北研 第146回 北研復活26回 9月9日(土)例会報告
0.北原先生の最近あったちょっと心温まる話
・1年生のなかなか「そのまんまスキット」が合格できないペア(女子の方ができない)が放課後職員室前で「そのまんまスキット」に挑戦していると、2年生の男女ペアが通りかかる。その男女ペアも1年生のときになかなか合格できなかったペア。試しに1年生が挑戦しているベーシックダイアログをやってみるとスラスラとできる。1年生ペアに「私たちも苦労したけど必ずできるようになるから安心していいよ」とアドバイス。
1 教師の英語力⑤
10文よりエラーを見つけて訂正する。from Practical English Usage, 4th Edition (written by Michael Swan)
‘‘Practical English Usage-Fourth Edition’‘より間違い探し10題が出題されました。( )内は答え。
1.There’s an Irish In the house next door.(Irishman)
2.I have a lot of american friends. (American)
3.We can say `one half` as `nought comma five`. (zero point five)
4.I waited for him for one and a half hour. (one and a half hours)
5.A third of the students is from Abroad. (One third)
6.King Henry Eight was born in 1491. (Eighth)
7.I want to live for hundred years. (a hundred years)
8.I paid three thousand, a hundred pounds for the car. (three thousand and )
9.Sorry, I have no change – only a twenty-pounds note. (twenty-pound note)
- ‘How old are you?’ ‘I’m thirty years’. (years old)
・英語教師なのだから全問正解で当たりまえ、北原先生は全問正解と言うことでした。こういった文法問題を時々はやってプラクティカルな実践力を日頃から養っておくことが重要だなと思いました。
・私は、かなり前に購入したsecond editionを使用していたが、ずさんな学習をしていたのだと猛省した。北原先生のおっしゃる通り、「英語教師なら満点とってあたりまえ」になるため、新たに購入し読破していきたい。
・普段、高校生のエッセイの添削などをしている際に細心の注意を払っていますが、時折参考書で確認したり、ネイティブチェックを受けながらやっています。今回のように、何もない状態でも全問正解できるよう、より一層努力しないといけないと思いました。そしてこの本も、以前から良書だと知ってはいましたが、手にはいれていませんでした。急いで購入して、勉強しようと思います。
・この問題を解きながら「勉強不足」という現実を突きつけられました。教師の英語力⑤で解いた問題はどれも超難しいものではなく、「とにかく自分が勉強を怠っていたためにできなかった」という事実が私の前にありました。生徒に学ばせたいのであれば、自分が学ばなくてはどうする。さっそく、翌日にPractical English Usageを注文し、NHKの英会話講座を使ったシャドーイングを再開しました。教師になってから忙しいと自分に言い訳して、やってこなかった基礎練です。自分の甘い考えをたたき直して、学びなおしていきます。
・北原先生イチ押しの、マイケル・スワン Practical English Usage- Fourth Edition(2016 Oxford University Press)のオレンジ色の最初の問題から、10問の語法・語彙・文法の筆記テストに挑戦しました。結果、北原先生以外、パーフェクトなしという残念な結果に。英語教師としては、生徒に教えながら自分自身の英語力も高め深めるのが仕事。もっと、正確な英語の語法、文法を勉強しなければ!と自戒しました。私も、7/10という残念な正解率。この本は英語の教師たるために必要な本と見ました。
・普段授業で用いることの多い表現は感覚的に覚えているものもあったが、あまり用いないものに関しては間違った表現に不自然さを感じなかった。例えば、0.5を表す言い方では、“naught”と書かれていたが、そのような表現もあるのかもしれないと思い込んでしまった。生徒の語彙力を伸ばすためには、まず自らの語彙力を伸ばす必要があると感じた。勉強不足です。
英語の歌⑤Something Stupid(竹内まりあ&大瀧詠一)
・Something Stupid(竹内まりあ&大瀧詠一)を英語の歌詞を見ずに聞き、その後、曲を聞かずに、文法力を含めた総合力を駆使して、リリックスの穴埋め問題をし、その後、最後に曲をもう一度聞き、内容を確認しました。英語のリスニングで難しいことは、英語が強弱アクセントであるために全ての音が聞こえない点、また、音と音がリンクして繋がって聞こえることにあります。ここを克服し英語リスニング能力を日頃から鍛えて置くことが教師にとって重要であるとのことでした。
・まずは歌詞を見ないで聞き、どんな曲なのか確認。(ほとんどわからず。)その後、英語の歌詞の穴埋めをし、次に和訳も見ながら穴埋め。最後にもう一度曲を聞き内容を確認。リンキングが非常に多く、大変聞きづらかったです。
・①聴いてみて歌の概要を伝えあう。私は全然分からなかった。(ここではリスニング能力はフル使用)②和訳の付いていない穴空きの歌詞カードに挑戦。私はこれも全然分からない(ここでは文法力をフル使用)③和訳の付いた歌詞カードで穴埋めに挑戦。私は7割くらい埋まる。④歌を聴きながら穴埋め。 私は8~9割くらい埋まる。⑤答え合わせ
・「70年代の歌は文になっている」から使いやすい。「楽しいことをやる。通勤ではいつも英語の歌を聞いている」今新しい歌を聞いて、歌詞を聞き取って書いて授業に使えるように準備されています。常に新しいことを楽しくやっておられるから、生徒達も興味が惹かれるし、楽しいのだと強く感じました。
・なんでこの歌を選んだか?聞き取るのがとても難しい。30年以上前にイギリスにいったとき。英語は何で難しいんだと先生に言われた。ドイツ語専攻だった。ドイツ語ははっきり言っていた。英語は強弱が多いし、息継ぎがほとんどないから難しい。手順))文字を見ないで音だけで何が歌われているか推測。となりと話し合う。→3分間日本語なしの歌詞のブランク(21個)に言葉を入れる。How many blanks did you fill in?→日本語付きの歌詞に言葉を入れる。How many words did you miss?→音を聞いて、歌詞に言葉を入れる。楽しんで英語を勉強するのが一番。好きな分野で勉強するのがいい。通勤する時間はすべて英語の歌。
2 1学期パフォーマンス映像(スピーチ・音読テスト)
・①f,v,th,r, l の発音を生徒が意識していることが、映像から伝わった。1年生の最初の時点で徹底して発音を指導し、合格できるまで何度も挑戦させていくことが大切だと分かった。小学校を卒業して中学校の英語を楽しみにしている生徒もいれば、初めから恐怖を覚えているような生徒もいるが、最初に発音で自信を持たせることがその後のすべてに大きく影響してくると感じた。②「1年生の夏休みの宿題は、書かせてはダメ」という先生の言葉が印象的だった。授業中に全員を確実に読めるようにしてあげるのが教師の役目。Cをとるような生徒を育てたらそれは教師の責任。音読を頑張ってもらうには、当然、音読をしてよかったと思える環境をしっかりと整えてあげないといけない。振り返る良い機会となった。
・英語らしい発音とスピーチのパフォーマンスがどの子も素晴らしかったです。評価において、A+,A,B+のみで、B,Cは居ないとのことです。自分の学校でも、英語的な発音やリズムに注意して、学習しています。未だに、英語的な発音やリズムを表現するのが恥ずかしく積極的に練習できない子もいますが、出来るだけ北原先生のクラスの様に皆が切磋琢磨して自然に英語的な発声が出来るようにくり返し努力していこうと思います。
・自己紹介と、夏休み明け音読テストの映像を見ました。私も中一には夏休み中に音読の宿題も出していましたが、それをテストすることは考えていませんでした。ああ、予告しておけばよかった!と後悔しました。まだ音読テストは7月に一回しか行っていませんが、f v th l rとリンキングを中心に指導継続しています。夏休み中に生徒は頑張ったので、夏休み後の授業では、休み前より発音に気をつけている生徒が更に増えたなあ、と授業で感じています。
・(1)1年生スピーチ「自己紹介」7月4日。7月の段階のスピーチであるが、発音がきれい。隣に座っていたのが赤坂中の先生だったので、「発音」について尋ねる。「赤中生の発音は4月の最初に決まると感じる。一番最初の授業の一番最初のあいさつでI’m fine.のfの発音をチェックされるところから赤中の発音指導は始まる。」(2)1年生夏休み明け音読テスト。夏休みの宿題は1学期に習った課の音読を全て箱10個埋めてくること。現在赤中1年生は普通学級40人(男子34人、女子6人、特別支援学級5人の45人授業)あちらこちらでおしゃべりが始まるのでモグラ叩きのように注意している。よくある公立中学校の光景が想像できて、赤中が特別でないと知れて何か安心した。
・1年生スピーチ「自己紹介」「道案内をするときは外でやる。スピーチの時はマイクとその台を用意する。(Try to) Be authentic.」・1年生夏休み明け音読テスト、「1年の夏休みに書かせてはいけない。夏前にやった本文を10箱読ませる。日ごろから10箱やっている人は夏のHWはない。」7月に行った自己紹介スピーチから2カ月しか経っていないのですが、9月の夏休み明け音読テストで7月のテストより上手に教科書を音読している生徒が数人いて、夏休みの宿題の力を感じると共に、生徒の成長を感じ嬉しく思いました。
・☆北原先生は“I always try to be authentic”と言われます。authenticの語義をみなに問いました。「本物」であることが英語教育では大事、と言われました。スピーチなら、体育館から演題、マイクを持って来て生徒に発表させます。ここまで準備できる教師が日本にどのくらいいるでしょう。この準備周到は長先生に通じるものがあります。衣装、小道具、できるだけ本物に近づけて楽しいリアリティのある発表にしたいと思います。☆「世界で一番おもしろいのは、中1の男の子だ」わたしも同感です。中1の男の子はまだ幼く、純粋で、奇抜で楽しいです。女の子も、男の子も同じようにかわいいです。中1の最初から英語の学習規律や音声訓練を続けると、いい成長をするので、このところ中1を中心に担当しています。中2の男子もまだ幼くてかわいい盛りです。女子は少しお姉さんですが、はやりまだ純粋でかわいいです。この点において、北原先生と同じように感じたり、同じように生徒がかわいい、生徒が大好きなところが共通しているのが、うれしいなと思うところです。「生徒をかわいい、好きだ」と教師が感じると、生徒もその愛情を体で感じ、いい化学反応があるように思います。〇パフオーマンステストの評価を質問しました。「中1の自己紹介」評価ポイント:①発音、②内容、③演技(ノンバーバルな表情、ジェスチャー)この3つができたらAとする。「夏休み明けの中1の音読テスト」評価ポイント:①発音 f、v、th、l、r ②リンキング ③全体の強弱 1学期の評価のこの3つのポイントができたらAとする。⇒中1の発表は、「ゆっくり、はっきり、大きなジェスチャーで」「正確に発音する」発表でした。中1の最初から、北原クラスを意識して指導しているので、今の時点ではうちの生徒たちも、だいぶ北原studentsに近づけていると思いました。⇒ただし、夏休み明けの音読テストの映像を見ると、すでに帰国子女と見分けのつかないようなNative Akasakanの生徒さんがだいぶ目立って出てきています。この点では、もっと「音読」を大切に、音や発音に「センシティブ」な生徒に育てたいと思います。そのためには、自分自身が発音によりセンシティブでシビアになる必要があります。
・☆「1年の夏休みの課題は、1学期に習った範囲の箱読みを10にするだけ」「夏休みに音声をとぎらせたらだめ。ワークなんかで書かせない」とのこと。⇒うちの1年生も、夏休みは「音読カード」で、1年生の範囲の箱読み50回を課題にしています。最後2回ほど、おうちの方にも聞いていただいて、コメントをもらいます。今年、ほとんどの保護者がよくこどもの成長を見守ってくれて、たくさんコメントをくれました。「最初はつかえていたけど、読むうちにだんだんスラスラ読めるようになり、成長がうかがえました」「音読の課題は、子供の成長がわかるので、また出してほしいです」「つかえながらですが、よく取り組んでいました」などと書いて、サインを入れてくれました。ありがたいことです。「こどもたちの1ミリの成長、大きな努力の積み重ね」をぜひ、おうちの方と共有して、一緒に見守り隊になってほしいと思っています。ただし、わが校では、音読のほか、「自己紹介文(イラストつき)」を文化祭展示も兼ねて出し、ワークもやらせています。◎こうして力を入れたおかげで、夏休み明け、音読のスキルがあがっています。がんばった成果を、最初に音読テストではかれば、生徒のモチベーションはもっとあがると思いました。→◎夏休み音読のその後2学期になり、生徒はそれぞれ、1学期の目標の反省をもとに、2学期の英語学習の目標、学習方法を考えました。そのうちの多くが「たくさん音読する」と考えました。具体的な回数を書くように助言をしました。もう、1日10回以上はしないと、音読がうまくならない、テスト点も上がらないと思う生徒が多数でした。「具体的に1日に家で何回読むか考えてごらん」と伝えると、10回、15回、35回などの目標をたてました。今週はじめのことです。→生徒の音読の取り組みのようす、きのうの音読回数を授業で確認しました。3クラス中、最多は45回。次が40回、35回。20回~25回も多く、今日は最低が10回でした。全員立たせて、多い生徒から挙手をして回数を言わせてどんどん座らせます。10回程度だった生徒たちは、かなりあせっているようすでした。45回の生徒に、かかった時間を聞くと、1時間以上かけたようでした。「なんでそんなに読んだの?」と聞いたら、「塾があるから」と答えたのが、ちょっと残念でしたけど。」
・自己紹介をテーマに行ったスピーチだと思うが、生徒が、発した一言一言にジェスチャーをしながら表現をしていることにとても驚いた。また、生徒たち一人一人が楽しそうに発表している様子を見て、教師の伝え方次第でこんなにもスピーチが変わるのかと、驚いた。私も中1の指導を行っているが、生徒たちは「覚えて前で話す」ということだけに必死になり、恥ずかしがってあまりジェスチャーしょうとしないので、恥ずかしいという気持ちを払拭していけるような環境づくりをしていけるよう、普段からジェスチャーを交えて音読するよう、今後指導していきたい。また、夏休み明けのリーディングのテストも、生徒たちが夏休みに発音よくきれいに読めるよう練習してきたことが非常に感じられる映像だった。私の授業ではここまで生徒に意識づけられていないため、今後音読をもっと取り入れていこうと考えている。
・1 1年生スピーチ「自己紹介」評価→演技、発音、内容・ジェスチャーが大きい。・発表の舞台→演台(式典の時の壇上)とマイクもアナウンサーのようなもの。・照れ笑いをする生徒がいない・authentic→本物に近づける。本当に近い状況で生徒にやらせてあげる。演台を用意してあげる。これは教師の仕事。低い机なんてかわいそう。スピーチをするリアルなシチュエーションではない。道案内も道も外でやる。道具を用意したり環境を整えてあげる努力をすべき。・今年の中一の男子大変だった。教室に8列で、38人。(殆どが男子)北原先生とS先生でモグラたたきのように注意して、毎時間大変だった。2 1年生夏休み明け音読テスト。中一のいままでやった範囲をすべて音読。夏休みの宿題はこれだけ。日ごろから50回読んでいる人は宿題なし。中一の夏に書く宿題をしてはいけない。40日間音がなくなるのは怖いし、今の段階で書くことをやらせない方がいい。英語嫌いが生まれる。音読の評価の仕方。前回は日本語になる音(f,v,th,r,l語)、リンキング、イントネーションすべてが丸だとAになる。北原先生の中一の生徒で英語を読めない生徒は一人もいない。それを作ってしまったら教師の責任。英語を読むことは授業でやるからだ。
3 ペアワークを使った研修会の反響
・北原先生が大変な苦労をされて作ってくださった「スーパー・ペアワーク(正進社)」について、また活動が楽しいものならば、絶対に生徒は積極的に参加するはずだということ。例会でもやっていただけるとのことで、とても楽しみです。グループでは、皆さんがどのタイミングでペアワークをされているのかを話した。単元の終わりであるとか、言語材料を提示せずにやってみることで、既習表現を適切なタイミングで生徒が用いることができているかを把握することができるなど話した。
・ペアワーク開発の歴史について学び、ペアワークが日本的なメソッドであること、北原先生をはじめとする先生方の大変な研究を経て現在のペアワーク教材やメソッドがあることが分かり感銘を受けました。やらされるペアワークではなく、生徒が能動的に取り組んでいけるペアワークとはを日々考えて生徒が楽しんでやれる活動を心がけていきたいです。
・長先生のペアワークを知った1986年頃から、スーパーペアワーク開発にいたるまでの経緯および、夏に実施したELEC講習会の参加者の感想の紹介がありました。参加者のコメントで特に共感したのは、「ペアワークでは、スピードとリズム、時間、競争がキーワード」ということ。私は「スーパーペアワーク」は使用していませんが、上記を意識した活動にしたいと改めて思います。
・3月の北研アカデミーでスーパーペアワークを使ったワークショップが好評を得てからELECや北研長崎支部でもワークショップをやり大好評だった。ペアワークについてきちんと勉強している人が少ないので今後の北研でもスーパーペアワークのワークショップを開催予定。隣の先生から赤中のスーパーペアワークの取り組みを教えてもらいました。2回に1回は使っているくらいしょっちゅう使っている。文法の復習として主にBパターンの授業で使用。活動はスピーディーに行われるので10分かかるかどうかくらい。
・ELEC講習会参加者の感想の中で、私も共感した感想は「スピードとリズム、時間、競争がキーワード」でした。時間設定をし、教室の後ろからでも見えるキッチンタイマーを黒板に張り付けることで生徒たちは限られた時間で終わらせようとするのでとても盛り上がります。「だらだらやらない」が重要だと感じています。また「競争」というキーワードがあるように楽しく行えることも魅力の一つです。
・ペアワークをどのタイミングで入れているのかという点について話をしました。あたらしい学習事項の導入として行うのか、学習事項の発展をするために取り組むのか、学校や先生方によってタイミングが様々であることが分かりました。その中でauthenticという点においてペアワークの活動をより生活に結び付けることも大切だということも話題にのぼり、どのようなペアワークを行っているのか情報交換をすることができました。
・〇Active Learning の基礎となる。ペアワークの研修会でも反響が高い。〇ペアは学期始めに決めて英語の得意な生徒と得意でない生徒のペアにする。〇information gapなどのシートを作ればよいが、できているものを利用してもよい。
・先生たちは、ペアワークのやり方を習ったことがないのではないか?インフォメーションギャップを使ったペアワークを東京都の開発委員会で研究。メンバーも東京都開発委員会と研究員をやるべき。研究員は自分たちでテーマを決めて、みんなで研修発表する。開発委員会は東京都からテーマを与えられる。都内で十数人任命される。北原先生の時、スピーキングがテーマ。北原先生のチームはペアワーク。最後の研究発表でとても反響があった。1989年「英国に行った、そこでは日本のような決まった文法を使ったペアワークはなかった。しかし、アイディアは面白いのがたくさんあった。5ページ面白かったら、買うと決めて大量の本を買ってきた。どこの本屋行っても、2時間はいる。週末、紀伊国屋に行って朝からずっといる時期があった。店員にも怪しまれた。英検の助成論文を3回研究を行った。たくさん本を読んで研究して、できたのが「スーパーペアワーク(正進社)」という本。なぜ今ペアワークか?アクティブラーニングの基礎はまずはペア。授業が崩壊するから、やらない教師も多い。プリントを作るなら、必ず生徒にどうだったか、フィードバックを必ず聞く。
4 1学期にできるようになったこと & 5 1年1学期Can Doリスト調査結果
・北原学級では、学期最後の授業で面談をしっかり時間をとって「出来るようになったこと」を確認するほどこの時間を大切にしています。教師と生徒が一緒になって、何が出来るのか、何が出来ないのかを明確にして今後の学習に繋げていくことが重要であるとのことでした。2年生の「出来るようになったこと」の一覧を見て感じたのは、どの項目も非常に具体的であることです。生徒が自分の成長の状態を細かく観察できていることが伺えます。今後は、それぞれの項目を参考に、自分の学級でも生徒自身の振り返りの時間、教師自身の確認の時間を大切にしていきたいと思いました。 Can Do リストにおいては、それぞれの月の具体的な人数をあげ、データを分析されていました。こう言った詳細な分析を行って生徒の英語力の静態、動態の両方をしっかりと把握して授業に臨むことが教師には求められているのだとひしと感じました。
・生徒が1位に発音を挙げていた。自分で自分の成長に気づいて、自信を持って「できる」ようになったと言えていることに驚いた。このことにより、英語が「できる」から「楽しい」という生徒が増えるのだろうと思った。生徒の意見からは、宿題や家庭学習が定着していることがわかり、生徒が、自分のために、自分の英語力を高めたいがために「自発的に」勉強をしていることがうかがえた。
・生徒と共有することが大切。生徒が自分のできること、まだ足りていないことが可視化できるから。 4月当初に提示するだけでなく、9,12,3月と何回か調査をし、その結果を生徒と共有することで生徒も教師も何が足りていないかを把握することができるとわかった。
・2年生では1年時から取り組んできた発音の自動化ができてきていること、3年生ではさらにリーディングに注力していることが、ランキングトップにきていること、および生徒のコメント内容からうかがえました。生徒にできるようになってほしいと力をいれて指導したからこそ、生徒のアンケートでも「できるようになったこと」で上位にきている。アンケートを取り、目標に結果が伴っているか、定点観測していくことの重要性を再認識しました。
・北原先生は夏休みを使って生徒が書いた1学期の振り返りをまとめている。書かれている項目多い順にランキング化されている。ここで上位に上がってくるのは1学期の授業で先生が特に力を入れた活動にならなければおかしい。2年生の1学期は発音が1番に来ている。これは発音の完成を意味している。2位にはスピーキング、クイックQ&Aやそのまんまスキットなどのスピーキング重視の活動の成果である。またライティングノートに本格的に取り組んでいる成果か3位にはライティングがある。3年生の1位にはリーディングが来ている。これは読みトレとじゃれマガを始めた成果である。また、2位には文法が来ており、個々に不定詞の3つの用法の重要性を書いている生徒がおり、不定詞のマスターに1年かかるということが分かる。Can-Doリストを指導に役立たせる。Can-Doリストで100%に近い項目は力を入れて指導する必要がない。指導に強弱をつけられるようになる。県の研修で教科書の内容に沿ったCan-Doリストを作成したことがあるが、使いにくい。Can-Doリストは作ったら使わなければいけないが、北原メソッド式Can-Doリストは使いやすさも考慮されている。
・平成29年度1学期2年生1位発音2位スピーキング3位ライティング「教師が指導する上でその学期で一番力を入れたものが学期終わりに行うアンケート結果の上位に来ないといけない。」2年生は「th,fなどの発音を意識せずにできるようになった」という発音の自動化の意見が多くありました。スピーキングに関しては「Basic Dialogueが一回でできるようになった」という意見がありました。1位にあげられたのが発音であるように、Basic Dialogueでやり直しを受けるペアが少なってきたのは必然的だと感じます。平成29年度1学期3年生1位リーディング2位文法3位スピーキング1位にリーディングが挙げられています。帯活動にじゃれマガ、読みトレを毎回行っていて、多くの英文に触れさせている結果です。またこの2つの教材の中で不定詞や現在完了形が出てきた時に不定詞ならば名詞的用法、副詞的用法、形容詞的用法を、現在完了形ならば経験用法、完了用法、継続用法を必ず確認させています。これも2位に文法が挙げられている理由の1つだと思います。3位のスピーキングは、2学期からは日本文化紹介を導入しているので、このスピーキングの分野が2学期以降伸びてくるのではないでしょうか。1年生1学期Can-Doリスト調査結果、「当てはまる」「だいたい当てはまる」と思う項目に丸を付けるCan-Doリストで回答率が9割越えのところに網掛けをし、教師側が生徒の習得度を把握できるようにします。学期終わりに行うCan-Doリスト(4月9月12月3月実施)から生徒の回答数が少なかった項目も把握し、次の学期はそこに力を入れて行えば良いとのことです。
・☆「1学期のカウンセリングのときに、1学期にできるようになったことを書いてもらって、夏休みにまとめる」⇒合理的な方法です。私は週末の宿題にアンケートを出して、生徒に返って喜ばれました。夏休みに集計をしました(全クラスはできていないのですがある程度は)教師になった13年前からやっています。生徒の声はそのまま教師や指導法の成果、善し悪しを教えてくれるデータ、開けるのがちょっと緊張する「神の声」です。初任の頃からはじめたので、指導教官から「よくそんなこわいことできるな、自信がないとできないよな。でも大切なことだから、ずっと続けるといいよ」と言われ、自信があるときも、ないときも続けて、データをとりました。10年以上前のアンケートも残っている者もあります。生徒の作文などの作品やアンケートはファイリングしています。生徒の声と成績を一覧表にして、学校長に見せて共有することもあります。最近1,2年ほどのアンケートは、生徒の素直な喜びとか愛情とか、信頼関係が感じられるアンケートになり、ほっとしているところです。時に授業での失敗もありますが。
・1学期2年生
1位 発音 発音が「自動化」する傾向が見られる。
2位 スピーキング 発音とワーキングメモリーが広がった。
3位 ライティング 面白いスキットを考えられるようになった。
4位 音読 長い文をすらすら読めるようになった。
5位 辞書引き 引くのが速くなった。
6位 文法 文法の導入に速く答えられるようになった。
7位 つづりミス 文字をミスなく書けるようになった。
8位 間違い ベーシックダイアログを根気強く最後まであきらめずにできるようになった。
9位 内容理解 速く理解し、暗記できるようになった。
10位 語彙 単語・文が増えた。
特筆すべき内容・音読10箱分がつらくなくなった。・できないのは「ばか」なんじゃなくてやらないとできない。・人に英語を教えられるようになった。・和英辞典で引いたものは再度英和辞典を引くようにしています。
3年生「できるようになったこと」
1位 リーディング 読むスピードが速くなった。
2位 文法 英語の文体がしっかりしてきた。
2位 スピーキング 即興で絵や風景の内容を描写することができるようになった。
4位 語彙 知らないうちに単語をたくさん覚えていた。
5位 ライティング 長い文章を書く力がついてきた。
6位 辞書 速く引いて探せる能力が上がった。
6位 英検 3級に合格した。
6位 発音 自分の中では一番誇れるので皆に教えたい。
6位 リスニング 学校のテストはずっと全問正解でした。
10位 英語の歌 いつも聞いて英語に慣れた。
特筆すべき内容・授業をやっていることで受験にも備えられるし、海外に行った時にも役立つということはすごいことだと思う。・辞書を一発で引けるようになってきた。辞書を見ると知っている単語がとても多くなっていた。・発音を意識することで単語のつづりも覚えられるようになりました。・1年生と2年生の音読をまた10箱やった。・スピーキングテストでは今回は原稿を書かずにやることができた。
・(2年生)その学期に力を入れたことが一番に来なければおかしい。授業で一番力を入れたことは2位のスピーキング。時間内で終わるようになった人が多い。ワーキングメモリーが広がった、発音でひっかからなくなった。1位の発音は一番力を入れていないが、発音が完成した。リスニング、音読はもうできているから、伸びた票は少ない。北原先生が驚いた意見。・音読50回がつらくなくなった。(早くなったから)・できないのは「ばか」なんじゃなくてやらないとできない。自分で工夫して勉強している生徒→・和英で引いたものは必ず再度英和で引く。・良い人のまねをする
・(3年生)3年生は読むことを強化していくので、1位はリーディング。・スピーキングは即興を増やしていったので票が多い・語彙が増える・ライティングは2年生より増えている・辞書を一発で引けるようになることが増えた・発音からスペルがわかるようになる・不定詞、現在完了それぞれの用法が出てくるたびに、何番か毎回聞く。今でも間違える、一回授業でやったくらいでは全然できない。
・5 1年生1学期can-doリスト調査結果、4月の段階で、小学校英語のおかげでリスニングはよい。網掛しているところは教師が力を入れなくてもいい。データーを取ったら必ず、授業に生かす。北研のHPから無料でダウンロードできる。
その他
・Wednesday Lessonの映画の授業は、映画を最初から流して北原先生が指導したいと思った場面で止める。主にディクテーション。指導したい個所が多いとなかなか映画は進まず、会話が少ないアクションシーンだとしばらく見るだけが続く。1学期の間に1,2本分の映画を見るペース。1学期はBack to the Futureを見た。北原先生は事前に止める場面を決めておくなどの指導計画を立てているわけではなく、そのときそのときの判断で止められているらしいのでその指導技術はかなり高レベルだと思います。慣れていない私たちいは「スクリーンプレイ」などを買って事前に指導計画を立てておいた方がいいと思いました。
・Q歌の選曲について。ビートルズのような名曲かジャスティンビーバーのような最近の曲どちらを選ぼうか悩んでいる。どのように、選曲されていますか。
A昔の曲の方が使いやすい。文章にしっかりなっているので、勉強にもなる。新しい曲は内容が授業で扱えないものが多いので要注意。
・板書計画について
Q(現在完了の導入)現在から過去、進行形などを振り替えさせる際は、nowやyesterdayなどのキーワードがあるから日本語なしで生徒に伝えることが出来るが、現在完了に関しては、日本語を使わずどう生徒に伝えればいいか分からない。
A未来→現在進行形→完了のそれぞれのピクチャーを見せて文を描写するアイディアをいただきました。(目から鱗でした)
Q(関係代名詞の導入)
私が考えたものKen is a boy. And he has a dog.Ken is a boy (who) has a dog.このように2文をくっつけられるイメージを伝えようとしていました。
A北原先生から
教師はみんな間違いを犯す。まず、文からではなく、名詞を修飾するものだということを振り返らせる。
前置詞(a book on the desk)To +動詞の原形(something to drink)現在分詞、過去分詞を使ったもの(the man sitting on the chair/the temple built by Ashikaga Yoshimitsu)このように、関連したものをかたまりで復習させる。
・データーを取ることがつらいことがあった、北原先生もH先生もうまくいかないクラスは、データーを取るのがつらいと思ったことがある。そして、よく取れるね?と同僚に言われたこともある。北原先生のことを拒絶する生徒がいることを想像ができないが、初めからうまくいく人はいないのだという気持ちになり、少し安心しました。そして、そういったクラスでも必ず、お二人は避けることなくデーターを取り続け、授業の改善を図られたそうです。
・英語の歌、大声で歌わなくてもよい。声が出ないのがなんとなく盛り下がってる感じがするので、歌を使うことに抵抗があったのですが、このお言葉にホッとしました。英語の歌を無理して、歌うのではなく聞くなど触れること自体が大事という北原先生のお言葉が印象に残りました。
・スーパーペアワークの歴史、あの教材を作るのに、どれだけの資料を北原先生が読んだか知りました。
週末朝から何時間も紀伊国屋で立ち読みをすることや、イギリスでは何冊もの本を買って家に持ち帰ったことを知りました。その重みを知ると、とてもありがたい教材だなと感じました。
・☆「アクティブ・ラーニングは、根本はペアワークだよ」☆「Can do リストは、結果を生徒にアンケートをとって、いつ何ができるようになったのか、データをとらなきゃだめだよ。できてないことを授業でやればいいんだから。最初から全部作るのはすごい大変だから、北研ホームページからダウンロードできるし、サンシャインの裏にもあるから使える」⇒確かにCan doリスト、やり始めると膨大な作業なので、基本のものを作ったけれど、その結果を生徒にとっていませんでした。そこまでやれている英語教師、または英語科、学校はなかなかないのではないでしょうか。活用できる雛型、しかも北原先生のCan doリストの形があるのなら、ぜひ活用したいと思います。
・生徒たちが「できるようになった」ことを沢山書いている中から、1位発音スラスラ読める、th/v/fは見ただけで言える、 言葉と言葉をくっつけて言える2位スピーキング長い文を覚えられるようになってベーシックダイアログなどで時間内に終わることが多くなった。(ワーキングメモリーが増えている)3位ライティング自分で文を考えて前に習った文法や単語を使える