1月21日(土)北研第139回(復活第19回)

北研 1月例会
平成29年1月21日(土)14:30~

T先生(M中)による 英検準2級 取得率48%の秘訣公開

1 北原メソッド以前の授業
ボロボロでした。(資料 ①:大修館書店『英語教育』8月号・平成23年より)「疑問を感じていた自己流の授業から、自分が納得できる授業へ」当時教員5年目で、5年前の新卒1年目の頃を思い出すと毎日疲弊しきっていた。という出だしで始まる。「授業のやり方がわからない」・・・・・現任校(当時)に赴任し、担当3年生の授業を計画しようとしたとき、はたと行き詰った。教科書1ページの教え方がわからない。 そんな頃、勤務校に力のある先生が異動してきた。「北原メソッド」を紹介され、『幹』をもらった。

2 北原メソッド以降の授業
・自信をもって英語で授業ができるようになっていきた。・コンポーネンツを増やせば増やすほど生徒ができるようになっていった。中学校 経験年数  北原メソッド・コンポーネンツ割合(+個人テーマ)  準2級以上
H中学校
経験年数4年目(3年生)20% (幹ちゃん発刊・フラッシュカード等)
5年目(1年生)30% (音読の徹底・パフォーマンステストの導入 等)
6年目(2年生)40% (Bパターン強化年・東京教師道場1年目)
7年目(3年生)50% (Aパターン強化年・東京道場2年目)準2級以上23.5%
M中学校
8年目(1年生)ほぼ100%(評価強化年・定期考査集計、自己評価、個人カルテ)
準2級 5%
9年目(2年生)ほぼ100%(スピーキング指導強化年・東京教育研究員 17.4%
10年目(3年生)ほぼ100%(リーディング指導強化年・じゃれマガ) 48.0%
3 現3年生のプロフィール
在籍 104名  帰国生徒 4名(内2人は1級) 外国籍生徒 0名
小学校から私立中に抜ける割合 50%(M市は私立中に抜ける割合が東京都でも高い(校長談)
1級 2名 1.9%    準1級以上 2名 1.9%   2級以上 7名 6.7%   準2級以上 50名
48.0%  3級以上 83名 79.8%  4級以上 91名 87.5%  5級以上 95名 91.3%
*2級のうち、1名は帰国生徒 4名は純ジャパニーズ 未受検は7名。受検したが落ちて無級が2名。

 

・保育園の送り迎えのため、8時~6時の勤務時間の中で完結できるような仕事をしてきた。特に超人的なことをしてきたわけではない。北原メソッドに出会うまでは授業に行くのが苦痛だった。・いきなり100%北原メソッドは無理なので、今年は音読を重点的に、次はAパターン、そのつぎはBパターンというふうに徐々に変えていった。・転勤を機に、まず評価方法を変えていって3年間を過ごしてきた。・純粋に北原メソッドをトレースしていっただけ。一般の教員でもそれだけ成果が出るのだと実感している。・英検1級の生徒が2名、2級が1人、全員が英検準2級程度レベル。
★年間を通して,自分が力を入れる個人テーマを設定して実践している。
Bパターンを強化する年,Aパターンを強化する年,評価を強化する年,のように,自分が徹底的に取り組むことを明確にして指導にあたっています。Bパターン強化年には,研究授業ではひたすらBパターンのみに取り組んだそうです。
★北原メソッドのコンポーネンツを年々少しずつ増やしている。
一度にあれもこれもではなくて,最初の年はFC,翌年は音読の徹底とパフォーマンステスト導入,というように,一気ではなく,少しずつ増やしながら,今はほぼ100%北原メソッドで授業を行っているそうです。
★「英語科実践報告」で保護者へ呼びかけ
英語の授業での取組,成果とこれから求められる力,英検受検の奨励について,保護者会で保護者向けにお手紙(B4表裏)を出しているそうです。学年ごとに違ったものを出されています。
〇1年生保護者向け
・英検取得者数と取得率・英語力の伸び調査の結果・ライティングノートの進み具合の人数,効果,生徒が書いた英文の紹介・授業で歌った英語の歌の紹介,英語の歌を歌う効果,生徒の感想 など
〇2年生保護者向け
・英検取得者数と取得率・都中英研・コミュニケーションテストの趣旨と結果・「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の趣旨と結果・国の英語教育施策の動向・パフォーマンステストについて・資料「スピーキング力の伸びと「受験」との関係」など…内容がとても素晴らしいと思いました。日本の英語教育施策の動向についてしっかりとおさえ,担当している生徒さんと重なるところは資料を引用しながら,育てたい生徒像をしっかりと伝えています。これを読んだ保護者は,ぜひうちの子の授業も受け持っていただきたい!と思うだろうな,と感じました。
・授業ビデオ視聴
(挨拶・帯活動:15分)
Greetings
LSD (Last Sentence Dictation:解答用紙は教卓の上に置いておいてチャイムが鳴ったら下げてしまう=チャイム着席が良くなる)
English Song
Vocabulary Building(生徒が言った単語を板書している。確認用。)
(復習:5分)
Review (English Expressの答え合わせ:本時の本文を既習事項で問うている)
(導入:5分・展開1:12分)
Introduction of the textbook
(1) Q&A with Picture Cards
(2) Oral Introduction
(3) New Words
(4) Explanation:(当日はQ&Aで内容理解を確認したところ、生徒が理解できていたようだったのでスキップした)
(5) Reading Aloud : Repeat after T, Overlapping, Buzz Reading
(展開2:12分)
One Minute Challenge(1分間ペアで自分の意見を述べる。パートナー替えてもう一度行う。自分の考えを書いてまとめる)
T:
What will you give Mr. M for a birthday present?
How about iPhone 6? It is because he’s still using “Gara-k”.
How about peaches? He likes peaches very much. His name is “Momo”-se, too.
S;
IPhone 6. It is very useful. But Gara-k is very useless.
White coats. He is a science teacher. His coat is dirty.
A towel. He uses many towels a day.
A ticket of Rizap.
T:
Mr. M, which do you want to get most?
Mr. M:
Towels.
(後日、タオルに寄せ書きをしてM先生にプレゼントした)
(挨拶:1分)
Greetings  宿題:ワーク、星読み音読(25回)、ライティング(言ったことを書く)

 

2年生、24名少人数クラス
研究の視点を技能統合型言語活動を用いた指導法の工夫とし、特に教科書の題材を基にした「互いの考えや気持ちを伝え合う」言語活動の充実として取り組まれたもの。
・チャイムと同時にさっとあいさつ
・small talk はbirthday でやりとり。本授業の最後に行うOne Minute Challenge に関係してくる。
・Last Sentence Dictation 用紙は授業前に自分でとって着席しておく。これで開始前着席の定着が図られた。
・Vocabulary Building 坪田先生はこれように、ノートを後ろから使わせている。
・Introduction of the textbookでは、picture cards を使って、素早く、しかしフルセンテンスで生徒も回答
・内容理解についてはすでに理解できてると判断し、日本語による確認はなしとした。
・Reading aloud  教師の後に続けてリピート、Overlapping Buzz Reading など
北原先生からのコメント
教科書を教師も生徒も持って読むこと(生徒も顔が上がる)、CDはスピードが遅いので、北原先生もあまり用いていない、たくさん読む回数を確保する。また、先生は指示で喋り過ぎない(ハンドシグナルがいい。)
・One Minute Talking で内容と関連させて自分の考えを伝える時間 What will you give Mr.Momose as a birthday present? 学年主任先生でしたでしょうか、M先生へプレゼントを考える。T先生が英語で4つほど案をだす。理由をそえて、考えを伝える。1分交代で次の席に移動して、相手を変えて何度かやる。宿題にそれらを書いて提出。

・宿題は3つ。音読、ワーク、そして、授業で話した自分の考えを書く。

北原先生からのコメント
プレゼント例のイラストを黒板に貼り、自分の選んだイラストのコピーを持たせる。後で同じプレゼントを選んだ生徒どうしで集まらせ、表現を学び合うとよい。
この他に、3年生の修学旅行を1分はんでALTに伝える、日本文化についてどんどんALTに英語で伝える映像を見させていただきました。北原先生もおっしゃっていましたが、とにかくスピードが速い。発音がよく、流れるように話していました。ユニークさもあり、本人が伝えたいことを英語にしたいという気持ちが育っていました。road of philosophy など、いろいろ考えている。(ただし、path of philosophy のが自然)北原先生の教えを忠実に実践されると、ここまで確実に力が伸びて行くことに感動しました。

 

1.Greeting
2.Last Sentene Dictation 生徒のリピートはスムースで声をよく出していました。
3.English Song ” I just called to say I love you”
4.Vocabulary Building  お題に出た単語は板書されていました。生徒はたくさんの単語を積極的にあげていました。ここまでの帯活動、テンポよく、大変スムースに進みました。生徒の集中力も切れていません。
5.Review Engish Express の答え合わせをする。教科書はNEW CROWNなので、T先生のお手製です。
6.Introduction of the textbook
(1) QA with Picture Cards 登場人物や絵からわかることを質問します。
(2) Oral Introduction 絵を見てストーリーを聞き取る。既習事項を使って話すことを心掛けておられます。生徒はよく、集中していて、Teacher’s Talk の英語は量はたっぷりですが、中学2年生にとっては分かりやすく、無理の無い英語に置き換えられています。よく授業準備がされています。また、無理の無い内容であるので、生徒は一生懸命聴こうとし、集中力が切れることがありません。先生の説明の後、ペアで確認する場面がありました。ペアで内容を確認させることで、生徒は安心し、またお互いをフォローし合うことができます。
(3)New Words Flash Cardsでの導入をする。
(4) Explanation 習熟度別の発展クラスのため、生徒が理解できていると思えば、カットすることもあります。
(5) Reading Aloud ・Repeat after T・Overlapping・Buzz Reading  etc.生徒はしっかりと音読できています。ここで「大きな声で」と促すための日本語が出ましたが、このような効果的な言葉以外    ほぼすべて日本語がでてくることはありませんでした。それでも生徒が集中力を切らすことなく、授業に集中し、北原先生と同じようなスピードで進んでいくのは、北原メソッドの積み重ねとT先生と生徒の信頼関係にあるのだなと感じました。
7.   One Minute Challenge 1分間ペアでお題に対する自分の意見を述べるというものです。    最初にキーワードをあげさせていました。2回目はパートナーを替えて、もう一度行います。自分の考えを書いてまとめることが宿題となります。この活動はT先生が研究されている、オリジナルなものでした。「読んだことについて、自分の意見を持たせる」というねらいがあります。最後に教師によるモデルを示すことで、まとめになります。ほどんど日本語を介さない説明の中で、生徒の笑いが起こっていることがすばらしいです。生徒の記入例を見せていただきましたが、A4およそ半分の分量の英文を書いていました。
8.   Greetings あっという間に展開していきました。生徒がよく動いて活動している授業です。力がつくのがよく分かります。生徒も力がついているのを実感しているので、あのようにしっかりついていくのでしょう。

 

1)Greeting
Today is someone’s birthday, you know?  やAre you okay today? You were absent yesterday. など身近な話題を英語で。
2) Last Sentence Dictation
・教師が読み上げ、書いた生徒は提出。 “How much is it?” 答えあわせで声にだしてリピート。(視聴後のQ&Aから)始業時ディクテーションの用紙を教室の入り口付近に置いておき、生徒は入室の際に自分の分をとって着席。チャイムがなったら用紙をかたづけてしまう。「こうすると着席が非常によくなる」
3) English Song “I just called to say I love you”

・歌い出し「No new year’s day」など各行の出だしを先生が先に言ってリードする
4) Vocabulary Building
・この日のカテゴリーは「Something you wear」・生徒にどんどん言わせて先生は単語を板書していく。「T shirt, blouse,..」
5) Review
・English Express の答え合わせをする。・予習と復習を兼ねたもの
6)  Introduction of the textbook
(1)Q&A with picture ・例のBongoBongo?を使用して、テンポよく英問英答。(これも北原メソッド完コピとおもいました。)・全員起立で、教師が写真を見せながら英語で生徒に質問する 例)who is this? What are they talking about?  What is Emma doing? など、答えられた生徒から着席。
(2)Oral Introduction 教師:絵を見せながらストーリーを語る。
(3)New Words まず生徒に読ませ、つぎにリピート。つぎに日本語のほうを見せて英語をいわせる。などやった後、1人ずつあてて言わせる(発できているかチェック?)
(4) Explanation ここは”飛ばし”だそうです。(1)~(3)までの課程ですでに生徒の本文理解が十分のようなので、ということでした。
(5)Reading Aloud    Repeat after T à Overlapping à Buzz reading etc.
・長いセンテンスのリピートは いわゆるbackward building 式で――for hunting à boomerangs for hunting à used boomerangs for hunting のようにやっていました。・つぎのOverlappingにおいて、視聴後北原先生がコメント。「私は最近はCDは使わない。遅すぎるものがあり、だれる。センテンス毎の間が長い場合は、『そのあいだに2回(または3回)リピートしなさい』と言っている」また、先生の姿勢についてご注意あり。「(テキストは)先生もちゃんともってやらなくては」・「オーバーラッピングでは、『1回目は、『周りの声がおおきく聞こえる人』は自分の声が小さいのだ、と、黒板に当たって跳ね返ってきた自分の声を自分の耳に入れるようにしないと英語は頭に入らないよ』と言っている。そのためにも、ちゃんとテキストをもって声をださないと」この後、ビートルズの曲を、自分の声がぴったり重なってボーカルの声が聞こえなくなるまで練習したタケカワユキヒデ氏のエピソードを紹介。
7) One Minute Challenge
本文の内容にからめてテーマを与え即興スピーキングを行う、とのこと。ここで4)のvocabulary building で”Something you wear”で生徒が挙げた単語とつながる。・1分間ペアで自分の意見を述べる。・パートナーを替えてもう一度行う・自分の考えを書いてまとめる。「学年主任の先生にどんな誕生日プレゼントがいいか」というテーマ。“What will you give Mr. M *for a birthday present?  (*for 正しくはas)という質問文で、はじめに答えの候補として用意されたピクチャーカードを見せながら発音練習。ペアでひとり1分ずつ選んだ品とその理由を述べる。ここまでビデオを観て、グループごとにおもったことを話し合い。その後北原先生からもコメントがありました。上の手順の該当箇所にもコメントを書きましたが、残りを以下に。

北原先生コメント:
「北原メソッド100%の授業はこれで5,6人目。K先生/F先生・・・(名前をあげておられましたがメモとれず)。生徒がめっちゃ動いている!それでいて、T先生の自分のカラーもでている。」
「普通はこんなに速く(授業を展開)できない。「省力化」が徹底されているということ。普通は6(内容理解)までも行かない位だろう。一人ひとりの理解を確認し日本語で説明したりして時間がなくなってしまう。理解が確認できれば必要ない。」「プレゼントの発想は生徒任せでなく、こちらで用意しておくのはよかった。ただ、ピクチャーカードの小さいものを相当数用意し、生徒に選ばせ、おなじものを取った者同士で、選んだ理由を延べあうなどするともっと言葉の想像力を伸ばしていけるのでは。」また、これだけ見事な流れの授業に対しても「生徒をひとりひとりあてて発音させる部分、口頭での指示などもっと少なくできるのでは」とさらなる改善点を指摘されていました。・「書いてまとめる」は宿題にする。――宿題のなかでは、星読みとワークブックはほぼ必ずやってくるが、書いてまとめる方は、催促が必要なことも。

(1)Greeting
・TとSで ・SS同士でも
(2)Last Sentence Dictation
・6分程度の文、最後はHow much is it?・書き終わったら回収(北原先生は回収されずに次のVBでその紙の裏を使われるらしい)
(3)English Song
・I just called to say I love you・左の英語歌詞、右に日本語が書かれたワークシート、裏面にはStevieのなりたち(「授業で使える英語の歌」より)と、いくつかの単語&意味のWord Box
(4)Vocabulary Building
・テーマはsomething you wear・北原先生のご実践も見たことがなかったのですが、1分という制限時間内でよく書いている様子で、How many words did you write?との教師の問いに対しても多くの生徒が挙手できていた。クラス全体では、黒板の半分が板書で埋まるほどだったので20単語近く?挙げられていたのでは。先生は丁寧に1つずつ板書されていた。これは良し悪しだとご本人も言われていました。・生徒はプリント類ではなく、自分のノートにVocabularyを書いているとのこと。ノートの裏側からVB用として使っているとのこと。・T-shirtという着るものばかりではなく、GlovesやRingなども生徒から出てきた。
(5)Review
・English Expressという教科書内容の予習&既習事項の確認シートを事前に配布し、それの答え合わせをしているよう。ビデオではあったかな?カットされていたかも??見逃していました。
(6)Introduction of the textbook
(1)Q&A with Picture cards
・北原先生のご実践でもある、Picture cardをみせながら、教師がQ、生徒がAし、Aできた生徒からSit downしていくシステム。・でてきたQの例・・・ Who is this girl? Where is she from? Who’s this boy?
Where is he from? What are they doing? What are they talking about? What is she doing? Do you know anything about boomerang? Who is this man?(Guess who) Do you want a boomerang?←これが一番最後に残った生徒への質問でした。・教師のQを考える質問力が必要だと痛感しました。特に最後に残った生徒ほど、答えるハードルが高いのでは、、、と思って見ていたので、Yes, No Questionでうまく配慮されていると感じました。
(2)Oral Introduction
・Tが音読・その後、英語で本文内容に関するQAを口頭で・・・Ken looks happy. Why? Who used a boomerang? Who are they? They used a boomerang for what? など・テンポよく、ポイントが抑えられていて、生徒は全員が答えている様子ではなかったが、その場で軽快にやりとりが進められていた。
(3)New Words
・Flash cardで・ここまで丁寧にFlash cardを使う例を初めて見ました。北原先生のご実践を見たことがなかったので・・・かもしれません。・Flash cardを本当に”Flash”して使っていたのが衝撃でした!あんな高速でも生徒は判別しているんですね~~。・ただ単にRepeatingだけでなくて、ooの発音を確認したり、ingを取った形を確認したり。1人ずつ回してみたり。

(4)Explanation
・Q&AとOral Introductionで生徒の内容理解ができていると判断し、当日はカットされたようです。そのあと北原先生からもお話しがありましたが、「ここをカットしたことで、授業後なにか言われたでしょ?」と。多くの人は、これをカットすることに反対だったり、勇気がなかったり、本当にそれで全員理解できているの?と心配になったりするが、それは必要のないことだ、とお話がありました。その後の授業の様子をみていても、内容理解の乏しさから授業が滞っている感じはありませんでした。
(5)Reading Aloud
・ここで初めてCD登場。・Listen to the CD→1文ずつRepeat after the CD→1文ずつRepeat after T(より細かく、難しかったり長い文は丁寧に)→ペアで2回、Stand up and read→Overlapping2回、ここで先生はCDに負けないように!とVolumeをしっかり出すことを声掛けされていました。・北原先生のコメントでも、音読が終わったあとに「先生の声が聞こえた人?」「まわりがうるさかった人?」「
ALTの声が聞こえた人?」といって挙手させることがあると。それで手を挙げる生徒は、「それは自分の音読の声が小さいからだよ」、と指導するそうです。音読で大切なのは耳から学ぶこと。小さい声では意味なし!

(7)One minute challenge
・教科書の登場人物の1人がPresentをうけとって、もう一方がうけとっていないながれから、She must be sad.という話に。そこで、この学校にもSadな先生がいます、と話を展開させて、夏休み中に誕生日だった先生にこれからプレゼントをあげるとしたら?のテーマでSpeaking・教科書内容とうまく関連させて、生徒に身近な話題で話させるのがうまいと思いました。・テーマをいきなり投げて、はい話しなさい、ではなくてその前準備も入念。黒板にFor example…といろんなプレゼント例を写真で貼っていく。
まだガラケー使われているからスマホかな、ゲーム好きだしPS4かな、名前が百瀬だし桃好きそうだし、桃かな・・・などユニークなものも。No ideaでのスタートよりも、選択肢があってペアでの会話がスムーズだろう。・列ごとに前後の席へローテーションして、ペアを複数回変えながら同じテーマで会話。全員Stand upした状態のまま続けるので、スムーズそうだった。Stand up状態で会話をすることで、Gestureなどもしやすそう?と思ってみていました。・ローテーションの移動ごとに「はい、次」というような指示をされていたのですが、北原先生からは、いつもやっている活動なら、そういう教師の指示もどんどん少なくなくしていけることがいい、と話がありました。生徒だけで動けるのがベスト。いつもの活動なら特に。・最後に話した内容をWritingするのが宿題として課されました。・北原先生からは、例えば音読練習のあとにペアで英語の得意な方は、教科書を見ながら、本文内容をSlightly changeしてアドリブ音読をしてみるとか、英語が苦手な方は、教科書を見ずに本文内容を再現してみるとか、というヒントがありました。

 

 

1 Greetings
とても和やかな雰囲気でスタートしました。始まった瞬間に生徒が授業に集中しているように感じました。誕生日を授業中にみんなから祝ってもらえる生徒は幸せですね。
2 Last Sentence Dictation
この活動は、生徒の集中力を高めることにつながると思います。T先生はていねいにはっきりと発音していました。語順を身につけるうえでも効果的だと思いました。
4 Vocabulary Building
Something to wearのタイトルで生徒は1分間、ノートに知っている英単語を書きます。北原先生はLSDの細長い紙の裏に書かせていました。私も夏休みまで、この活動はLSDシートの裏に書かせ、ノートに貼る際に、新たに知った単語は赤で書かせるようにしていました。多くの生徒が「つらいが力がつく」とアンケートに答えていました。T先生はその後、生徒が発表する単語をていねいに板書していました。自分だったら、ミスしそうでできませんが、敢えて書くことで先生ご自身のトレーニングにつなげているように感じました。普段は自分では書かないし、ALTとのT.Tの際にALTに書かせていると北原先生はおっしゃっていました。
6 Introduction of the textbook
提示されたピクチャーカードについて、先生が質問し生徒が答えていました。生徒は楽しそうに取り組んでいるように感じました。最後に残った生徒の発言に対してもどの子もあたたかく聞いていました。安心して発言できる雰囲気は、T先生だけでなくM中全体の取り組みの成果かと思いました。のちに登場してくる学年主任の先生への生徒たちのあたたかい雰囲気からもそれは感じられました。
Oral Introduction
対話を演じる際、ピクチャーカードの右から、そして左から、というように顔を出して言うことで、生徒には自然と話者が変わったことが伝わるのですね。「読みトレ100」の”Rakugo”にも書いてありました。勉強になります。
New Words
フラッシュカードを用いて新出単語をすばやくそしてなめらかに導入していました。先生が、まさにフラッシュさせて、その単語を言わせるところでは、老眼の私はまるでついていけず、生徒さんたちの集中力と目のよさに驚かされました。私も真似したいと思いますが、ちゃんと練習してから臨まないとカードをクルッと回すところで、ばらまいてしまいそうです。ひとりずつ当てて発音している場面もありました。活動の緊張感を保つ上でも効果的なのかな、と思いました。北原先生は、赤坂中では1クラスの生徒数が少ないので、ひとりひとりを当てて発音させなくてもわかる、とのことでした。
Explanation
生徒自身が必要に応じて、隣と日本語で確認していました。よくわからなかったところも友達と確認することができるので、安心感につながると思いました。
Reading Aloud
とても速いスピードで音読練習に取り組んでいました。CDとのオーバーラッピングでは、1回行った後、生徒に「まわりの声がうるさかった人?」と聞いて挙手があったら、「自分の声が小さいのだよ。」と伝えること、また、教師自身が教科書を両手で持ち、よい姿勢で音読することが大切であると、北原先生からのアドバイスがありました。
One Minute Challenge
ペアになり、Mr.Mの誕生日に何をプレゼントするか、自分の考えを述べる活動を行いました。生徒は向かい合わせの生徒と1分間対話した後、相手を替えて同様に対話をしていました。ペア交代の際に、教師の指示はなるべく減らした方が、生徒は自分たちでやっているという気持が強く持てる、というお話でした。最後に、授業を参観していらしたMr.Mが登場し、英語で話をしたときの生徒さんの反応が温かく感じられました。教師と生徒、学年部と生徒との関係が授業を通じて好ましいものになっているのがわかりました。T先生の資料の最後に、One minute challengeで生徒が考えて発した英文を書かせたものが掲載されていました。発言した時とちがい、より正確さを生徒は目指して取り組んだことが伝わります。しかしながら、よく書けています。優しさがよく伝わってくる英文ですね。

 

T先生の授業は最初から終わりまでほぼ英語だけで行われていました。Bパターンの授業でした。お若くてスマートで、北原先生のような存在感はないのですが、最初のSmall Talkがすばらしいと思いました。今日が生徒の誕生日であることに発表し、祝意を示した後に色々なもののpicturesを示し、“Which do you think the best for your birthday present?”と聞いたりして会話が生き生きしていると思いました。しかもそれが最後のWritingの伏線になっていました。いただいた資料②大修館書店『英語教育』(平成24年4月号)「徐々に英語を増やしていく工夫」にこれに至る経緯が書かれており、大変参考になりました。ビデオは途中でやむを得ずカットされている箇所があり授業の流れをじっくり味わえず残念でしたが、北原先生の授業を踏襲しながらも、また別の色合いをつけているように思いました。Greetings, LSD, English Song, Vocabulary Building の帯活動の後のReviewではEnglish Expressの答え合わせでした。これは復習と予習を兼ねていて授業での説明を減らすのに役立つとの位置づけでした。教科書の導入Q&A with Picture Cardsでは4枚のCardsを同時に黒板に提示してどんどん進めていくというように「進化形」を思わせました。次のOral Introductionは丁寧に英語で説明されていて、New Wordsの導入の後のExplanation 内容理解では「ポイントになるところ日本語で確認する」とありましたが、Oral Introductionで生徒がよく理解しているのがわかったのでカットしたそうです。Reading aloudの後、One Minute Challengeという活動がありました。12分間の予定で“What will you give for Mr. M for a birthday present?”という発問について1分間ペアで自分の意見を述べ、パートナーを替えてもう一度行い、最後に自分の考えを書いてまとめる」というもの。これは東京都教育研究員の研究成果のようですが即興スピーキングもあり、Writingもありで非常に高度な活動だと思いました。全体的に北原先生の授業を更にひねりを加えたような感じです。

 

★学習規律がしっかりとしている
生徒の姿勢や手の上げ方,先生が話している時は全員が先生の方を向いている,リピートのタイミングや声の大きさなどなど…日頃のT先生がきめ細やかに指導しているのだろうということが伝わってきました。
★授業の初めのSmall Talkが自然
指導案には旬の話題を話す,と書かれていました。その日が誕生日の子とのやりとりがありました。みんなでお祝いの拍手をしたりもしていました。先生の笑顔も素敵で,温かい雰囲気だな,と感じました。
★生徒の理解度を見ながら進めている
本文の内容理解がカットされていましたが,オーラルイントロで,もう分かっているな,と判断してとばしたそうです。授業後の研究協議では,とばしたことについて突っ込まれたそうですが,あれだけ丁寧に分かりやすくQAやオーラルイントロダクションを行っているので,しつこくやらずに,生徒をしっかりと見た上での対応でいいな,と思いました。その分,時間をかけるべき所にしっかりと時間をかけることができます。
★One Minute Challenge プラスαの活動
教科書と関連づけたテーマを与え,自分の意見を1間でペアに伝える活動で,パートナーを変えて2回ほど行った後,ライティングを宿題に出すそうです。「話す」→「書く」につなげるとてもよい活動だと思いました。続けて行えば必ず力が付くと思いました。
・vocabulary Buildingはsomething you wearというお題で20個ほど黒板に書かれていたようですが、自分だったらひやひやしてできないと思いました。・T先生のフラッシュカードのひっくり返したり、めくるスムーズさに驚きました。しかし、資料①のコラムを読ませていただき、T先生も教室で練習したり、毎時間ビデオを撮って振り返っていた下積み時代があるのだと知りました。自分は幸運にも採用前から、北原先生とお会いできることが出来たので、しっかり日々の研鑽を積み重ねてT先生のように北原メソッド100%にまずはなれるようにしていきたいです。

 

【北原先生のコメント】
北原メソッド100%でありながら自分のカラーが出ている。普通は6 音読で終わってしまう。どうでもいいところはすぐに済ませる。内容理解は省略するのも適切。New Wordsは少人数だと誰が言えてるか言えていないのか分かるので、最近は当てていない。CDは遅いので、ポーズの間に2回3回言わせると生徒がだれない。生徒に生徒を持たせるようにするなら、教師も教科書を持たないとダメ。オーバーラッピングで「周りの声がうるさい人?自分の声が小さいからだよ。ALTの声が聞こえた人?自分の声が黒板に反射して聞こえていないからだよ。人間は自分が意識している音だけを聴くので、自分の声だけ意識して聞いていたらモデルが消えるはずだよ。」最後のペアワークは教師の指示はいらない。ハンドシグナルや音で指示を出すようにするとよい。本文を使った即興などをやったことがある。:苦手な生徒は教科書を見ながら答える。得意な生徒は教科書を見て即興で言葉を替えて問いかける。プレゼントの絵を黒板に貼るとき、いくつか貼って黒板に取りに来させる。同じトピックを選んだ生徒を新しいグループを作成させ、意見を共有すると面白い。言い方やアプローチの仕方、理由などが異なっていて面白い。「言葉を想像力で伸ばす」田尻悟郎先生

・教師は内容理解をさせようと思って、ぐだぐだ説明したりするが、T先生は活動に軽重つけ、省力しながら授業が進められている。・フラッシュカードは、生徒1人ひとりあてて発音させているが、北原先生はさせていない。少人数だから、誰が言えているかわかるため、その必要はなし。・モデルリーディングのときに、T先生はCDを用いていたこたが、北原先生は今は使っていない。ポーズが長いのでだれる。もし使うのであれば、生徒には単語やセンテンスを2回、3回繰り返せるだけ繰り返させるとよい。教師のモデルリーディングが◎・教師も教科書を持って音読をすること。机の上に置いて読むのはNG.・オーバーラッピングでは、周りの声が聞こえるのは、おかしい。自分の声が小さいせい。人間は聞きたい音だけ聞こえるものなので、モデルそっくりに言えたら周りの声は聞こえないはずである。
・保育園の送り迎えのため8時~18時でできることを考え、実践されている。・一つずつ北原メソッドをトレースして、段階的に北原メソッド100%の授業にしていった。・北原メソッド以降の授業では自信を持って授業できるようになっていき、また生徒もできるようになっていった。・現3年生では104名中帰国生徒が4名、また入学時私立に進学する割合が約50%だそうです。・授業ビデオを視聴し、北原先生が実践されていることをT先生も同じように実践されていました。vocabulary buildingでは生徒の発言を板書したり、one minute challengeという即興スピーキングをされたりと所々T先生のカラーが見られ、アイディアを出されておりました。・授業ビデオの視聴~北原先生から~ ・CDを使う際、ポーズでは2回、3回繰り返させる。・overlappingでは周りの声がうるさかった人、ALTの先生の声が聞こえた人は?と挙手させ、自分の声が小さいことを認識させる。・人間の耳はスピーカーと違い、フォーカスした音だけ聞こえる。黒板にはね返った自分の声が聞こえるように言う指導をする。・ペアチェンジなどハンドシグナルや音で示し、教師の指示を減らす。・本文に関するところから即興に持っていくといい。できる人は1文追加したり、変えたりするなど。・パフォーマンス映像では修学旅行、日本文化紹介、I have a dreamのレシテーションがありました。どの生徒も言いたい、伝えたい!という表情・発表内容でした。また発音も良かったです。「reason to speakがあるから言える。そして心に残る。」という北原先生の言葉は正しくその通りだと感じました。・学習者をよく見る、データをとることが欠かせないと学びました。・北原先生以外で北原メソッドをされている先生の授業を見るのは初めてでしたので、とても参考になりました。また、赤坂中の生徒だけが特別だというわけではなく、どの生徒にも通じるメソッドであり、どの教員にもできるメソッドなのだと改めて感じました。

 

・Last Sentence Dictation では、カードを回収した後にVocabulary Buildingをやっていた。そして、カードの裏面でなく、ノートに書かせて、生徒に発言させた単語をその都度先生は黒板に板書していた。(T先生曰く、「ドキドキしながら」つまり、スペルの知らない単語が出ないかと心配しながら板書。)北原先生は、「言えることが大事で、スペルまでは確実でなくていいという趣旨のものだから板書の必要はない」とコメントされていた。
・Oral Introduction 絵を見て、ストーリーを聞き取る。その後、「ペアでチェックしてね」と意味を日本語で確認させていた。
・New Words の練習の時にCDを使っていたが、北原先生は最近は全くCDでの単語練習はされていない。AETがほとんどいるので、AETに言わせている。CDは遅いし、ポーズが長いから。
・Explanation内容理解は、「指導案」には記載されていたが、授業ではなかった。これは、Q&A時の様子を見て、必要ないと判断したとのこと。
・音読練習のとき、Overlapping について北原先生から「自分の声がはね返ってきて、それを聞くことができるように。他の人の声が聞こえてはダメ。このことはゴダイゴのタケカワさんが自分の声以外聞こえなくなるのがベストだと言っていた。」とコメントされた。
・One Minute ChallengeというT先生オリジナルの活動があり。・1分間ペアで自分の意見を述べる。(・読んだことについて自分の意見を持たせる。)・パートナーを替えてもう一度行う。(・話し手と聞き手に分かれ1分間ずつ伝え合う。)・自分の考えを書いてまとめる。=>ワークシートを配布し、宿題として書かせる。

・授業の最後にはOne Minute Challengeというパーツがあり、この日のこの授業で扱った題材をもとに(present)、実際に学年主任へ誕生日プレゼントについて、①1分間ペアで自分の意見を述べる。②パートナーを替えてもう一度行う。③自分の考えを書いてまとめる。(ワークシート。宿題)という流れで行っていました。ちなみに、生徒が全体で意見をシェアした後、実際に参観されていた学年主任の先生ご本人が黒板の前に来られて、一番欲しいプレゼントは何かを伝える場面もありました。なんと楽しく素敵な活動の締めくくりでしょう。実際に生徒が書いたワークシートを拝見しましたが、「意見→理由→詳しく説明…」の流れで、9行ほどの内容の濃い英文が書かれていました。(I think white cloths are good. →I have two main reasons.  First, he always wears a white cloth.  because he is a science teacher.
Science teacher needs a lot of white clothes.  Second, … →I think Mr. M is good when he wars a white clothes.  He is a good science teacher. )

 

・生徒が各活動に慣れているため、T先生が細かく説明をしなくても生徒が自分で次の活動の準備をしていました。北原先生がの講評で「なるべく先生が話す時間を短くし、生徒の活動量を増やすことが大切」とおっしゃっており、T先生の授業はそれが徹底されていると思いました。・授業を展開しながらの「取捨選択」が素晴らしいと感じました。生徒の様子を見て、本文の解説が必要ないと判断した先生は次の活動に移っていました。自分の授業ではどうしても「やりたかったことを全てこなす」ことに執着してしまい、いい意味で捨てることが出来ない時があります。生徒を見る、ということをこれから出来るようになりたいと感じました。・本文内容は「エマからお土産をもらったケン」というものでした。それから派生し、「先生の誕生日に何をあげる?」というテーマを与え、1分間友達と会話を続けるという活動を行っていました。「自分のよく知る人物にどういった贈り物をするか」というテーマが生徒に「考える・発話する」動機を与えていました。だからこそ、どの生徒もイキイキと自分の言いたいことを英語にしていたのだと思います(当日、生徒たちはにこにこ、時には爆笑しながらプレゼントを考えていました)。自己表現させる際には「誰に向けて・どうして」を明確にしなくてはいけないと学びました。

 

 

・パフォーマンステスト映像・修学旅行の思い出(平成28年6月)・日本文化紹介(平成28年11月)・レシテーション “I have a dream”(平成28年12月)教科書New Crownでは、ここ数年掲載されているので、これを最後のゴールとしている。パフォーマンス映像を見ての感想・生徒が話したくてたまらないといった表情。AETは、制限時間が過ぎても、生徒の話の途中であれば、続けている。AETも話し好き。・見せていただいた、2名のレシテーションは、キング牧師を彷彿とさせるような、イントネーションと早口で、見ていて感動した。素晴らしい。全体的な感想としてとにかく、授業中の生徒の発言が活発。活動のときの動きが良く訓練されている。また、パフォーマンステスト中の生徒から淀みなくことばが出ていること、発音やイントネーションもきれいで、理解しやすい。北原メソッド100%に、自分流、生徒の実態を踏まえてプラスアルファーを行っていることがこれだけの実績を残した理由だとわかりました。

 

修学旅行の土産話
生徒の発音がきれいで、言っていることがよく伝わってきました。清水寺を訪れたことを述べる際に、「音羽の滝」の説明で、It’s famous for its waterfall.と言えたこと、日ごろの授業や家庭学習の積み重ねが感じられました。撮り終えたビデオは、北原先生もT先生もあえて見せないということでした。時間の関係もありますが、ひとつのゴールなので見せる必要はない、ということもおっしゃっていました。
日本文化紹介
赤坂中のパフォーマンス映像でも見させていただきましたが、生徒は学習した事柄をよく活用し、ALTに説明していました。みな、It’s で始まる英文を述べていたように思います。生徒が説明したことが伝わって、ALTが正しく解答すればポイント、ということでした。赤坂中のビデオでは、限られた時間の中でもALTが、Nice! とかCool!と言った合いの手を上手に入れたり、復唱したりすることで、生徒は緊張しながらも対話を楽しんでいる様子が感じられました。また、キーワードは同じであっても生徒はそれぞれ自分なりに英文を考えて表現していたので、みな違う英文を述べていたように思いました。
Recitation
キング牧師の演説を生徒はそれぞれのレベルに応じて自分の分量を決めて練習し、T先生が用意されたマイクスタンド3本の前で、見事に暗唱してみせていました。休憩時間にT先生がおっしゃっていましたが、分量の多い少ないはポイントに関係ない、ということを生徒に伝えてあったということでした。映像では、キング牧師になりきって見事に暗唱する生徒の姿を見ることができました。大きな達成感を得ることにつながったことでしょう。
・パフォーマンス: How was your school trip?
I was surprised to know that Horyuji temple is the oldest wooden temple in Japan.
There are 1000 Toriis, that looks like a gate. I was really happy to see them.
I went to Kiyomizudera temple. It is famous for its water falls, and you can drink one of them. There were many people so I didn’t have enough time. I chose the water of study.
The second day was very exciting for me. I hoped to go to Ginkakuji temple, so I was very happy. We took this picture by ourselves. They’re very friendly and kind, and we had a good time. I went to “road of philosophy.” I ate Macha shaved ice and I met a foreigner and asked why you came to Japan. Thank you so much. My pleasure.
I’ll tell you my school trip. We went to Horyuji temple. Have you ever been there? It was built by Shotoku Taishi. He is very clever and I hope to be like him. I was surprised to see a big Buddha’s statue.

【北原先生のコメント】
It’s famous for its water falls.のits が出てくるのは素晴らしい。My pleasure.がさらっと出てきたのが素晴らしい。この活動はここがゴールなので生徒にフィードバックする必要はない。「roadよりはpathがいいよ」とアドバイスしてあげるのがよい。ALTの合いの手が素晴らしいと思ったが、少し喋りすぎ。生徒の話す時間を奪っている。生徒が話したことを繰り返している(エコー)のはいい。生徒は「ちゃんと聞いてくれているんだな」という安心感を持つことができる。
・パフォーマンス:日本文化紹介
【北原先生のコメント】
ALTが答えられたら点数になる。下駄をIt’s a Getaになってしまう。It’s a pair of shoes.ならよい。We can eat as many beans as our age. It’s a day in summer…は文としては不適切。
・パフォーマンス:レシテーション “I have a dream”スピーチの一部分を暗唱。
【北原先生のコメント】
練習で4時間使ったが、とても速度が速い。発音も崩れていない。スピーチテーブルにマイクを3本乗せているのが現実味があっていい。CBSとかタグをつけるともっといい。”Reason to read” 読む理由があるから読みたくなる。修学旅行インタビューも”Reason to speak”があるから自分から話したくなる。名演説を覚えるというのはいい。一生覚えていると思う。

・・My pleasure.と自然と出てくるのはすばらしい(English Expressでやったそうです)・It is famous for its water などitsときちんと言えているところがよい・フィードバックは北原先生はあえてしない、この活動がゴールとしておいているから。しかし、road philosophyなどレベルの高いキーワードが出たら、road よりpathの方がニュアンス的にいいよなどアドバイスするとよい。
4.授業ビデオ視聴(つづき)
つぎにパフォーマンステストの映像を3種類観ました。1つ目は修学旅行の思い出:奈良や京都にいって印象にのこったことを、1分半(2分?)でALTにむかって英語で話す。リーフレットやお守りなど、関連のものを見せながら説明する部分がかならずある。2つ目が日本文化紹介花見:浴衣・七夕・寿司・梅雨・下駄・押入れ・お年玉など、授業で学習した日本事象にが書かれたカードが積まれてあり(授業でやっていないものも若干混ざっている。上級者用?)、ALTがそれをめくりながら対面の生徒に渡し、生徒はその説明をする。ALTが何の説明か理解できたらまた次のカードの説明にうつる、というもの。3つ目が・レシテーション:“I have a dream” speech。演台にマイク(フェイク)三本も立てて、臨場感を盛り上げています。北原先生の教え子のものは今まで何度も観てきましたが、別の先生の生徒が、北原先生の生徒と同様のレベルで、発音もよく、流ちょうに、表情豊かに、楽しそうに、自然体で英語を話している様子は、目を見張るものがありました。北原メソッドの威力をこの目であらためて確認できました。

北原先生コメント:「この記録映像は生徒には見せない。――時間がないのと、このパフォーマンスを(単元の?)ゴールと位置づけているので、あとからどうこうするというものではないため」「ALTの態度とてもいいとおもった――生徒の発言を繰り返しながら相づちをうつ「エコー」――話す人に安心感を与える。ただちょっとTalkativeでもあった。(「鳥居」の説明で生徒がつまったとき、”gate”と言って助け船をだしてしまうなど)」レシテーションに関して「マイク3本はいい!生徒をやるきにさせる教師の「遊び心」が大事」「(生徒の英語が)速い!(「準備に使った時間は」との問いに「4時間」というT先生の答えに対して)4時間かけたってふつうはこんなに速くならない」「(生徒のやる気に関連して)reason to speak—「ねえ聴いてよ!」という気持ちがあるから話そうとする。」「よく守破離という。長先生が築いたやり方は誰がやっても通用する。その土台の上に私もやってきた。だからまずそれをそのままやってみて、自分の土台を築いて、それでもっといいのがあれば変えていけばいい。ただ、柱・幹・背骨がないまま、いろんな授業を(部分的に)もってきてあれこれやっても失敗する」
「(T先生に)子供にしょっちゅう聴いているよね!(授業についての感想・意見を)データをとらなければいけない」「Aパターン、Bパターン分けたらCLT(Communicative Language Teaching)の考えからしたら、(文法のみに特化して教えること)批判をうけるけれど、日本のリモートな環境でやるなら、これが有効だった。だから教条主義的に、(理論では)こうなんだから、というのはよくない」
「(メソッドをコピーしても)ぜったい自分のスタイルがでてきて、きっと楽しくなるよ。(T先生にむかって)(授業が)楽しいでしょう!」T先生:「はい、楽しいです」この楽しさを私も味わえるようになりたい、と強く思いました。 また、生徒の発話のなかのfamous for its water のits、やMy pleasureなどの、未習表現が入っていることをご指摘。T先生は、My pleasure はEnglish Expressからだと思うと答えていました。生徒がつかう語いレベルに注意を向ける視点、見習いたいとおもうと同時に、English Expressが、既習事項の復習のみでなく、でき生徒の語い力をも伸ばしていることがわかりました。

 

 

 

・英検について
→コンサルテーションで、来学期は○級に挑戦してみようと声をかける。
→お知らせは封筒は全校配布。授業で説明。
→3回とも金曜に準会場として実施(部活の大会とかぶらない)
→保護者会での保護者へのよびかけ
質疑応答
・宿題の量は多いが全部生徒はやるのか?→ワークと★読みは必ずやるが、ライティングは請求しないと全員はやらない。

・指導案で驚いたことを3つ挙げたいと思います。1つは、本時に至るまでの授業として、1年生の授業開きから今回の授業までどのような内容であったかを1時間ずつ書かれた表が資料として添付されていることです。このような資料を見るのは初めてでした。これまでにどのような授業を積み重ねてきた生徒たちなのかが分かり、パフォーマンステストの量の多さ(音読テスト7回、インタビューテスト6回、スピーチ2回、スキット1回)にも驚きました。2つ目は「指導に当たって」という項目です。7項目に分けて丁寧に書かれています。北原メソッドとその理念が文章のあちこちに見られ、気づくとハイライトでいっぱいになりました。私自身は4年間、北原メソッドを取り入れながら授業をしてきたつもりでしたが、このように明示したことはなかったので、ハッとさせられました。以下、3つの項目を抜粋させていただきます。「指導方法の工夫」ア 授業始めの活動を固定する。(生徒が何をすればよいか分かるため)イ 授業のパーツを細分化して生徒を飽きさせない。ウ 教師の説明を極力減らし、生徒の活動量をできるだけ確保する。「第1学年からの指導の重点」ア 発音指導(日本語にはないf,v,th,r,lなどの音の自動化)イ リスニングとスピーキングの比重を高くすること(頭の中に英語の音声の回路をつくる)ウ 家庭学習と授業の連動(家庭学習でさせたことを次の授業で必ず確認する)「授業改善のために」ア 常にデータをとる。イ データを分析して、次の指導を考える。ウ 定期的に授業アンケート(情意面・活動面)を取り、生徒の声に耳を傾ける。3つ目は、後半の資料にある「各学習活動の趣旨」です。英語の歌やDictationなど10の活動について「目的、メリット、特記事項、生徒の感想」が書かれていました。4ページにわたり書かれたその資料は、英語科で活動の目的を共有するのにもとても役立つ内容だと思います。また、目的やメリットが明確であると、教える側が主体的になれると思いました。この中で1つ取り上げたいのは「オーラルイントロダクション」です。よく「オーラルイントロは何のために/どうやってやるのか」と聞かれることがあります。T先生の資料では、「リーディングへのレディネスをつくる」目的で「生徒の題材への関心を高め」たり「行間に隠された意味を補うことができる」というメリットがある、という説明でした。非常に分かりやすく、このように目的がはっきりしていれば「どうやってオーラルイントロをやるのか」と迷わなくなると思いました。この他に、歌のシラバスが掲載されていたりとボリューム満点の指導案でした。以上のことからも、T先生がご自身のされていることを詳細にオープンにされていることが今回驚いた点です。こうした積み重ねで資料①にある「どの学年や学級でも指導内容や指導法が一致」することが可能なのでしょうか。また機会があればお伺いしたいです。

 

・全体を通してT先生の脱力感を見習いたい。多忙な毎日のなかで、北原メソッドを年々進化させる姿、尊敬します。余計な力は抜き、淡々とやりつつ、最大限の結果を出している。抑えるべきところは自分で持っているなと思いました。・オーラルイントロ後の内容確認 (ペアで話し合いしたあと、教員の質問にクラス全体で答える)→北原メソッドでは、音読練習の前にジェスチャーをさせて理解を確認するが、ここでやるのは、流れが自然でよかった。 スキーマが活性化している状態なので。 ・Bパターンの音読活動の後に、本文をもとに英文をつくらせる発展的な活動までつなげていた。→これを継続的にやっていれば、相当の力がつくと思いました。 発展コースならではのチャレンジングな活動で、もってこいの課題になる。 ただクラス全体でやるには重すぎるかも・・・と思いました。 ・ビデオに登場した生徒は、英語らしい音が身についている。→どの活動が力をつけたと感じているかT先生に聞いてみたい。(全部?) 自分の場合、サンシャインのAパターンのBasic Dialogで個別チェックすることで発音への意識が高まっていくように感じる。 ・映像に登場していない中間層やその下の層の生徒が、どんな状態か気になります。一昨年の北研夏合宿で、北原先生が「中の下を伸ばすことが大事」と言われていた。自律的学習者になっている上位層は勝手にやるが、その下をどう育てるか、いつも気にしている課題です。 ・キング牧師のスピーチ暗唱は、これをあえてやらせたT先生の思いが伝わってきた。思春期に触れたものは、きっと一生残る財産になる。キング牧師、ケネディ大統領、チャップリンの独裁者など、世界の超一流のスピーチに触れさせる活動は、自分でもやってみたいです。

 

<T先生より>

・授業始めのsmall talkでのbirthdayのやりとりのとき、What do you want for a birthday present?と聞いたのはその後のOne Minute Challengeへの伏線でした。DictationでHow much is it?の文を選んだのは本時で習う本文にWhat is it?があるからでした。Vocabulary Buildingの今日のカテゴリーをsomething you wearにしたのは、プレゼントを選ぶときの参考に少しでもなれば、と思って設定したものでした。こうした「つながり」は意図的にしたものだったので、あの短時間でそれらを見取る先生方の観察力に脱帽です。実はこの「活動のつながり」は、東京都の若手研修の一環である「教師道場」で1年間テーマとして取り組んだものでした。それが無ければ今でも脈絡のない活動を積み重ねていたかもしれません。東京のT先生、静岡のS先生にはフラッシュカードのフラッシュのことを書いていただきました。これは4年目の個人テーマで、空き教室で練習したり、ビデオに撮ってカードを持つ位置を修正したりと重点的に取り組んであのようなスピードになりました。ところでこの「1年1テーマ」は非常に機能的だったということに改めて気が付きました。あれもこれも頑張ろうと思っても結局パッとしないことがけっこうあるのではないかと思います。それを1年に1つ、引き出しを増やしていく。10年たてば10個になる。それはずっと自分の武器になる。自分の今年度のテーマは「じゃれマガ」でした。北原先生は朝の10分で作られると聞きましたが、自分は10分では無理なので朝30分だけ早く起きて作っていました。そのおかげか、じゃれマガに関しては、1年間続けられる自信がつきました。副産物としてじゃれマガを作る過程でReading教材作りも楽しくなってきて、「Tマガ」なる書き下ろしも10号程度作り、実践しました。(そのうちの1つはじゃれマガに投稿して見事Readers’ Corner(12月23日号)に採用されました。地味にうれしかったです笑)よく「無理は続かない」と言います。ただ、教員として成長するためには無理が必要なときもあるかと思います。太田洋先生は以前「続けられる無理」を提唱されていました。今年度の自分にとっては、じゃれマガだけが「続けられる無理」でした。そのおかげで引き出しを1つ増やすことができました。これから北原メソッドを実践される先生方にあっては、ぜひ1年に1テーマ、「これだけは!」と思うコンポーネンツを追及されるのが良いのではないかと思います。

 
赤坂中 生徒最新パフォーマンス
1年生英語劇 A New Year’s Visit
セレクトメンバーによる英語劇劇 教科書の本文を巧みに利用している。

・電話、歯ブラシ、ドライヤー、着物など小道具が準備されていた。また、電話がなったまま会話しており、教科書本文の内容が再現されていた。・今回は見れませんでしたが、ベストマザーなどセレクトメンバーによる英語劇も行ったそうです。

・1年生でもすべてのキャストの演技力が素晴らしい。伝えたい、演じたいという気持ちがよく表れている。

・グループごとにそれぞれの役割を演じわける。テンポよく会話が進んでいく。当然のように、子音の発音がきれいである。のびのびと堂々と発表している。

・セリフを忘れる子はいなく,タイミングよく心地よいやりとりでした。相互評価させて「ベスト役者賞」を作り,ベストメンバーで演じさせたそうです。

・発音はもちろん、パフォーマンスもそれぞれ工夫されていて面白かったです。うちの学校の生徒にもぜひこのような劇をやらせたいと思いました。(Sunshineではありませんが、それぞれの個性がとてもよく出るのでやってみたいです。)生徒には、パフォーマンスを見た後に、「ベストマザー」等それぞれの役の「ベスト○○」を選ばせ、演じさせるそうです。これまた面白いと思いました。

・ せりふのない生徒もずっと何かしら動きを見せていて、これがいずれ2年後の英語劇につながっていくのだな、と思いました。全員が常に動いていて「現在進行形のまとめ」という感じが伝わってきました。The phone is ringing. でphone とis が、つながって、フォンニィズと聞こえてきました。4月からの徹底した発音練習、家庭での音読練習が生かされていることがわかりました。
2、2年生スキット「CM」

Environment, Greatのr, vなどの発音がしっかりしている。
It’s cheaper then you think.Order now. Check it out.
Don’t worry. It has three good points. You can use it for a whole year.It must be expensive. Right now only one person can get Mr. Kitahara’s sign.
What do you mean? I’ve been talking to you so long.
・どんな虫も殺せるスプレー、どこでもドア、蟻よりも軽い掃除機などユーモア溢れる内容だった。・絵や実物を用意し、販売員とお客のやり取り(間のとり方、表情、ジェスチャーなど)が絶妙だった。

・殺虫剤スプレー 売り手と買い手の会話、印象に残ったセリフ:”Half price.”,  “Don’t miss out.”・掃除機:”This vaccume is lighter than ant.”・リップスティック:Our lips were just like yours.  など

・ゴキブリのスプレーのCMや吸引力抜群の掃除機など、校内にあるさまざまな物を加工して、まるで通販番組のような展開である。BGMが流れ、テンポよく会話が展開していって、とても面白い。アイデアが満載である。また、比較級をたくさん盛り込み、この時期に習得すべき文法内容がたくさん練習できるようになっている。

・どのペアも短時間で「クスッ」と笑える内容が詰まっていました。Don’t miss it. やCheck it out.などの決まり文句もさらっと言い、潔く終わっている感じがCMらしさを出していました。

・先輩たちの映像を見て、それを超えようと思って練習するから、あのようにユーモアのあるスキットが出来上がるのですね。教師が言葉で説明しなくても、先輩の映像が何より大きなモチベーションにつながっていくことがわかります。作った本人たちだけが喜ぶのではなく、カメラの向こうで見ている後輩たちを意識しているから、よりわかりやすく伝えようとできるのですね。

・ひと組目はあらゆる害虫を退治する「防虫スプレー」、2組目は「どこでもドア!」、3組目は「アリ」より軽くて!かつ高性能の掃除機、どんな乾いた唇もたちどころにうるおすリップクリーム。想像力豊かに、手近なものを巧みに小道具に活用して、これまた楽しそうにペア(男女)での発表。lighter than an antなどターゲットの比較表現がふんだんに使われていました。楽しいから気持ちが入るので身につくのだ、とおもいました。「筑駒」にいらした久保野先生のアイデアを取り入れたスキットとのこと。
3.英語の歌の全曲ディクテーション(3年生)
Love is real, real is love
Love is feeling, feeling love
Love is wanting, to be loved
Love is touch, touch is love
Love is reaching, reaching love
Love is asking, to be loved
Love is you, you and me
Love is knowing we can be
Love is free, free is love
Love is living, living love
Love is needing, to be loved.

・賢い生徒は点々(「同様」のマーク)で上から下に書く。・終わった後の達成感はすごい。
・曲名や歌手名を言わず、全曲ディクテーションすると指示をする。曲が終わったら答え合わせをする。曲名はジョンレノンのLove。→生徒役でやってみましたが、えー!と最初は思いました。しかし、終えると最後までできたという達成感を得られるものでした。

・3年生に行う、ジョンレノンのLove「よく頭を使って書いてね」と言っておく。受け身も出てくるし、繰り返しや倒置があるので、要領良く書くことができる。3年生はほとんどミスなく、書くことができるそうだ。自信をもって入試に臨むことができるだろう。

・ジョンレノンの「Love」をアンダーラインに沿って書きました。全部で20行。最初からディクテーションをしていって、ばっちり行けば最後の行にぴったり収まる体裁。できる生徒は、書き方を「“」を入れたり工夫して書くそうです。北原先生がK中のときの生徒は全員ノーミスだったそうです。できた後の達成感がすごいので、3年生のこの時期にこの曲でこの活動をさせるとのことです。4カ所以上間違えた人は、激辛スナックを食べるという×ゲームがあり、プラスαで楽しい活動でした。

 

 

4.フォニックス単語書き(2年生)
・先生は口元を隠し、単語を2回発音する。生徒は聞き取った単語を書く。4つの単語を発音したら答え合わせをする。答え合わせの前後に辞書を使用することもある。
→broom, loose, tooth, gooseではl,r,oo,thなど一文字ずつ確認しながら単語を確認しました。sale/sailのaと同じ発音する音は?と尋ね、ay/ai もあると確認し、音にフォーカスしつつも文字とリンクされている指導でした。
フォニックス単語書き (発音コンシャスにさせる目的)
Civilization(発音を確認しながら音通りに書く)
broom「辞書を引いて意味を確認してごらん」
Sale [a-ai/ay] (=sail) 「salだとサルになっちゃうからeを付けよう」 Female [e-ea/ee/ie] Pace Lace
・3学期から1回に4文字ずつスタートする。聞いたことも見たこともない単語を発音からつづりを類推する。ここまで、Flash Cardsの練習やスキットなどの練習で音とつづりを入れていたものをすべて、文字化し、整理していく感じだ。知らない単語なので、つづりを答え合わせしてから、引かせる場合もあるということだ。

・先生は口元を隠して2回発音します。毎回4問ずつ、同じフォニックスルールで出題します。bloom, loose,  tooth,  goose、sale,  female,  pace,  lace 単語の意味がわからなかったら辞書を引かせます。saleの「a(エイ)」で「他に『エイ』と発音するものは?(答えはayとai)」と北原先生に聞かれて、すぐに答えられなかった私たちは、北原先生に「先生達大丈夫?」と何度も聞かれました。

・2年生3学期に毎回行う活動です。先生が2回ずつ言った単語(未習語)を生徒は書きとります。単語を言うときは、rとlなどが見て分からないように口元を隠します。書いたら、先生の解説の前か後に辞書を引かせることもあるそうです。例えば「sale」と書きとらせた場合、先生「s、s、s(ススス)」、生徒「エス」 のように1文字ずつテンポよく確認しながら書いていき、さらにsaleのaと同じ発音(二重母音)となる文字を挙げさせ(ay、ai)、発音とつづりの関係を再確認します。※sailも解答としてOK。幹にも「発音できればつづりが書けることを体感させるために行った」とありますが、これをやると耳にした知らない語も書くことができ、自信につながると思います。
北原先生のお宝シリーズ(1)「スキットで生徒の話す力をつける」
錚々たるメンバー:瀧沢広人、本多敏幸、田尻悟郎、川村光一、蒔田守、巽徹、中嶋洋一、肥沼則明、山本崇雄(『なぜ教えない授業が学力を伸ばすのか』がおすすめ)、菅正隆

出典:「楽しい英語の授業vol.12」明治図書December,1977  あの仲間は20年後どうなっているか。
1977年12月号執筆陣
滝沢広人先生、本多敏幸先生、田尻五郎先生、川村光一先生、蒔田守先生、巽徹先生、中嶋洋一先生、肥沼則明先生、山本崇雄先生、菅正隆先生
今から約19年前ですが、現在英語教育界の第一線で活躍されていらっしゃる先生方ばかりです。北原先生は、北研アカデミーからこのような人物を出したい、とおっしゃていました。北原先生の壮大なプロジェクトがここで少し見えてきたように思いました。後生へと、日本の英語教育の未来へと北原先生は惜しみなく私たちにご指導してくださっている、そう思うとアカデミーの一員に加えていただいた私は、背筋が伸びる思いでした。「力をつけるわくわく学習法」2007年のプリントもシリーズでいただきました。今から20年前の北原先生が当時書かれていたことを興味深く読ませていただきました。特に北原先生の海外研修でのお話では、先生のストイックさを感じ入りました。(Don’t watch TV alone.
Make newspaper scraps.  Correct every single mistake I make.  Be talkative.  Keep a diary.  Write down every unfamiliar word. )先生の幹はずっとずっと前からあったんだなぁ、と思いました。

・北原先生が2007年に執筆された「力をつける!わくわく英語学習法」を読ませていただきました。今から10年前に書かれたものですが、内容は幹の本に書かれていることや北原先生が普段言われていることとリンクするものばかりでした。本質的な部分はブレない、これが幹なのだと読んでいて思いました。また、北原先生の中学時代から始まる「英語学習体験記」は非常に興味深かったです。当時買ったレコードを毎日聞いてまねをしていたこと、ラジオのヒットソングを録音して、自分なりのヒットチャートを毎週作られていたこと、ラジオから録音できた曲を、テープを何度も巻き戻しながらディクテーションしたこと(どうしても聞き取れないところは、レコード店を3軒回り暗記して完成させる、というものすごい話です!)等。さらに、分からないところは英和辞典で調べたり、熟語・連語をノートに書き出したそうです。このように楽しみながら英語を覚えていったことは、自分にも共通するものがあり、中学時代は音楽をラジオでガチャっと録音していたのを思い出します(笑)。改めて、今の中学生の環境は恵まれているのだと感じました。今では、スマホやパソコンがあればどこでも、洋楽はもちろん、大統領演説からスポーツ選手のインタビューまで、字幕付きで簡単に見ることが可能です。(動画サイトの字幕の正確さについては、中学生が判断するのは難しいかもしれませんが)きっかけさえあれば、英語がより身近な環境になりました。

 

○特別付録資料 「力をつける! わくわく英語学習法2007」 以前、北原先生が連載されていた英語学習体験記を特別にいただきました。 先生ご自身の体験をもとに中学生向けに英語学習法を書かれています。 ○中学英語マスターのポイント 1 耳から(たくさん聞く) 2 語い(辞書を引く) 3 音読 4 楽しんで(歌、映画) 5 量をこなす(リスニング、ライティング) 6 友だちと(学び合う) 北研でいつも思うのは、学習方法指導の充実です。 センスのいい生徒は、指導者が力不足でも自分の力で伸びていきます。 でも、そうでない生徒は、勉強のやり方を教えてあげられるかどうかで、伸びが大きく変わってしまう。 その生徒の将来の道をも変える可能性がある。 その意味で、学習方法の指導が、中学生には重要だと思います。 年末年始に他の研修にも参加したのですが(高い参加費を払って)、学習方法への言及はほぼありません。 北原先生の生徒目線へのこだわりが、この視点を作り出しているのだと思います。

 

・資料でくださったプリントをすべて読みました。その中でいくつか。北原先生のがどのようにして英語が好きになったのか。3軒のレコード店のこと。北原先生の高校生のときのこと。北原先生大学生のときのこと。社会人になってからのことがとても興味深かったです。高校時代→文法は例文主義で「文法理解のためには大量の英文が頭に入っていると有利だ」と書いてありましたが高校で私もまったく同じことに気づきました。高校時代の私は、英語は嫌いでした。成績も悪かったです。そもそも「先生の説明わかんないし」と思っていました。というか先生の説明、ワークそのまま読んでるだけじゃん。と思っていました。だから授業中はあまり話を聞かずに例文をひたすら読んで理解していたのを思い出しました。私の場合、大学の時に留学して初めて英英辞書を引きました。その時、「なにこれ、日本語の説明より細かいニュアンス分かりやすいやん」と衝撃を受けたことを覚えています。でも高校のときから英英辞書を使っていた北原先生はすごいなと思いました。北原先生は大学のESSに入って合宿で英語で夢を見たらしいです。私はそれは留学中でした。当たり前ですよね。しかし、そのような英語漬けの環境に日本にいながら切磋琢磨する仲間と出会えている先生がすごいし大学時代の私に「そのような環境(英語漬けの環境)に日本にいながら、身を置くことはできる?」と聞いたらたぶん、「できるけどそんな意識高いところに自分を置くことはできない。まず、遊びたいし、いずれ留学するからいいっしょ。」と答えていそうです。留学で得られたことはたくさんあります。しかし、「語学を身に着けること」という視点から見たら留学をすることなんて一番ズルい方法だし、語学+αのことを身に付けていなければそれこそ無駄だしやめたほうがいいとすら思います。北原先生は中学ですでに英語のラジオを聞かれていたようですが私は大学時代に留学したときに初めてそれを毎日実行しました。安いラジオを買って持ち歩いて暇があれば常に聞くようにしました。そして北原先生が留学したときは、テレビは一人で見ずに、わからない言葉や何と言ったかわからなければすぐホストファザーやマザーに聞いたこと、自分が興味のある記事は切り抜いてノートに貼り、徹底的に調べたこと、ホストファザーに「しゃべった英語で間違いがあれば訂正してほしい」とあえてストレスの多い生活を始めたこと、“Be talkative”にならなければならないと気づき、授業にバンバン口を出し授業を脱線させたこと。語学学校を作った方のセミナーに出たときにすごく言われました。「日本の生徒は静かすぎる。とにかく話さないと何も伝わらないし、日本みたいに言わなくても分かるだろう的な感じは一切ない。Do you have any question?と言われたら手を挙げてYes!!!!!!I don’t have any question!!!!!!!!!と言え!」と言われました。自分がいかに井の中の蛙だったかを知り、「思っていることでやれないことはないYou can do everything whatever you want」(だったか忘れましたけど)とにかく自分のやりたいことはすべて可能だという夢を持つとの大切さを教えていただいたことを思い出しました。私も英語で日記を毎日書こうと思いましたが続きませんでした。その他にも北原先生は週末には必ず旅行をし、ホストファザーが“So Nobu What’s your adventure this time?”と言って聞くのを楽しみにしてくださったそうです。旅先には必ずメモを持っていき行く先々で見たり聞いたりした気になる表現をメモしたそうです。話が脱線してしまったかもしれませんが今回もらった資料もかなり勉強になりましたしむしろこのような記事をもっと早く読んでいれば(学生の頃に読んでいたら)また違っていたのかもしれません。