1月27日(土)第213回例会

1 ジャレル先生の特別講義

Lessons Learned from Starting Over ~The birth of Jaremaga and the start of

my Korean language education

2005年にじゃれマガを書き始め、同じころ韓国語の勉強を開始。浜島書店からの依頼があり、ブログより、読者にちゃんと届くメールを選んだとのこと。

まず、導入として、以下のような質問に、参加者が四択(スクリーンに提示)から選んで解答。

質問例

How often do you read Jaremaga?

Do you understand Jaremaga?

How often do you use Jaremaga in class?

When do your students read Jaremaga

配布されたA、B、C、D

(◎=◎︎←こんな形のカードでパウチしたもの。赤青緑黄など色分けされた◎それぞれにABCDが印刷されているもの。これで四択の解答を提示する))

概して日本人の学生は、挙手して発言を避けがちだが、これならフィードバックをスムーズに得ることができる、と。

つづいて、ジャレル先生が今週のじゃれマガの内容について質問をし、協力して応えられたペアは、もう答えなくていいという活動。

質問と答えの一部は以下のようなもの。(質問を正確に覚えていませんが)

Q:Who is the famous boxer I wrote about on Monday

⇒Naoya Inoue

Q: What item is used to compare prices of things in different countries?

⇒Big mac

Q: On the coldest day in Nagoya, what did Jarrel sensei decide to do?

⇒He used the subway instead of driving his car.

This is how I always begin my class. I like it because competition

encourages students to read and participate in communication.

本題に入り、毎日のじゃれマガ執筆と韓国語学習を通して学んだことについて。要点は以下の通り。

Part I : What I learned from writing Jaremaga

1.Keep a constant lookout for stories until they are clear

2. Write and rewrite the stories until they are clear.

3. Use simple vocabulary and grammar but never sacrifice natural sounding

English.

4. Read the stories aloud to check for errors.

4について、My eyes don’t notice some mistakes but my ears do.

北原先生が、文法・語法の確認のために音読を勧めているのと同じですね。

Part II 韓国語の学習体験から学んだこと。

ジャレル先生にとり日本語はsecond language—日ごろ日本語がall around me。一方、韓国語は、foreign language。

Learning a foreign language is difficult.

と痛感。教えることについて、それまでに持っていた考えを改める経験となったと。

I thought…

a) students who couldn’t spell were lazy but I discovered that I made

spelling mistakes in Korean.

b) I could explain grammar in English, but I didn’t like having grammar

explained to me in Korean

c) watching movies with subtitles isn’t studying, but I read subtitles

and checked my coprehension.

d) Students could communicate without pronunciation practice, but I

discovered I couldn’t.

また、語学学習における教師の役割の重要性も再認識。

a) I tried to teach myself Korean with a book of the same name, but my

learning didn’t follow the linear progression in the book. I got lost

halfway through. I realized I needed a broad base to build up my skills.

語学習得のプロセスについて、高層ビルの絵に、文法項目が順次縦に積み上がっていく様を提示し、こんなlinear progressionではないと。つぎに

砂山のような絵をしめし、そのすそ野に基礎的な文法項目が横に並んでいて、同じものさらに一段上にも並び、さらにその上に応用レベルの事項がでている絵を提示。

語学習得の過程は、行きつ戻りつ。スパイラルなど復習重視の北原メソッドと重なる点とおもいました。

c)Sounds that don’t exist in your own language cannot be learned without a

teacher.

発音も、母国語にない音などは、確かに先生が必要。

韓国語のいわゆる「濃音」と「激音」を例として流す。(聞き分けられなかった!) 英語のhat, hot, hut や mirror, millerを板書。

これが聞き分けられないのは、strange to me because they are obviously different.

やはりネイティブスピーカーの耳にはそうなのだけれど、non-native にとってはむずかしい。

4. I discovered language materials for self-study /lifelong leaning and

that AI can be your friend.

英語教育、韓国語学習を通じて、一生使える!自学用のウェブサイトを見つけられた、ということで、以下のようなものを紹介。

◎Talk to me in Korean

◎English Listening Lesson Library Online (ELLLO)

◎ChatGPT

◎deepL.com

活用例として

ChatGPTにつぎのような指示文(prompt)を出すと、

Pretend that you are a junior high school student in the U.S., and you want

to know about Japan. Ask me questions.

つぎのような結果。

AI : Hey! I heard Japan is a really cool place and I’m curious to know more

about it. Can youtell me some awesome things about Japan? Like, What’s

school like there? (以下省略)

これに対し

You: Well, school life is fun, but we have to study a lot. Do you have to

study a lot in the U.S.?

と答えると、さらに、つぎのような返答。

ChatGPT: Yeah, for sure. School can be pretty challenging here, too. We

have different subjects like…

とこのようなやり取りがずっとつづけられる例がハンドアウトに掲載。

ただし、このChatGPTやdeeplは語学教員にとってはmajor headache だと(特にライティング指導で課題を出す場合など)。また、

Tex-based のやり取りは成り立つが、音声認識だとまだわからない、とのことでした。

2 じゃれマガカルチャー⑧

◎2012年1月4日のじゃれマガ

新年らしく「書初め」がトピック

生徒各自黙読→設問の解答確認→教師の範読→教師の質問こたえながら内容理解の確認で、

文中のmake the ink with water taken from a well (ido)

のtaken from の下の3年( )-( )について、

「この文法事項(過去分詞の後置修飾)はどこにでていたかな?」と、北原先生。

参加者から即答がないと、「教員なら覚えておかないと!」と。反省。

その後、「即興発話練習」で、生徒はペアになり、先生の問いかけに競い合って答える

Do you do Kakizome?/ Why do you do Kakizome?/ Who makes you write?/ Are you

good at writing with ink brush?/ Have you ever seen a special kakizome

event at the Budokan on TV news?

つぎに

2 ペアで「書初めとは何か?」を自分の経験を交えて外国人に説明(本文の語句をつかってもよい)

ペアになった参加者の方と Kakizome is writing poems or lucky Chinese characters with

inkbrush. We use ink made with water taken from a well on New Years Day.

くらいまで作りました。

北原先生は、who used the words and phrases in the passage

?と私たち質問し、多く手が上がりました。そして「これがretelling!。教科書からだとつらいが、日本文化ならだれでも知っているのでできる」

「じゃれマガカルチャーで、141のうち86の文で日本文化になっていてこれをつくった」と。新年度に活用していこう!とワクワクしる気持ちになりました!

3 北原の参観・示範授業

A中学校3年の教室。26名(15 boys +11 girls)

Lesson 3-2 New Crown English Series、Book 3

広島平和記念資料館を見学した、Kateと丘先生の会話

Bパターン(内容理解)の授業。

<手順>

1.Greeting

2.わくわくペアワークで過去分詞後置修飾の練習

3. Picture describing

4. Oral introduction of the text

5. introduction of new words.

6. Answer Check of Spiral Work sheet

7. Comprehension of the text

8. Reading Aloud

9. Write on p.39(教科書右ページの練習問題)

冒頭、担当教員が北原先生を生徒に紹介。

アクションカードや辞書、幹ノートなどみせて、This was written/ made by Mr. Kitahara,

と、の受け身をつかって紹介。(3年生なので)

語彙の導入、内容理解など、とても丁寧に一つ一つジェスチャーをつかって、英語を勉強する、というより生徒が、「肌で感じ取る」ようにされていたことがとても印象に残りました。

また、展示品(原爆によるdamaged things)をみてKate が「They shocked me.」のところ、は They are

shocking /I was shocked の言い方にも触れ、間違えやすい感情を表す動詞/分詞)の使い方も提示していました。

他にも、語い導入や、理解確認のなかで、以下のような活動一つ一つが学びでした。

shocked とshocking の違い /agree の反対は→disagree/ must 他に助動詞は→may, can,

could, / well(えーと)→let’s

see, let me see

It must never happen again →「どんな気持ちだろう?」→怒っている!+両てのひらで✖をつくってジェスチャー

それからdamaged thingsと本文からの句を板書し、

→things damaged by the atomic bombと後置修飾を何度も提示して生徒の定着を促していました。

懇親会においても、さまざまな先生から気持ちがポジティブになるお話をたくさん聞かせていただき元気をいただきました。

あと、わくわくペアワークとか、ナルホド英文法を紙ではなくタブレットでやることで様々なメリットがあることを教えていただきました!

北原先生、参加者のみなさま、

今回も貴重な学びをいただき、

誠にありがとうございました。

************

「キタケン、もう終わりだね。あんなにコロナ前はたくさん来ていたのに、戻らない。」

「ディジタル教科書があれば授業が成り立つから、わざわざ来る必要も無いのだろう。」

懇親会が終わってJR蒲田駅のホームで、北原先生にバッタリと出会うと、とても疲れた様子でベンチに座って、こんな事をおっしゃった。

つい数日前、私の中2生徒がネイティブアカサカンのような生徒になったと言えるようにbreak throughした。つまり、語彙量については帰国子女に負けるかもしれないが、流暢さでは帰国子女並みの生徒。最近の授業中の様子を見て、「多分、そうだろう」と思って、その生徒が教室に入ってくるなり、学校の様子を質問すると、全く日本語を使おうとせず、英語で話し続ける。まさに、インプットした英語が、コップから溢れるかのような現象。

開業から3年目に入ったときから、毎年、似たようなことが私の教室で起こっている。中1の3学期に来た、私の教室の最初の生徒は、学校の英語について行けずに悲惨な状態で、コップが下を向いていた。コップを上げるのに効果的だったのが北原メソッド。開業から1年は、この生徒しか中学生が来なかったので、この生徒にとっては学校で過ごす苦痛から脱するため、私にとっては結果を出すことが教室を維持する事に直結することだったので文字通りの命がけ。お互いに逃げられない厳しい時間もあった。コップが上を向いてからは、上達が速かったが、それでも中2の秋ぐらいは、思うようには伸びずに苦しかった時期もあった。その後、中3で英検2級、高1で英検準1級を取得する間に、同じようにスーパー中学生・高校生になった。

帰りの電車の中で、果たして、北原メソッド実践者の中で、このような生徒が誕生したときの感動をどれだけたくさんの先生方が感じているのだろうかと思った。というのは、去年の春に多摩での辞書指導ワークショップの懇親会で、同じテーブルのほとんどの方が「5ラウンド」の実践者だと聞いて驚いたからだ。

北原先生に直接、「5ラウンド」がそんなに良いものかを訊くと、「エラーが多い」とのこと。今回、北原メソッドで育った生徒のように流暢に話せるようになるのかを訊いたところ、そうではないとのジェスチャーの返事だった。「現在の教科書が5ラウンドに対応していない」とも。

【1】ジャレル先生の講演から

Japanese and Korean are similar in grammar and vocabulary. It is almost possible to translate word for word, but it doesn’t always work. You won’t know an expert (a teacher) tells you.

It’s the job of a teacher to tell you that.

私の教室に来た生徒で、フォニックスラップをやる必要がなかったのは、国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)で学んでいる小学4年生のみ。この小学生にしても、私の教室に来てから「発音がよりクリアになった」と、英語を会社で使う保護者がうれしそうに言ってくださった。小6で来た別のIBの生徒には必要があったし、それがなかったら、中3の秋に、スーパー中学生になれなかったと思う。私の教室に来た生徒は、比較的に「できる」生徒であっても、英会話教室の出身者も含めて、私学公立、ほとんど学校の発音指導は全滅。

【2】北原先生の師範授業から

3年生対象

Comprehension of the text

1. Teacher Talk

…They are visiting the Peace Memorial Park. After getting out of the building, Kate looks sad. Because she feels very miserable. (About the pictures on the monitor.) Why is the school uniform very old? It’s a lunch box. What color is it? Usually, its color is white. But it is black. Why? It was burned. Look at the clock. It stopped. These things are very shocking. It’s important for us to see the reality. It must never happen again. What can we do?

多分、事前に用意した内容を、ピクチャーディスクライビングで生徒が言ったことを取り入れたり、模範例として示したりして修正していたのだと思う。

2. Read this passage silently. After reading it, stand up.

3. I’m going to read this passage.

4. Reading with gestures.

3年生であっても、内容によっては、教科書をジェスチャーを使って読む。その時、モニターの絵を指さすこともある。生徒が、先生の日本語を聞いて文を指さしたりは今回は無く、生徒の実際の様子から、指導方法をその場で変える工夫をされたのだと思う。

I saw damaged things on display.

形 名

by the atomic bombを入れてみよう。

damaged things by the atomic bomb 日本語と語順が変わるよ

They shocked me. を色々言い換えてリピートさせる。

They were shocking for me.

I was shocked by them.

【3】最後に

2021年度に慶應義塾大学の合格者を出したのに続いて、今年度は早稲田大学合格者を出した。確かに、今回の生徒は、入試の英語でのプレゼンテーションに直接関わるような事はしていないが、私の教室で発音矯正をしたり、物事の説明手順を訓練したり、英検1級レベルの語彙への扉を開いたので、堂々と私の教室の実績に出して良いと考える。開業以来、9人の大学受験者の内の2人が早稲田と慶応に合格。他に、中央大学と東京農大の合格者がいる。北原メソッドで育った生徒達は、英検2級レベルの単語は勿論、中には準1級レベルや、1級レベルの単語でさえも、驚くほどの速いスピードで覚えてしまう生徒もいる。

中学英語の重要性は、東京学芸大学の金谷 憲先生が、大学入試のほとんどの問題は、「文法的には」中学英語を徹底することによって正答を導き出すことができるということを大学入試の分析で示している。北原メソッドで育ったスーパー中学生達は、エラーが少ない英語を発することから、私の教室のような大学入試実績が出ることも当然のことのように思う。

上野のE-prosの研修会で、金谷先生が、中学英語をもっとしっかりやって欲しいとおっしゃっていたのをよく覚えている。あの嘆くかのような金谷先生の言い方が忘れられない。中学英語をしっかりやるなら、北原メソッドがベスト。形を真似るのは簡単な北原メソッドではあるが、折角やるなら、きちんと徹底的にやりたい。

************

 こんにちは。長崎市のHです。北原先生、久しぶりにお会いしてほんとうにほんとうにうれしかったです!!! 研修会とその後の囲む会で、みなさまにお会いしてとっても有意義な時間を過ごさせていただきました。本当にありがとうございます。思い切って東京の北研へ行ってみて、お一人お一人が真剣に英語教育に向き合っていらっしゃる姿を見て感じて、たいへん刺激を受けました。

 北原先生が、どのような立場になられても、お変わりなく北研を開いて私たちへ北原メソッドを教えてくださることを、あらためてありがたく思います。示範授業で見せていただいた各活動は、一つ一つに意味があり、それぞれがしっかりつながっていることが北原メソッドのすばらしさです。Picture Describing では、生徒がどんどん英語を話していました。その中で代名詞の指導もさりげなく入れられました。代名詞の使い方の指導は、解説的にするよりも、機会を捉えて気づかせた方が生徒はピンときて、「あ、そうか!」となるので、私もなるべくそのようにしています。Oral Introduction of the text の中で、shocked とshockingの使い方を何度も生徒に発音させて、ジェスチャーも入れて指導されたところを見て、私もしっかりやっていこうとあらためて思いました。Introduction of New wordsは、私も今でもフラッシュカードを使います。生徒の脳にしっかり新語を刻み込むには、フラッシュカードの方がよりよいと思いますし、3文字見せや上半分、下半分見せフラッシュなど使い方のバリエーションが豊富で、生徒が楽しみながら学べるように工夫ができるところは北原メソッドに学んだところです。北原先生が、ご自身でやって見せてくださったことで、より一層北原メソッドをしっかりやっていこうと思いました。

 ジャレル先生は、ことば対する研究をライフワークにされており、コンスタントにジャレマガを発信されるなど、その絶え間ない歩みの粘り強さには尊敬するばかりです。ご自身が、韓国語を学ぶときのハードルをどう乗り越えるかということを客観的に把握していらっしゃる。英語を学ぶ生徒たちと同じ立場に身を置くことで、見えてくる情報を最大限に生かそうとしていらっしゃるところは、とても謙虚であり、北原先生と同じように、生徒目線を大事にしていらっしゃると思います。

 研修の最後に、浜島さんが英語教育に対する信念を語られました。その思いの深さと強さには、感謝の気持ちしかありません。私たちはこのようなすばらしい方々に支えられて、英語教師としての仕事ができるのだとあらためて実感しました。

 出席者の先生方では、H先生はいつも新しいことに挑戦されていて、今回もその一端をお聞きしてとても刺激を受けました。また、思いがけず、長崎出身のT先生にお会いして、囲む会でのテーブルを挟んで、長崎話に花を咲かせたことも楽しかったです。T先生のフルート演奏は、北研会員のスペックの高さを感じました。ベートーヴェンとモーツァルトの2曲の演奏は素晴らしかったです。

 今回の東京への旅は、行きの新幹線では隣にイタリア人の女性が座って、英語で長崎のことやイタリアのことこれから行く温泉のことなどを楽しく話しました。帰りの新幹線では、偶然にもキティちゃん新幹線に乗りちょっと得した気分でした。渋谷では、長崎での5年前の教え子に声をかけられ、びっくりしました。また、長崎ではなかなか味わうことができないインド料理やアジアン料理もとてもおいしかったです。そして、何よりも、北原先生をはじめ、ジャレル先生、浜島さん、そして北研のメンバーに会えたことがほんとうにほんとうに心にしみました。長崎にいては得られなかったことをたくさん味わうことができて大成功の大満足の旅でした。みなさま、ほんとうにありがとうございました。長崎に帰ると、街のあちこちがたくさんの赤いランタンで飾り付けられていました。2024ランタンフェスティバルは、2月9日(金)~25日(日)です。ぜひ、長崎にいらしてください! Hよりより!

************

1 ジャレル先生の特別講義

2005年から約20年間も「じゃれマガ」を書かれてきたジャレル先生。

実際にお会いして、柔らかな優しいお人柄にふれることができました。

講義の冒頭に、カードが配られました。

表面の上部には「A」下部には「B」、裏面の上部には「C」、下部には「D」が記載されており、先生の質問にカードを使用して答えました。これは、教えていらっしゃる大学生全員に意思表示をしてもらうためのツールでした。私たちも同じようにこのカードを使用して先生の質問に答えました。なかなか発言できない子にはこのカードは有効だなと思いました。

続いて、今までのジャレマガの内容から英問英答問題が出されました。これは、ジャレマガを読んでいないと答えられません。

私は毎日読んでいたはずですが、記憶が薄れているものもあり、熟読しなければ!と思いました。

ご自身にとって日本語は第二言語となるので、外国語を学ぶ人の気持ちを理解するために、韓国語を学ばれているそうです。

大学で教えられている生徒さんと同じ立場に立ち、気持ちを察したいという教育者としてのお考えに感銘を受けました。

また、韓国語の文字は日本語と全く異なりますが、文法と語彙は似ているそうです。

現在は、駅の表札をはじめ、多くの標札に書かれているハングル語です。今後は、意識して目にしてみたいと思いました。

Chat GPTを使用した学習に関してもお話がありました。今後は、自主学習をすすめるためにChatGPTを使いこなすことが当たり前になっていくのでしょうか。

2 じゃれマガカルチャー⑧

今回のテーマは「書き初め」。

“Kakizome” is a special day for writing at the begining of the year in Japan. It usually falls on January 2.

People write poems or lucky Chinese characters with ink brushes.

They are supposed to make the ink with water taken from a well (“ido”) on New Year’s Day.

これらの文から、書き初めをなぜ1月2日にするのか知りました。

週明け、小学生に「書き初めいつした?」と尋ねたら、1月2日と答えた子は皆無。

更に、担任の先生曰く、「その習慣を知っている家庭はないでしょうね。名前を文字の左側に書く子もいますから…」という驚きの真実が!

今回に限らず、既習文法事項が、何年生の教科書のどのユニットに出てきたのか、すぐに言えないようではプロではない。教師なのだから押さえておかなければならないとおっしゃる北原先生のお言葉に毎回背筋が伸びます。

3 北原先生の参観・師範授業⑥ <中学3年生7月> A中学校

Bパターンの授業ビデオを見ました。

北原先生の紹介を受け身の文で紹介され、それに対する生徒達の反応が非常に可愛らしく、中学生といえども素直な子ども達に釘付けになりました。

ワクワクペアワークからPicture Describingへ。

間違えを恐れず挑戦するというよりは、整えようとしてためらってしまうところがあるという生徒さん達に、北原先生は「I think〜.でいくらでも言えるよ。」と示唆されました。

Oral Introduciton of the textでは、先生の豊かな表情、ジェスチャー、声のトーン、声色で、内容理解が進んでいきました。

Introduction of New Wordsでは、フラッシュカードで発音と意味の確認をとり、生徒に飽きさせないようにカードのちょい見せをしたり、スペルの空書きがなされました。

Answer Check of spiral Worksheeで、派生語の説明や動詞の活用の問いかけがありました。

Readingは、単語→冠詞+単語→連語→文の順に読み進んでいきました。

最後に、教科書の4つの例題のうち1文を書き授業終了となりました。

4 English Kitchenの軌跡

すべては子ども達のために、楽しく素敵な授業で、かつできたという喜びを与え、英語力をつけさせる。

この指導法を全国に広め、次の世代に継承することを目的に、10年間で、全国32ヶ所延べ74回の講演会を行われました。

私が参加させていただいた2021年の村上市でのEnglish Kitchenが懐かしく思い出されました。

この講演会がきっかけとなり、こうして毎月北研に参加させていただいております。

今回ご退職の浜島様の強力なバックアップがあったことを、今回いろいろな先生方のお話を伺い実感することができました。

「いい物はいい!」この揺らぎない信念が、浜島様から伝わってきました。

浜島様の第二の人生にも注目です!

************

1 浜島様へ

初任校のBINGOから、退職校の「幹ノート」まで、北原メソッドに近づくためにはいつも浜島書店さんのお力添えが不可欠でした。現場の英語科教師に寄り添って頂き心より感謝しております。これからも今までとは異なる角度からお力を発揮されることを望んでおります。そのためにもご健康が守られますように。

2 1月例会報告

(1)ジャレル先生の特別講義 印象に残った部分を自分の言葉でまとめました。

0:Warming Up

① 4択のクイズ

 ② 今週の「じゃれマガ」からのクイズ。ペアで解答。読んで内容を覚えていれば答えられる。

ペアで解答。全員答えるまで。⇒「じぇれマガ」以外にも応用ができる。

Part 1: What I learned from writing Jaremaga

1 As soon as the ideas come up, write them down.

2 Simple and clear writing. But never sacrifice natural English.

3 After writing, be sure to read the stories aloud. Reading aloud helps you find your errors.

Part 2: What I learned from starting over learning the Korean language

ジャレル先生はご勤務大学で海外交流室長にご就任になった時、必要があり韓国語を学び始めた。その時に学んだこと。

1 外国語学習は難しい。英語を学ぶ自分の学生も同じ。

2 発音の練習は独学では困難。特に母語にない音の習得には教師の適切な指導が必須。

3 教師の役割。生徒の力の裾野を広げる事。学びの「幹」を作ること。独学では無駄が多くなる。

4 自習や生涯学習としての外国語学習にはAIは有効。

まとめ:

1 じゃれマガは自分の読者、学生の事を常に念頭に置いて考える機会とSimple Englishを書く力を高めてくれた。

◎2 新しい外国語(ジャレル先生の場合は韓国語)を学んだ事で教師が教室の内外で重要な役割を担っていることを再認識した。それは、a language expert, a motivator, and an advisorである。

(2)北原先生

 [1]じゃれマガカルチャー⑧

じゃれマガカルチャー191話のうち86話に即興発話練習用の問いがある。

今回のテーマは「書き初め」。以下は「即興発話練習用」の問い

1 生徒はペアで競って答える。

Do you do kakizome?/ Why do you do kakizome?/ Who makes you write? / Are you good at writing with ink brushes? / Have you ever seen a special kakizome event at the Budokan on TV news?

2 ペアで「書き初めとは何か」を自分の経験を交えて外国人に説明しよう。本文の語句や表現を使ってもよい。=これこそが「リテリング」!

 [2]北原先生 示範授業⑦

20220706 東京都A中 3年生 26人(男子15人女子11人)

New Crown Lesson 3-2 過去分詞の後置修飾 /広島平和記念資料館を訪ねた教師と生徒の対話

本時はLesson 3 8時間中の4時間目

学んだ事

0:全体的に生徒が楽しそう。ペアワークも雰囲気良い。活動的、積極的、声が良く出ている。特に男子の声が良く聞こえた。音読の時の教科書を持ち、姿勢良くも徹底していた。 中3の夏としては素晴らしい反応。普段の担当の先生のご指導の成果だと思いました。

① 導入でA中の先生が北原先生を紹介するときに北原先生の著書で生徒が知っているものを複数見せながら”This book is written by Mr.Kitahara.”を繰り返していた。生徒も「おー」となっていた。さすがだと思いました。

ワクワクペアワーク#9「一般常識合戦」とても楽しそう。

② Nobuaki sensei=knob and a key の絵で導入。初見で楽しかったです。

③ Picture Describing:発音が治るまで待っている。I think~という既習だがこの日初めての表現を使った生徒を高く評価する。

④ Oral Introduction of the text: 授業者のdramatic readingが効果的。

⑤ Introduction of New Words: やはり、Flash Cardsの方がデジタル教科書の画面より数段効果的。短い時間で多くの情報を盛り込める。ジェスチャーも多用。日本語を介さず、語の基本の意味、イメージを生徒の脳の中に作る。

⑥ Answer Check of Spiral Worksheet: Vocabulary, Grammarをしっかりチェック。生徒も積極的な反応。

⑦ Comprehension of the text: ④と同様にdramatic readingが効果。

⑧ Reading Aloud: 前述のように生徒さん達の姿勢、声の大きさが良い。コーラスリーディングで生徒の現状をモニターし、できない部分をできるようにするのが教師の役目。細かい発音もチェック。この日のジャレル先生の「教師の役目」にもつながる。

⑨ Write: 教師の役目Monitors their language and recasts Ss’ good utterances after the activity.

[3] English Kitchen の軌跡 2013年の文書より

 浜島書店の講師派遣制度=長先生の指導法を受け継ぐ先生方を講師として全国に派遣する。

 目的:全ては子ども達のために。素敵な授業を楽しく、かつ、できたという喜びを与え、英語力をつける。この指導法を全国に広め、次の世代に継承する。できれば、その地方に草の根の研究会を作り、根付かせる。

 北原先生関係:10年間で32カ所。74回。

 浜島様のご尽力に敬服と感謝を申し上げます。これからも、次世代につながりますように。

************

今月の例会は、浜島さんのご退職記念講演や感謝会もあるので、

とるもとりあえずすぐに参加を決め、ひさしぶりで参加させてもらいました。

上京のだいぶ前から準備を始めました。まずホテルをとるのが今はかなり大変です。

そして、北原先生、浜島さん、ジャレル先生、そして遠方から見える先生の

喜ぶ顔を想像しながら、軽井沢をぐるりと回って長野の地元のおいしいものを

用意しました。

長野の味覚の代表、八幡屋磯五郎で一番辛いパワフルな七味も用意しました。

みなさまの食卓のおともになれば幸いです。

会場への途中、長崎のH先生と一緒になって、よもやま話をしながら早めにつきま

した。

すでに前日から蒲田の温泉を楽しまれたという北原先生、ジャレル先生、浜島さんが

なごやかに楽しげに準備をされていて、H先生、Hが到着すると「やあ、北研が昔

みたい

になってきた」と北原先生が笑顔で本当にうれしそうに迎えてくれました。

「ああ、北研はあったかいなあ。ここが私たちのホームグラウンド」とほっとして

会場入りしました。「求めるものがある者に、とことん本物の答えとヒントを与えて

くれる」-

それが北研なのだと、あらためて感じます。

北原先生、ジャレル先生、浜島さんのおしみない教育への情熱、真摯な取り組み、や

さしさや

あたたかさにふれた素晴らしい北研とご退職の会でした。

浜島さんのやさしいおおらかな笑顔に包まれて、会場が一体となって過ごした時間は

宝物です。

浜島さん、いつも良質な教材を用意くださり、生徒と私たちが教材を使って感じたこ

とやリクエストを伝えると、

迅速に教材つくりに生かしていただき、ありがとうございました。

仕事と教育—理想を現実化するうえでは、ひとかたならないご苦労や軋轢があった

ものと拝察します。

いつのときも、英語教育にかける情熱と誠実さ、惜しみない尽力で、全国のこどもと

教師に良質で

使いやすい教材と貴重な本を提供くださいました。

理想と現実はきっといつの日もパラレルではなく、大変な苦労がともなうものと身を

もって思います。

すべてのサポートに深く感謝します。生徒の気持ちも代弁させていただきます。

そして、これからもできるだけたくさん、私たちと夢と時間を共有させてください!

例会のあとは、蒲田の名店、ネパール料理のお店でおいしいお酒、おいしいネパール

料理とインド

料理をいただきました。気心知れた仲間との食事は本当に幸せな時間です。

全国の先生方から、「いつもメールを読んで、そのメールは特別なところに保存して

あります」

「お会いしたかったです」と声をかけていただけること、「私たちは、H教の信者で

す」

と声をかけていただけること、身にあまる光栄です。

それは「北原イズムの実践」から生まれるもので、「生徒ファースト」にもとづく思

想が根底をなすのだと

思います。

北原先生から受けた愛情と知識は、地元の学校の教室での実践を大切にすることで、

少しずつでも

お返しできたらと思います。

今は私のステージのなかで「今まで北原先生に学んだものを、地元の実践で生かし生

徒と地元に貢献する」

ことに優先順位がシフトしているため、上京の頻度が少なくなっているものとご理解

ください。

なので、MLでの実践の発信はこれからもがんばります。

次のメールで具体的な例会報告をさせていただきます。

北原先生、ジャレル先生、浜島さん、みなさん、貴重な時間を共有させていただき、

ありがとうございます。

〇北研213回例会 令和6年1月27日(土)午後2:30~5:00

浜島直哉様ご退職記念の会 シャングリラ於(ネパール料理・インド料理)

 特別講師:ジャレル先生、浜島直哉さん 参加者:12名(北原先生の報告より)

例会の詳細な記録と報告は、現場についたときから「U先生がパーフェクトに報告

をしてくださる」

と確信しその通りだったので、印象に残った点と参加者の視点から報告させてもらい

ます。

(最初に)参加した北研の参加メンバーのレベルが高すぎる! それぞれの分野をもっ

ている!

北研に各地から参加される先生方の意識とレベルの高さにあらためて感じ入り、ほれ

ぼれしました!

英語力、意識の高さ、各地においてもおそらく第一級レベルのみなさんです。

今回人数は少なめでも、レベルの高さは精鋭ぞろいでした。

講座のエネルギーの高さは、参加者の「志の高さに比例する」と言います。まさにで

した!

1.ジャレル先生の特別講義

Lessons Learned from Starting Over, Becoming a Language Learner Again

ジャレル先生の英語はだれにもわかりやすく聞き取りやすい。優しい穏やかな笑顔と

英語で、

聞くもの=学習者が安心して話を聞き、講義を聞きたくなる。すぐれた英語の先生の

第一条件だ。

優れた教養を備え、学問や教育の方法を学び続けている人の英語は美しく聞きやす

い。

確固とした知識のベースがあり、Learner is first,生徒ファーストの意識が高さが

表れている。

ジャレル先生の母国語は英語、第2外国語は日本語、そして2005年、じゃれマガがス

タート

したころから「外国語」として「韓国語」を学びはじめ今も学び続けている。

Learning Korean Languageは、studentと同じ立場に立つことでもある。自らが外国

語を学ぶ

生徒であることが、「学び方」「教え方」に生かせると話される。

教師がバイリンガル、またはそれ以上を学び話すマルチリンガルであることは、生徒

への授業、

講義、教育に大きく貢献する。

*後半、「先生方の中で英語以外の外国語を学ばれた経験のある方はいますか」と質

問された。

何名かの先生がフランス語などの外国語学習の経験を英語で発表された。

私も手をあげて体験をお話しした。数年前に上海師範大学の付属小学校の英語の視察

に行くことが決まった。

半年前から知り合いの中国人の中国語の先生夫妻に弟子入りして、視察とそのあとの

交流パーティーに

必要な言語(あいさつ、質問の定型文、社交の会話など)を自分が必要だと思う実用

的な文を中心に

音声から学んだ。どの会話ができれば実際に現地で話せるのかは、英語教師のノウハ

ウで判断できる。

つけやきばだったがそれは大いに現地で役立った。中国の先生方の知識人でも日本語

を話せる人は少ない。

英語、中国語、日本語を使うことで、大学の先生方、小学校の先生方、日本の視察団

のかけはしとして、

「つけやきばの通訳さん」として機能し、大切な交流会のパーティーをつなぐことが

できた。

大学では専門言語のほかにフランス語、ドイツ語も学んだが、このこともいろいろな

場面で役立っている。

海外に行くときはロシア語であれ、何語であれ、同じように必要な初歩的な会話を予

習して旅をする。

現地で役立つし、自然と授業に広がりや深みができる。とてもいいのは「言葉の失敗

談」も授業の話題にできる。

ジャレル先生のように韓国語を学ばれていれば、英語~日本語~韓国語の比較もでき

授業の深みがさらに増す。

何より「学び続ける教師」の姿は美しい。生徒は自然と「学び続ける先生」をリスペ

クトし、共感してくれる。

私はコロナ禍の3年間から今日までで336日336回、オンラインで海外のネイティブの

先生たちと

週に3回英会話を学び、日々のデイリーニュースなどを話題にディスカションを続け

ている。

今回、以前より鮮明にジャレル先生の英語が耳に飛び込んできた。会話では今回2回

ほど英語でスピーチ

をさせてもらったが、自分で話す英語が以前より鮮明になり切れが増し、なめらかに

耳に聞こえてきた。

時々英語の歌のカラオケでそれを感じるが、3年積み重ねてきたものが「教師の英語

力」になって上乗せされる。

語学学習のBreak Throughをこの年になっても感じることができるのは、学び続けた

教師の醍醐味だと思う。

生徒は自分の先生の英語の切れが増していることを敏感に感じ取り、うれしく感じ

る。

2.北原先生の師範授業 (N先生のもつ3年生のクラス) 生徒数

26名

① まず生徒数26名の教室で英語の授業をするのは、とてもやりやすく理想的なサ

イズだと思った。

勤務校では、一時は30人以下になったもの、ふたたびクラスサイズは38になった。一

斉授業と個別指導が

できるぎりぎりのサイズだと思う。北原メソッドになれた素直な生徒さんたちが、熱

心に北原先生の

生徒として学ばれていた。

② 印象に残ったのは、英語の授業は「生徒の顔を上げさせて、ひとりひとりの顔

を見ながら直接的に

語りかけること」が大切ということ。この当たり前のことが、普通の英語の授業や研

究授業などでできていない

ことが多い。PCの画面や操作ばかり見たり、下を見いていたり、見ているようで生

徒全体と一人一人を見ていない先生が多い。

北原先生は本物のプロの英語教師だ。まず出会いのしょっぱなから、生徒全員が教師

に興味をもってくれ、こっちを見てくれる

ことに力を入れて勝負をかけている。そして、強く激しく愛おしく生徒たちを見てい

る。

「空間把握力」「空間支配力」「絶対的オーラ」がひときわ強い。これは英語教師と

して必要不可欠な絶対条件だと思う。

指導案にも、Greetingのポイントとして、Every S must look at T.と示されてい

る。

「北原延晃」の名前を、ドアを書いてKnob, a keyと繰り返す鉄板ネタで、全員が

「ノブ・ア・キー」を唱え、

わくわく感をもって北原先生を見るようになっていく。授業の冒頭、わずか1分の中

に「授業の勝負」がある。

ここから、北原先生の授業が展開するが、つねにこの姿勢を貫く。

途中下を向く生徒がいると「一生懸命芸人がやっているんだから、こちらを見てね」

と短く強く注意を入れる。

全員がはっとする。抗えない力をもっている。(これはわたしたちも経験していると

ころ)

③ Picture Describing PC画面でpicture cardを見せる

パソコンにピクチャーカードを取り込んで、picture Describingを行っていた。使い

勝手がよさそうです。

④ Show picture cards and explains the story

先生は教科書本文を全部覚えていて、「紙芝居のおじさんのように」ゆっくりと、わ

かりやすくQAで

インタラクションをしながら内容を伝えた。「教師は教科書本文を言えるように覚え

ているか」基本にして

とても大切なポイント。先生方はいかがですか。

⑤ Introduction of New Word

新出語彙の紹介は、上のPicture describingと並んで、北原先生の「真骨頂」だと思

う。

北原先生は、汗水流しながらジェスチャーを交えて、アクセント、強弱をはっきり読

みながら新出語を練習する。

デジタル教科書だと生徒への刺激が弱くインプットが弱い。生身の教師による「力強

い英語の刺激」が、一番生徒の体に

力強く入り残りやすいと感じる。「昭和感漂う人間味のある教え方」「気迫」ある先

生のひたむきな教え方が

結局は一番強いのだと思う。これが北原先生の「真骨頂」で、私自身「すごい、これ

が本物だ!」とほれこんだ

最初の出会いの場面の渾身のパート。随所に「そんなことdamage」など生徒を飽きさ

せないような小ネタも入れながら

新出語句を練習をしていくと、生徒たちは非常にアクセントを強く意識した「生きた

言葉」を話すように変容していった。

指でalways, sometimes、seldomなど頻度を表現させるのもわかりやすい。英語劇に

裏付けされたキャラの立った教え方が

生徒へのインパクトを最大に強めているのだと思う。

*今回の北原先生の授業を見て、日々愚直なまでに緻密に、かつ精魂こめて授業をす

ることが

生徒を成長させるために最も有効であることがあらためて確信できました。

⑥ 授業のタブレット使用にともなって思うこと

多くの学校の机は、昭和の頃のサイズ感をもとに作られている。教科書、辞書、副教

材、さらにタブレットを置くと

英語の授業の机はあまりに小さい。勤務校の心ある学年主任は、「タブレットを使う

なら、机のサイズも変更してくれ」

と強く教育委員会に談判してくれている。意識が変わるのはなかなか難しい。タブ

レット使用時、わき机にタブレットを

入れるポケットを用意したり、美術教室にある生徒のバタフライ型伸縮机のように、

安心して教科書、教材、タブレットを

使える机サイズになってくれるとありがたいと痛感する。

⑦ S先生から近くレクチャーいただきたいこと

久しぶりにお会いしたS先生は、育メンかつちょいとやんちゃでした。

機会を見て、「部活指導は公務分掌ではない」について、みんなと詳しくうかがって

みたいです。

今回心に残ったジャレル先生の「英語教師としての矜持」「北原先生の授業の真骨頂

を見た」を中心とした報告でした。

また2月の例会も行けるよう、3日間夜中までかけてがんばってホテルを探しました。

(2月、3月、都心にホテルをとることはほとんど不可能なくらい難しいです。12月も

全くとれませんでした。)

ずいぶんホテルをとるのが難しい時代になってきたようです。

************

最初の30分ほど遅れての参加となりましたので、

1.ジャレル先生の講演の後半からレポートいたします。

1.ジャレル先生の講演

Lessons Learned from Starting Over

(PARTⅠはジャレマガ執筆のいきさつやその執筆活動でのエピソードなど)

PARTⅡ What I learned from starting over

 ・ご自身の韓国語の学習から外国語を学ぶことの大変さを実感された。

リーディング、リスニングの活動の機会は確保できるが、

スピーキングの機会は教室の外では作れない点で、

指導している学生さんたちと同じ立場である。

 ・語学学習を自身で続けるための教材(ウェブサイトおよびAI)

“Talk to me in Korean at <http://talktomeinkorean.com”>

“English Listening Lesson Liberty Online at <https://www.elllo.org/”

→ジャレル先生のおすすめ

“ChatGPT at <https://chat.openai.com/> for a conversation with AI”

“deepl.com (a very accurate translation site)”

2.じゃれマガカルチャー

・1月4日(水)配信のじゃれマガ本文を使用

 ・本文中の表現を拾いながら、内容を確認

”at the end of …” の逆の意味を表す語句 → at the end of …

… with water taken from a well … “taken”(過去分詞の後置修飾)

勤務校で使用の検定教科書のどこで出るか「3年( )-( )」

→これらの情報は押さえておく。

 ・Reading Question ”What are the long pieces of paper called in Japanese?” 

答えは「半紙」

・一通り終わった後、ペアワーク

「書初めとは何か」を自分の経験を交えて外国人に説明しよう。

本文の語句や表現を使ってもよい。

→英語の先生方なので、みなさんご自身の経験は勿論、様々な形で

表現されていましたが、生徒たちにとっては「リテリングの活動」と

北原先生がコメントされていた点は「なるほど」と思いました。

3.北原先生の師範授業

2022年7月6日(水)東京都A中学校で実施された3年生の授業を

ビデオで視聴(3年AB組の男子15人、女子11人 使用検定教科書はNew Crown 

English Series, Book 3 (三省堂) )

1. Greeting

2. Wakuwaku Pairwork

3. Picture Describing

4. Oral Introduciton of the Text

5. Introduction of New Words

6. Answer Check of Spiral Worksheet

7. Comprehension of the text

8. Reading Aloud

9. Write

10. Closing

N先生が日頃から北原メソッドを実践され、北原先生が当日授業をされたときも、

「いつも通りに授業が進められて」という感じの、生徒たちがスッと引き込まれていく様子が

見て取れるような展開でした。

以下、気が付いた点を書き出します。

1.Greetingで、N先生から北原先生を紹介する場面がありましたが、ここで、

”This book is written by Mr. Kitahara.”などのように、受動態を含む形の

Teacher Talkがありました。

 2.Wakuwaku Pair Workでは、ワークシートに書かれている内容は

普通の中学生であれば当然知識としてあることを英語で質問したり、答えたりの活動で、

楽しくまた生徒さんたちの反応も良かったです。

3. Picture Describingでも、いつもの活動ですが、”I think …”の表現を使った生徒さんの発言について、

「“I think …”を使うとどんなことでも言えるね。」とコメントされました。

Picture Cardからの情報に自分の意見や想像を載せて発言する余地が生まれ、より自由な発言が引き出せると思います。

5.Introduction of New Words

フラッシュカードを使用して、新語の発音練習をした後で、カードをフラッシュさせて生徒から発音を引き出すなど、

こちらも北原先生のいつもの方法で進められていました。

************

1部 ジャレル先生

生ジャレル先生には5年ぶりくらいでしょうか。懇親会も含め、柔らかで的をつき、

ときにユーモアを織り込み、慎重に言葉を選んで語られました。これ、じゃれマガで

の語り調子そのものだと感じた。まさに言葉の教師ですね。「久しぶり感」がなかっ

たのもそのためか。よい時間でした。

おおきな2部の2 師範授業

思い出したことがあります。もう20年以上前に感じたことです。北原先生の授業は良

質の映画みたいだと。そのココロは…こんなに濃い内容で心/頭が動いているのに時

間がまだ経っていない。

何回か、へー、こんなに活動してるのにまだこんな時間、と改めて。力がつかないわ

けがないですね。心も動くし心地よい疲れ。

そんな中、懐かしさも一緒に感じました。

浜島さんのことでなんか振り返りモードになっている私です。

浜島さん、またお会いできますね!

************

■ジャレル先生の特別講義

 ジャレル先生にお会いするのは初めてでしたが、想像していた通り、いやそれ以上に穏やかで聡明な紳士でした。ジャレル先生の講演は、じゃれマガのクイズから始まりました。この1週間に送られたじゃれマガから様々なクイズが出されました。大学でも、授業の最初は、じゃれマガを読み、理解しているかどうかのクイズをなさるそうです。毎朝配信されるじゃれマガは、時事ニュースや新しい情報を取り入れた話題が豊富に取り入れられています。じゃれマガを書くために、いつもおもしろい話にアンテナを張り、思いついたことをすぐ書き留め、シンプルな単語と文法でも自然さを残すことに気を付けて何度も書き直し、最後は間違えてないかどうか声に出して読んでみるそうです。じゃれマガ完成までの過程を伺い、ますます読むことが楽しみになりました。

ジャレル先生は1987年に来日し、日本語を習得されました。また、NWUで海外交流室長をしているとき、韓国に行く機会があったため、韓国語の勉強を始めたそうです。それはじゃれマガ配信と同じ年のことでした。ご自分の言語習得の経験に基づいて「言語を学ぶこと」について4つの視点からご講義いただきました。

《講演内容》

1 Learning a foreign language is difficult.

2 My own experiences challenged my assumptions.

3 The role of the teacher.

4 Materials for lifelong learning.

 日本語を第二外国語として学んでいたが、教室の外には話す機会がなかった。英語と日本語は書き方のシステムが違っていて、一人で学ぶことは難しいと感じた。特に、母語にない音は先生なしで学ぶことはほとんど不可能である。例えば、日本人にとって難しいと感じるhat/hot/ hutや、mirror/millerは、ネイティブスピーカー(自分)にとっては全然違う音。日本語だと、「一緒」と「一生」、「押し入れ」と「お尻」等が同様。

 言語を学ぶのは、ビルを1階から建てていくような作業ではなく、砂の山を作っていくようなもの。一度覚えたことも時間が経てば忘れてしまう。不安定で崩れても、もう一度作り直すことで、少しずつ山が完成されていく。

山を完成させるために、生涯学習できる手段を探すことも重要。映画を2度視聴するのはとても良いと思う(一回目は楽しんで、2回目は音声に注目して観る)。“Elllo”は150種類のリスニングができるサイト。”Deepl.com”は翻訳した文章をブラッシュアップできるツール。ChatGPTなどのAIも、正しく使えば言語習得の強力な手段になる。教室の外にも言語を学ぶためのたくさんのツールがある。(また、じゃれマガサイトを鋭意準備中とのことで、完成が楽しみです。)

■じゃれマガカルチャー

 ジャレル先生が2005年からお書きになったじゃれマガの中は「文化」に関するものが全部で191回あり、そのうち86回が日本文化についてでした。それを北原先生がワークシートで教材化しました。じゃれマガを使った授業のやり方は、

 ① 1分間黙読させる。かかった秒数を余白にメモする。

 ② 読み終わったらQuestionに対する答えの部分に下線を引く。

 ③ 1分間経ったらQuestionを読み上げる。生徒は自分の答えを言う。

 ④ 範読する。

 ⑤ 下線部について質問する。生徒は答える。

 ⑥ 書かれている文化が日本文化の場合、それについてペアで会話する。(例:初詣)

ⅰ 先生が生徒に初詣について問いかける。

ⅱ ペアで「なぜ正月に初詣に行くのか」を自分の経験を交えて外国人に説明しよう。

 ⑦ 授業後にWPM数値を教室の記録用紙に記録する。

 「書初め」についてじゃれマガカルチャーの実演を体験しました。書初めって?外国の人に説明してみようにチャレンジしましたが、それを知らない人に分かりやすく伝えることの難しさと面白さを実感しました。実演の後で、北原先生から次のような話がありました。これこそ真のリテリング。価値のあるリテリング。教科書のリテリングは,わずかな情報をつなぎ合わせているだけ。生徒はやらされている感じになる。コンテンツがないのに話しはできない。日本文化ならだれでも知っているから話せる。

■A中学校での示範授業

 2022年6月6日に行われた示範授業の動画を見せていただきました。北研のN先生の学校です。N先生は、本授業のターゲットである受動態を使って北原先生を紹介されていました。おみごと!と北原先生がおっしゃっていました。

1 自己紹介

 knob and keyで生徒の心をがっちりつかんでいました。

2 わくわくペアワーク(受身)

 Do you know a book drawn by Fujiko Fujio? — Yes, I do.

 ペアでクイズを出し合う。

3 ピクチャーディスクライビング(K:北原先生 S:生徒)

 S: I can see a girl. 発音がだめで容赦なくブー

 K: Can you here? Speak loudly.(声が小さい生徒に対して)

 S: The girl looks sad.ピンポーン

 S: I think the girl is beautiful. ぱんぱかぱーん!

 K: 2は”bi”、3は”tri”と言うね。That tricycle is old.でも一度出てるからIt’s oldっていうんだよね。

 K: いいね。どんどんでるね。赤坂の生徒と一緒。(励まし言葉も誉め言葉も心に響く)

4 Oral Introduction

 They are visiting a Hiroshima Peace memorial park.

 After out of the building, Kate looks sad. Why?

 She saw some miserable things. Lunch box. It fired.

 What time is it? Kate saw these sad things.

 Mr Oka said we saw many damaged things. I understand your feelings.

 This is a reality, not a dream. It has never happened again.

5 Introduction of New Words

① フラッシュカードを見せながら発音

 そんな声じゃdamage!(笑)

 Don’t damage my things.

 display — fire display(新出単語を生徒が知っている単語に繋げていく)

 shock — I’m shocked.人間が主語、This picture is shocking.ものが主語。

② 英語で発音

③ 日本語から英語

④ 隠してフラッシュ

⑤ スペリング。合っていたら手を上げる。

6 スパイラルワークシート答え合わせ

 全員手を挙げてね。派生する質問を次々と投げかける。

 understand活用どうぞ。

 agree反対だったら?disagree

 助動詞他には?can may should will could would

 alwaysこれは?(ハンドサインで)usually→sometimes→seldom→rarely

 well…ジェスチャーして。イコールLet me see. / Let’s see.

 こういうのをたくさん知っていると有利だよ。あっと思ったら書いておいてね。

7 Comprehension of the text

① 読んでだいたい分かったら立つ

② 先生の範読

③ ジェスチャーで読む。だいたい理解しているからジェスチャーが出てくる。

④ 先生の後について音読

 I understand your feelings. 元気に読まないんだよ。

 I must never happen again.これどんな気持ちで言ってる?怒ってる。

 Well, it’s a question raised by many visitors here. Let’s think about it together.

 質問します。1行目damaged(形容詞) things(名詞)

 動詞のed形は形容詞にもなるよ。

 日本語だったら全部前に来るよね。そうすると長くなっちゃうから、全部後ろに置く。西洋のことばはこういうのが多いよ。

 things damaged by atomic bombs.(後置修飾が出てきたとき)

 示範授業が終わった後で、北原先生から「すごいできる」と言われた生徒たちが「やったー」「イエーイ」「最高だ」とつぶやいていたのが印象的でした。

■浜島さんの言葉(例会最後にスピーチがありました)

 昨年度末に勇退しました。上智大学の生徒と同じような気持ちです。長先生の授業研に途中から出ていたけれど、フラッシュカードってなに?というぐらい初心者だった。北研は第1回から参加してきた。研修をするようになって、自分が習得するだけでは日本中に広まらないと思うようになった。我々が行けば、30倍のスピードで広がる。それがイングリッシュキッチンの始まり。自分は数学が好きでそればかり勉強していた。自動車会社に就職して、最初に英語のテストがあった。ペーパーテストは良かったが、会話のテストは英検4~5級程度だった。私のような子どもになってほしくないという気持ちでイングリッシュキッチンへ進んだ。イングリッシュキッチン10年続けたところで終わりにする。66歳。

************