1月北研概要
0-1 本の紹介
0-2 50Things You Might Recognize if You’ve Been Teaching More Than 10Years
1 3年生3学期の授業
2 新年特別ロードショー「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」
0-1 本の紹介
・最近増えている発達障害の子供達を扱う際に考えさせられる2冊の本
(1)ケーキを切れない非行少年たち(宮口幸治著 新潮新書)
・少年院には認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じ。人口の10数パーセントいるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。
・児童精神科医である著者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」がたくさんいるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことが出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ…「刑務所しか居場所がない人たち 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話」山本譲司著(大月書店)という2冊の本を紹介していただきました。以前、「反省させると犯罪者になります」岡本茂樹(新潮社)を先輩の先生に借りて読み、考えさせられたことがありました。どちらも著者は非行少年たちの更生支援に携わっているようで、是非、読んでみたいと思いました。
・私もこの本は以前から気になっていたので、読んでいました。これを読むと勤務校の生徒たちに一刻も早くトレーニングをしてあげたいという気持ちになりました。学校で取り組みもはじめており、最終章で紹介されている認知機能トレーニングを今日の総合の時間に行うことができました。中には「先生難しいよ」と言ってくる生徒もいましたが、このトレーニングの効果を期待したいところです。
(2)刑務所しか居場所がない人たち〜学校では教えてくれない、障害と犯罪の話(山本譲司 大月書店)
・知的障害のある20代後半男性が賽銭箱から200円を盗んだため、執行猶予付き判決が確定。刑務所に入れられなかったので、大したことなかったと思い、執行猶予期間にさらに100円を盗んだ。そのため、実刑判決を受け、服役することに。彼の言い分は、亡くなった母親が昔、賽銭箱に1000円入れた時、「神様に預けているんだよ。困った時に、きっと助けてからね」と言われた言葉を信じているため。そのためまだ700円貸していると思っていて、悪いことをしたとは思っていないという状況。
・著者は元衆議院議員。詐欺容疑で逮捕、起訴。実刑判決を受け、服役。そのときの体験をもとに執筆。小学生くらいでも読みやすいようにふりがな付き。リアルで説得力があります。
(3)東京都のパフォーマンステストのための冊子
・名だたる人たちが作成をされたそうです。オーラルイントロダクションとはなにかなど基本的なことから実践のやり方などが書かれている。プリントのデータもCDでデータが入っているようです。
・北原先生が紹介された本より。褒める教育だけでは問題は解決しない、ということ。「この子は自尊感情が低い」という紋切り型フレーズ。ではどうすれば?認知機能トレーニングを1日5分やると劇的に変わる。教育現場で日々戦っている先生達へ、北原先生からのヒントを頂きました。
・北原先生が本屋さんで目にとまった、という本でした。どちらも目次や、内容の一部を紹介して頂きましたが、とてもつきつけられる内容でした。最近ニュースでよく目にする「ひきこもり」の問題や、考えられないような犯罪を犯してしまう人たちにも通じるものがあると思いました。彼らはどんな中学校時代を送ってきたんだろうと思うと、自分にも無関係には思えません。私が一番印象に残った言葉は「(犯罪を犯してしまう彼らは)冷たい社会から刑務所に避難してきたんだ。」という言葉です。冷たい「学校」になっていないか、もう一度自分の環境を見つめ直したいと思いました。
0-2 50 Things You Might Recognize if You’ve Been Teaching More Than 10 Years
・K先生が先日MLで紹介してくださったサイト<https://www.weareteachers.com/old-school-classroom/> です。説明文を読んでいくと、初任の頃や自分自身が小中学生の頃に「使ったな」「あったな」という物が多く、懐かしかったり、苦笑したり…。
・様々な教具等の英文で書かれた説明を読みました。短い英文で書かれていますが、結構読み応えもあり、また読みながら疑問詞“What …?”の導入で使えるのでは?など考えたりしておりました。
・私は分からない単語がたくさんありました。北原先生からは,英語力を付けるために,このようなものを読むといい,と話がありました。
・まずは一人で読み、その後ペアになって、知っているか確認をしました。メールでいただいたときはネット上で写真もあり理解をしやすかったのですが、説明文だけだと難易度が増しますが、rapid reading itemとしていいのでは?ということでした。
・MLに投稿された話題にちなんで、このトピックのもとネット上に紹介されていた様々な旧式?の学校教育アイテム(OHPやスライド映写機、テレビ用カート等)とそれについての短いユーモラスなコメント(英文)がレジュメに転載されている(全50アイテム!)。それを10分間で各自読み、自分はどれだけ知っているかをチェックし、隣同士で話し合い。「オヤジが威張れるまれなチャンス!」と北原先生。「50代の私のことだ!」とおもって一生懸命よみながらチェックしていると北原先生が「宇梶さんなら20番のやつ知っているでしょう」見ると「Slide Rules」というアイテム。???書かれているコメントは Before calculators, slide rules did
complicated math for youとあり、使ったことはないけど、聞いたことはある(見たことはかすかにあるかもしれない・・・)という程度でしたが「計算尺」という言葉が思い浮かび、促されて板書。合っていてほっとしました。隣にすわっておられた20代の先生は、ほとんどご存じなく、たしかに「オヤジ」として「威張れた」ひとときでした(笑)最後に北原先生より「難しいものでなくても、こういうものを読んで(教師は)自分の英語力を維持するといい」と。
・近藤先生が年末の北研MLに載せて下さったものです。MLには写真もあります。10分で読み自分が知っているものには○をつける。その後隣の先生とシェア。 私は、”Teaching more than ○○ years.(so much more than 10) なので知っているものが多かったです。「英語教師は、このようなものを読み、常に自分の英語力をbrush up していなければならない。」と北原先生がおっしゃっていました。T先生からは教師の英語力向上のプログラム(含む都教委主催)の報告がMLにありました。教える側も常に研鑽に努め、一生懸命勉強している生徒の気持ちになることは大切だと考えています。ところで、私は幼い頃にslide rulesを父の机の中に見つけ「大きくなったらこんなものを使うんだ。」と憧れのような気持ちを持った記憶があります。しかし、使わないまま現在に至りました。
・例えば、”Clapping the Erasers every few days, chalkboard erasers had to be “clapped” to get rid of the dust. This was a coveted classroom job, as students usually were sent outside or at least got to lean out the window in order to do it.” Laser Disc Players, Record Players Cassette Tape Recordersなど名前は知ってはいますが、もしかしたら目の前に並べられた時に識別はできないかもしれません(26歳)。Slide Rules(計算尺)というのは初めて知りました。北原先生に説明されても全く分かりませんでした(笑)北原先生「こういうものを読んで自分の英語力を維持するとよい。」
・こんなのあったなーと思うものがたくさんありましたが、今でも活躍しているものもありました。英英辞書を読んでいる感じで、記事を読むのが楽しかったです。北原先生に「教師の英語力を落とさないようにする努力が必要だよ」と言われました。
1 3年生3学期の授業
(1)北原先生の週案(2018)より
・12月17日から3月19日「教科書は最後まですべて扱う。生徒が高校に行ったときに参考書として使えるように。」教科書の最後、Let’s Readは1~2時間で扱い、You Tubeも使いながらSong 12~16まで、ほぼ毎回の授業で新しい曲を使う。教科書の「符号の使い方」「英語のしくみ」まで、「なめるように使う」。教科書が終わったのは1月10日。3年生には、文法毎にまとめられた『基本問題集』を年間スケジュール表と共に渡して計画的にやらせる。私立推薦入試などが始まると共に、過去問題に取り組む。標準問題からスタート。1月末に「語彙力王ランキングテスト①~③」、2月14日からは「難問」へ。1月~2月は、平行して文集作りをやり、2月の最終週にPC入力して完成。学年末テストで始まる3月、自己評価、文集製本、後輩に贈る勉強法、コンサルテーションに交えて、Mr. Beanの映画。3月の歌は以下の通り。Song 13 “Tears in Heaven” Song 14 “Goodbye, University” Song 15 “This Song for You”「懐かしの映像」として、1年生の時から撮りためたパフォーマンス動画。
・1月の初めで教科書が全部終了。最後の付録のところまで全部終わらせる。生徒が高校にいた時に参考書として使える。基本問題集(副教材)は例年進度表を渡して家での課題にするそうです。その後は、標準から難問レベルの全国の公立高校と私立高校の過去問を使われるそうです。都立入試後は文集作り、映画、懐かしの歌、映像などです。
・教科書は最後の読みものや付録的なページまで、しっかりなめるように授業で扱って、1月10日に教科書が終了したそうです。そして、そこからは入試対策と文集作り、テスト、アンケート、映画鑑賞、歌、懐かしの映像視聴…と中学校最後の授業に向かって楽しく終わる予定で計画がなされていました。
・実際に使っている3年生の週案です。だいたい12月中に使用している教科書が終わります。教科書が終わったら基本問題集をやります。1学期に購入し定期的に提出物として課します。提出範囲と提出日を最初の段階でリストして生徒に配布しておきます。1学期中間テストp.〇〇~p.〇〇、1学期期末テストp.〇〇~p.〇〇、夏休み明け初日p.〇〇~p.〇〇という感じに。残った範囲を教教科書が終わった段階で授業で扱います。
・他にやっていること:語彙力王ランキングテスト(1学期に告知している)、文集入力×3、Mind the Baby、Johnny English、文集製本、懐かしの映像(過去のパフォーマンステスト)など。
・赤坂中3年生2018の北原先生の週案を見せていただきました。この年は1月10日に教科書終了ですが例年はもっと早く12月中とのことです。教科書巻末の「符号の使い方、英語のしくみ」のページも最後まで「なめるように」学習する。生徒が高校に行ったときに参考書として使えるように。との配慮です。私は今、New Crown(三省堂)を使っています。巻末には、「1絵でわかる英語のしくみ」(文型の解説)「2日本語と英語の違い」(見方の違い⇒英語は部分から全体へ広がるように表現する、結論が先。発想の違い。など)が絵と共に解説されています。「会話表現」もあります。今までも授業でたまに使いましたが、3学期にもう一度通して確認することは意味があると理解しました。やってみます。また、北原先生は3年生には総合問題集のようなものを購入させ、定期的に(定期テストや長期休業のあとなど)点検しています。私もやってきました。生徒には好評です。そして、最後の英作文や、総仕上げ問題を赤坂中では授業で取り上げています。ここまでが1月16日に終了。
・3年生2018年度の週案がハンドアウトに転載されていて、北原先生が解説。「昨年度は教科書本文を終わらせたのが1月10日だった。遅いくらい。普通は2学期中に終わり、入試のための問題演習に入っていく。1学期から問題集をあらかじめ配布しておき範囲をきめて自分でやっておくようにつたえ、定期テスト毎にあつめてチェックする。その区切りごとにやってあるか確認をする。それであまったところをこの時期におこなうことにしている」Let’s Read More2、3、4なども週案にあり、本文だけでなくこういったページもちゃんと取り上げている。「こういうところはとばす人もいるが、私はなめるように教科書をやる。あとになってこういうところを参考書として活用できるように」と北原先生。1月半ば「カコモン標準」と題した授業内容が5回にわたりつづき、北は北海道から南は沖縄まで、(回を追うごとに北から南に移動してく)各県の入試問題からの抜粋を生徒に解かせていく。そのほか、週案には1月の残りから2月にかけて、語彙力王ランキングテスト、ひきつづきカコモン、文集の作成・そのPC入力。3月に入りMr. BeanやJohnny Englishなどの映画(都立一般入試が終わってから),そして「懐かしの映像」(HDに保存してある1年生のときの映像など)最後にコンサルテーションなどが並んでいる。
・2018のデータによると1月10日に教科書を終了している。しかも教科書は参考書として使えるように、読み飛ばしたりせずに最後まで扱っている。原則、Unitの合間の読み物やその他は1時間で終わらせている。教科書終了後に扱うのが、手作りの過去問である。全国の過去問を集め、言語材料ごとに分けて、張り付けてプリントを作る。手間を省くために問題文貼付は省略し、こんな問題だろうと想像しながら解くことになる。これを英語が得意な生徒にやってもらう。2月半ば以降は、文集作りにとりかかったり、皆が合格したらお楽しみの授業に入る。映画を見たり、これまで歌った曲をもう一度歌ったり、懐かしい映像を観る。
(2)過去問
①準備
・「20代の頃、当時は私学から過去問題が5年間分送られてきた。放課後に英語ができる生徒達に手伝ってもらって、それを文法別にハサミで切って、袋に入れて仕分けした。それを紙に糊で貼ると厚くなってごわごわになるが、生徒に配ると実際に出題されたというリアル感があって好評だった。」都道府県か学校名が書かれていて、問題指示は書かれて無く、「問題は書かれていませんので、各自で考えてください。」「標準問題(全員が必ずできなければならない問題)」「超超超簡単」など。「(最初に入力した時は)冬休みが全部つぶれるほど(大変だった)。」
・英語が出来る子に放課後手伝ってもらい、過去問を内容ごとにまとめてプリントにする。現在完了、関係代名詞など実際の問題を切り貼りするのでやけにリアル感が出る。超超簡単、標準問題(全員が必ず出来なければならない問題)レベルから中堅校、難関校、超難関校、超超超難関校までさまざまなレベルに対応。私立に受かっている子も都立が終わるまでは面白いことはやらない。
・「カコモン標準」は、かつては送られてきた各県や私立の入試・今は全国入試問題集などから、英語ができる生徒にたのんでハサミで切って文法項目別(現在進行形・受身形など)に用意された封筒のなかに入れて分類し、あとでそれをそのまま糊で台紙にはってつくるというてづくりのもの。「活字の大きさがそれぞれ違っていたりして、妙にリアル感があっていい」と北原先生。
②授業での取組み
・基礎問題は、できたら生徒に持ってこさせて、間違っていたらその部分に下線を引いて自分で考えさせる。ある程度の問題では、最初の生徒に○×をつけて、2人目以降は、その生徒の所に行って自己採点させる。「目で解くと間違える。コロケーションの印象が強いのに影響されるから。」作文問題では、採点する高校の先生の立場で考えさせる。英語力があっても、あまり否定的な内容ばかりだったり、“I don’t really understand you.” のように内容に対して論理的な答えになっていない答えを書く生徒を果たして欲しがるか?
・私立組は都立試験日には懐かしの映像を見せたり、映画を見たりする。赤坂中では北原先生もS先生も同じ内容、同じルールでやっている。発展コース、大問1が終わったら先生に持って来る。間違った問題の数字にだけチェックして具体的には間違った場所は教えない。答えは○をもらった生徒から教わる。基礎コースの子たちにはここが「間違ってるよ」と、丁寧に場所を教える。
・3年生受験直前語彙、文法問題集より:書いた後、読まないと文法ミスが起きやすい。英検問題だと1割落とす可能性あり、と生徒に言う。コロケーションで覚えている場合、ミスが起こりやすい。
・大問が解けたら先生にもってくる、その後はその生徒のところに生徒がもっていく。発展クラスは〇✖だけ、基礎クラスはどこが違うかだけを教える。問題を解いたら、見直しで音にしてみると間違いに気がつく。眼だけでやると間違いがある。例えば “There is a big store in front ( ) the park. the park”に目が行ってしまいtoを選ぶ生徒がいるが、音声で確認するとミスに気がつく。国際高校の問題は難しいように見えるが都立なので指導要領を超えたものはない。全問正解できませんでした。英語力で指導の幅が変わってくると思いました。
・教科書の後ろに載っている、符号の使い方や英語のしくみ、といった箇所も全て扱う→高校へ行った時に参考書がわりになる。3年生には基本問題集(文法項目ごとになっている問題集)を毎年買わせて、「定期テスト終了までに○ページまで」と最初に提示しておき、教科書が終わったらその問題集の最後の英作文、総仕上げ問題をやる。その後、北原先生が集めてこられた「カコモン標準①~⑥」(各都道府県や国立大付属校、私立難関校、都立独自問題校の問題)。大問一つできたら先生のところにもってくる。この時点での少人数は基礎・発展で分かれており、発展コースは○×のみで採点。基礎コースでは、どこが間違っているか教えてあげる。「目で解かない。解けたら、頭の中で音に戻しなさい」と指導されている。音に戻すと間違いに気づき、得点も英検で言うと1割違う。
・その基本問題集も終わったら(今回のレジュメには授業4回分「基本問題集」が書かれていました)過去問に入ります。各都道府県の入試問題から数問ずつ抜粋した問題集を解いていきます。大問1つ解き終わったら丸付け。2人目以降は1人目の生徒のところへ行って答え合わせ。発展クラスの場合は〇か×か、基礎クラスの場合はここが間違っていると伝えます。生徒への声掛けとして、北原先生「目で解くと間違えるよ、答えが出たら頭の中で音に戻すんだよ。」
③問題内容
・公立高校の問題は、難しくても学習指導要領の範囲内で出題されている。開成高校や灘高校の問題には「超超超難」、「*高校学習範囲」。
・英作文で問われること:Which do you like better, living in a big city or living in a small village, and why?答えにbetterを落としがち、自分が好きな方の良さだけ伝える。自分が選ばなかった方のマイナスなことは羅列、指摘しない方が人間性としていいのではないか?
・「Which do you like better, living in a big city or living in a small village? And why?」(福井県)を実際に解いてみました。
→”better”が必要。(問題で聞かれていることにきちんと答える)
→繰り返しは×(40語程度で、と指定されているから)
→”I like living in a big city. Small village has nothing”…と書いた生徒がいたが、内容的にどうなのでしょう…というお話がありました。
外国人の英語の先生に次のように言われたとき、あなたなら英語でなんと言いますか。まとまりのある英文5文以上書きなさい。(石川県)
“I think Japanese junior high school students should do more volunteer work.”
→”I don’t understand what you mean.”のように書いてきた生徒がいた(相手をいきなり否定するのはまずい)
→”Most of the students do volunteer work.”と書いた生徒もいた(”It is said”などの言葉が必要)
文法や語彙が正しく使われているかをチェックするのはもちろんですが、それ以上に内容に焦点を当ててチェックしなくてはいけないと思いました。自分の英語力ももっと必要…
・私が驚いたことは、入試対策の幅広さです。県立(都立)対策においては、北海道から沖縄までたくさんの都道府県の「標準問題」が網羅されていました。また、私立でも、文法ごとだったり、難易度別(超超超簡単~超超超難)だったりと、全ての生徒の受験パターンに応じることのできるプリントを作成されてあることです。時には冬休み全部、この作成にあてられたこともあったそうで、本当に北原先生の愛情深さを感じます。
・超超超簡単~超超超難関まで、いくつかみなさんで解いてみました。
ポイント
①目で解かない、必ず音で解く。→私も徹底したいです。
②自由英作文は文法的に正解でも、内容がネガティブなものは正解と しない。
(例)大都市と田舎と、どちらに住むのが好きか、という問題
I like living in a big city better, because small village has nothing.
私も生徒の英作文を添削をしていて、文法的に合っていても内容がどうか?と思うものがある時、「私が高校の先生なら満点はあげないよ」と言うことがありましたが、今後も自信を持ってそう言おうと思います。
・今回の参加者で英作文をやって、北原先生とALTの先生お二人に採点してもらいました。
自分が書いたのが次になります。
I like living in a big city better. It’s much easier to go to a store to buy something to eat because there are lots of them in a big city.
一か所ミスがあります。言われれば、あぁ~となりますが書いている時は意気揚々とライティングしていました。北原先生のミスに気付くスピードの速さに驚嘆しました。
・都道府県ごとの入試問題から抜粋されたものを解きます。大問ができたら、先生のところに持っていき、答えが合っていたらそれ以降の人が1番に○をもらった人のところへ行き答え合わせをします。英作文では、私のエラーをみなさんとシェアしました。その文が、It’s too expensive so can I see another one?北原先生は、記号ひとつのミスも見落としません!また、並べ替え問題では、問題を目で解かない。音で読み直しを!と言われていました。「答えが出たら音に戻す」です。
・この後は、全国の入試+私立入試の過去問から北原先生が選んだ問題をやっていく。県立高校から、都立国際、お茶の水女子大、筑波大付属、青山学院、開成、慶應、灘という難関校まで網羅され、その中でも良問が選ばれています。また、適語補充や、並び替え問題では、生徒に「目で解かない。音で解く」と指導されています。入試では声は出せませんが頭の中で読んでみる。違和感があるのは間違っているときである。この感覚は入学時からの音読の積み重ねで培っていると理解しています。記号問題を終えた者は後ろへ行き、生徒同士で答え合わせ。英作文は必ず教師が添削。間違いは共有する。友達の間違いから生徒は多くを学ぶ。ということで北原先生が添削して下さいました。私は、乱雑な字を書き直していたら時間切れになり、ALTのJeramiに見てもらったところaとtheの使い方、We can get much information in the city. ではなくてWe can get a lot of information in the city. だと指摘されました。難しいです。赤坂中では、このような過去問指導の途中で、過去に歌った英語の歌、語彙力王ランキングテスト①~③(例、-ful で終わる単語は?など)、文集作り(PC入力まで)があります。
・会話文の空所に適切な文を書き込むという問題は、この日参加されていたネイティブスピーカーのALTの先生お二人にもチェックをしていただくことに。以下、問題箇所の抜粋―Tシャツを買おうとするHiroshiと店員(The Sales Clerk)の会話。
The clerk: How about this one in green?
Hiroshi: Oh, this one is cool. And it’s my size, too. How much is it?
The clerk: It’s 3,000 yen.
Hiroshi: [ 2 ]
The clerk: OK. How about this one in the same size? It’s only 1,000 yen.
この空欄に「10語以上の英語をかきなさい。文の数はいくつでもよい」という設問。
北原先生からダメ出しがでた解答から2種が板書されました。
ひとつは
It’s a little expensive for me so can I see another one?×
→これはmeのあとに「,」を入れるべき。
もうひとつは
It’s a little expensive. Do you have cheaper one?×
→これはcheaper のまえにa が必要。
北原先生は、「目でやっているとこういうまちがいをおこす。音読(頭の中で)すると違和感があって気づくことができる。英検だとそれで1割は差がつく」と言われました。
以前から北原先生がよく言われる「音読を通して生徒の頭のなかに英語の世界をつくる」や「音に関してはできる子とできない子の差はない(または逆転することもある)」を思い出しました。
・都立国際高校の文法間違い箇所発見問題、つぎに福井県の英作文問題Which do you like better, living in a big city or living in a small village? And why? の問いに40語で答える英作文問題などに取り組む。私の隣の先生はこの英作文をすばやく終えて北原先生のところに行きましたが、×をもらって帰ってきました。a store という語がふくまれた文があり、つぎにつづく文のなかにそれをthemでうけている箇所がり、「単複が一致していない」と指摘されたと教えてくれて、「よく気がつくよなあー」と言っていました。この瞬時に間違いを発見する力も教師としての大事な能力だと感じるとともに、自分にはまだそれが十分ではない、と思いました。北原先生は、また、この英作文問題に関して、I like living in a big city better. と答えた英語がよくできる生徒が、理由としてA small village has nothing などといったネガティブな面ばかりを強調して書いたことに関して、「英語力があっても人間としてどうなんだろう」という問題提起をされていました。こういう面にまでわたって生徒の将来のことを考えておられることに学びたいと思います。。また、某都内超難関K高校の問題について、一つの大問中全8問のなかに高校範囲の文法項目が6か所もあることを北原先生は指摘。どういうものだろうか、と首をかしげておられました。(都中英検は私学に対して、入試の内容について「是正勧告」をだしたりするそうです)今回は以下の2点が、特に北原先生の授業について素晴らしいと感じ真似をしたい、とおもった点です。1) 2学期にほぼ教科書を終わらせ(しかも「なめるように」学習したうえで)3学期は、たっぷりとさまざまなレベルの入試カコモンに取り組ませて、入試の準備はもちろん、3年間の学習のまとめにつなげていくこと、2)そのために、念入りな準備を(それでいてなるべく手間のかからない方法で)準備をして生徒の力をさらに伸ばそうとすること。
・都立国際高校の過去問:4つの英文から、誤りを含むものを選ぶ形の設問で、指導要領の範囲を超えていませんが、文法・語法をしっかり理解できていないと正しく答えられない設問でした。現在担当している中学2年生の生徒で、父親がアメリカ人で英会話の先生をしている生徒から、2学期末に文法を学ぶにはどうしたらよいかと相談され、「TOEFLE,やTOEICの問題集などをやってみるとよい。」というアドバイスをしましたが、国際高校の問題であれば、より近い目標にもなるので、早速勧めてみました。もう少し経ってから、様子を聞いてみたいと思います。
2 新年特別ロードショー「ジョニー・イングリシュ アナログの逆襲」
・シリーズ最新2018を見ました。新春初笑いでした。その中でも、Do you have ~? ではなくて、Have you ~? というイギリス英語を指摘されました。
・「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」を30分ほど視聴。丘をのぼる道のカーチェイスシーンで時間切れ。(つづきは次回のお楽しみ)途中、授業デモの意味で、DVDプレイヤーの10秒戻りリピートの機能をつかって一か所セリフの書き取り。It is your job to keep an eye on the fuel gauge.あらためて、北原先生がMr. Bean(Rowan Atkinson)のファンであることと、その映画視聴の楽しみを生徒に知ってもらうことをまた、楽しんでおられることがわかりました。また、アナログな昔の教育機器の話題で始まった例会が、「アナログの逆襲」というサブタイトルの映画で終わるという工夫を「ちゃんと考えて」されていると、言われました。(このあとRowan Atkinsonのインタビューを見てみたくなり、検索したところYouTubeにいくつもありましたが、アメリカのLate Show でJohnny Englishについて冒頭で触れているものが見つかり楽しく視聴しました)
・イギリスのコメディ映画。ミスタービーンの俳優が面白いスパイとしての活躍を見せてくれます。北原先生がメールで教えてくださってから、DVDを借りようと思っていたので、このタイミングで見られるとは「やったー」と思いました。面白かったので、続きが早く見たくなりました。待ちきれないので手に入れようかと思います。
・実際の授業では,聞き取れそうなところで止めて,ディクテーションを行います。ところどころで北原先生の解説が入りました。この活動はとても力がつく活動だと,以前にもお話がありました。早く続きが見たいです。
・以前の北研でも鑑賞した「ジョニー・イングリッシュ」の最新作です。Mr. Beanなどノンバーバルのユーモアの印象が強くありますが、セリフも多く、もちろん内容も面白く、楽しんで英語を学べます。自分自身も以前、卒業期に「ジョニー・イングリッシュ」を授業で扱いました。英語が苦手な生徒も大笑いして楽しんでいました。
・ミスタービーンの映画を視聴しました。書き取りとして取り上げたフレーズはIt is your job to keep an eye on the fuel gauge.形としては、週一回行っている国際の授業と同じで、聞き取り、書き取りの時間を設けたり、日本にはない文化を紹介したりしています。
(北研に参加したALTのレポート①)
*50 Things You Might Recognize if You’ve Been Teaching More Than 10 Years*
Mr. Kitahara shared an article “50 Things You Might Recognize if You’ve Been Teaching More Than 10 Years” with us that listed different resources, technology, and moments those who have been teaching for over ten years likely have experienced.
I’ve only been teaching for five years now but I recognized many of the items as a student. In particular, I remember my teacher having #7: “Vis-a-Vis marker fingers” from all the writing she did on the transparencies she made for the overhead projector. Everyone loved the classroom job of being able to clean the projector and wipe away all that hard work off of the transparencies.
I also remember there was a time a small bug got stuck in the overhead projector during a geography lesson and we all laughed as we watched it travel across the map of the U.S.
*Sample Entrance Exam Questions*
We were provided some sample entrance exam questions selected by Mr. Kitahara. I was really surprised by the difficulty of many of them as well as some of the “trick” questions that are not so difficult but people could easily make a mistake on if they don’t pay attention carefully.
There were a variety of question types, such as:
-Choose (or write) what the person will say next
-Fill in the missing word
-Choose the correct preposition (e.g. “to,” “in,” “on,” “at”)
-Arrange the words in the correct sentence order
-Find the sentence with the mistake
-Write an essay stating your opinion
-Explain something in Japanese culture to a foreigner (e.g. “kotatsu”)
In particular, Iwate Prefecture’s writing assignment in which students had to write what the person will say next based on the dialogue provided was difficult.
Example:
Clerk: Hello.
Hiroshi: Hi.
Clerk: [ 1 ]
Hiroshi: Yes please. I’m looking for a t-shirt.
Clerk: What color are you looking for?
Hiroshi: I want something dark.
Clerk: How about this one in green?
Hiroshi: Oh, this one is cool. And it’s my size too. How much is it?
Clerk: It’s 3,000 yen.
Hiroshi: [ 2 ]
Clerk: OK. How about this black one in the same size? It’s only 1,000 yen.
Hiroshi: That’s great. I’ll take it.
During the study session, Mr. Kitahara asked me to check how other teachers had responded for [2]. The main mistakes involved asking the clerk for a discount (if the clerk were giving a discount, the clerk would have said something like “Okay, I will take off 1000 yen or I will give you a coupon.”) or asking the clerk for a different color (the color doesn’t matter since Hiroshi originally said that he liked the green shirt). Therefore, the best answer would be something like “That’s a little expensive. Do you have something cheaper?”
One of Kokusai High School’s tests had a section where students had to decide which sentences had mistakes in them. When discussing how to fix the incorrect sentence “I was stolen my old camera last week,” two types of answers were discussed:
1. “My old camera was stolen last week.”
2. “I had my old camera stolen last week.”
While both are grammatically correct, the second sentence implies that the action was done on purpose (e.g. “I had my hair cut.”) Since nobody would want their camera to be stolen, we wouldn’t use that sentence to describe the situation.
*Movie: Johnny English Strikes Again (2018)*
We watched the latest film of the British movie series, *Johnny English*. As an American-English speaker, I realized it’s important to expose students to different types of “English” as the movie possesses a lot of British English expressions and phrases (e.g “petro” → “gas” / “What have we here?” → “What’s this?”).
(北研に参加したALTのレポート②)
I was fortunate enough to have been able to attend the first “Kitaken” of 2020, and I enjoyed it immensely, as I have all the Kitaken workshops I’ve attended during the past year. This last workshop (on Jan. 18th) included a retrospective look at “50 Things You Might Recognize if You’ve Been Teaching More Than 10 Years.” Many of the items on the list were certainly a blast from the past: overhead projectors, carousel slide projectors, those early Apple computers and floppy discs, the Dewey decimal system and library cards — they all brought back memories…of my elementary school days, that is! A few of the other items have not exactly been made obsolete as of yet — familiar friends of public school teachers everywhere such as good old chalk and chalk holders. Why get rid of them if they work perfectly fine? (I personally prefer chalk to white board markers — it’s so annoying when they stain your fingers and dry up so fast!)
The theme emerging from this nostalgia corner seemed to be “sometimes the old ways are the best” (I think I heard that in a more recent James Bond film). It harmonized rather fittingly with the workshop’s featured film, “Johnny English Strikes Again,” in which the eponymous hero (played by Rowan Atkinson) uses old-school, analogue-style spying tactics to foil the evil plans of a Silicon Valley billionaire. The workshop also featured example test questions for 3rd graders applying to high schools, selected by Mr. Kitahara, as well as a 3rd grade lesson schedule for third term. All very useful information for teachers who are trying to help their students navigate successfully through the rigors of end-of-year exam