタルならではの利点を生かし、紙と併用していくのがよいと思います。

*ネイティブ発音が簡単に聞ける←大きな利点の1つだと思います。今の子供たちが羨ましいです。

●外部リンクに飛べるデジタル教材
*自社の教材や公的なリンクを貼ることが出来る

←教科書が資料集やワーク、教科書会社のホームページなどにリンクを飛ばせるのはとても便利だと思います。

*2024年度に完全デジタル教科書のみの本格導入を目指している

←紙の教科書がなくなり、タブレット1つで授業を受けることができれば、重い荷物を持ち帰る必要もなくなり、負担軽減になると思いますが、「あの辺に書いてあったなあ」の感覚がなくなるのは害があるような気がします。

4、GIGAスクール端末活用の秘訣は?(6月例会の積み残し)
「まずは太いインターネット回線が必要。教員にはスキルが必要。たまに授業でパソコンを使ってみることから、コンピューターを授業で使うことが日常と捉える感覚を持つ必要がある。そのようにマインドセットすることが求められる。ICT活用教育が進めば、教員の役割は「教える人」から「学びを導く人」へと変わっていくだろう。(日経パソコン
教育とICT No.16より)」
←体育や音楽、技術、美術などの実技教科や実技の側面も併せ持つ英語には単に「学びを導く人」だけでよいのだろうか?と思います。本来は英語のコミュニケーション能力を4技能の観点からバランスよく伸ばすことが大切なのではないでしょうか。そのためには学校で出来ることや集団で出来ることと、家で、また個人で出来ることを分けてもいいのではないかと思います。

5、聞く、話す偏重?読解は今のままでいい?文法も同様?
*否定されがちだが、本当は強い日本の英語教育
話す、聞くばかりに目を向けていいのか。

←北原先生は100%この考えには反対。しかし意見がある人はレポートで述べてほしい。未だに伝統的な英語教育が根強い。入試のため高校では戻ってしまうという理由があるようだ。(北原先生談)

←私もこの意見には反対です。
確かに音声重視の小学校英語から、中学校でどのように文字を正確に書いたり読んだり出来るようにするかは、中学校の英語教育において大きな問題だと思います。もし北原メソッドの、音から文字への指導方法がわかれば、この作者のように読み書き重視の従来のやり方にこだわる必要がなくなります。北原メソッドの、1年生の間は音に注目して綴れるようにする、をし、段階的に書くことに力を入れていけば着実に書けるようになるので、それを日本中の英語教師に知って貰いたいです!

6、教員の大学院卒比率を増やせ
自分の教科の専門を増やした方がいい。
特に管理職は大学院卒になるべき。
←教師が断続的に専門性を身につけ、学び続ける制度を考えていく必要があると思います。

●休憩中の会話
M先生より。
ある1ページの50回目を録画させたが、とても良かったとのこと。教師から生徒にコメント出来るのが良い。やり方は、Google
classroomでクラスごとにフォルダを作り、そこに提出させる方法。自宅の自分のパソコンでGoogle
classroomにつなか、アカウントではいれば観れる。アプリを使えばスマホでも見れる!素晴らしい!教えて頂き、ありがとうございます表情にこにこ

7、1年生授業に関する質疑応答
Hello goodbye、Saturday night
北原先生が最初に教科書にHello goodbyeを載せた そうです。
アクションカードのポインティングゲーム(指差し)
各プログラムの扉の登場人物の会話が日本語を使っているのはしっかり内容を日本語で考えるためだろう。
アニメーションは想像力がかけてしまうが、時間がかかりすぎるよりはいい面もある。
既習文法のノートは全員を待たなくてもいい。
スペルのヒントを教える。最初の1文字、最後の1文字。パートナーに教えてもらってもいい。
時間がかかる場合、適度に区切る。時間制限は必要
Q&Aが先、オーラルイントロダクションが後。
ジェスチャーリーディングをさせてから音読する。
新出単語のスペルを言わせるを言わなくていい。

BDは次の時間になっても必ずやる!
教科書のリスニングは簡単すぎるのに対し、リストレは実際的なのでやった方が良い。テスト返しの日にやる。
男子の低学力について。
男子は子供だから仕方ない。「どうして?!」と叱らずに「後から伸びるから大丈夫だよ?と言ってあげる」←北原先生の優しさを感じました。(反省汗)

北原先生より。
「プリントの上にペンキを落としてしまいました。あちこち飛び散ってしまい、読めないところがあります。書かれている事を推測して、文を元通りにしましょう。」←思考判断になるかも?

M先生のテスト問題についてブレイクアウトルームで中野区の榧野先生とお話ししました。榧野先生からクイックQ&Aの問題も出題によっては思考判断表現で出来るのではないかというご意見が出ました。

M先生へ
改定されたクイックQ&Aの問題、とても素敵だと思いました。考え抜かれた問題ですね!また大谷翔平の問題も素晴らしいです。思考、判断、表現がよく表れている問題でした。大変参考になりました。ありがとうございました。

北原先生、
今回も大変勉強になる研修会をありがとうございました。対面がいいのは言わずもがなですが、オンラインにはオンラインの良さがあると思います。遠い方も自宅から参加できますし、コロナの心配もないですし、いろいろな先生方とも交流出来るからです。でもやはり北原先生からたくさん学びたいので、北原先生の話2:交流1でお願いします。是非今後も対面とオンラインと月2回の研修会を希望します!

それからぜひ、夏休みのオンライン研修もやっていただけたらと思います。第二弾テスト問題検討で、よろしくお願い致しします!

今回も大変学びの深い研修をありがとうございました。まだまだコロナも終息しそうにありませんが、皆様お体に気をつけてお過ごし下さい。ではまた。

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【1】ディジタル教科書使用状況

 全員が端末を充電できていないことがあるなど、一斉に使えないことなどから、全体的には、教師用をモニターに映して使う程度にとどまっている模様。それで良いのでは?

【2】「ディジタル教科書」は子どもの学力を下げる?

・ディジタル教科書は学力低位層の興味を引くには良い。

・人間のワーキングメモリーには限界があり、動画のように大きなデータを見せると、思考が止まってしまう。よって静止画像の方が良い場合がある。情報をコンパクトにして提示することにより、要約したり、グラフなどにして視覚化したりと自由な思考ができるようになる。ノートをまとめたり見返す復習は効果的。自分の手を使って、ノートのどの部分にどう書くのかを、要点を頭の中で整理しながら考え、最終的には一つの授業がコンパクトにまとめられる。

・読解力の無い人材はAIに仕事を奪われる可能性が高い。読解力は必ずしも読書量と比例する訳ではない。

・ディジタル教科書によって、生徒が受け身になってしまい、頭を使わない方向に追いやってしまう可能性がある。

・教育効果を上げるためには、生徒が接する情報量を極小化することが有効。

・ディジタル教科書を音声で生徒が聞き始めると、理解しにくい部分を繰り返し聞く生徒がいるため、聞き終わる時間がバラバラ。学習の個別化が進むであろう。

・ディジタル端末を使うことによって、文法の誤りが減り、文字数が増えた。

・外部リンクは、検定範囲による制約により、検定教科書には難しい。副教材では、限定的ではあるが可能。紙とディジタルの差を埋めるべくQRコードが導入された。

・結論としては、紙とディジタルの使い分けは児童生徒達に任せれば良い。

【3】これからの学校、英語教育

・教師には、統計学、数字による分析力が必要。

・北原先生は『「聞く・話す」偏重?』の記事に全面的にdisagree。

・「受験勉強などを通じて、基本的な文法力、読解力を身につけた人は、スピードや語彙力の問題ではまだまだトレーニングが必要なものの、習得に苦労を要する「英語を正確に理解するスキル」がかなり身についています」と書かれている部分に、私は大きな疑問を持つ。私の教室に来た県下有数の進学校の高校生は、学校の成績が良いのに、そういう力が身についていなかった。しばらく私の教室に通って、ある日のこと、「ここに来ていなかったら英語がボロボロだった」と言っていた。

・北原先生は、教員の大学院卒を増やす事には賛成。管理職を大学院卒という条件にすれば、もっと専門的な教科指導に教員達がもう少し向かうであろう。

【4】1年生の授業に関する質疑応答

・Hello Goodbyeを教科書に最初に載せたのは北原先生。「英語の歌は遊びじゃないんだよ」

・「BD動画を音なしで見せて」というのは、時間がかかるのでどうだろう?

・Aパターンの文法指導では、とてつもなく時間がかかる生徒がいる。特支の生徒には、「待ってあげるよ」が伝わるのが重要で、全体のためには、ある程度の時間で切って進めるのが良い。

・生徒がアルファベットを一つ一つ読み上げて綴りを覚えようとするのはやめさせた方が良い。

・BDは、北原先生の授業であっても、10分タイマーが鳴るまでに全員合格に至らない事もあった。それでも欠かさずにやるべき。

・音読宿題に対して、生徒が、「宿題で出されなかったらこんなに読まなかった」と言うのはその通り。

・音読テストは、学期に2回程度。夏休み明け音読テストについては、範囲が広いのでくじ引きでページを決めるのは良いが、それ以外の通常音読テストは、先生の方からページを指定して良い。評価観点は、まずは日本語にない発音に絞ってやる。北原先生は、r, lについて、2年生の2学期後半にやった時期もある位。

・テストの点で、男女の平均差が20点あっても、ほっとけばよい。中1男子はまだガキなので、もう少し大人になるのを待つ。後から伸びるから。

・中1には手鏡を持たせて口を確認させる。職員室に呼んだ生徒については、職員室の大きな鏡の前で、「先生と同じ事をやってごらん」と言う。

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1 参加者の自己紹介、デジタル教科書の使用状況の報告を含む
 デジタル教科書の使用状況はみんな教師用があり、それをスクリーンで見せる程度でした。
 私の学校はデジタル教材推進校に選ばれており、全生徒にデジタル教科書をダウンロードさせています。し
かし、上手くデジタル教科書を使用させられてはいません。タブレットに不具合があったり、音声が入ってい
るので、授業中に音声を流してしまう生徒が多発し集中できない環境になるなど適正な使用は難しい状況です。
紙の教科書かデジタル教科書を使うかは生徒の好みに任せ、イヤホンを持ってこさせ音声が気になるときには
自由に聞いて良いなどの大学の授業のようなある程度自由な雰囲気がデジタル教科書の使用には必要だと思
います。しかし、30人を超す、中学生の一斉授業において、そのような雰囲気で授業が成り立つのかは疑問
です。

2 デジタル教科書について(「デジタル教科書」は子供の学力を下げる?先行する韓国では「学習効果なし」)
 北原先生がデイリー新潮の記事から抜粋した情報を伝えてくれました。
 「全国の815の市区町村の教育委員会にアンケートを取ったところ回答の86%が教員の指導力や児童の視
力低下などの点から、デジタル教科書の使用に懸念を持つ」
 「ICT教育は学力を向上させておらず投資のコストに見合う教育効果がない」
 「現状の日本で学習に適していると考えられるICT機器はプロジェクターのみ」
 私もこの記事に賛成です。ICT機器は自学には向いていると考えられますが、一斉授業には向いていないと
思います。もし、一斉授業で生徒一人一人がタブレットを使うのであれば、今の授業に取り入れるのではなく、
反転授業のように授業の形態を根本から考え直す必要があると思うのです。
 私が一昨年度に大学院で学んでいたときは受講生全員がそれぞれパソコンを持ち、議論を交わしながら、パ
ソコンで調べ作業をするというスタイルでしたが、人数も5人から10人程度、人間としての成熟レベルも中
学生とは違うので同じようなICT機器を授業に持ち込むスタイルが中学でできるとはあまり思えません。

 また、デジタル教科書になったことでネイティブの音声を聞かせやすくなったとデジタル教科書の優位性を
語る教員もいますが、そういう人の中で発音指導をしている人を見たことがありません。ただ、ネイティブの
音声を聞かせても、同じように発音できるようにする練習や指導がセットでないと宝の持ち腐れだと思います。
指導する教員の意識や指導力がデジタル教科書の効果に大きな影響力を及ぼすとも考えられます。

3 「聞く、話す」偏重?読解は今のままでいい?文法も同様?

 上記のテーマについてブレイクアウトルームで話し合いました。
 ご一緒した宮根先生はかつて商社で働いていた経験があり、そのときには英語のやりとりのほとんどはメー
ルで行っており、「話す、聞く」よりも「読む、書く」の方にかなりウエイトがあったと話していました。私
も大学院の授業ではディスカッションもありましたが、そのディスカッションをするために大量の論文を読む
ことが大前提であったので「読む」力は絶対に必要だと思います。
 それでも、なお私は中学や高校の教育は「聞く・話す」をもっと重視しろと叫ばれてもいいと思います。な
ぜなら、未だに多くの先生が文法指導重視の授業を行っていると感じるからです。私の同僚の先生の中にも文
法プリントを作り、問題を解かせることに注力している人がいます。英語の授業は問題を解くことに使われる
べきではなく、もっと会話や読解のトレーニングに使われるべきだと思います。「聞く、話す」活動をしろと
もっと声高に言われて、英語を使わせる授業がもっともっとたくさん行われるようになったときに初めて上記
の議論をすれば良いと思います。

4 教員の大学院比率を増やせ

 北原先生は専門性を高めるためにもっと多くの教員が大学院へ行き、究極的には管理職になるためには大学
院卒の条件をつけた方が良いと話していました。
 一昨年度に長期研修で大学院の授業を受けた私としても賛成です。大学院の授業は魅力的でした。統計学を
学び、物事をエビデンスで語るという大学院の教育は私の教育観を変えました。北原先生がフィーリングでは
なくデータにこだわって北原メソッドを作った理由も理解できます。
 しかし、長期研修を受けた他のメンバーを見てみると人脈を広げる、今後の昇進のためなど、大学院の授業
を熱心に受けている人は少ない印象でした。実際、長期研修生の懇親会は体育会系がまかり通っており、非常
に気分が悪いモノです。こういうところが北研のように教育を語り、笑い合える場になれればもっと教員の世
界が変わっていくのになと思います。

5 1年生の授業に関する質疑応答(S先生の実践報告より)

 1学期に歌った歌の中でHello, goodbyeは北原先生が初めに取り上げた歌。この歌以前の教科書に載って
いる英語の歌はナーサリーソングばかりであった。

 Aパターンの文法指導で全員が立つまで待つべきか?生徒の実態による、特別支援系の生徒で能力よりも活
動をやろうという意欲がない生徒がいた場合、助け合わせるなど待つ以外の方策も考える。

 単語指導で「スペル言わせる」活動。スペル重視になり、発音に注意が行かなくなる場合があるのでスペル
は言わせない方がいい。

 音読テストで読ませる場所をくじ引きにするのは夏休みの宿題の後のみ、普段の音読テストでは全員に同じ
ところを読ませる。

6 定期テストの作り方(M先生作成の定期テストより)
 ブレイクアウトルームでI先生と定期テストの問題について検討しました。具体物があると議論が深まり
ますね。慣れてくれば、「知識・技能」「思考・判断・表現」の2項目のみなので以前よりも作りやすくなりそ
うです。

7 ジャレマガ
 最後にジャレマガをやりました。定番の間違い探し。見つけられませんでした(泣)次は正解する!

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今回、参加者の皆さんを見渡して、とてもremarkableだと感じたことは、
小学校英語で実践を積まれてきたS先生が、
4月から新たに中学での指導をスタートされ、7月になって全体の雰囲気やお話が、す
でに今までとは全く違う
中学校の先生になられていたことです。小学校での実践を生かして、それを中学での
指導に活かされている
楽しさや意気込み、自信、順応性の高さがうかがえました。
積極的な発信や疑問点の提起など、私たちに大きな刺激をいただいています。ありが
とうございます。

1 参加者の自己紹介、デジタル教科書の使用状況の報告

 「デジタル教科書元年」ということで、多くの学校で、教師用のデジタル教科書を
インストールして
 教室で電子黒板やスクリーンに映して使用している段階だということがわかりまし
た。
 長野のK市では、来年度以降、すべての教科で、全校生徒全員にデジタル教科書
を導入する見込みです。
 今年3月もその予定で進めていましたが、まだ少し早いので実験・検証の段階を
とって、順次にと文科省から
 待ったがかり、今年の全員デジタルブック配布は中止になりました(教科書係でし
た)
 今年はその前段階で、教師用のみ各教科1セットを購入し、試用段階です。

K市では、クロムブック・タブレットが全員に供給され、教室に大切に保管庫に
カギをロックして置いてあります。
 私も4月から「まずは使ってみよう」ということで、詳しい先生に日々少しずつ使
いたい機能について5分ずつ
 教わりながら、「Google Classroom」で次のような教材を使っています。

 英語科では1名。他教科では若手の先生が1名程度活用段階に入りました。
 ただし、6クラス以上が同時に使うと、サーバーがダウンする、アクセスしにくい
など、
 設定やハード面に課題があります。英語教師としては、「できるものから、段階的
に学んで実際に使ってみる」
 姿勢が大事かと思います。

 (現在、Hが活用しているデジタル教材、タブレットなど)
活用① 
  教科書の音声、単語・語句(New HorizonテキストのQRコードURL,指導書付属
の動画や静止画など
  自分で必要だと判断して選択した画像を「Google Classroom」に貼って、生徒
全員に配信する。
 ⇒口頭で音読練習を十分したあと、各自でタブレットで音読練習を取り入れた。
  〇生徒は、タブレットで個別に聞けるのがうれしく、モチベーションが上がる。
こどもはデジタル教材が好き。
  △35名全員が一斉に話すので、音声が聞き取りにくい。また、35名の音読の音が
一斉に聞こえてくるのでノイズとなる。
  △音読速度が調整できず、早めのナチュラルスピードなので、追いていけない生
徒が続出した。
   音読は、生徒のできをその場で読みとって、その場で対応できる、教師の音読
指導にまさるものなし。
   単語も、フラッシュカードにまさるものなし。
  △今年購入した紙の単語カードは、単語数が多すぎて、教師が事前に扱うものを
選別して使う手間が膨大。

活用2
  クロムブックで、生徒に課題とスライドシートを配信して、生徒が一斉にコンテ
ンツを作る。
  中2の課題では、「夏休みにシンガポールへ行く旅の計画を立てよう」のテーマ
で、
  映像、英文を入れてコンテンツを作り、みんなで見合った。
  ペアやグループで、タブレットの映像を見せながらプレゼンテーションを行い、
  タブレットで感想交換を行った。

 ⇒〇楽しい作業なので、生徒は興味津々、集中して1時間でコンテンツを仕上げる
ことができた。
   <情報収集⇒画像取り込みと編集⇒ふさわしい英文を書く>作業は、今後社会に
出ても大いに
   必要となるスキルなので、有効な課題設定と方法だったと思う。
  〇その後、クロムブックに、お互いの作品のコメントや返信を入力した。
   一斉に入力と、返信リスポンスができるので有効。

活用3
  国際文化理解のための有用な情報を教師が取材やリサーチし、
  情報を「1時間で消化し、課題に活かせる内容・分量」にセグメントしたうえで
生徒に配信した。
  中2のテキストでは、今年初出のシンガポールやインドの文化理解を促進するた
め、
  教師が事前に現地の先生たちに取材し、現在の現地の様子や、おすすめ情報のU
RL
  画像を編集し、授業でClassroomで配信した。
 ⇒〇生徒は、ライブな生の情報に興味を示し、文化理解を深め、もっと知りたい、
質問したい
   積極的に授業に関わろうとする原動力になった。
  〇言語使用のモチベーションを高めるために、生徒に海外の先生への質問や感想
を、授業の一部を使って
   英文で一斉に書かせた。classroomの「コメントする」機能を使うと、一斉に
できて便利。
   「英語を使うモチベーション」が喚起され、実際に英語の言語使用が有用にな
されるので良かった。
  *注意点としては、膨大にある情報源の中から、教師が事前に取材調査したり、
セグメントして、
   生徒にふさわしい適切な情報を絞りこむ必要がある。手間はかかるが、教師自
身も楽しい作業。

活用4 K先生の実践より
〇デジタル教材のシーンのアニメ動画の音声を消して、どんな会話をしているかを生
徒に考えて言わせる。
 動画をスクショにして「静止画」にして見せている。⇒情報量の多い動画より、静
止画のほうが考える
 想像する機会を生徒に提供できる。

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・・・・・・・
2.「デジタル教材の長短」「デジタル教材考」「読解力」など…北原先生および資
料より

「デジタル教材の功罪」
①動画は情報量が多すぎる。ワーキングメモリーを使い切り「思考する時間」をなく
してしまうことに注意。
 (→かやの先生の活用例は、このことに対応している)
②「読解力がない人は、AIに仕事を奪われやすい」(→New Horizon Unit3のPart
3,4ではこのことに言及しています)
③「現代のこどもは、基礎的な読解力、論理的思考力が不足している」
④デジタル教材を使うことが教育効果につながることにはならない。
 逆に子供たちが接する情報を「極小化する」セグメントすることが、教育効果につ
ながる。

「デジタル教材のメリット」
①各自が聴き直せる
②タイピングで書く量が増え、結果的に文章力の向上につながる結果も。
③オンライン会議によって、話し合いの発言がしやすくなった。

2024年にデジタル教科書の本格導入(最初は紙媒体と併用しながら~)
〇「脳の学習効果」を高めるには、「紙とペンを用いた方がよい」
 書き留める時間に、内容を咀嚼できる。
〇最終的には、こどもが「紙」か「デジタル」を選んでいけるとよい。

こうして見て考えていくと、デジタルー紙媒体、デジタルーアナログ(たとえば教師
による音読など)
双方にメリットとデメリットがありうると考えられる。

私の特別支援中2クラスでは、英語にタブレット機器を導入し、従来のオーディオビ
ジュアル教材
(CDやDVD)に加えたことで、生徒が英語を読んでまねしたり、答えたり、タイ
プで打つことで
格段に英語を書きやすくなり、生徒たちは喜びました。(親御さんたちも)
結果として英語がだんだん好きになり、成績が向上していった様子が4月から7月まで
に如実に見てとる
ことができました。タブレット使用は、発達障害やハンディをもった生徒に、モチ
ベーション、
機能面ともに役立つことが、実践を通して体感することができました。(出席率まで
あがりました!)
彼らが1時間のうちに、シンガポールへの夏の旅行プランを動画、イラスト、英文で
仕上げた事例などが
それにあたると思います。「生徒のがデジタル、紙のどちらかを選べる」のはいいで
すね。

このほかに「読む力」「佐藤先生の授業実践と、そこから生まれたQA、北原先生の
回答」
M先生の「新評価を考慮したテスト作成 検討前と検討後のテスト」などについて
検討しました。
北原先生、先生方、ありがとうございました。

***********

1.参加者全員の自己紹介とデジタル教科書使用についての意見発表
 ・ 場所によって生徒用PCやデジタル教科書の状況はかなり異なると知りました。
 ・ H先生より、「生徒の実態に合わせて指導できる先生の肉声+CDが一番。」と
いう主旨のご発言に同感。最近、デジタル教科書等の環境が整ってきた+世界ではい
ろいろな発音があるのだから先生もそんなに発音にこだわらなくてもよい、という主
旨の発言を聴きました。教師の不勉強を正当化しているように聞こえました。北原先
生がおっしゃるように「発音指導は中学校英語教師の最大のつとめ」だと思っていま
す。例会に出ると「そうだ!」と思うご発言を聞けて心強く、また、がんばろうと勇
気づけられます。

2 デジタル教科書①「デジタル教科書」は子どもの学力を下げる?先行する韓国で
は「学習効果なし」
 6/5 デイリー新潮 (「週刊新潮」2021/6/3号掲載)
 ・ 記事の抜粋に北原先生が下線を引いて解説。下は、その中で、例会に出られな
かった先生方に是非、
お伝えしたい情報を私が要約し解釈を加えて、箇条書き。
 (1)ICT教育は学力向上をさせていない。コスパ悪い。日本の現状で学習適な物
は「プロジェクター(投影機)のみ。(慶應義塾大学の研究会の論文より)
 (2)ICTで学習効果が見られるのは、学力下位層。(顔が上がる。)
 (3)ICTは情報量が多すぎ。⇒深く考えることを困難にする。
    つまり、動画より写真や単純化した絵を見せる方が、生徒は主体的に思考を
巡らす。
    ⇒「考えなくても情報が入る」⇒ICT=教育効果を高めるわけではない!!
 (4)(以前にも取り上げられた) 新井紀子著「AI vs. 教科書が読めない子ど
もたち
     読みましょう!!
 (5)新井先生の研究によると日本の中学、高校生⇒基礎的な読解力+論理思考力
が不足
    ⇒ICTで思考力を育てるのは困難
    ⇒ますます、頭を使わない方向に子どもたちを追いやる可能性。
    ⇒教育効果を上げるには、逆に子どもたちが接する情報を極小化するのが有
効。

3 デジタル教科書② コロナ禍で進む「GIGAスクール構想」デジタル教科書への期
待と懸念
  7/9 Yahoo!ニュース オリジナル特集 
 (1)学大小金井小6年(国語)の実践より
   ねらい:デジタル端末の活用により、発達障害や学習障害などの子どもと共に学ぶ仕組みを作る。
   結果 :① 音声読み上げ機能で教科書を読む。⇒聞き終わる時間が児童によってバラバラ
        ⇒理由:学習に困難がある生徒だけではなく、各自でわかりにくかったところを聞き直していた。
       ② 感想文の表現、書く量が増加。紙⇒1回150字くらい デジタル化⇒300~400字
       ③ 内気な児童が発言しやすくなった。
 (2)デジタル端末の利用⇒長時間動画視聴による視力、学力の低下
    人の精神への悪影響⇒「スマホ脳」アンデシュ・ハンセン著、新潮新書)参照
 (3)紙の教科書の優位性(東大院総合文化研究科酒井教授)
   ・デジタル化で失われる情報がある。例えば、本の右に書いてあったか、左かなどの空間情報。
    一見、余分と思われる情報が、実は、引き金になって正確な記憶を再生できる。
   ・ 18~29歳の被験者の実験より。紙の手帳グループ(紙) vs タブレットグループ(タブ)
    ① (紙)の方が、予定に関する直接的な質問に対して成績上。情報を咀嚼している。
② (紙)の方が脳活動が有意に高い。
 (4)文科省「デジタル教科書の今後のあり方等に関す得る検討会議」座長
   ・ 紙とデジタルの使い分けは「児童生徒達に任せれば良い」
   ・ 「デジタル教科書の使い方が発展していけば、児童生徒の「個別最適な学び」が進む可能性。
 (5)筆者のまとめ:それぞれの長所、短所を見極める必要性。

4 GIGAスクール端末活用の秘策は? 「教育とICT Online」6/15
  これからの教員⇒ICTで蓄積された児童・生徒の学習データの活用能力が問われる
  ⇒「統計学や数字による分析、問題解決が教員の資質の一つになる。」

5と6を題材にBreak Room(3人)に分かれて話し合い。
5 「聴く、話す」偏重?読解は今のままでいい?文法も同様? 7/7 東洋経済 
Online
『英語学者北村一真氏の主張:受験勉強では、英文を解剖するように読む。また、
学習者の英語力を大幅に超える英文を丹念に時間をかけて読む。だから、偏ってい
る。身につかない。と言われるが、これは、見方を変えれば強み。受験勉強を通して
基本的な文法力、読解力を身につけた人はスピードや語彙力の問題ではまだまだト
レーニングが必要。だが、習得に苦労を要する「英語を正確に理解するスキル」がか
なりの部分まで身についている。この読解力の基礎を強みとして他の能力にも応用し
ていく方が効率がよい。』

 北原先生:この様な従来の考えに反対。これを乗り越えるのが北原メソッド。
 私がこの北村氏の考えを読んで考えたこと。
 ①20代はこの考えだった。理由⇒自分が受けた教育だったから。
 ②30代、北原先生の授業を拝見して。「こんな授業が受けたい、やりたい。」と
思った。同時に必要な知識を繰り返し学べるワークシート(当時はEnglish Express.
今は、スパイラルワークシート)を見てこれがあってのあの授業なんだ、と納得。
 ③なぜ、まだ、こういう考え方があるのか。
  1 大学入試対策と称して、高校の英語の授業が変わらない。(北原先生の上智の学生さんも同様の感想)
  2 以前、北原先生に言われて、なるほどと納得したこと(私の記憶の言葉で再生)
   「先生達はラッキーなんですよ。あの英語教育で英語ができるようになったんだから。」
    そう。ラッキーかどうかは分からないが、あの英語教育でもどうにかなって
きた人が英語教師として学校に戻り再生産をしている。これは英語科だけの話ではな
い。教師は学校時代に良い体験をしてきた人達が圧倒的多数。だから、今までの事は
残そうとする。一方、社会は次々と新しい事を学校に求める。結果、スクラップでき
ず、ビルド、ビルド。仕事は増えるばかり。肝心の教科指導は旧態依然の傾向あり。
 ④私の反省
  とはいえ、正直に申し上げると(告白?懺悔?)、私はこの北村氏の記事を最初
に読んだ時、「あ、こういう風に考えていたな。」妙に懐かしくなってしまいまし
た。やっぱり、こういうことあるのかな、とも。
  反省。すぐこういう風に揺れてしまう自分をしっかりさせるために北研に通って
いるのだと気づきました。引き続き参加させて下さい。

6 教員の大学院卒比率を増やせ 世界で最低レベルの日本の教員の院卒比率 7/7
 Newsweek日本版
  ⇒日本の学校では、いったん就職すると膨大な業務に忙殺されて学び続けること
ができない。
  ・Breakroom メンバーから。「行きたい!」という切実な声。はい。同感です。
  ・大学〜院で6年間、学ぶより、一度現場に出て問題意識を持ってから大学院で
学び直す方が効果的、とのご意見。私も同感。教科の基礎知識が不足しているまま教
壇に立っている方もいらっしゃるのでは。採用倍率の低下の影響はあると思います。

 7 1年生の授業に関する質疑応答
  S先生(柏市)のサンシャイン1年生実践報告。(ML参照)
  このように実践を公開する先生がいらっしゃることが素晴らしい。以下、「北原
先生のコメントの抜粋」+自分の反省。
  ・「必ず、gesture reading で内容理解をしてから本文音読へ」
⇒現在、自分がやや疎かになっていた活動。(言い訳=今年から教える3年生なの
で。)だが、1学期の終わり、とは言っても、少人数なので、7月から担当した生徒
から「先生の授業はジェスチャーとかあって分かりやすい。」と言われた。以前よ
り、遙かに少ないのに。心の中で「もっとがんばります。」。反省。
  ・「フラッシュカードの空書きの時スペルは言わせなくて良い。」
   ⇒言わせていました。理由:以前一年生主担当の時の1学期、アルファベット
の音、文字、がおぼつかない生徒に単語の度にアルファベットを読ませたら、読める
ように、書けるようになるかしら?と思って。それから、ずるずる今日に至っていま
す。改善します。

 8 新学習指導要領に即した定期テストの作り方
   M先生の定期テストを題材に学習。(Break Room)
    M先生、テストを公開して下さり、深く感謝いたします。大変有益な研修で
した。
この「定期テスト作り+成績の付け方」は生徒の力を伸ばす上で大変重要な点で有る
にもかかわらず、私はどのように学んで良いか分からず、自己流(という名の自分が
受けたテスト+業者テストや入試の真似)でした。「幹の本」で、北原先生がご自分
の「定期テスト作り+成績の付け方」を公開された時は本当に感激し、少しでも近づ
くように努力しました。この「テスト+評価が自己流問題」は、他教科も同様です。
(「幹の本」にあたるものは無さそうなのでもっと大変。)教師として肝心な「定期
テスト作り+成績の付け方」がブラックボックス化している、と他教科同僚と話題に
なります。これからも同僚と情報を共有して学び合うよう心がけたいです。夏休み、
教科内でちょこっと自主学習会を実施します。

 ○ 終わりに
   北原先生、例会開催、ありがとうございました。「北研で学んだ事を、できる
ところから実践する、
若い先生方と共有する」が私の課題です。北研の先生方を見習ってがんばります。
   夏休みと言ってもますます忙しくなっています。(私は、既に非常勤教員なの
で、休みますが。)忙しいから、教科のこと、評価評定の事をざっくばらんに話し合
う時間もなかなかとれない。大切なことなのに。それでもがんばっている先生方、ど
うぞ、お身体をお大切に。少しは、リフレッシュできますように。

***********

1.自己紹介
2.デジタル教科書によって子どもの学力はどうなるか。
3.ブレイクアウトルーム
4.S先生の実践に関する質疑応答
5.新学習指導要領に即したテストの作り方(ブレイクアウトルーム)
6.ジャレマガ の順に進みました。

1.自己紹介~自己紹介とデジタル教科書使用について各自が話しました。
数年前からデジタル教科書が導入されている学校もあれば、まだ、GIGA school 構想
の1人一台のパソコンが行き渡っていない学校もあるようです。多くの学校は、昨年度
に生徒それぞれにパソコンが配布され、どう使っていくか試行錯誤中のところが多いよ うでした。

2.デジタル教科書によって子どもの学力はどうなるか。
12ページにおよぶ資料の中から、重要なところを抜き出して解説していただいた。
デジタル教科書、紙の教科書どちらにもメリット、デメリットがある。デジタル教科書
をまだ、あまり使っていない私は、実際に体験していないので、「そうなんだ~。」と
思うことばかり。最終的には、「紙とデジタルの使い分けは、児童生徒たちに任せれば
いい」と文科省の検討会議メンバーの堀田教授は考えている。最終的に「個別最適な学び」が進む可能性があるとのこと。

3.ブレイクアウトルーム①
次の2つのことについて3~4人で話した。
①「どこまで英語を読めている?」 ②「教員の大学院卒比率を増やせ」
①「どこまで英語を読めている?」については、確かに実用的なレベルに達していない人が多い。だから少しずつ、こつこつと読む練習をすることが大切だという話になった。
②「教員の大学院卒比率を増やせ」については、私が埼玉のシステムの話をした。教員の身分で1年間大学に研修に行くことができる。(長期研修)ただし、ほとんどの教員が現場に戻るのは数年で、教育委員会(管理職)に行ってしまう。管理職になるための第Ⅰ段階のようになっているのが現実。北原先生からは管理職をすべて院卒にすれば、もっと教科にも力をいれて入れるはずとおっしゃっていた。

4.S先生の実践に関する質疑応答
Sunshineの1年教科書を使ったS先生の実践報告とそれに北原先生が答える形で進んだ。board
workは最後の1人が終わるまで待つのは、しんどい。との悩みには、「全員が終わるまで必ずしも待たなくてもよい。隣のパートナーに教えてもらってもいい。
できない生徒のことも待ってあげているということが伝わればいい。」とのこと。私もそうしていきたい。

5.M先生の使ったテストをもとに、ブレイクアウトルームで話し。
私は、作成者のM先生とグループが同じになった。観点が変わり、どういう問題がいいのか迷っていたので、いい勉強の機会になった。もう少し時間があれば、もっとじっくり話が聞けたのにと思った。ぜひまた、北研でテストについて取り上げてほしい。

6.ジャレマガ
    ・1分間で読み、問いに答える。(アンダーラインを引く)
    ・そのあと、大切なところを確認していく。丁寧にやらない。不定詞の副詞的用法のところで、てこづった。さらに勉強をつづけていきたい。

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1 参加者の自己紹介、デジタル教科書の使用状況の報告

 皆様の学校におけるデジタル教科書の使用状況を共有していただき、多くの刺激をいただきました。
本校においては、管理職から「ICTの活用」を重点的に進めるよう、お達しが来ているものの、
授業におけるICTの利用は十分には進んでいないのが現状です。「デジタル教科書」の活用も私の知る限り
では積極的に映し出して使っているのは英語科のみとなっており、加えてその活用方法も今回の議論であった
ような「有効性」吟味されたものではないと感じております。

 当日も述べさせていただきましたとおり、本校におけるデジタル教科書の活用状況は、プロジェクターを活用して、
教科書の本文を映し出し、音読の際に活用する、といった程度に留まっております。生徒たちの現状は、学力が
低く、英文の解釈をさせるのに精一杯という状況です。それ故にデジタル教科書で映し出しながらも、英文を板書
して日本語の意味を書き加えるという、なんとも非効率的な授業を行なってしまっております。

 生徒たちは書き写す力も相当に低いため、パワーポイントでサッサと動かしてしまうと、ついていけません。
また板書で書かれたものの方が「書き写す」モチベーションとなっている印象も受けるので、上記のような英文解釈中心の授業になってしまっています。

デジタル教科書の活用法と高校授業の進め方について、この夏再考することを決意いたしました。

2 教職員の大学院進学について

ブレイクアウトルームにて、特に現場経験を積んでから、何の学びが必要なのかを明確に把握してから。入学するなら効果的ではないか。
というご意見を聞くことができました。私もこの意見には同意いたします。

恥ずかしながら、私は大学院に進学した身ではありますが、現場を知ってから、改めて学びたいことが浮かんできたのも正直なところでございます。
どのような学習が生徒にとって有効なのか、学術的に、体系的に整理することは現場に出てから行うことは時間的にも困難ではあります。
先生にとっての学び直しの機会を得ることで、より広い視野を持ち、教育に携わることのできるようになると考えております。

3 その他

今回、北研に初めて参加させていただいて、驚いたのが、「生徒一人一端末」を多くの中学校で既に実現済、であり、授業の要として多くの先生方がフル活用しておられたことです。
前述いたしましたとおり、本校でのICT利用は非常に遅れており、生徒一人一端末の実現も数年先になるのではないか、と感じております。(最近、ようやく、生徒の持っているデバイスを利用させるBYODの推奨が通達されましたが、、、、
授業中のスマホ利用ルールと関わるので、それも現場レベルで進むかは怪しいところです)

もし仮に、中学校でクロームブックの活用による授業に慣れた生徒が、本校に進学したら、、、失望してしまうのではないかと今から危惧しています。

しかしながら、ICT利用はこれからの教育には不可避であるので、今の段階でもできることを探りつつ、勉強を続ける所存です。

引き続きよろしくお願いいたします。

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I will use this report to share some of the things I learned and found
interesting.

During the time in the Breakout room, I worked with Mr. Y. He and I
brainstormed some solutions for teaching the exam questions that required
translation of simple sentences. One idea was to practice dialogues with
native speakers. During my time at T, I helped one teacher evaluate
their students speaking and translation skills. Students were given a card
with a simple sentence written in Japanese, similar to those on the Kitaken
Exam.
Example:「朝食は何を食べましたか?」

Then, students were tasked to speak it in English to the native speaker for
fluency and accuracy.

Alternatively, if native speakers are rare and not easily available,
students could practice translating a set of simple sentences by hand in
classroom.

I look forward to next months meeting. I am always learning new insights
from working with experienced teachers.

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1 自己紹介&「デジタル教科書を使っているか?」のお題で参加者13名(千葉、埼玉、神奈川、東京、長野、熊本、兵庫の先生方)
 が勤務校の様子を話してくれました。学校のITC教育の名の元、「投影はやれ」などと荒っぽいことを管理職から言われているという
 方や、紙のPicture Cardは使わなくなり、電子教科書のPictureを使うようになってから、教室へ運ぶ荷物が少なくなり楽になった。
 という方、新出語彙の指導では、デジタル教科書はリズムが悪いということがわかったと報告してくれた方など様々な体験談を
 ありがとうございました。私は、デジタル教科書を使う場面は北原メソッドのBパターンの時の、生徒が「一度読み」をした後に
 本当の音に触れさせるところとしてデジタル教科書の本文の場面を使っています。絵と、セリフが同時に出るところを見せながら
 聞かせて、その後口慣らしは、自分の後にリピート。ジェスチャーでの意味理解の後に、デジタル教科書のスピードで練習できる
 くらいになってからまた、デジタルに戻るといった使い方です。また、使用しているNEW HORIZENは、右ページに、内容についての
 T&F問題や、リテリングの元になる穴埋めの練習問題があるので、デジタル教科書のそのページを見せながら、一緒に答え合わせを
 していくのに使っています。これは、黒板に教師が書く必要がなくなるので、デジタルは利用価値あるかなと思います。
 語彙指導に関しては、やはり本物の紙のカードを使うのに勝るものはないと思っています。初任者の頃に、自分でパワーポイントで
 新出単語をアニメーション派手に作って見せていたところ、最初だけで、すぐに生徒は飽きてしまう経験をしていたので、デジタル教科書の新出語彙のところは始めから使おうとも思っていませんでした。先生がクラスの皆の前に立って、(私は背が低いので、台の上に乗ってますが)一枚一枚、流れるようにフラッシュカードを見せるのが一番ですね。自然に生徒は集中していきます。

2 「デジタル教科書」は子どもの学力を下げる?先行する韓国では「学習効果なし」
  デイリー新潮2021年6月3日号掲載(6月5日配信)の記事を北原先生が解説してくださいました。
 印象に残った箇所を列挙します。
 ・ICT教育は視覚情報量が多すぎて情報量が少ない髪を読む場合に比べて、深く考えることが難しいと考えられる。
 ・ワーキングメモリーには限界があり、をれを拡張する方法は知られていない。
 ・静止画像と動画では静止画像の方が圧倒的に情報量が小さい。動画よりも写真、さらには単純化した絵を見せた方がワーキング
  メモリーの消費を少なくすることができる。
 ・動画を見ている間はワーキングメモリーをほぼ使い切ってしまい、思考を巡らす余裕がなくなってしまう。

3 「聞く、話す」偏重?読解は今のままでいい?文法も同様?否定されがちだが、「本当は強い」日本の英語教育「話す、聞く」
 ばかりに目を向けていいのか     7月7日(水)配信 東洋経済 ON LINE
 英語学者・北村一真 新著『英語の読み方』
 ブレークアウトルームで話し合いました。
  私自身の経験談を話させていただきましたが、日本の会社とアメリカの会社で貿易実務に携わった時(14、5年前まで)に使っていたのは、e-mailでのやり取りがほとんど。国際電話など滅多にする必要がなかった。朝出社すると、海外からのメールが少なくとも50本くらいあり、それを優劣つけながら読み進めて、回答を送る。この「読む」「書く」能力を一番使っていた。千葉の河瀬先生からは、大学院で勉強していた時に、ディスカッションがたくさんあったが、その準備をする段階で様々な研究書、論文を読まなければならなかった、その知識の上でディスカションがある。とお聞きしました。もちろん、ビジネスで使う英語と論文などでは大きなレベルの違いはありますが。実際社会では早く読み、早く回答することが求められています。
河瀬先生のレポートにありましたが、英語の授業ではもっと「聞く、話す」活動をさせて理解の能力と、発信の能力が高められてから
このような議論がなされるべきだと全く同感です。

4 S先生から北研MLに投稿された内容に関する質疑応答
  大変丁寧に北原先生からご指導いただきました。
  コロナ禍で大変だけれども、1年生の発音指導は、「手鏡を持って来させてそっとマスクを外して自分の口を見る」ことの
 大切さを再認識させられました。新しいSunshineの教科書は進め方も大変なようで、何かとわかりにくく、授業の進行に悩まれたのだ
 ということがわかり、教科書会社が変わった勤務校でも苦労は同じだなと感じました。

5 新学習指導要領に即した定期テストの作り方・・・2021年度2年生1学期中間テスト
  実は、テスト作りで大変苦労した今年度の1学期でした。そこで、6月に北研の数名の先生方と話す機会があったのですが、
 その時には、自分が提供した試験問題についてじっくり、またみなさんとは気心の知れた仲間なので大変厳しい、ご指摘、ご指導を
 いただいたのでした。ただ今回の「北研例会」への資料提供では、十分な時間もなく、ただ「持ってかれた〜」という気持ちが大きかったです。私の弁明する出番もなく、ただ「ダメな試験問題」で皆さんに読まれてしまったとしたら、大変残念でした。
まだまだ、試験問題は勉強途上ですので、ぜひ次回はもっと時間を多くとって北原先生にご指導いただきたいです。

今回も、オンラインで、オンラインのデメリットも感じながら例会に参加させていただきました。勉強熱心な北研の皆さまから
いつも多くのことを学び、モチベーションを高めて頂いています。本当に感謝です。

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(1)参加者の自己紹介とデジタル教科書の使い方について  みなさん苦慮しながらも、少しでも効果的にデジタル教科書を活用 するように工夫されている様子がうかがえました。  私は、「Scenesのところを音声を消して、最初にどんな会話をしているのか を予想させる」と報告しましたが、「時間がかかってしまう」という指摘も ありました。また、デジタル教科書の学習効果についても「効果がない」と いう結果が出ていることを聞き、なんとなく使用しながら私自身もアニメーション を見せながら、生徒の想像力が養われないのではないか、という疑問を感じていた のもあったので、とても納得できました。 これからまた、使用方法については考えていこうと思います。
(2)デジタル教科書① 「デジタル教科書」は子どもの学力を下げる?先行する韓国では「効果なし」 6/5(土)デイリー新潮「週刊新潮」2021年6月3日号掲載  以下は、私にとって特に参考になったこと、なるほどと思ったことです。 ①ICT教育は生徒の興味を引く効果はあっても、学習効果としては表れていない  ・現在、本校でも一人1台iPadが配られ、「文房具のように」使うことを勧め   られていますが、全員で使うことがなかなか難しい、説明に時間がかかり、   英語の授業の中で本来やるべきことの時間が割かれる・・・など、疑問に思う   ことが多い現状です。それでも生徒が使用方法に慣れてくれば・・・と思い   色々試しながらやってきた3ヶ月半でしたが、この記事を読み、妙に納得   しました。 ②ICT教育は視覚情報が多過ぎて、情報量が少ない紙を読む場合に比べて深く  考えることが難しい ③動画よりも写真、単純化した絵を見せたほうが、ワーキングメモリの消費を少なく  することができる  ・②③については、アニメーションを見せる場合、生徒には耳で会話を聞いて   その内容を理解してほしいと思っているのに、生徒はアニメーションにばかり   意識がいき、「聞いて理解」しているのではなく、「見て理解している」と   感じていました。そこで、考えついたのが、「音声を消してアニメーションを   見させる」でした。途中、途中停止して、登場人物の顔が変わったり、場面が   変わったりしたときに「ここで何を言っているのか」「なぜこんな表情   をしているのか」「どこにいるのか」などを考えさせたりしています。   そして、その後に会話を聞かせるようにしています。   それでも私はアニメーションを使用していたので、まだまだ情報量が多いと   いうことになるんだ、と学ぶことができました。   9月以降は制止画を用意してやろうと思います。 ④復習には(動画は)相当の時間がかかる。ノートを見返す場合は、コンパクトに  まとまっているので、短い時間で復習でき、何より主体的に考えることが可能  ・昨年度、復習用の動画を自分で作成していた際に、作る側にとってもですが、   見る側の生徒にとってもあまり長いものは「時間がかかる」ため、好まない   だろう・・・と私も感じていました。だから、自分で作っていたときは復習は5分   以内と思って作っていました。 ⑤「考えなくても入ってくる」わかりやすさを持つデジタル教材の導入は、必ずしも  教育効果を高めてくれるわけではない  ・「考えなくても入ってくる」という点に本当に同感です。想像力が育たない、   生徒は考えることをしなくなってしまうのでは・・・という懸念は私も感じていま   した。だからこそ、私たち教師が使い方、また生徒への使わせ方を考えて指導   していかなくては・・・と思います。

(3)デジタル教科書②    コロナ禍で進む「GIGAスクール構想」デジタル教科書への期待と懸念 ●東京学芸大附属小金井小学校の事例より  課題は、国語の授業でエッセイについて最終段落の感想をまとめること。  これに対し生徒はそれぞれの「作品」が完成すると、茶津とやコラボレー  ションアプリTeamsに投稿。それに対して他の生徒がコメントを付け始めた。  ・・・というものだが、教室内は静かだが、オンライン上のチャットルームで交流が  活発に繰り広げられている。  デジタル化で文字数が増えたということだが、確かに手書きするよりも文章を  書いたり訂正したりするのが楽なので、これは良いことだと思います。しかし、  チャットは同じ教室内にいるのに、オンライン上でする必要はあるのか、という  疑問も湧きました。  「紙とデジタルを交互に使う」ことが大切なのだと思いました。  また、一斉授業で見せたり聞かせたりする音声や動画は、生徒一人一人が自由に  各自のタブレットで使用することができることで、1回聞く生徒、分からない  ところをもう一度聞く生徒など、は個別最適化していて、確かに効果があるように  思います。 ●紙の教科書の優位性  デジタル化で失われる情報がさまざまある。例えば空間的な情報。  また、脳の学習効果を高めるには、紙とペンを用いたほうがよい。  紙とデジタル教科書で学習効果にどんな違いがあるのか、成績が上がるのか、  まだ明らかでない。それぞれの長所と短所を見極めることが大切。

(4)「聞く、話す」偏重?読解は今のままでいい?文法も同様?  否定されがちだが「本当は強い」日本の英語教育 「半明日、聞く」ばかりに  目を向けていいのか 7/7東洋経済ONLINE  英語学者北村一真氏の記事について、3人のグループで話し合いました。  私は、慌てて読んだためあまり内容を理解しておらず、この方の言いたいことが  いまいち分かっていませんでした。というのも、「4技能をバランスよくという  学習指針を否定するつもりはないが、この傾向が続くと読み区事や書くこと、  ひいてはその基礎となる英文法の学習を軽視することに結びつくとすれば、  それは日本人の英語を読む力、書く力を崩壊させてしまう」という主張でしたが、  そうなの???という感じでした。  読むことばかりを鍛えても、文法をしっかり身につけたとしても、聞いたり  話したり、書いたりすることはできるようにはならないのでは?というのが  私の意見でした。また、どこまでいけば「読める」ようになったと判断できるのか、  も正直わからない。  だからこそ、聞く、話す、読む、書くの4つを用いて、あの手この手で学習内容  を繰り返し繰り返し学ぶ北原メソッドは効果が出るのだと改めて思いました。  私は6月の例会は不参加だったので、グループ討議をするのは始めてで、最初は  戸惑ってしまいましたが、とても新鮮でした。オンライン上でも通常の例会に参加  しているようでした。

(5)教員の大学院卒比率を増やせ  これについては、私は大賛成です。私自身、大学ではろくに勉強をしなかったと  思っています。教員志望ではあったけれども、大学での学びはあくまで「学生」  として受け身で受けていたのだと、今思います。しかし、いざ教壇に立ってみて、  もっと学べばよかった、という反省の多いこと。また、「このことについて学び  たい」という気持ちも今はありますが、大学生の頃は正直ありませんでした。  だからこそ、教員になってから、大学院等で学ぶ機会が得られるのであれば、  それはとても有り難いことだと思います。

(6)1年生の授業に関する質疑応答  S先生のおかげで、私も1年生を教えているので、とても参考になりました。  それと同時に、S先生がいかに計画的に、徹底して北原メソッドでご指導されて  いる様子がうかがえ、刺激になりました。

(7)新学習指導要領に即した定期テストの作り方①  これも、本当に有り難いテーマでした。今回のテスト作成に私自身とても悩み  ながら作成しました。  しかし、家にはプリンタがないため、学校で印刷しようと思い、メールを学校でも  見られるメールアドレスへ転送したつもりが、なぜかテスト問題ではないデータが  添付されていて、手元にないままグループ討議になってしまい、S先生には  ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。

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◯自己紹介
◯デジタル教科書
◯S先生の「1年生の授業に関する質疑応答」
◯新学習指導要領に即したテストの作り方(ブレイクアウトルーム)
◯ジャレマガ

◯自己紹介 ここではデジタル教科書使用について話しました。
だいたいの学校では、昨年度に生徒一人一人にパソコンが配布されているようです。ただし、まだまだ実用レベルには至っていないようです。

◯デジタル教科書
ICT教育は、視聴覚情報が多過ぎて、情報量が少ない紙に比べて、深く考えることが難しい。ワーキングメモリーには限界があり、したがってそれを消費しないことが重要である。情報を整理して、生徒にも必要最小限の情報を提示することによって思考させることが大事である。動画よりも写真。写真は単純化したもの。

◯S先生の「1年生の授業に関する質疑応答」
basic dialogueは絶対にやるべきだと指摘があった。私も現生徒と2年生からやっていますが、生徒もペアで一生懸命に頑張っており、ディベートにもつながると思う。
また、1年生は、手鏡を家から持ってきて、マスクをずらして発音を確認できるという視点をいただいた。
北原メソッドは、50分間の授業で色々な活動が仕組まれています。先日の「奇跡体験アンビリーバボー」の女子大学生(ハーバード大学首席卒業)も、1時間の中で、5分間程度の活動を繰り返すことによって、全て全力で活動をすることができると言っていました。その点については、前勤務校の教頭と何度も戦いました。教頭は、「先生の授業はブツブツ途切れている。1つの活動を20〜30分間した方が良い」と言われましたが、そっちの方が生徒にとってはキツいと思いました。生徒が主体的に意欲を持って行動することの方が何倍も大事です。

◯M先生の作ったテストを使い、ブレイクアウトルームで話し合い。
私は、H先生と同じグループだった。この問題はどういう観点が適切なのか等について話が弾みました。観点については、またみんなで考えていきたいと思いました。改善前よりも改善後の方が完成度は高いかなと思いました。

◯ジャレマガ
  1分間で読み、アンダーラインで答える。進め方は、だいたい北原先生と同じであるが、私の場合、1学期は丁寧にやりすぎたと感じました。もっと丁寧にやらないことも大事であると改めて気付かされました。これまでは、「間違い直し」だったが、今回は「不要な語を見つける問題」で斬新だなと思いました。

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1️⃣  参加者全員の自己紹介とデジタル教科書使用についての意見発表

 2通りのデジタル教科書の使い方
  ① スクリーンに映し出す
  ② 生徒のタブレットに送って使う

 ほとんどの学校は電子黒板などに映し出して使うとおっしゃっていました。

  ☆ どこを読んでいるか見ながら読めるのが利点。でも、余計な指示を出さないといけなくなってテンポが悪くなるのではないかというご意見もありました。特別支援学級の生徒などはタブレットを使うと取り掛かりやすく、タイピングするほうが書くより楽だというメリットがあるという意見も。また、音読には向かない。先生やCDなどで生徒の進度にあわせてかげんができる方がよい。デジタルでそこまで対応できない。机の上にタブレットを置くのはそれでなくても机が狭いのに生徒が大変。タブレットをなかなかしまわず、指示を聞かずに注意がそれてしまうなど、課題がいろいろあるという意見も。scenesのところを音声を消してアニメーションを見せて、どんなことを話しているか想像させてから、意見を出させてから音声を確認している先生も。(アニメーションで先に見せてしまうと、暗唱の時に同じようなジェスチャーしかしないのでおもしろくない。)

  ☆ 私の学校では、生徒一人一人にデジタル教科書を使えるようにするにはまた別にお金がかかるのでできないといわれ、電子黒板に映し出すだけです。ピクチャーカードはあの大きなものを教室まで持って行ったりしなくてよくなったので、そこはいいと思います。ただ、やはり皆さんおっしゃっていますように、単語指導にはフラッシュカードの方がぜったいにいいと思います。まだ使いこなせていませんので、もっといい面が出てくるかもしれませんが。

2️⃣ デジタル教科書

 「デジタル教科書」は子どもの学力を下げる?  

    コロナ禍に乗じて進められる「デジタル教科書」の導入だが、安易な使用は子どもの学力に深刻な影響を及ぼすという。
  ICT教育には生徒の興味を引く効果はあっても、学習効果としては表れていない。効果が認められる場合でも、検証できた範囲では学力下位層に限られる。
  人間の思考は、与えられた情報を頭の中で短期記憶として並べ、それを処理することで成り立っている。それをワーキングメモリーというが、それには限界があり、情報をコンパクトにしてワーキングメモリーをあまり消費しないようにしないといけない。動画よりも写真を、さらには単純化した絵を見せた方が、ワーキングメモリーの消費を少なくすることができる。動画を見ている間はワーキングメモリーをほぼ使い切ってしまい、思考を巡らす余裕がなくなってしまう。こうして、今の子どもたちには基礎的な読解力、論理的思考力が不足してしまう。教育効果を上げるには子どもたちが接する情報を極小化するのが有効と思われる。

3️⃣ 読解は今のままでいい?

  ブレイクアウトルームで話し合いました。ご一緒したM先生の体験から。以前貿易事務にたずさわってらした時は、海外とのやりとりはe-mailで、「読む」「書く」の能力を一番使っていらした。また、河瀬先生も大学院の時、さまざまな論文を大量に読むために「読む」力が必要だったとおっしゃっていました。

4️⃣ 1年生の授業に関する質疑応答

  S先生の授業をされての振り返りと質問に対する北原先生の答え

  ☆ フラッシュカード指導でのスペルを言わせる活動はやめた方がいい。スペルは書けるようになればいいので、言わせなくてよい。

  ☆ scenes check は、時間がなくても、次の時間になっても必ずやったほうがよい。北原先生も10分タイマーをかけても誰もおわらないという時もある。でも必ずやる。

  ☆ 男女の平均点が20点ある これはふつう。あとから伸びるので大丈夫。

  ☆ 生徒が自分の口を確認できない。
1年生は必ず手鏡を持って来させる。それで発音練習していた。マスクをずらして舌の位置を確認するぐらいはできる。

5️⃣ じゃれマガ

  It was cheap and easy to drive.
この不定詞は何用法?

  Thanks to Ford, the car has become part of everyone’s life.
現在完了のどれ?

今回もたくさん学ばせていただきました。デジタル教科書のことは、すごく関心のあることですので、本当に勉強になります。また、懇親会では楽しい話題や、興味深いお話しなど、とても有意義な時間で、いつも充実感いっぱいです。また来月もオンラインをして下さるということで、うれしいです。ありがとうございます。
来月もよろしくお願い致します。

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1週間前の例会、改めてふりかえり、なんかタイムリー。

思考する力、想像する力、目指す姿に向けて費やすこと、やっぱりそれは義務教育の時期に培うのが責任だと思うのです。

デジタルとアナログ、四技能と文法・語彙、人間の能力、そして、個人にできること。

毎日もがいている個人(私を含め)にできることは…できることをやっていくしかないと思うし、そこに仲間が必要だと思います。

評価では、皆さん苦労されているようです。

指導の現場の乖離でしょうか。こういう指導だからこう測り、次の指導に活かす、が、同じ学校でもほかの方には理解不能と思いまね。

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