2月15日(土)第173回例会

2月北研概要

0-1 言葉はおもしろい。

0-2 過去最高!English Kitchen in 新潟

1 生徒の映像(3学期)

(1)1年生 英語劇 A New Year’s Visit

(2)2年生 スキット CM

(3)2年生 スピーキングテスト「場面と人間関係を選んで即興会話」

2 北原式2ラウンド制授業(1、2年3学期)

(1)文法確認ボードワーク

(2)Columbus基本対話(Basic Dialog)

0-1 言葉はおもしろい

・北研の初めは北原先生が最近感じたことなどを紹介できる、英語(教育)随想のコーナーは4月からも続けるのでお楽しみに。4月以降、場所と内容を一新しての北研においても、この種の、英語に限らず言語というものに関心を持っていくことを促す内容は継続していきます、と北原先生。

・中2に3人中国の生徒がいる。英語で授業する中で“Do you like to eat spaghetti?”と聞いたら、上海から来た子が固まった中国人はスパゲッティという言葉が分からない、だれも使わない。じゃあなんていうの?スパゲッティは漢字で何て書くでしょう?参加者からは、「洋麺/伊太利麺/西洋麺」などが出た。正解は「意大利面」と中国人生徒が黒板に書いた。武漢も武汊と略し字を使う。麺を面にしたり簡易化すると意味が伝わらない。

・中国語には簡体字(中国)と繁体字(台湾など)があり、日本人が漢字を理解するためには、この2つを識別して整理する必要がある。

・2年生の授業で、中国から来た生徒にスパゲッティのことをたずねると「?」という顔をした。わかっていなかった。別の中国出身の子が漢字で書いたらわかっていた。漢字でスパゲッティを書いてみて、隣の人と見せ合う。相手の方のアイディアに負けたら座る。中国語では意大利面と書く。中国語には繁体字と簡体字がある。例えば台湾とかは繁体字。中国本土では簡体字。日本語の漢字に似ているのは繁体字。

・北原先生の2月6日の2年生の授業からのエピソードを紹介。中国人の生徒(3名いる)のうち二人が“Do you like to eat spaghetti?”の「スパゲティ」という語を知らなかった。それが何か知っていたもう一人の中国人生徒が漢字で書いておしえてあげて、「あーそうか」と」なったということ。

・例会参加者は、各自その漢字を想像して書き、書けたら立ち、立った人どうして比較し、相手のほうがいい、と思ったら座る、という活動に。そうして最後まで勝ち残った人が北原先生に促され「伊麺」と板書。北原先生は「伊太利麺」とはじめ思ったと。(同じだった人数名手が上がる)答えは「意大面」。意味より音を写した文字だろうと。「麺」でなく「面」は「簡体字」だろう、ということで、「繁体字」と「簡体字」のあることを紹介。レジュメには、翻訳会社ark communicationのブログからこのことについて書かれているエッセイを掲載。

・ニュージーランドに留学した時、中国人の大学生とステイメイトになりました。その子は、麺類のものはマカロニっぽいものもインスタントの乾麺もnoodleと言っていました。麺類を細かく区別する習慣がもしかしたらないのではと思いました。

・NEW HORIZONの1年生のユニットにも、中国語と日本語で意味が変わる漢字の熟語が紹介されていました。このユニットの授業をしていた時に生徒たちが面白がっていたのを思い出しました。

・中国語には、「繁体字」と「簡体字」の2種類の漢字が存在し、日本語の漢字に似ているのは繁体字。中国本土やシンガポールで使われているのが簡体字、香港、マカオ、台湾で使われているのが繁体字だそうです。

0-2 過去最高!English Kitchen in 新潟

・参加者の感想より。「無理して一生懸命パワポで作らなくても板書で勝負できるのがわかって良かったです。」ICTの準備にどれくらい時間を書けるか?→隣同士や周りの人と確認。小学校では、デジタル教科書のリスニングや映像を見せる時。歌の時。最近はデジタル教科書のフラッシュカードも使わなくなった先生も。日本語の指示を減らすため図で示したり、YouTubeを見せたりするとき。

・「一度教員を辞めて1年間ボランティアでもいいから先生の中学校で先生の授業を学び教師として本気ででお直したいと考えていました。」「生徒たちのビデオに驚きました」「東京の研修会にも参加したい」という声があった。想像以上にパワポの時間が取られていると書かれている研究授業を見るとパワポを使っている先生が多い。ICTを授業でどのくらい使っている(グループで簡単に協議)

・とてもたくさんの感想が寄せられていました。特に印象的だったものを抜粋して挙げます。「文法導入でPower Pointを作って時間をとられていたが、復習を絡めながらスムーズに導入できることに感動した。」「文法導入はインパクトがあるものを考えるわりに、繰り返しが足りないというお話を聞いて納得した。」「シンプルで繰り返しやることが大切なんだと再認識しました。文法導入もシンプルで、生徒が気づける方法でわかりやすい」「導入に力を入れすぎるのではなく、繰り返しこそが大切。」「生徒に気づかせる、考えさせることがたくさんできる授業。生徒の発音が本当にきれい。先生が妥協せずに徹底しているからこそ。」「自身が発音を磨きあげなければならない、生徒に繰り返し学習をさせなければならない。」「導入の準備にエネルギーを使うよりも、生徒が使うこととそれをチェックすることにエネルギーを使うべきだとわかった。音声では差がつかないという言葉。」

・北原先生が、タイトル通り「これまで最高の反応、コメント」と絶賛する、研修会参加者からの感想文がレジュメ4ページにわたって列挙。感想文中、自身の実践で「困っている点」にふれたところには波線、研修内容としてよかった点には下線(ストレート)が北原先生によって施されたもの。10分近く、時間をもらい、参加者各自で読む。

・「文法導入」と「インパクトのあるものより繰り返しが大事」という点を書いたものが多くみられ、私もその重要さを再認識できました。「一度教員をやめて1年間ボランティアでいいから先生の中学校で先生の授業を学び、教師として本気で出直したいと考えていました」という感想に、私も共感を覚えました。

・波線箇所に「無理して一生懸命パワポで作らなくても板書で勝負できるのがわかってよかった」とあるのにふれ、北原先生より、「ICTの使用については実際みなさんどうですか。隣近所と話していてください」ということで、実践の情報をシェア。私のグループ(4名)のなかでは、フルに導入している人はなく、部分導入の経験のみの人がほとんど。かつ、準備時間に見合った効果はない、という意見が大勢でした。北原先生も、最近の「なんでもパワポ」のような風潮のなかで、準備に時間がかかりすぎることを懸念されていました。

・参加された方々の感想の中で、共感するものばかりですが、特に自分が共感したものをいくつか載せさせていただきます。「何よりも英語を楽しんでいる姿が素晴らしいと思いました。アウトプットさせる際、「これは難しいかなあ」とこちらがストップをかけてしまっていたことがありました。」「文法の導入はさらっとやって、生徒が英語を使う時間を増やす。」「ジェスチャーの有用性を実感しました。頭に残りやすくなることが分かりました。」「文法解説にあまり日本語を使っていないところに驚きました。」「発音の指導で、「しっかりと舌が見えるように」という具体的で見て一発でわかるような説明を教師がしておらず、自身がまずいのだと痛感しました。」「生徒の発音が本当にきれいでした。先生が妥協せず、徹底しているからこそだと思います。」「書くのが苦手な生徒にとっても、一文一文書かせるということが彼らを育て、鍛えることになる。」

・「シンプルで、繰り返したることが大切なんだと再認識しました」…2、3年生で複雑になっていく文法の指導を、常に1年生の1学期に戻り、教え合い、全員が参加できる方法、私も細か所まで身につけたいと思いました。

1 生徒の映像(3学期)

(1)1年生 英語劇 A New Year’s Visit

・教室の後ろを使って立ち位置も工夫。実際に電話のコール音。おじいちゃん役に特徴がある。→なぜ?セリフを忘れたのかと思うほどゆっくり話していた子も。お母さん役の子は大抵声が大きい。小さい声では舞台では聞こえない。→おじいちゃん役はすべて特別支援学級の生徒だったが、最後まで頑張っていた。

・毎年恒例のGranmma Babaをやったところ過去最低の出来で“You are the worst in history.”とALTの先生から言われた。北原先生がもう一回やりたい?と聞いたところやりたいと言ったためA New Year’s Visitに挑戦させた。この単元は発音指導含め一切指導をせず、グループで完成させた。

・BGMに載せて演技。セリフがない生徒も自分の役割を演じる(日頃のBasic Dialogでの成果だと感じた)。BGMに負けない大きい声。班によってBGMが違う。電話をかける生徒は出ないからイライラしている感じも出している。着物も徐々に着替えが完成するようになっている。ドライヤー、着物、電話は本物を使っている。電話のプッシュ音も使っている(内容は短くてもここまで大きいな声で堂々と発表できていると英語に対する自信は付きそう)。おじいさん役はおじいちゃんのようにゆっくり話している。おじいちゃん役は全員特別支援の生徒。中一までは英語は合同で勉強する。

・みんな発音も良く、なりきってやっていました。私は今年1年生を見ているので、ぜひやりたいですと北原先生に伝えると、教科書違うなら教科書会社に電話して、使わせてもらったら?と言ってくださいました。

・「ばばばあちゃん」が下手だったので、生徒にもう一度のチャンスにチャレンジするかをきいて、もう一度チャレンジすることになった。Sunshine 1、 Program 9全体。着物や歯ブラシなどの小道具を使い、教室の横幅一杯に広がる。「しっかり前を見て目を合わさずに演じなさい。」特別支援の生徒も入っていたとのことだが、そういう生徒はセリフが少ない役になり、全体としてはスムーズだったと思う。

・BGM、電話のコール音が鳴る中での演技。大きな声ではっきりと話しているのがとてもすばらしい。事前に、役者に、目を合わせることなく違うところを見て演じるようにとアドバイス。

・この時期毎年恒例の「Babaばーちゃん」の絵本朗読のできが悪く(ALTの先生がYou’re the worst! といい 北原先生が in the history!と付け加えた、とか)、これでリベンジしてみなさい!ということで、5人ひと組×4グループ。果たして・・・見たところ例年に比べても遜色なく、とても大きな声で生き生きと演じていました。一つがだめでも、生徒を激励して、再チャレンジするよう声掛けして機会を与え、力を引き出していく、ということが大切なのだな、と感じました。北原先生より、舞台上の場面設定として、(家族4人が別室でそれぞれ出かける準備をしている状況を想定しつつ、4人がならんで正面をむいて立っているという状態)互いに目を合わせず、大きな声でやり取りをするように、といってあったとのこと。(Can you answer the phone? Sorry、 I can’t. I’m drying my hair/ brushing my teethなど)なるほど、声を出しなさい、という指示でなく、場面設定をして自然に発声を促す、というと。

・生徒たちのrやthの発音がとてもきれいでした。BGMを流しながらでも聞こえる大きな声に驚きました。声を出しなさいではなく、大きな声を出すシチュエーションを設定されたそうです。目から鱗でした。また、演出上、目をあわせないで大きな声を出すということも指導なさったそうです。また、小道具も着物やドライヤーなど本物を使用していました。

・前列真ん中にゆかた(着物)を着るお母さん、右にドライヤーをもった子ども、左は椅子に座って電話をかけるおじいちゃん役、後列右に制服を着替える娘、左に歯を磨くお父さん。小道具も用意し、最後の「Let’s go」で全員退場。

・北原先生が演出で、演じるキャスト同士で目を合わせず、聞き手の生徒たちに向かって大きな声で演じるように指導されたそうです。アイコンタクトをすることで、演じているキャストだけの世界ができてしまい、声もその範囲でき超える声量になってしまうので、教室全体で楽しめる形にするために、不可欠な指導だと思います。

(2)2年生 スキット「CM」

 ・Sunshine English Course Book 2(開隆堂) pp. 106-109  My Project 6

   指導経過は以下の通りです。

  1/20 教科書教材の説明、先輩の映像視聴

   21 各グループで作成活動

   23 発表、ビデオ撮影

 という流れで、実質2時間で仕上げた作品だそうです。

・「原稿は書かなくてもいいよ」と言っている。BGMあり。テンポがよい。ボリュームがあるスキット。ジェスチャーが大きい。(”money”のジェスチャーで指をすりあわせている生徒がいました。)生徒が楽しそうに演じている。ペアでフォローし合っている様子。セリフを忘れたパートナーに”OK. OK.”など。

・各ペアのスキットの内容

① シャーペン。ノリノリ。発音きれい。Hurry up!でCM終了。

② スマホ。I recommend this one. It must be expensive I guess.相手がセリフを忘れても上手にさりげなく教えていた。セリフが棒読みでも頑張っていた。防水。ほしいなら電話して!

③ 携帯。My cell phone is broken.ジェスチャーかセリフを引き出していた。ほしいなら電話。Let’s go now!

④ ダイエットドリンク。ドラえもんが痩せてマッチョになった画像と比較。

⑤ I’m bored.お取り寄せバッグ。You’re nasty. Don’t miss it.

⑥ 楽しく料理ができるようになるcomic? I don’t know how much. Don’t miss out.

⑦ Time stop。

⑧ Tall shoes  履けば背が高くなり、もてるだけでなく届かないなどという心配もいらなくなる。even if

⑨ Time TV. This TV is a really amazing. 未来も過去も見える。ものをなくしたときには、過去をみれば良い。セリフが出てこなくて止められるのを防ぐため機転を利かせた女の子。

⑩ スプーン。絵に書いた物も本当に出てくる。絵1枚につき、1回だけ有効。I want a bigger one.

⑪ Border file 防水、軽い。

⑫ 破れた紙を元に戻せるのり。Call now.

⑬ コート。You may try on.ジェスチャーで思い出す。

⑭ Universal dictionary. 枕にもなる。肌触りがよい。筋トレにも使える。What’s the difference? This universal dictionary becomes the pillow.

⑮ Easily cooking machine. It’s better than I thought. By the end of the week. ボタンを押すと5分でできる。

⑯ コート 色選べる。マフラーもついてくる。Please come to~. Don’t miss out!

⑰ Toy cat. Hello. と呼びかけると繰り返す。中国からの留学生?かわいい。リアルキャットでない。話すと繰り返してくれる。Check it out!

⑱ It’s called small right. 相手役欠席で一人でトライしていた。重い荷物もスモールライトで小さくすれば持ち運びが楽。

・3年前、自分もこの活動を中学2年生に行ったことを思い出した。みんな工夫を凝らして楽しそうに生き生きやっていた。北原先生の活動は生徒の想像力や発想力を刺激するものが多い。表現も教科書から応用したり、教科書以外からも多彩な表現が用いられている。

・紹介していた商品はDiet drink/Smartphone/Otoriyose bag/Time stop/Tall shoes /Time TV/Ajimi spoon/Special glue/Special coat/Universally dictionary/Toy cat

・使用していた表現はLook at picture. /Calm down./It must be expensive./I want to have a girlfriend./It is better than I thought./Don’t miss out./Amazing./Check it out.

・どの班も内容がとても面白かったです。スマートフォン、辞書、ダイエットドリンク、シャープペンシルなどを上手に宣伝していました。これはサンシャイン2年生の教科書p106〜の部分を先にみせて、構成は伝えるものの、事前に文を書かなくていいよと言うということでした。3年生に向けての脱皮。書かないと言えないから抜け出すためだと仰っていました。

・大きな発見は二つ。My Project「CM紹介」はそこまでの総復習であり、教科書のモデルや「使える表現」をパクることによってより楽しい作品が出来上がる。何人かがwaterproofなど共通して使っている言葉があることに気づき、次に、話の流れに共通性があるのが分かった。「困っていること」を元に「おすすめの商品」を見せ、「3つの特徴」を挙げ、最後に「今なら」という言葉と共に、安売りなどの「特典」を言う。特徴を言う時にthan a normal oneなどの比較級が必要。材質などを言うには受身。特典を言うならifを使った文。最後の決めゼリフは「その他の表現」から。Don’t miss out!など。電話番号を言ったり、ホームページにアクセスするように言ったり。どのペアも、見てもらう人を意識していることも大きなポイントだと思う。

・18組のペアでの創作CMを視聴。それぞれ、1分ほどの「ジャパネットたかた」顔負けのテレビショッピングのような発表。教科書にも示されている内容のパターンは、次の様:導入(何かに困っていたり、こうだといいなーという願い)→品物の紹介、さまざまな利点を3点くらい説明→今買えば〇〇% discount → call us at (電話番号)/Don’t miss out! などの定型句で結ぶ。アピールされる商品のなかには、自動筆記のペン、防水で壊れないスマホ、ダイエットドリンク(丸っこいドラえもんが、シュッとした男前に変わっている絵に爆笑)自分の過去を見られるテレビ、温かくて軽くて安いコート、Universal Dictionary (何にでも使える辞書、ということでポイントはなにか、とおもったら「枕にとてもいい」で爆笑、まだ成長前?とおもわれる男子生徒にtall shoesなる高さ30センチほどの靴をすすめ実際に履いて喜んでいてこれも爆笑)など、それぞれにユニークな商品を考え、生き生きと発表。準備について。1時間目で、先輩のビデオを見せ、繰り返し(大事な情報)や、結尾になじみのいい言葉など紹介(テキストに言語材料掲載)し、次の時間で作成、練習し3時間目でもうビデオ撮り。1分余りのペアでのセールストークでしたが、なんと、ほとんどのペアが原稿を書かずにやっているとのこと。(書かなくていい、と言ってある)即興で話せるようになっていく3年生にむけての「脱皮」を促すねらいをもってとのこと。ここで、このレベルを生徒に求めるためには、それまでに、やはり発音に留意しジェスチャーを交えた音読と、口頭発表(パフォーマンステストとして)の機会を積み重ねてきているからこそで、そういった通年での設計が大切なのだと感じます。

・2年生全員の作品を見せてくれました。北原先生のすごいところは毎年生徒のパフォーマンステストをアップデートしてそれを全員分見せてくれるところです。隠している部分や嘘の部分がありません。見習いたいところです。作品はAll mighty pencilやunbreakable smartphoneなどオリジナリティがあるものでした。また、出始めが”What’s wrong?” や ”What’s the matter?” などよく使うけど教科書では見ないフレーズを使用していて、先輩が使っていたものを参考にしているのだと思います。

・toy cat(アレルギーのお客向け)、厚底の靴(身長が高くない人向け)、やせる飲み物、特別なのりなど、シチュエーション設定、困り感を解決するための商品と、発想がとてもおもしろかったです。ジェスチャーもとても上手で、お金を表すジェスチャーも、指をこすりあわせる日本式でないジェスチャーをしていました。また、suckなどのスラングも使っていました。言葉につまっても、誰も日本語が口をついて出てこないことにも驚きました。指導が徹底されているのだと強く感じました。本物のCMのように早口で、イントネーションも上手。なにより既習事項を使いこなして言いたいことを1分ほど、どのペアも話し続けられている、生徒の表現力に感動しました。ペアの組み方は、普段の英語の授業で組んでいる、英語が得意な生徒と苦手な生徒の組み合わせだそうです。生徒に告知をしてから3日後に発表、原稿は書かなくてもOKという指導をされていました。発表といえば、書いたものをおぼえて言うという方法をとってきた自分にとって、新たな発見でした。

・2人ペアで商品紹介のスキットを発表していました。紹介する商品は自分たちで考えた商品で、バラエティに富み、遊び心にあふれていました(個人的には背の高くなる靴が優勝です)。こちらもBGMにかき消されない声の大きさがとても印象的でした。原稿は書いてないペアもあり、3時間でビデオ撮りまでしたそうです。

・2年生スキット「CM」・「Universal Dictionary」、色々なものが出てくる「Special Dictionary」「痩せる水」「toy cat」など、どのペアもアイディア豊かで、とっても面白い作品ばかりでした。そして、原稿を書かず、わずか3時間で作成されたということに本当に驚きでした。また、内容が面白いだけではなく、話していた量も多く、一人10文前後、7往復くらいだったと思います。1時間目には先輩の映像を見せ、「繰り返しが大事だよね」「こんなフレーズが使えるね」と生徒に確認させるそうです。かわいいおもちゃなど、実際の「物」も準備していました。 

(3)2年生 スピーキングテスト「場面と人間関係を選んで即興会話」

・カードだけを何枚か用意し、選んだカードの設定でALTにインタビューをし、2分間話し続けるスピーキングテスト。評価は発音、声の大きさ、内容、2分間話を続けられたかどうか。このテストはALTの力量にもよるとのこと。生徒にはクエスチョンの内容をあっちこっちに変えるのではなく、一つのことを掘り下げていくと良いとアドバイスをされたとのことです。こちらも事前に準備時間はとっておらず、アンケートで事前に文を考えて書いてきた人がいるか聞くと、ほとんどいなかったということでした。ただ聞くだけではなく、話をしっかりと聞き、話を繋げていける生徒たちに驚きました。

・4人の生徒のテストを見た。出てきた表現は

① May have your name? / What do you do? / What brought you to Japan? / As a English teacher

② Where are you from? / Why do you come to Japan? / What kind of food do you like? / What kind of sushi do you like? / What do you become an English teacher? / Do you like sports?

③ Let’s have interviews? / Why do you become an English teacher? / Have you been to Kamakura? / How was it? / Have you seen Kabuki? / What do you think of Japanese culture? / Thank you for the interview.

④ Let’s start to have interview. / First impression、 / What do you think of Akasaka junior high school? / 16years ago、 were you born? No、 I wasn’t. / What’s your favorite food? / Who is your favorite teacher?

・生徒が使っていた表現:What do you do?/If I can speak English、 it is cool./When did you come to Japan?/Why did you come to Japan?/What kind of food do you like?/I like sushi./What sushi do you like?/What’s your job?/Why did you become a teacher?/English is useful./Do you like sport?/What sport do you like?

Have you been to Kamakura?/I don’t understand what they are talking./I think scenery is beautiful./How is your teacher’s life in Akasaka JHS?/What’s your favorite Japanese food?/What’s your favorite teacher in Akasaka JHS?

・北原先生はそこまでしなかったそうですが、分析して次年度学年に見せるといい、とのことでした。どこがどういいのかを教える。ALTの方から止まらないように繋いでもらうが、喋りすぎないように。生徒へのアドバイスは次々と質問ぜめにせずに掘り下げるように。生徒へのアドバイスやALTにやってほしいことを明確に伝えることが大切なことがわかる。前回のスピーキングテストで良かった順に行う。原稿は書かない。インタビュー中、他の生徒は授業を進める。

・先輩の映像を見せる時、分析して見せると良い。どの先輩が良いか見せる。例えば、最初の先輩は用意してきたことは言えてるが、次の先輩は用意していなかった問題にも即興で答えているなど。ALTの力量が求められる。止まっちゃったら不合格になるから、繋げてあげる工夫はするがALTばっかりしゃべっちゃうとまずい。どんどん次の質問になるとよくない、一つのトピックでさらに深めるといいねと事前にアドバイス。1月22日に告知して、6日後の28日に実施。授業では一切準備させていない。原稿書いたかアンケートを取るが今年も誰も原稿を作っていない。前回の良かった人からの順番を張り出しておく。通常授業をやっていて一人ずつ別室にいく。自分の次の次の人に声をかけるようにいってある。評価は「発音、語彙、コンテント、2分続いたか」の4項目。

・前回のパフォーマンスで良い成績だった最初の生徒の質問に驚いた。What brought you to Japan? Why did you come to Japan? よりも自然な表現。「先輩のビデオを見せた時に、分析してどこが良いのかを生徒に話す。

生徒の中には用意した質問以外もやっていた。一つのトピックについて深く追求させると良い。」

・幹本(テスト編p.243-245)場面等の設定を選ぶ。生徒がALTにインタビューをしている。生徒がつまってしまった時に、上手にALTがつないであげていて、生徒が持ち直して会話を続けられるようになるのが理想。ALTによる。評価項目は発音・語彙・内容・2分間話続けられたかどうかの4点です。生徒が、質問したいことや言いたいことを言うだけではなく、相手の返答をよく聞いて次の発言をしているのがわかりました。それは、質問や言いたいことの表現をただ覚えてきたようなその場しのぎではなく、普段から対話を訓練している証拠だと思いました。

・聞きながら拾えた質問・表現を以下に列挙します。(生徒1)What do you do? / How is your life as a teacher? / What do you like about English? (by teacher)(生徒2)When did you come to Japan? / Why did you come to Japan? / What kind of Japanese food do you like? / Why did you become a teacher? / Do you like sports? / I like table tennis.(生徒3)Have you been to Kamakura? / Have you seen Kabuki? / What do you think of Japanese culture? / Sushi loves me.(生徒4)Do you like Japan? / How is teacher’s life?(生徒5)Welcome to Minato Studio? / Who is your favorite teacher?

・「幹の本 テスト編」にも載っている2年生最後のパフォーマンステスト、この後は昔話の読み聞かせのみだと思います。今回見たのは、全員インタビュアーになってALTの先生にインタビューをしているものでした。ある程度質問は考えてテストに臨んでいるようでしたが、ALTの先生が突然質問を返してくることもあり、そこでは即興で話さなければいけません。生徒が途中、話に詰まる場面がありましたが、ALTの先生が上手に質問を入れるなど話を繋いでいました。ALTの先生の力量が問われるテストだと感じました。

・ALTとの会話を2分続けるのですが、日本語はでず、質問も異なるトピックの質問に対して一問一答ではなく、1つのトピックに沿ったものがでていました。また、Have you ever~?やI don’t understand what they are doing.など、既習事項ではない文法をスラスラ言っている生徒もいました。また、sceneryをスケナリ―と言っている生徒もいましたが、目からインプットしたものを積極的に使おうという姿勢をその生徒から感じました。生徒にふりかえりをし、この人のここがいいと具体的にアドバイスをすると次につながる。また、この取り組み自体はALTの力量にもより、生徒がつまってしまったら、つなげてあげつつ、でも話しすぎないように気をつけなければならないとのことです。こちらも先輩の映像を見せ、6日後にテスト、授業で時間はとってないそうです。評価は発音、語彙、内容、2分続いたかどうか、とのことです。

・どちらの取り組みも、準備期間が短く、しかもCMは1月中旬でスピーキングテストは1月下旬と、その間も自分にとってはとても短く感じました。でも、生徒はできる。自分がいかに生徒のもつ力を引き出せていないか考えさせられました。この会に出席した直後、ちょうど買い物の表現が教科書で出てきたので、買い物のスキットを発表することを2月19日に生徒に告知しペアでアイディアを出す、20日に5分間授業内でチェック、21日に発表をしましたが、自分の想像以上に生徒たちが真剣に取り組み、自分にはまったくない発想で楽しんで取り組んでいました。(告知から発表まで、ここまで短期間でペアで発表するのは初めてだったので、生徒には好きな者同士でペアを組むよう指示しました。それでも実践しないよりはるかに効果的でした。)英語を使うってこういうことなんだと実感し、北研に出席して気づかせていただいたこと、なにより生徒たちに感謝の気持ちでいっぱいです。

・2分間でALTの先生と会話。止まったら終了とのことで、ALTの先生が絶妙なタイミングで質問される場面もありました。用意した質問をすること、そしてすぐ次の質問にいくのではなく、答えに対して反応したり、追加で質問して深める、ということも指導されているとのことでした。こちらは1時間目に映像を見せ、すぐにテスト。原稿は誰も書いていないということで、日頃の力を発揮する場なんだと思いました。

・生徒が選んだカードに書かれた場面・人間関係の設定でALTの先生にインタビューをする形式のテストで、やりとりが止まってしまったら終わり、またALTばかりが話していてはいけないので、生徒が言葉に詰まったら上手に質問し直したり、引き出したり等ALTの力量が問われるスタイルのテストです。北原先生から、話し続けるために質問を変えるのではなく、1つの話題でできるだけ深く掘り下げて会話を続けるように指導されたそうです。また原稿は書かせず、あくまで話すことを重視されたとのことでした。

・通常授業と並行して、別室でテストを行う。2分間、ALTと会話を続ける。生徒への「原稿を書きましたか」のアンケートには全員が「書いていない」と回答。評価項目は「発音」「語い」「内容」「2分間続けられたか」(毎回感じることですが)ALTの合いの手(ツッコミ、対応)が非常によい。生徒の英語を引き出している。”Have you seen…?”など、3年生で習うことも使っている生徒がいる。※北原先生「『用意してきた質問が言える』『いきなり来た質問に答える』がポイント」

2 北原式2ラウンド制授業(1、2年生3学期)

簡易指導案(2年生)

0 即興 speaking testを授業と並行して行う

1(帯活動1)song10”Stand By Me”

2(帯活動2)読みトレ50

3(帯活動3)フォニックス単語書き

4(展開1)北原メソッド第2ラウンド Unit3-2文法確認ボードワーク

5(展開2)Basic Dialogの暗唱と暗写

・「2ラウンド制」という呼び方は、おそらく数年前その効果が注目された「5ラウンド制」に呼応したものです。12月までにほぼテキストを終わらせて、1、2月に以下の方法で文法事項の復習を行い、定着と頭の整理を効果的に図るという北原メソッドの進み方を指して言うようになったことだと理解しています。

(1)文法確認ボードワーク

・基準となる文から次は何か推測させてどんどん考えさせていく。生徒は受け身ではなく主体的に学んでいる感じがした。1970年代に流行ったパターンプラクティスの益。全部書いたら初めからALTに続いて読む。音声をいつも重視とわかる。willとare going to はジェスチャーにすると、どう違う?will は意志だからレッツゴーのようにこぶしを上に上げる。are going toは予定だから、手帳を開く。2ラウンド目だから掘り下げることができる。1回目ではYou will visit your cousin next year. まで。

・上から1行ずつ板書。その下線部に書き込めた生徒は起立。書けずに座ったままの生徒がいる場合先生が「Would you like a hint?」と問いかけYes、 pleaseと生徒が答えたらセンテンス右手にテキストの中の文法事項既出箇所を板書。最後に立った生徒に答えを言わせ、それを回りの生徒は聴いて、自分と同じならリピートする。(このリピートの間が空いたりすると、「一生懸命やっているのに失礼だろう!」と先生から檄!なるほどこのように躾をおこなっていうのだなと)また、進んでいくなかで、「肯定文→疑問文→その答え」という流れが飲み込めた生徒は、一つの行の書き込みがみんな終わったら、つぎを予測してどんどん自分から書いていくようにする。(とくに2ラウンド目なのでこの姿勢をもとめていくのだろう)このようにして、1年に戻りながらターゲットの文法事項までたどり着くようにする。みんなが全部書けるたら、先生がまず1行目を読み、生徒がリピート→先生”Question” というと生徒が疑問文を読み、先生が”Answer”というと生徒が”Yes、 I…/No、 I…”と読んでいく、パターンプラクティス(1970年代隆盛のメソッド。のちに批判されたが、でも効果はある)

・大きなお宝を頂いた。2月前半の2年生向け「板書計画」である。一つひとつの文法を、復習を兼ねて積み重ねる方法としては、ベストの方法だとあらためて感じた。重要な要素の一つである「スピード感」については、書いて表現することは不可能で、体験しないと分からない。少ない時間の中で効率よく大切な文が選ばれており、もし可能ならば、次の幹本に載せて頂けたらと思う価値ある内容である。例えば次の点。(2月3日の授業)Tokyo has two very tall towers. 無生物主語での言い換え。There are  ”  ”  ”  ”  .   中学英語でも定着が悪く、用法も理解されていないことが多いと私が感じる文。(2月4日の授業)must、 can、 will、 have to、 don’t have to、 don’t need toの文。高校生には、さらにneed not が必要であろう。(2月6日の授業)北原先生からも解説があったが、動名詞と不定詞で意味が変わる文は、「2ラウンドの良いところ」だと思った。I stopped to watch a baseball game. → I stop watching baseball games.  Remember to buy some eggs. → Remember buying some eggs.(2月7日の授業)接続詞の総ざらいが見事!and、 so、 but、 that、 I don’t think (that)、 When、 when、 if、 If、 So、 because、 Because不定詞と並んで2年生の最重要ポイントだと思います。

・スピードについていくのに必死になりました。また、次に先生が何を書くか予測して書いていくような姿勢も求められました。最後に立った人が文を読みますが、しっかりと聞いていないと素早くリピートすることができません。気を張って学ぶ姿勢・頭を回転させて書く・見る・聞く・声を出すという刺激がところどころにありました。

・第2ラウンドでの文法指導では、品詞にもさらに注目することができ、stop to 不定詞とstop 動名詞の違いなどや、助動詞についても整理できるので、すでにある知識にさらに肉付けできるようになっていました。

・品詞や主語なども先生が生徒に確認しながら適宜その単語の下に書き込んでいく。さらにこの先、2ラウンドならでは、ということでレジュメには次の様な上のレベルの事項を確認をしていくようになっている。like to play =like playing / 〇enjoy watching ⇔×enjoy to watch /stopped to watch とstopped watching の意味の違い/Remember to buy とRemember buying の違い(to do は未来とing は過去)

・それにしても、シンプルで効果的に板書を活用した文法復習と、そのあとに続くBasic Dialogueの活動は、どちらも、本当に生徒が自然に必死になって取り組むことを駆り立てられるものになっていて、これなら本当に能力が開発されていくだろうと思えました。ただ、自分が真似て実践するとき、生徒を必死にさせようと追い込もうとした結果、生徒のほうが、もう無理!といった感じで投げだしてしまうこともあった。「もうちょっと頑張ればできると思わせつづけるコツは?」、という観点から、改めて北原先生の実践から学びたい、と思いました。

・北原先生が行っている3学期に行っている教科書2週目の授業を体験しました。授業の基本構成は、歌などの帯活動を行った後にBパターンの文法の授業、そしてBasic Dialogの暗唱、暗写です。今回は文法の確認とBasic Dialogをやりました。板書は1年生の始めの文法事項から始まり、2年生まで続きます。そのため、10文以上を書くことになります。また、2週目なので1週目には行わなかった助動詞のまとめや動名詞の発展(Watching soccer games is ~主語としての動名詞)(I’m interested in watching ~前置詞の後ろの動名詞)など応用的なことも教えていきます。学びを深めるイメージでしょうか。

・北原先生の授業は体験してみるのが一番理解が深まります。本で学んでいる指導がどのようなテンポやリズム、また先生の雰囲気で行われているかを知ることは自分が授業で追試するときの大きな助けとなります。みなさんもぜひ体験してもらいたいと思います。

・文法の授業と、Basic Dialogをやりました。パターンプラクティスで、15文書きました。You visit your cousins every year.のvisitのところは下線になっており、何が入るか考える。seeやmeetも答えになりうるので、適しているものは直さない。また、Would you like hints?でYes、 please.と生徒が1人でも答えると、北原先生よりヒントが与えられる。visitなら、viとしたり、v  tとしたり。また、教科書のどこに出てくるかを書き表す。1年U4-1のように。その後、疑問文とその答え方、過去形、過去形とその答え方、未来形と時制をかえてとにかく書いて立って座ってを繰り返し、もちろんボヤボヤする間はまったくなく、常に英語を使う状態が続きました。立つのが最後になった生徒が文章を読み上げ、全体のリピートが遅ければ北原先生より「遅い。一生懸命にやっているのに失礼」と声がかかり、声が小さければI can’t hear you.と声がかけられました。生徒の声の大きさはこういうところからも日々鍛えられており、相手を尊重する姿勢もこういうところから生徒は学んでいるのだと思いました。また、willとbe going toのジェスチャーも、意志未来と予定でジェスチャーを変えているところにも、言葉の説明だけではないわかりやすさを感じました。さらに、2週目以降は助動詞からto不定詞、to不定詞から動名詞と習ったことを連動させているとのことです。

・1年生で習う一般動詞を使った肯定文から始まり、疑問文、答え方、否定文・・・と、どんどん書いては確認し、を繰り返しました。最初はいまいちやり方が分かりませんでしたが、わかった後は夢中で書きました。パターンプラクティスのひとつで、第2ラウンドだからこそ有効な活動だとのことでした。

・文法指導とB.D.を参加者で体験させていただきました。その中で「遅くできても意味がないよ。言語はそういうもの。会話では相手を2分も待たせない、スピード命」という北原先生の言葉がとても印象的でした。正確さより、まずは量・スピードをもっと意識しなければ、と思いました。be going to を導入するときには、現在形、現在進行形、過去形、willの復習を入れ、気が付くと15文も書いていました。

・「文法確認ボードワーク」の内容はもちろん把握しているし、一度くらいは参加したはず…だが…あれ、まずい、私、明らかに目つけられてる!のろい、発音悪い(きっぱり、ラテン系を改めようとしておりませぬ)、ルールを守ってない。ちゃんと書く必要がない、というのも実はこのとき体感しました。間に合わないもん。で、その後のBD暗唱もそうだけど、これはただのパターンプラクティスではない、考えずに「言うこと」をそのまま出していかないと間に合わない・・・で、この積み重ねがものすごい効果を生む。あと、「目を付けられてる」ことの安心感、感謝・・・でした。

(2)Columbus基本対話(Basic Dialog)

A: Do you have any plans for next Sunday?

B: Yes. I’m going to play soccer with my friends.

A: Oh、 are you?  Are you going to play at the park?

B: Yes、 we are. / No、 we aren’t.

・このDialogueをペアで練習して先生の前で演じてチェックをうける。その際、暗唱+発音+ジェスターが完璧でないと何回でも不合格となる。一度合格したら、AとBの役を交代して再度チェックをうける。合格した人はスモールティーチャーとして、他の生徒のパフォーマンスをチェックする。これも合格したら、今度は、ノートに暗写を行う。暗写したら自分で、赤ペンで答え合わせをし、先生にチェックをうける。字が汚い、gなどが下に出ていない、コンマ、ピリオドなどもチェックを受ける。この一連のプロセスを、赤坂中学の生徒は10分間でほぼ全員終了するとのこと。この日の参加者は、その時間ではとても全員おわらず、5分延長しても無理でした。日ごろからいかに赤坂中学の生徒が鍛えられているかを、身をもって感じることができました。(某国立大学から視察の方々も生徒の力に驚愕していたそうです)

・授業体験をさせていただきました。正直とても緊張しましたが、生徒の気持ちになって英語に向き合うことができました。Basic Dialogでは、ペアでジェスチャーをつけて暗唱し、北原先生のジャッジでどちらの役も合格できたペアから暗写という流れで10分間で生徒は行い、全員合格できるそうなのですが、私は一度も合格できず、とても悔しかったです。それでも、「生徒は合格したペアにアドバイスをもらいに行く」「他のペアの何がいいか、生徒は見て学んでいる」との北原先生の声かけに、お互いから学ぶことの重要性を改めて感じました。暗写は、できたら自分で丸つけをし、北原先生のところにもっていき、OKをもらった人がスモールティーチャーになって教えるという流れでした。字が汚い、大文字と小文字の区別がつかないなどはバツだけつけて返し、単語をとばしたり文法的にちがうとやり直しとのことです。以前スモールティーチャーと授業の流れを拝見した時から、時折まねしています。わからない生徒の中には、教師に質問することもハードルが高いようなので、友達同士で聞きやすい様子です。

・まずはペアでダイアログの暗唱をしました。正しい発音、正しいジェスチャーでなければ合格できないとのことで、とても苦労しました(結局1ペアしか合格できず・・・)。暗写も、スモールティーチャーに教えてもらいながら、やり方や内容を確認して活動しました。スモールティーチャーシステムは、教わる側も、教える側も利益があることを身をもって体験しました。

・そのまんまスキットは、二人で発音→交代→暗写して自分で丸つけして先生のところへという流れで体験しましたが、全然合格できず、生徒の緊張感を味わいました。この緊張感の中でジェスチャーを入れながら先生の前で発表するという活動が、素晴らしいスキットの基礎になっていることを改めて感じました。

・自分自身も早速、月曜日からベーシックダイアログを原点に戻して授業を行いました。今までは、「対話にプラスアルファするとWスタンプ」としていました。生徒たちはプラスアルファの文を考えるのに一生懸命取り組むのですが、それに力を入れすぎて、発音やジェスチャーが疎かになりがちでした。今週は「基本対話文だけでいいので、暗唱、発音、ジェスチャーを完璧にしなさい」と話し、本来のベーシックダイアログを行いました。生徒たちは北研の私たちのようになかなか合格しません。どこが違っているのかも教えずに「ブー」ばかり出していると、最初は「えーなんでー」しか言わなかった生徒も、次第に他の合格しているペアの対話を聞いたり、他のペアの「ブー」が出るタイミングを聞くようになりました。そして、「ほら、やっぱり○○だよ」と気が付き、合格したときにはペアでハイタッチして笑顔で喜んでいました。(中には、なかなか合格せずに、涙を流してプリントを破ってしまう生徒がいました。指導上、配慮しなければと反省しましたが、その生徒も昼休みにきちんと来て、合格することができました!)複数の教員が関わっている少人数授業では、指導方法に関して意見の相違もあります。しかし、自信を持って、自分が学んでいる北原メソッドを浸透させていきたいと思います!

・その後、Basic Dialogをペアで練習しました。いつもながら判定は厳しく、なかなか合格者が出ず、最終的に予定よりも時間がかかってしまい、前回からのJohnny Englishの映画の続きは、次回以降になりました。ペアで北原先生に見ていただく際、「速く言えればよいわけではない。」と指摘されました。不自然なリズムやスピードにならないところで、丁寧に発音するように指導することが、きれいな発音を習得させるコツの1つでもあると思いました。

・暗唱は、1回だけ合格しました。赤坂中学校の生徒の皆さんは10分で全員暗写まで終わるレベルなので、お恥ずかしい限りです。発音・イントネーション・ジェスチャーに気を配りながら取り組みました。しかし何回もダメでした。

・暗唱では、クエスチョンマークがあるところは最後に首をかしげるというのが増えました。なにがブーなのか分からないので、他のグループを必死でみんなで観察しました。お互い何がだめか分かっている?と聞かれました。暗写は暗唱できた文を書いてみる。その後、答えを見て自分で答えを見て丸つける。その後先生かミニティーチャーにチェックをもらう。きたない字、gが下まで行ってない、wが大文字と小文字が見分けがつかないものはだめ。千葉大の大学の先生が5~6人来て1年生がみんな暗写できていて驚いていたそうです。

・発音の良さは2回に1回はこのBasic Dialogで全員を厳しくチェックする積み重ねが大きいと実感しました。今後特に実践したいのが、先輩のビデオを見せる際のどこがいいかの分析、BasicDialogと文法指導の頻度を増やす、声が小さい生徒を許さない、早くやらせることです。

・私はK先生とペアで、最初にK先生がA、私がBでやりました。どのようなジェスチャーがいいのか、発音はf、v、th、イントネーションは?など頭がフルに活動する感じを久しぶりに味わいました。参加者の中で最初に合格し、逆をやるとなると、前のセリフが出てきてしまったり、慌てて次のセリフが出てしまったり、パニックでした。もう少しの所で時間切れ。ここまで誰も合格出来ず。。。北原先生には呆れられ、さらに5分追加。最初に合格出来た時は、ペアのK先生とyeah!とハイタッチ。暗写に移り、トップで合格しましたが、、、赤坂生は10分で全員暗写まで行くとのこと。。。毎回やれば早くなるとのこと。中学生には負荷をかけて、力をつけさせているんだなと改めて実感しました。

(参加した先生の感想)

・今回の会で北原先生が、大切なのはスピード。聞かれてから2分後に正しい文法でかえしてもしょうがない、とおっしゃっていたことがすごく印象に残りました。自分もどう言ったらいいか迷うことが外国でよくありましたが、こちらが何か言わなければ、相手もどうにもできない、気まずい沈黙になるという経験を思い出しました。自分が伝えなければならないことがたくさんあることも改めて実感しました。

・毎回たくさんの発見があり、学ばせていただいています。また、参加されている先生方からもモチベーションの高さと様々な情報を分けていただいています。今回は、T先生からLINE英語通訳という機能を教えていただきました。活用してみたいと思います。日々の担任の仕事、校務、行事、部活など様々なことに追われるように過ごしていますが、生徒と一番長く接するのは授業の時間をこれからも大切にし、良い授業がしたいとさらに思いました。また参加させていただきます。ありがとうございました。

・今月は特に、生徒の映像が一番印象に残っています。自分が教えてきた生徒たちも楽しくパフォーマンスをしてくれていたのですが、準備にかけている時間がずっと短く、全員ジェスチャーが体から自然にでてきていて、大きな声で発表しているのは、発表活動を始める前の時点で、ジェスチャー音読やそのまんまスキットで培った基礎がきちんと身についているからではないかと思いながら映像を見させていただきました。今月も貴重な学びをありがとうございました。

・久々に参加させて頂きましたが、本当に刺激を頂ける内容が盛り沢山で、早く授業でやりたいと思ってワクワクしています。自分の甘さも感じました。もっと自分も短くスピーディでわかりやすい指示を出せるように頑張ります。

・今回もとても充実した学びをありがとうございます。繰り返し何度もということを意識して、生徒に身に付くまで何度も指導していきたいと思います。そして何よりスピードを求めていかないといけないと実感しました。妥協せずに、粘り強く頑張ります。来月もよろしくお願いします。