2月18日(土)北研第140回(復活第20回)

0 新指導要領について
対話的な深い学び、アクティブ・ラーニング(概念がはっきりしていない?)小学校英語…5、6年生で教科化、(3、4年生で領域)語彙数…小学校6~700語、中学校1600~1800語→語彙指導をどう対応するのか?3年生 語彙力王(女王)テスト「最重要 接頭辞・接尾辞」 30分間で書かせた。ALTにも書かせた。第一回…ALT 101語、第二回… ALTは93語、英検1級の生徒 55語、アメリカ人69語
第一回…re-/un-/-able/-al/-an/-ative/-tion/-ese/-ful/-ist/-less/-ment/-ness/-ous
第二回…bi-/dis-/im-/non-/sub-/super-/uni-/-ee/-en/-ess/-ic/-icial/-ish/-ive/-ship/tri-/centi-/milli-

・最初に北原先生から、過日新聞報道がありました2020年度からの「新学習指導要領」についてお話がありました。中学校の語彙が400位増え、語彙指導をどうするか懸念されていました。続いて廊下にも掲示されていた語彙力女王コンテストについて説明がありました。re- , un-, in-, super- 等に続く語、また-able, -al, -enの前に来る語などを生徒に競わせる活動です。英検1級の生徒が55語、アメリカ人の生徒が69語、ALTが93~101語だったそうです。実物のコピーが順に回ってきました。最新パフォーマンスビデオの視聴と同時展開でしたのであまり目を通せませんでしたが、北原先生もご存じない難しい語が含まれていたということで、レベルの高さが想像できます。

・小学校英語 5、6年生で教科になり週2回になる。)語彙…小学校6~700語、中学校1600~1800語、サンシャインのフラッシュカードの箱が年々厚くなっている。語彙指導について真剣に考えねばならない。赤坂中学校では2回語彙力女王コンテストを実施。接頭語や接尾辞をあげて、あてはまる英単語を出せるだけ出す。1回目ALT101、93語、英検1級の生徒55語、アメリカ人の生徒 69語、接頭語im/non/sub/uni、接尾辞ee/ic/ish/ive

 

 

 

1 生徒最新パフォーマンス
①1年生英語劇A New Year’s Visitセレクトメンバーによる英語劇
・セレクトメンバーということでとにかくしゃべりがおどおどしていませんでした。毎回ですが発音がきれいでした。
・発音がとにかくいい。また、演技や内容に頭がいっている発音を意識していない時に発音がいいのが本物らしいです。そして、電話のボタンを押す際、ピッポッパと音がなって演出まで凝っていてリアルだなと感じました。

・ for usのリンキングができている。r・fの発音練習ができている。
②1年生絵本の読み聞かせ Grandma Baba and Her Friends on a Sleigh
・BGMとして曲をかけていたのですがその曲もなかなか選曲がよかったです。CDがあって、休み時間に聞いて、生徒たち自身で選んでいるそうです。また小学校で見せるそうで自分たちも見ているのでイメージがあってそれを超えようといっしょうけんめいになるそうです。
・ ピクチャーカードを紙芝居に見立て6人ずつのグループワーク。紙芝居を押さえるだけにせよ全員に役割がある。絵を指さしながら説明する者、台詞を言う者、ジェスチャーをする者、擬音を出す者もいる。なお途中役割交代があり、全員が生き生きと活動している。BGMまであり、大変楽しい雰囲気になっている。BGMはSOUND MEDIA Selections, WOODLAND CONCERT等で、休み時間に生徒が北原先生からCDをお借りし、曲を選択している。目的①小学生に見せる。②成績には入れず楽しく行う。改訂前の学習指導要領との違い 改訂後の教科書から本課に入っている。今後実写版を検討中。この時期に今まで用いていた紙芝居「オリビア」は打ち止めとしたい。

・ピクチャーカードを紙芝居にして、5人から6人グループで発表を行っていました。ただ、声だけで紙芝居を行うのではなく、動物たちやおばあさんそれぞれのキャラクターは紙芝居の後ろにいて、ジェスチャーを使っての演技付きの読み聞かせでした。小学校に行って、行うそうなので、見ている方も飽きないよう工夫してあっていいなと思いました。また、ノックの際や、ベッドが壊れる際は机を叩いたりして音を演出していました。全員が均等に役を演じていて、紙芝居のナレーターの子も途中で交換していました。こちらの活動も一切、原稿は書かずに行っているようです。とても中1だとは思えません。なお、バックミュージックもそれぞれのグループで休み時間にCDの中から曲を選んでいて、内容とあっていて真似たいなと感じました。私の学校では、教室でインターネットも使えるので、休み時間に自由に効果音なども探させたりしていきたいなと考えました。

・ピクチャーカードを用いての紙芝居の発表でした。ボリュームと話す速さがちょうどよく,ジェスチャーもついていてとても分かりやすかったです。昨年度も紙芝居の映像を見せて頂いたように思うのですが,今回の発表はとても分かりやすく感じました。この後,小学校へ行って読み聞かせを行うそうですが,小学生にも理解しやすいだろうと思いました。流れていたBGMは何種類かあったのですが,休み時間に英語科室で聞いて,生徒が自分で選んでいるそうです。(田尻先生の弟さんの作ったSOUND MEDIAというCDだそうです。私も手に入れたいと思いました。)

・セリフのない生徒も紙芝居の後ろ側でジャンプしたりしながらストーリーにあわせて演技していた。coldなどの形容詞を感情を込めて読んでいた。ナレーション役の生徒も絵を指差しながら、机を叩いて効果音を出しながら演技していた。田尻悟郎先生の弟さんが作ったのBGM、オルゴールのCDなどを使った。小学校で読み聞かせをやるために練習をしていた。実写版もやってみようか?以前は一年間のまとめとしてやったので、発音指導などは特にやらなかった。今回は教科書に組み込まれているので、新出単語などを指導した。
③2年生のスピーキングテスト「場面と人物関係を選んで対話」
・幹の本のテスト編のP244~P245 です。原稿を作る生徒もいるようですがそのような生徒はALTからのとっさの質問に答えられていませんでした。教科書で学んだ英文を取り入れて話すことが大切。

・1.2.3.4.5.7.8.9は教科書の各PROGRAMを基に場面と人間関係を選んで会話。6は夏季学園について、10は港ケーブルテレビスタジオでジョエル先生に日本での生活や赤坂中学校での指導についてインタビューするもの。(改訂前の教科書Power-up 5 Speakingにあったが今年度からの教科書には入っていないと思う。)力のある者には難しい課題を選択させる。最初の2人はPROGRAM7のSevernさんのWorld Leadersへの訴えだったが、時折教科書の表現が入るもののそこからほぼ完全に離れSevernさんになりきっていた。私は自分の生徒にこの場面でかつらをつけさせたが、そうでなくてもこの男子生徒は一瞬Severnさんがそこにいてしゃべっているのではないかと思うほど彼女の思想を自分の英語で表現していた。“We must treat animals and the trees as friends. We live in the world together, I think.”次の2人は自分の職場体験について語った。最初の1人は“I’m going to talk about my work experience.”で始めて途中で「いらっしゃいませ。」と言った。ALTから“Why can’t you speak English?”とすかさず聞かれ“Welcome.”と言い直した。次の女子生徒はPROGRAM 6の由紀と同じく幼稚園か保育園で実習したのだろう。また教科書の由紀が飛び出してきたかのような錯覚にとらわれた。diaperをもしかしたら知らなかったのかも知れないがpaper pantsと表現し会話に淀みがなかった。“Iwas very nervous.”などその時の自分の気持ちも織り込まれていた。皆一通り終わった後、ALTとの質疑応答で考えを深めた。このテストは英語を自分のものにするオリジナルであり、こんなことを言おうとメモってはいる。原稿を書いたかどうかは誰もチェックしていない。今後2年生には絵本の読み聞かせを考慮中。(北原先生談)・・2月3日、6日のスピーキングテストの場面集。2学期のスピーキング上位者は選択できる場面に指定があります。指定された中から1つ選んで練習をしておくこと、必要があれば小道具を使ってよい。・京都旅行・韓国旅行・初めてのお花見・フィンランド旅行・ボランティア・夏季学園・インターンシップ・ソフトテニスかコーラスコンテスト・環境問題についての意見(セブンスズキになりきる)
・ALTにインタビュー(テレビ局の職員になりきる)教科書の内容を最終的にはこのように持っていくことが出来ると分かった活動でした。ただリーディングで終わりそうな環境問題のチャプターもこのように利用すればスピーキングに利用できるなとぜひ真似をしたいと思った活動でした。また、同じものに偏るとよくないため、レベルが高い子は選ぶものに制限を与えているようです。内容を伝えるのが上手な子が質問をされてどぎまぎしている様子もありました。

・この活動の目的は,学んだことをを生かしながら自分の会話に生かして行く(オリジナルの考えも言っていく)ことだそうです。今回見せて頂いた場面は,国連,職場体験でした。前回のスピーキングテストの結果から,選べる場面が変わるので,上位の子ほど難しい場面から選ぶことになりますが,この方法は生徒のモチベーションが高まると思います。生徒の発話に対するJoel先生の反応にバリエーションがあり,生徒の話をどんどん引き出していて,素晴らしいと思いました。
★ALTの先生の反応
・ I think so. / I agree. / Really? / What do you do? / Do you want to use~? / Yes, it was. / Nice answer. / Cool! / I see. / Great. / Lucky! / That’s crazy! / Do you like children?という生徒からの質問に対してNo.→生徒Why?  など…

・Do you like…? などと問いかけて、ALTと対話するようにスピーチしている。自然なフレーズを多く使っている。In other words,… / I don’t think so. / If I be a rich, …/ At first, / I enjoyed my job. / I’m sure I can get the job.生徒に「原稿を書いて準備したか?」と聞いてみると、書いている生徒と書いていない生徒がいる。しかし、準備してスラスラスピーチしても、ALTが問いかけると対処できない。メモ的にはこんなことを言ってみよう、くらいは書いてあるかもしれない。原稿チェックはしていない。
2 横浜5ラウンドシステム
・私も分かっていないところが多いですが・・・思ったことを書かせていただきます。要は同じ教科書を5回やろうということですよね。それはすなわちT先生が前に北原メゾットのポイントと言いますか、いいところ(←たくさんありますが)をまとめてくださったプリントにあった①繰り返し②量③評価システムと言っていたところの①になる(②も?)ということだと思いました。でもその割に生徒の実態を見るとインプットの量は少ないように見えたそうです。2年生のこの時期にしてはエラーも多かったようです。そして他にも書かれていた方もいましたがテストはどうなるんだろうか?と思いました。そしてこれは懇親会でK先生(間違ってたらすみません)が言っていたんですけどPicture describing“ばかり”やっていると疑問文が作れなくなると思うと言われていて私もそう思いました。しかもその内容も「This is 〇〇. This is 〇〇.」の繰り返しばかりだったようです。あとやはり発音。「内容に意識が行ってしまうと発音は悪くなる」とは言われていますが・・・それにしてもひどかったようです。今は良くても今後の学習には支障ききたすと思われそう。あと「Can-Doリスト」を生徒ときちんと共有しなけれは意味がないということ。記述がおおざっぱすぎて指導目標のようになっていたそうです。初見の英文を読むことの指導をどうするのか ということ教師は生徒のいいところを観察して広める役になるということこれはアクティブラーニングにつながる↑これはいいことだと思いました。(静大付属中に授業を見に行ったとき、付属中では、先生はまさにこの役割しかしていませんでした)生徒が自信をもって授業に臨んでいた様子はかなり見られたし旧態依然とした授業に比べると革命的に生徒が動いていたというところ、また、市全体で取り組んでいるところはすごいと思いました。どうにか変えようと市をあげて取り組んでいることはすばらしいし、市として「どうにかしよう」と取り組んでいてその姿勢が羨ましいと思いました。

・平成24年度に開校した横浜市立南高等学校附属中学校が始めて導入。英語検定結果も含めすばらしい成果を上げた。その後熊谷市立熊谷東中学校を始め「ラウンドシステム」を市の重点取組として市内全16校で実施している。1年間で教科書を何度も繰り返して使うことにより、英語の定着を図ろうとする取り組み。熊谷市のラウンドシステムでは、1年生の場合、ラウンドが年5回ある。1周目「概要理解」2周目「音と文字の一致」3周目「音読」4周目「文構造を習得し、会話につなげる」5周目「ピクチャーカードを使い、教科書の内容を自分の言葉で仲間に語る」である。それぞれ習得目標がある。教師がいかに子どもを「かまうか」で授業がよりアクティブになるので重要である。ポイントは「笑顔」「対話」「我慢」「気付き」「共有」「漆塗」「量から質」「タイミング」「仕込み」「教科書」とある。北原先生が2月3日の熊谷東中学校東中学校の公開授業に赴き、1・2・3年生の授業をそれぞれ参観された。力はつくが、発音、エラー等問題点も色々ある。(感想と考察)私はこのシステムを今年度もっている生徒に使えないかと考えながら聞いていました。年間出席率30~40%で、登校しても生活の乱れから授業中眠ってしまうことが多いです。教科書は要点を中心に伝えて早く進もうとしていますがそれでもPROGRAM5の途中からから先に進めません。歌はよく歌うと音楽の先生から聞いていますが、英語の歌は実施できませんでした。「自己紹介スピーチ」も同様です。学習空白を抱えたまま来年度は2年生の教科書を進めなければなりません。宿題を与えるとやってくることもありますが、音読はやってきません。それでも教科書はそれなりに読めます。出席状況が変わらず、来年度からもし、1年生の教科書の後半と2年生の教科書全体を5ラウンドシステムで進めると1周目よくて2周目の途中で終わってしまうでしょう。しかも1・2ラウンドは大変苦しいそうです。何にもわからなかったということにもなりかねません。しかし一応教科書は終わったという満足感は生徒・教師共に得られるかも知れません。2年生になって登校日数が上向きになれば更に学習を深められることも考えられます。この生徒について「Basic Dialogだけ進めれば。」という意見もいただきました。基礎力は文法力のみと考えればそれも一法ですが、文法指導はノートを取らなければなりません。筋肉に疾患もあり、机の上でノートを取れる日はかなり限られます。私の学校には学習空白があり途中から転入してくる生徒が多いです。そのような生徒にも放課後に補習体制を組んででもこのシステムを使って過去の復習と該当学年の授業を同時展開できない等目下思案に明け暮れています。

・ピクチャーディスクライビングを個別にする。・Dialogではハードルが高いので、One wayでもいいのではないか。ただし、説明方法を指導しないと同じフレーズばかりを使ってしまう。This is… This is…ばかりを多用していた。アクションカードを使って練習しないと一般動詞が使えるようにならない。
・発音指導不足している。圧倒的ににimputが足りない。・中2でグローバルエラーが多いのは致命的。・SYUGYO… ICレコーダーを渡して、対話を録音して、後で教師がチェックする。(英語が苦手な生徒対象)・ペアが変わるたびにHello./See you./Thank you.が自然に出るのは素晴らしい。研究協議:・文法指導はいつするのか?エラーコレクションのタイミング。・金谷先生の講評として、「教科書の音読は35回も!」と言っていたが、それほど驚かない。・「早く繰り返しなさい」はダメ。発音が崩れるので意味がない。・中2の終わりころからギアが変わり、いきなりしゃべり始める時期が来る。・高校1年生で中学文法の整理をしてあげている。

・ アルクから出ている、「英語の先生応援マガジン2016年度春号、夏号、秋号、2017年度春号の4回にわたって連載されている。熊谷市では市をあげて5 Round System を取り入れて、効果を上げている。教師は生徒の良いところを観察して広める役。エラーコレクションをどうするかが課題。

・ストーリーの作成の時間がある。これは、One way communication である。dialogだと相手の反応もあるので、即興では難しいが、これならハードルが下がる。・ペアで伝え合うという項目がある。その後、言ったことを後で二人で振り返る時間がある。「今、ここが足りなかった」「ここは良かった」と振り返る時間が良い。・SYUGYOと命名された時間があり、ICレコーダーを使用し、すぐに自分たちの発音をチェックしている。これもすぐに振り返ることができる良いアイデアである。・発表では、代表生徒が発表したが、内容に意識がいき、発音がとんでしまっている。発音を含め、インプットの不足が見られる。また、聞かせてそのまま言わせる。訓練がもうすこし必要であると思われる。・全体的によく発話をして、自信をもって活動している様子が見られる。書く時間では、一人として止まっている生徒がいない。・ペアを変えるたびに、Hello. See you. Thank you. が自然と出ていてとても良い。・北原メソッドを取り入れ、授業を進めていく中で、やはり思うことは、赤坂中の生徒のように全員が綺麗な発音や、臨場感のある抑揚をつけて話せるようになるためには、1年生の段階での徹底した指導が大切だということです。転勤し、飛び入りで教える学年は、一つ一つの発音は綺麗にはなりますが、スキットをやるなど、内容に特化した活動になると、発音や抑揚が崩れてしまいがちです。徹底した基礎固めが大切だと感じています。

 

3 北原式2ラウンドシステム体験
・(板書)
Saturday, February 18, Cloudy
I  have a   pen.        (Pr. 3-1)(ヒント:ピコ太郎)
I  have an  apple.
I  have two apples.   (Pr. 4-2)
Do you have two apples?   (Pr. 3-2)
Yes, I do.  /  No, I don’t. (Pr. 3-2)
How many apples do you have               ?
1文ずつ書き足していくが、その際書けた生徒は立ち上がり、後ろの生徒の邪魔にならない位置に立って、待っている。そして待っている間、先生から次にどんな指示が出るか、予想しながら待っている。その後、ターゲットセンテンスを暗唱し、いつものそのまんまスキットの形でペアで演じる。「発音」「ジェスチャー」「ムダな間を空けないこと」がポイントで、ジェスチャーをせずに演じたらブーをいただきました。ターゲットセンテンスの暗写、教科書本文の暗写という手順で進められました。教科書本文の暗写は”!”などのパンクチュエーションも教科書どおりに書くことを1年生の時から指導され、音読やそのまんまスキットで声を出す時に、イントネーションを意識して”!”が文末に付いているときはそれにふさわしい読み方をさせるなど、徹底して行われているとのことでした。

・2ラウンド目は2年生→program3から、1年生はProgram5から始める。実際に体験しました。文法の導入は何度か体験させていただいていましたので分かってきています。そのあとのBasic Dialogと暗写先生方全体的に苦労なさっていましたね(笑)私もですが(笑)Basic Dialogは①発音②ジェスチャー③間(空きすぎない)暗写ではいかに「音読が大切か」ということに改めて気づかされました。ピリオドでなく!のところなどしっかりそのとおりにびっくりするように読んでいないから間違えてしまいします。

・1年生は2月16日 PROGRAM 5から 2年生は教科書全てが終わったのが1月24日 PROGRAM 3から 2ラウンド目開始。体験(  )内は私の発想
1年生
_, _18, _  最初に北原先生がホワイトボードにお書きになり、わかった生徒(先生)は立ちます。
(Saturdayの綴りを言おうとしてtから先一瞬戸惑う。慌てて手を動かし思い出そうとする。そういえば私の学校は土曜日に授業がないからこの頃書いていない。綴りを言うのは難しいな!)
北原先生から指名されて“Saturday”と言うと「It’sをつけなければだめ。」と指導される。こうして全員ができるまでお待ちになる。
・北原先生板書 ヒント ピコ太郎   _ _ _ _ Pr3-1  ( ピコ太郎? apple pen! なんだ、このヒントは!合成語でも扱うのか?)
・  〃       〃       I have  a pen.  Pr3-1 「一生使わない英文だけどね。」(あ、そうか。こっちを先に思い出すべきだった。)
・  〃       〃       _ _ _ _ Pr3-1 (ここはわかるな。)
・  〃              〃              I have an apple. Pr3-1
・  〃               I  〃 two _.
・  〃               I have two apples.
・その後北原先生はIをYouに変えて“Do you have two apples? ”、答え“Yes, I do. ”  “No, I don’t. ”  two applesから“How many apples do you have? ”の疑問文へと発展させていきます。手品のようでした。
・「おぼえよう」のHow many CDs do you have? I have five CDs.      の暗写
私はすぐに書いて列に並んだのですが、ノートを見せる前に、いきなりブー!。「表情が固い。」の一言。次に顔を緩めて並び、ノートを見せると☓。何と「How many teachers do you have?  I have five CDs.」となっていて北原先生から「校長か?」とまた一言。3度目に並んでようやく◯をいただいたのですが、すでに本文の暗写が始まっていました。北原先生から“Don’t hesitate. Time is limited.”の声が飛びます。本文 Oh, you have a lot of bottle caps.  How many caps do you have?  I have about 500.  So many!  We send the caps to an NPO.  Wow! You save the kids!  Yes, we do.の暗写

私は1度目に並んで2行目で☓。合格した先生に聞いてもどこが間違っているかわかりません。2度目に並んでも2行目で☓。いずれもHow many bottle caps do you have?となっていて「2行目はもうわかっているからbottlesはいらない。」、後Wow!やYou save the kids!の!が落ちたりしていました。北原先生から「音読していないから。驚いている時は本当に驚いて読まなければだめ。」と言われ衝撃を受けました。「ここまで音読に命を吹き込まなければならないとは!」と唸りました。3年生は1Rだけで後は入試対策をしなければなりませんが、1・2年生は本文の暗写も行うのだそうです。「書いたら読みなさい。音読をやっていればどこが間違っているかわかるから。」と指導されているそうです。

・板書で文法を確認後、Basic Dialogをペアになって、暗唱する。北原先生のところにいく。How many CDs do you have? I have five CDs.・ジェスチャー・発音・間をチェックされ合格が出れば、役割を交代して行う。さらに終わった人は、Basic Dialogを暗写する。ブーをもらったところ・I have five CDs.→fiveを5にして斜線を引いてfiveに書いていました。何度書き直しても、3回ブーをもらっても理由がわからずギブアップしてしまい理由を教えていただきました。もし、自分の生徒がそのようにしてたら、消しゴムで消すよう指導するでしょうとお言葉をいただきました。そこまで、丁寧な指導をしていないので目から鱗でした。その後本文の暗写。!の位置が混じってブーをもらいました。音読の際、!の気持ちを込めていたら!を忘れないでしょうとアドバイスをいただきました。

・教科書はもう終わっているので,1年生はProgram5から,2年生はProgram3から始める。・文法の導入→Basic Dialogの暗唱→本文の暗写、今日実際に1年生で行った授業をしてくださいました。ピコ太郎のI have a pen.を推測して書くことから始まり,I have an apple.  I have two apples.  Do you have two apples?  Yes, I do.  No, I don’t.  I don’t have two apples.  How many apples do you have?で,How many の導入となります。その後Basic Dialogの暗唱をしました。ポイントは①発音②ジェスチャー③「間」です。(間があきすぎてはいけない)私たちのペアは何回ブーとなったか分からないくらいです。ペア活動なので,お互いがしっかりと言えていないとピンポンはもらえません。二人で協力してどこがいけないのか考えなければなりません。それでも分からない場合は,他のペアがやっているところを見学したり,ミニティーチャーに頼ることも必要だと感じました。次の暗写は合格したのですが,その次の本文の暗写は,時間切れでした。一度書き始めたら教科書を見てはいけないことになっているので,書き始める前には何度も音読しました。見ないで言えるようになってから書き始めましたが,途中でOh,とWowを間違えてしまいました。音読をいかにしているか,頭に英語が入っているかが決め手だと思いました。赤坂中の生徒は,みんな1時間で合格するそうです。2年生はさらに本文も長くなるので,きついな~,と正直思いました。でも,これは間違いなく力が付くと思います。また,本文の暗写では,苦手な子に対しては,1行ずつでいいことにしていたり,間違っているところにアンダーラインをしてあげるなど,個に応じて対応しているそうです。

・Saturday, February 18th, cloudy
Program 4-3
ピコ太郎:I have a pen. Pr.3-1
I have an apple.
I have [two] apples.
? [Do] [you] [have] two apples?
Yes, [I][do]. / No, [I][don’t].
[How][many][apples][do] you have?
・最後の一人が立つまで(分かるまで)待つ。・早くできた人は、次にどんな文が来るかを想像して書く。○この後、ターゲットセンテンスのそのまんまスキット(10分間)、合格したらスモールティーチャー、そして暗写、それも終わった人は教科書右ページの本文を暗写。→そのまんまスキットが合格しなかったら、放課後職員室前で再試験。

・最初に戻る文法指導(ターゲットセンテンスはHow many apples do you have?)(ピコ太郎)のヒントから I have a pen.もう一文も(ピコ太郎)からで I have an apple. anをtwoに変えて I have two apples. ?を付けて疑問文にDo you have two apples? 「twoを尋ねるにはどうするの?」という問い掛けから、How many apples do you have?・そのまんまスキットHow many CDs do you have?  I have five CDs.合格したら暗写、私は1文目でバツをもらいました。原因は字の粗さ。vとuが判別できないなど。文字に対する指導も厳しく徹底しているのだなと実感しました。・教科書の暗写、書き始めたら教科書は開かない。どうしても分からなくなったら、北原先生のところへ行き、肩を揉みながら見せてもらう。この時点で字をきれいに書こうという意識がめっちゃ上がっていました。

・(1)Basic Dialogをペアで演じる。(そのまんまスキット)ポイントは、①発音②ジェスチャー③間(空きすぎたらだめ)

Sunshine 1年生 Program5 Basic Dialog
“How many CDs do you have?”
(How many でジェスチャー、CDsでジェスチャー、do you でジェスチャー、haveでジェスチャー)
“I have five CDs.”
(I で自分を指す、haveで持っているジェスチャー、fiveは手で5を作るジェスチャー、CDsは5個CDの形を表すジェスチャー)
合格したら、次に
(2)Basic Dialogの暗写を行う。書いたら読むことが大切。読まないために文としてあり得ないミスが起こっていた。”How many *teachers* do you have?”と書いて、「校長か!?」と突っ込まれている方の場面がありました。このような様子を見ていて私もうずうずして、北原先生にお願いをして一人二役で演じさせていただきました。一人二役を演じる際の注意として、きちんと左、右と体の向きを変えて演じることを指摘されました。合格後、暗写を見て頂き、”Neatly !”とほめていただきました。きれいに書いている生徒にはこのようにほめたいなと思いました。B.D.の暗写が合格したら、
(3)本文の暗写。
暗写を行う前に教科書を何度も見て、読んで、ジェスチャーで覚えて、全部で7文と確認していよいよ書き始めました。ところが!感情表現をつけて読んでいないのが露呈してしまいました。いかに音読をしっかり行っているかが大切とわかる暗写でした。
以下は1年生Program5-2本文です。
“Oh, you have many bottle caps.”
“How many caps do you have?”
“I have about 500.”
“Oh,  so many!”   ←この文で×がついてしまいました。
”We send the caps to an NPO.”
“Wow, you save many kids.”
“Yes,  we do.”
(たったこれだけなのに難しかったです。)(2年生の内容はさらに難しい!)

間違えた理由がわからない時、すでに合格しているsmall teacherの存在のありがたさがよくわかりました。でもsmall teacherは答えを教えてはいけない。ヒントを出す。ジェスチャーなどで教える。この1年生の時に音読がいかに大切かを教え込むので、2年生になっても音読をしっかり行うようになる。3学期に2ラウンドを行うのは1,2年生だけ。3年生は1ラウンド。B.D.の暗写は行う。short memoryを鍛えた結果、本文暗写ができる。今、先生たちがやろうとしても難しい(無理だ)が、生徒たちはできる。覚えたら書く、を繰り返す。生徒が暗写したものを持って来て、間違いがあったら、「ここが違う」「ここが抜けてる」とアンダーラインを引いて教えてあげる。つづりと発音が一致しないところ(例えばGandhi「ガンジー」)などは間違えていてもOKにする。生徒に無駄な指示を出さない。ピンポンブーを活用し、タイマーをかけたらB.D.の練習をすると決めているので、生徒たちは自分で今すべきことを察して活動する。

 

 

<2年生>
(板書)
Mom made sushi for me yesterday.   1年 Pr.10-1
Mom made me     sushi yesterday.          Pr. 7-3

This is the missing information.
(3年のSVOCはここから発展させる。)
他にSVOCの文型で使われる動詞
gave  me   a book
sent me   a gift
lend  me  a CD
pased me  salt
他に bought, showed, told, advised, brought

・北原先生板書 Mom_me sushi for me yesterday. (ここで私は視野狭窄に陥りました。3人称単数のsを狙っていると思い込んでしまいました。)北原先生から指名され、makesと答えました。(周囲から“yesterday”“past tense”などのヒントが寄せられていましたが、自分の思い込みの方が強く考えが変わりませんでした。Makes me sushiで駄目なのは発音が悪いからと思い込み、そこを矯正して発音したりyesterdayを発音し直したりしていました。)

北原先生板書 Mom made me sushi yesterday. ( 私のせいでここまで来るのに時間がかかりました。)ここで北原先生からmadeの代わりに使える動詞を8つ挙げなさい、と言われました。taught, gave, bought, showed, brought, advisedなどです。その時「机の向きを考えられた個数に合わせて変えなさい。」という指示が英語でありました。2個考えられた人は窓側、4個は教室後方、6個は廊下、8個はホワイトボード向きです。しかし私の頭は疲れてこの指示は入りませんでした。Basic dialogの暗唱、Today is my birthday.  Oh, happy birthday! I’m sorry I forgot.  That’s OK.  I’ll give you a present tomorrow. 私は必死に「赤ちゃん誕生」のジェスチャーをしましたが北原先生は「ブー」。周囲の先生方は大笑いしてらっしゃいました。「ジェスチャーが大き過ぎたのかな。」と思いましたが結局わかりませんでした。懇親会で北原先生に直接お伺いしましたら「birthdayのirの発音だよ。難しいよ。」と言わ  れました。私は戦慄を覚えました。赤坂中の生徒はこうやって自分の英語や発音のどこが悪かったかに気づいて鍛えられていくのだと。求められているのは「正確な気づき」の連続なのです。しかもこれだけではありませんでした。最後の暗写は以下です。Mahatma Gandhi once said,“If you wish to see a change in the world, you must change yourself first. ”When I was in Rio for the Earth Summit, I met some street children. One of them said,“Iwant to be rich. Then I can give all the street children food, clothes, medicine, and love.”Even a hungry street child would like to share. Why are we still so greedy?  Now we must be the change and give the earth a future. What can we do? これを1ページ暗写させているそうです。どうしてもできない子には1行書いてくるように言うそうです。「のろのろやってもわからないから、早く2ラウンドに入って。」というのもわかる気がしました。まだ1ラウンドこなすのもままなりませんが…。

・Today is my birthday.  Oh, happy birthday!  I’m sorry I forgot. That’s OK.  I’ll give you a present tomorrow.1回目挑戦でブーBirthdayのthとThat’sのthの舌が見えていなかったと思われます。その後本文を暗写しました。8文の文章でした。・発音と違うスペリングに関しては問わない。(Mahatma Gandhiなど)・できない子には君は1文ずつ持ってきなさいと指示・生徒たちは授業内でノートで文法確認、Basic Dialogを10分で行ったあとの時間内でだいたいの生徒が終わる。それは日頃の音読が★10個(50回ほど音読しているから内容がすぐに思い出せる)生徒役をしただけで、ドキドキワクワクですごく楽しい活動だなと感じました。また、教えないのでなぜ罰になったか生徒が考えるのでとてもいいと思いました。高校では内容が難しいからBasic Dialogのような活動は難しいかなと考えていました。しかし、改めてショートメモリーの積み重ねの重要さを実感し、挑戦したいと思いました。北原先生に教科書を見ていただいたら、例えば1文、仮定法なら、他は簡単な表現にして自分でアレンジすれば十分使えると言っていただけました。

・Program 7-3
Mom made sushi for me yesterday.  1年Pr.10-1
”     【   ”   】 me     sushi       ”         .  Pr. 7-3
★【    】に入る動詞(同じ使い方をする動詞=第四文型の動詞)をいくつ言えるか、考えてみよう。cooked, bought, gave, called, showed, taught, told, advised, brought, passed…
○そのまんまスキットの指導で注意すべき点、以下の3点を満たした場合は合格!(1)発音(thで舌が見えること)、(2)ジェスチャー、(4)対話に必要な間を取ること。

・・最初に戻る文法指導、ターゲットセンテンスは4文型を取る単語の入った文Mom (made) sushi for me yesterday. (madeを抜かした状態で出題)Mom made (me) sushi yesterday.(meを考えさせる)made以外の同じ文型を取る動詞を発表させる。・そのまんまスキット、Today is my birthday.  後の文を忘れてしまいました。ごめんなさい。birthdayのbirの部分で何度も不合格になりました。カタカナの「バー」になっていると指摘されました。合格者がほとんど出なかったため、3分ほどでストップされてしまいました。上記の授業を1年生も2年生も帯活動も入れて1時間で終えてしまうそうです。1週目音読と発音指導が徹底されていないと絶対に無理だと思います。

 
4 北原先生のお宝シリーズ②
英語科で使える教室を作ろう!
出典「楽しい英語授業Vol.8明治図書」September,1996
・①部屋さがし②基本機器を揃える③教室壁面を飾る④ソフトを揃える⑤再びハードを(個人練習できるように)⑥広いスペース教室作りについては幹本下巻P199~もありますよね!それも読むと勉強になると思いました。

・もう実際に作っていらっしゃる先生方も何人かいらっしゃいました。私も教頭先生にお話はしています。とりあえずインターネットにつなげるノート型の英語科専用パソコンを来年度申請しようと思っています。小学校外国語活動や教科書のデジタル教材ソフトを入れたり、じゃれマガを受信するのに使いたいのです。英語の歌の映像も見ることができれば楽しいです。私の生徒は少ないのでこれだけでもあれば助かります。

・真似たいと思ったところ・市販のビデオ、音楽テープのほかに生徒の作品のビデオの保管・壁面には海外で撮ってきた写真・寿司や中華料理の英語版のメニュー・同僚や生徒の海外のお土産をかざる

・学校の中の使用されていない教室を探し、環境を整える。視聴覚機器をそろえ、壁面にはライティングノート進度表の他、社会科で不要になった世界地図や日英表記のメニューや、海外土産を掲示。歌のCDや洋画の映像もそろえる。

 

 

2月例会報告をさせていただきます。
1.生徒最新パフォーマンス
(1)1年生英語劇”A New Year’s Visit”
※Sunshineの教科書本文をそのまま演劇化して演じている。
過去の1年生の同じ活動の映像を何度か見ているので、うっかり普通のものを見ている感覚になってしまいそうになる。しかし、毎年いい発音で生き生きと演じられるのは、日頃の音読や、そのまんまスキットなどの積み重ねがあるからだと思う。この活動を見て、いいなと思っていきなりやらせても同じようにはいかないだろう。
(2)1年生絵本の読み聞かせ”Grandma Baba and Her Friend on a Sleigh”
ピクチャーカードを使った紙芝居。面白いのは紙芝居なのに”jump”という場面でちょこっと跳ねたり、ジェスチャーをしながらやっているところ。その方が読み方に臨場感が出るというのを普段の指導の中で無意識に身につけているのだろう。何より楽しんでやっている。
(3)2年生スピーキングテスト「場面と人間関係を選んで対話」
形式の詳しくは幹「テスト編」に掲載。
・原稿を書いて備える生徒もいるが大半はそれはせずに臨む。つまりそれをせずとも言葉が口をついて出てくるくらい音読によって本文が定着しているということ。
・一方通行の暗唱やスピーチと違い、ALTとの対話の中で行われるので会話をつなげたり、質問したりする力もつけることができる。
2.Yokohama 5 Round Systemについて
※Yokohama 5 Round Systemの詳細はアルクのサイトに雑誌記事が掲載されている。
5 Round Systemを導入した熊谷市立熊谷東中学校 公開授業の参観記録より
(1年生)
・ピクチャーカードのストーリーテリングがあったが、This is…の繰り返しが多く一般動詞の使用が少ない。
・インプット不足。1年生のときはもっとインプットした方がよい。
→おそらくこの活動の趣旨と目的がよくわかっていないために「さしあたってこの活動を切り抜けるためのテクニック」が発生してしまっているのだろう。
これは注意しないとスポーツや音楽の練習などでも発生することがあるものだ。原因としてはいくつか考えられる。
①やらせる側もさらにその上から命じられてやらせているので、目的が見えていない。
②やらせる側の説明不足。やる側が楽をしようとして易きに流れた時には趣旨を改めて指導しなければならない。また、趣旨に納得させるためには③で述べるビジョン持たせることができないといけない。ただ厳しいだけではついてこない。北原メソッド(赤坂中)の場合はそれが先輩映像、学芸発表会、英語劇等だろうか。行事や部活だと先輩の姿を必然的に見るが、同学年だけで構成される教科の授業は教師が意図的にそれを用意しないと難しい、という側面も忘れてはならない。
③やる側の目的意識の欠如。その活動によって、短期的にはどんな力がつくか、長期的にはそれによって何ができるようになるか、が見えていない。
④活動の裏付けとなる基礎トレーニングが不足している。この場合は音読、アクションカードから普段のワークの宿題など全てが反映されてしまいそうだ。キャッチボールができていないチームにどんな画期的な守備練習を導入しても、暴投と捕球ミスの連発となってしまうのと同じ。
(2年生)
・発音が悪すぎる生徒がいる。指導不足か?
・文法のエラー(動詞抜け、語順ミスなどの致命的エラー)が2年生3学期にしては多すぎる。
・悪いことばかりではなく、生徒の一生懸命さが引き出されているような場面もあった。
(全体として)
・教科書が5ラウンド用にできていないので無理が生じることもある。
→横浜市立南高校附属が使っているColumbusは全体が一続きの物語形式になっているので5ラウンドしやすいのだと思われる。途中で投げ込みの読解とか手紙文とかいろいろ入っている形式だと扱いにくい場合が出てくるのだろう。
・北原メソッドの理念と同じことが多い。(生徒の活動が多いなど)

ここで北原メソッドを5ラウンドの視点から見るとどうだろうか。
まず5ラウンドの細かい形式面ではなく「目指すところ」を読み取ると次のようなものになろうかと思う。
①1ラウンド目から5ラウンド目に向かって「聞く」→「読む」→「話す」という流れ。
②ピクチャーカードを多用することで、日本語を介さずに活動できるように工夫。
・英文和訳、和文英訳…英語と日本語を結びつける、という活動は英語で話している最中にはやらない。教師が求める英語の知識があるかどうかを確かめるための活動に過ぎず、初学者には弊害も多い。
・ピクチャーカードと英語を結びつける…状況と英語を結びつける実際の英語使用場面に近い。
③手を変えて何度も教科書に触れさせて本文を頭に残す。多分ここが最大の勘所として狙っている気がする。
④聞いてわかる段階とoutputに使える段階には必ずタイムラグが生じる。ところが単元、学期で区切ってテストをする発想から抜け出せずにいると、この長期的視野に立った、「聞いて分かればよい」「たどたどしくてもよい」という許容がなくなってしまう。これは言語習得としては大変不自然だし、英語嫌いの大量生産を生み出す。
これは③が活動の狙いであるのに対して、④は根底にある思想、教育観であろう。
以上のように読み解いていくと、「年間を通じた5ラウンド」でなくても①②③がそれぞれ達成されていれば、同じかそれ以上の効果はあるのかもしれない。その視点で見ると北原メソッドは「単元の中でのラウンド」と「1年間の中でのラウンド」「3年間の中でのラウンド」が組み合わさっていることに気づくのではないだろうか。
・スパイラルワークシート①
・ピクチャーカードを使ったオーラルイントロダクション
聴く部分②→登場人物を使ったQ&A③
・当該授業での本文の音読活動④→音読の宿題⑤
・ライティングノートに書く⑥
・登場人物の説明がテストに作文問題として出されるからテスト前に勉強する⑦
・定期テスト前の特別授業⑧
・本文の当該箇所に適したパフォーマンステストの実施⑨
例)劇仕立てにする(1年生A New Year’s Visit)紙芝居(1年生ばばばあちゃん)
人物になりきってALTと面接をする。(場面と人間関係を選んで対話)
・1月には教科書を終えてしまい授業での2ラウンド目が始まる⑩
・2年生にで行う「1年生の教科書を使用したラストセンテンスディクテーション」⑪
・各年度末に行う教科書マスターテスト⑫
ざっと書き連ねてもKitahara 12 Round Systemとか言ってしまってもいいのではないか、というくらい本文の繰り返しがある。
「本文」ではなく、「学習事項・文法事項」として広くとらえれば
・歌・ベーシックダイアログのそのままスキット・英語劇・リストレ・読みトレ等も含めて良いのではないかと思われる。なぜなら未習語、未習文法でも教科書本文の学習前に出てきて聴いて歌うし、単元終了後に書くし話すし、という活動がなされるからだ。
最後にいくつか残った疑問。
・教科書の題材やパフォーマンステストは想定される学習時期に合わせて作られている。横浜の5ラウンドだとそれがずれるわけだがどうするのだろうか。2学期に「自己紹介スピーチ」もないだろうし、初夏に「春休みの日記を過去形を使って書く」となるとやる側の目的意識が持たせにくくならないか。Columbusにも各種パフォーマンステストは入っているが、これはいつどのように実施しているのか。
・知的欲求の高い生徒にはどのように映るのだろうか。初期に全部ストーリーを通読してしまう面白さはあるだろうが、やればできるんだから文字も教えてよ、自己表現がないとつまらないよ、ということは生じないのか。実は小学校英語でさえも高学年になってくると文字も習いたい、ALTが言ってることもしっかり聞き取りたいから詳しく教えてよ、みたいな欲求が児童の中に生じていることがある。南高校附属の生徒なら尚更だろう。
生徒が家庭学習として行っているNHKラジオ講座や塾や参考書の学習で文法の理解が進んで、5ラウンド目くらいにはその力が発揮されていました、では普通の公立中学がそのまま真似をすると痛い目をみることになってしまうのではないか。
・読みトレ、リストレ、ジャレマガみたいな「初見のものに接する量の確保」はどうするのか。これも生徒が塾や参考書で補っていました、ではシャレにならない。
・ストーリーテリングをゴールにしているというのは生徒が安定して目標を持ちやすいという利点はあるものの以下の点は生じないのか?
①疑問文に答えたり、自分で疑問文を作って質問する力が弱くはならないのか。
②会話を膨らませたり、うなずいたりという表現が定着せず、「説明」する活動は得意だが、ALTと1対1で話すのは苦手、というようなことはないのか。
以上、自分でやったことがない上での疑問点なので、批判めいて聞こえていたら申し訳ないのだし、何より新しい実践や公開授業に取り組まれた先生方には敬意を表したいと思います。何かご存知の方がいらしたら教えていただければと思います。