10月21日(土)第210回例会

1. 「じゃれマガカルチャー」を使った授業のやり方
①1分間黙読。かかった秒数をメモ
②Questionに対する答えの部分に下線
③1分後、Questionを読み、生徒は答える キーワードが合っていればOK
④教師による範読
⑤下線部(文法・語彙)について質問
⑥内容(日本文化)についてペアで会話⇒即興会話

※「やりとり」を活発にさせるには、「知っていること」をトピックにする。
今回は、「お年玉」
本文の語句や表現を使うことがリテリングにつながる。

2. 生徒のパフォーマンスビデオ
(1)1年生2学期 My Project2 スピーチ「人を紹介しよう」
好きな有名人を、スライドを見せながら紹介する
(2)2年生2学期 Power-up 6 Speaking 道案内
実際に街頭でのペアロールプレイングをビデオ撮影
事前に語彙指導:場所を表す前置詞、名詞、動詞、フレーズ、挨拶など

相互評価「発音」「内容」「演技」「総合」7段階 A+⇒D
生徒たちは持てる力を出し切って全力で演技していました。
後に英語劇で活躍する生徒たちの初々しい姿も見られました。
赤坂という土地柄、生徒が実際に外国人に道案内する機会も多いそうです。

3. Aパターンの前の文法導入
(1)1年生「複数形3つの発音」
①ノートを4分割させる [z][s][iz][不可算] 種明かしは最後
②一人ずつ思いつく名詞を言わせる
③教師の板書から生徒は4分割ルールを類推し、挙手でカテゴライズ

(2)1年生「三単現s3つの発音」
[z][s][iz][その他(do,have)] 種明かしは最後

(3)1年生「規則動詞-ed3つの発音」
[d][t][id][不規則動詞] 種明かしは最後

(4)2年生「比較級・最上級(形容詞・副詞)」
左蘭:-er, -est 右蘭:特殊な活用

(5)3年生「to+動詞の原形」
I want you to close the door.導入のto不定詞復習
「to+動詞の原形」を含む文を、手を挙げて言わせる。

語彙を増やす!
発信語彙を定着させ、増やすためには、

  1. 意識下にある語句を教師の指導で受容語彙に
  2. 受容語彙の段階にとどまっている語句を級友との学び合いで
    水面下からthe tip of the icebergへ引き上げる指導が必要
    メモをとらせる、友人の発言を聞く、教え合う等の活動を大切にする

(1)1年生「規則動詞と不規則動詞」
生徒に順々に一人1つ動詞を言わせ、教師がボードに2分割して書く
5周して、1年生で84語記録
←アクションカード、Super Pairwork、スピーチ原稿作成、Talk &Talk、小学校英語

その後、動詞の過去形導入時に再度規則動詞を全員で確認
発音ルール(語尾を言いやすく変化させる)を指導
ノートに分類して書かせる

(2)動詞のコロケーション
①生徒に順々に一人1つ動詞を言わせ、それに続く語句を1つだけノートに書かせる
②生徒は書けたら立ち、他生徒のノート(語句)を見て回る
③教師は語句を言わせ、板書し、「小学校で口にしたことがあるのは?」と聞く
④次の6種類に分類
・小学校で言えた
・教科書で覚えた
・中学校プリントで覚えた
・中学校英語の歌で覚えた
・中学校Teacher Talkで覚えた
・1学期学習の動詞句で覚えた

(3)1年生で習う一般動詞全てを一覧表にして生徒に前渡し(1年生6月)
1年間の見通し(いつ、どこで何を学習)を与える
発信語彙に注目させる(受容語句との区別)
学習初期からコロケーションを意識させる

(4)形容詞編
知っている形容詞はマーカーでチェック
反意語もセットで

  1. 北原先生の師範授業ビデオ
    愛媛県今治市立玉川中学校 3年生「接触節」
    自己紹介 knob and key から生徒の気持ちをつかみ、1時間で自主的な発言をどんどん促していく北原先生らしい温かい授業でした。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

1 じゃれマガカルチャー⑤
 お年玉のトピックのじゃれマガを読んでから即興発話の活動。
①Who gives you New Year’s money?
What are you going to do with the money?
Are you going to buy something you have long wanted?
②ペアで「お年玉とは何か」を自分の経験を交えて外国人に説明しよう。
(自分で考えてみました)Otoshidama is a kind of celebration that relatives or grandparents gave you money on New Years day if you are young enough. This Japanese custom is similar to Christmas present in North America. We usually get around 50,000 yen, so before spend it, we should ask ourselves why relatives or grandparents give us so much money.
 リテリングが最近の英語教育のトレンドだが、このようにあるトピックを読んでから、それに関連した質問をするとそのトピックの中にある表現を自然と使う。上記の文の下線部はじゃれマガに書かれていた表現。

2 生徒のパフォーマンスビデオ⑤
(1)1年生2学期「人を紹介しよう」
 この時期のスピーチはまだ1語1語はっきりと発音しており、ジェスチャーも1語ごとにジェスチャーをしている。
 このようなスピーチを作らせるときに大抵は定型の表現を教えてからスピーチを作らせるので、出だしの表現などはみんな同じになるが、先輩の原稿を参考に作っているおかげか、赤坂中学校の生徒のスピーチにはいろいろなバリエーションがある。

(2)2年生2学期「Showing the way」
 学校の外で撮影しているのが印象的。
 自分の生徒にこのスキットをやらせたときの感想だが、2年生の10月に道案内のスキット発表をして、11月に買い物スキットの発表をさせた。道案内の方が割と使える表現に限りがあり、あまり面白みのあるスキットが出てこなかった。そのためか、生徒の出来もいまいち。それに比べて買い物はいろいろなシチュエーションを想像でき、面白いものが作りやすかったのか、生徒のやる気が大きく、面白がってやっていた。

3 Aパターン前の文法導入
 三単現sの3つの発音(s, z, iz)に意識を向けるために1人1人に単語を発表させて、先生が黒板にカテゴライズして書いていき、生徒に気づかせる。
 生徒の気づきを大事にする授業。音声を大事にする授業とは何かを理解するのに非常にありがたい紹介でした。
生徒の語彙力を高めるために出来ることは、発信語彙を増やすために受信語彙を増やすこと。何度も繰り返し、同じ単語に触れる機会を作る。友達から学べる機会を増やす。友達が受信語彙を発信語彙まで引き上げてくれる。

4 北原の参観・示範授業
 2022年7月愛媛県今治市立玉川中学校
 Y先生の学校です。Y先生が玉川中学校での実践報告をメーリングリストで報告してくれ、その内容が素晴らしいものなので、どんな生徒達なのか見れるのを楽しみにしていました。
 3年生の授業ということもあり、最初は北原先生に警戒をしているようで、声が出ていませんでしたが、北原先生の自己紹介などを通して、だんだんと温まってきました。
 北原先生がたびたび「黙っていることは最悪」「たくさん間違えていい」「たくさん発表して間違えるから学べることが増える」と伝えていました。きっとY先生も毎回言っていることであり、北原先生も同じことを言うことで、生徒の中により強く上記の言葉が残ったことと思います。

 懇親会では、以前に北原先生がエッセイで流してくれた小学校英語の話題になりました。小学校英語が必要か不要か。小学校英語が子供の学習に益となるのか。賛否両論だし、多くの既得権益者もいて、簡単に同行できる問題でもないと思います。結局のところ、教える教師次第なんじゃないかとも思います。教える教師が学び続ける教師であるなら小学校英語も中学校英語も子供に益をもたらすものだし、逆の場合は害しかないと思います。
 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

1 じゃれマガカルチャー⑤
2008年のもので、当時は語数も少な目だったとのことで、77語でした。
内容はお年玉についてでした。じゃれマガは、今話題のトピックや日本文化など、生徒目線でもその背景知識があるものも多く扱われています。今回はまさにそれです。読みやすいし、その後の即興発話もしやすい!範読の後に、語彙・文法の説明を受けた後の即興発話だと、本文に出てきた単語を使いやすいです。発音に不安がある場合でも、範読と説明を受けることで自信になります。

2 生徒のパフォーマンスビデオ⑤
☆1年生2学期スピーチ「人を紹介しよう」2018.11.30
自分の好きなアーティストなどを紹介していました。発音が丁寧できれいでした。ジェスチャーとセットで練習しているからこそ、自分の言葉として発話していました。入学してから8か月でこの発音が可能になるのかと考えると、教えている側次第で、生徒の出来はいかようにも変容するのだと感じました。

☆2年生2学期「Showing the way」
学校の外での道案内の映像でした。北原先生曰く、「教室内で机を建物に見立てて道案内なんかしてもつまらない」。実際に起こりうる場所でスキットをすることで、よりauthenticになっていて、生徒たちも自然なふるまいをしている感じがしました。

以下はALTに渡したといいう評価基準。
Time allowed is 2 minutes. Within 2 minutes students must show you the way to your destination.
A+: Satisfying these conditions below.
 1. The testee can show you the way clearly.
 2. You don’t have to help him/her.
 3. Very good pronunciation.
A: Satisfying these conditions below.
 1. The testee can show you the way clearly.
 2. You don’t have to help him/her.
 3. Good pronunciation.
B+:Lacking either Condition 2 or 3 above.
B: Lacking both Conditions 2 and 3 above.
C+: Satisfying one of these conditions below.

  1. The testee can show you the way anyhow.
  2. Much help is needed.
  3. Acceptable pronunciation.
    C: Satisfying two of these conditions above.
    D: The testee can’t show the way within 2 minutes.

3 Aパターンの前の文法導入(三単現sなど)
教師から与えるのではなく、自分たちから「なぜ」「へえ」を引き出すやり方でした。
Aパターンの前の導入としては5個ある。名詞の複数形、三単現s、規則動詞-ed、比較級・最上級(形容詞・副詞)、to+動詞の原形。音で始まり、音に終わる。そんなやり方でした。
今回は三単現sを実演していただきました。やり方はすでに挙げられているレポートにある通りです。[s] [z] [iz]の発音と、hasなどそれ以外のもので4つに分けていきます。音、指さし、書くの作業で、生徒役は楽しくてワクワクしました。

☆☆動詞のコロケーションをアウトプットさせた授業実践例
生徒一人ひとりが出したコロケーションを全体で共有し、さらにそれらをどこで学んだのか分析されていました。細かいデータとりにより、小学校で学んだものよりも、中学校に入ってから教科書、Teacher Talk、プリントで学んだことがとても多く定着していることが分かりました。先日の小学校英語のエッセイを考えさせられます。

☆☆1年生で習う一般動詞ぜ~んぶ! 6月にこうしたプリントを配布されていたこともあるとのこと。プリントを見るとそんなに量が多くないので、生徒は先が分かって安心したと思います。

☆☆形容詞 全
各クラスの生徒が出してきた形容詞の一覧を学年で共有し、知っている形容詞にはマーカーでチェックをし、知らない場合は意味をその下に書かせるというもの。「同じ学年の仲間が出してきた形容詞」というのがポイントで、生徒のモチベーションが上がりそうです。ぜひ自分の生徒にもやってみようと思います。

※語彙を増やすうえで、友達から学ぶことを大切にしている北原メソッド。聞いて「あ、そういうのあった!」と思えばメモをする。そういった語は受容語彙から発信語彙へと移っている語。しかし一方で、スペルが分からないからメモができないなら、まだ発信語彙ではない。しかし、今後何度もその語に出会うことで受容語彙に入るだろう。

4 北原先生の参観・示範授業⑤
2022年7月1日(金)愛媛県今治市立玉川中学校 3年生
初めは様子をうかがっているおとなしめだった生徒ですが、北原先生の自己紹介から少しずつ笑いや発言が増えていきました。先生が励ましたり、ほめたりすることで、腕もまっすぐに挙手し始めました。当ててもらいたいからという気持ちが表れていました。授業最後の方の声の大きさは堂々としており、普段からこうして真面目に授業に取り組んでいるのだと想像できました。

今回も貴重な学びの時間をありがとうございました。北研の例会に来て感じることは、その時に一番印象に残ったり「へえ!」と感じたりする内容は、実はその時の「自分」が授業をする上で課題に感じている部分なんだろうなと感じます。例会に参加することでそこに気づかされます。そして、参加される先生方とのコミュニケーションがとても楽しいです。北原先生、今月もありがとうございました!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

【1】懇親会から
姫路から直行して下さった北原先生は、「今までにない疲労感」があったにもかかわらず、きちんと例会をやり遂げて下さった。懇親会では、最近話題になった小学校英語の是非だけではなく、今後の例会のあり方について話題になった。
現在の研修は、懇親会でリクエストがあった内容を中心にcreateされている。北原先生と同年代のビッグネームが、中学校の現場を離れて、現場ですぐに使える実演が研修の間に行われることがほぼ無くなったのに対して、北原先生は、自身が訪問して実際に行った授業を動画で見せて下さったり、懇親会でリクエストがあったことを実演してくださったり、時期にあった、過去に指導した生徒の動画を見せてくださったりと、すぐに現場で生かせる内容をやって下さっている。赤坂中の生徒動画は、扱いにくかった最後の数年の生徒動画ではなく、より北原先生の指導が透徹した、質の高いパフォーマンスに、最近は変わっている。

コロナ渦以降、全国的に、対面の研修会は、かつてのような活況がないとのことであるが、それぞれのキタケンメンバーが、自分の問題意識を抱きながら、継続的に例会に参加する中で、積極的に北原先生に質問をしたり、リクエストをすることが、キタケンの存続に不可欠であるように思う。

【2】再びice berg effectを振り返った「他の生徒から学ぶ」重要性
「海面から出た2割の発信語彙(productive)を増やすためには、海中に沈んだ受容語彙(receptive)を含めた全体を大きくしなければならない。先生の役割は、ice bergにさえもなっていない語彙をice bergに取り込んだり、受容語彙の中でも海中奥深くにある語彙を少しでも海面近くに引き上げることである。海面近くの語彙を海水面から出すのは、クラスメイト同士でやらせるのが効果的である。」

今回の研修内容は、この考えに支えられた内容を中心に構成されていた。

【3】実演①:「他の生徒から学ぶ」じゃれマガ・カルチャー
お年玉をトピックにしたじゃれマガを読んでから即興発話の活動。
①Who gives you New Year’s money?
What are you going to do with the money?
Are you going to buy something you have long wanted?
②ペアで「お年玉とは何か」を自分の経験を交えて外国人に説明しよう。

10月15日(日)に、じゃれマガ・カルチャー購入者向けに、全部で191話ある半分近く(83話)について、生徒の即興発話練習用タスクが別途、送られてきた。上記の①と②がPDFで送られてきた。秋シーズンの活動が少ないので、まだそのままを使ったことはないが、以前に参加した研修で学んだことを元に、同様の活動を時々やっている。生き生きとした表情で生徒が活動している。特に、中高の間に、学校でほとんど話す活動が行われていない生徒が元気に活動している。
個人的には、中学校の教科で扱われている「おせち」のような似たようなトピックを扱うときに、この活動をやると良いと思う。あらゆるリーディング教材の前後で、使えるときにやってみると良い。私は、プリンとアウトして、いつでも使えるようにしている。

【4】実演②:「他の生徒から学ぶ」単語を元にしたAパターンの前の文法導入(三単現sなど)

以下、レジュメから引用。 < >は私が補足した部分。

Aパターンの前の文法導入(三単現sなど)

流れ
1 1年生1学期5月ころ? 複数形3つの発音

①ノートを縦に4分割させる。
②教室の廊下側最前列から後ろへ、その隣の列は前へ・・・という具合に一人一人立たせて思いつく名詞言わせる。言えたら座る。言えなかったら立ったまま。(その後、思い出したら手を挙げて言う→座る)
③他の生徒は出された単語が左端の欄に入ると思えば左手を横に挙げる。左から二番目の欄に入ると思えば手を上に挙げる。左から三番目の欄に入ると思えば右手を横に挙げる。一番右の欄<今回の研修では左下に、どのグループにも属さない「欄外」グループ>に入ると思えば両手で×を作る。
④教師は出された名詞を、黒板を4分割したどこかに書く。生徒は写す。
⑤1周したら2周目に入る。座っている生徒がいなくなるまで続ける。

種明かし・・・一番左の欄はsの発音が[z]、二番目の欄は[s]、三番目の欄は[iz]、一番右の欄はsをつけない(数えられない)名詞

2 1年生1学期7月ころ? 三単現sの3つの発音

やり方は1と同じ

種明かし・・・一番左の欄はsの発音が[z]、二番目の欄は[s]、三番目の欄は[iz]、一番右の欄は特殊な変化をする名詞(do, have)

3 1年生3学期1月ころ? 規則動詞-edの3つの発音

やり方は1と同じ

種明かし・・・一番左の欄はdの発音が[d]、二番目の欄は[t]、三番目の欄は[id]、一番右の欄は不規則変化動詞

4 2年生2学期12月ころ? 比較級・最上級(形容詞・副詞)

やり方は1と同じ

種明かし・・・左の欄は-er, -estをつける、右の欄は特殊な活用をする形容詞・副詞

5 3年生2学期10月 to+動詞の原形

New Crown L. 7 I want you to close the door. 導入の直前でto不定詞の復習として

やり方:「to+動詞の原形」を含む文を、手を挙げて言わせた。誤りは一つもなかった。

<実演では、「知っている動詞をこっちから順番に言って。」と廊下から「はい。」と指名されたら次々にこたえる極めてシンプルな活動。上記では、手をどうあげるかの説明が書かれているが、実演では「どの欄に入るか、テキトーに手で示して。」と言うだけ。動詞か名詞の活動を、コロナ渦に本郷の研修会場で体験したことがあるが、今回のように、3年生まで繰り返し使える方法であると提示されたのは初めてで、復習としてすぐにでもやってみようと思っている。音の注目したこのような活動は、中1からの積み重ねで、発音をしっかりと指導する方法だと思う。レジュメでは、実際に生徒が出した答えが資料として示されている。>

【5】「他の生徒から学ぶ」コロケーション:動詞のコロケーションをアウトプットさせた授業実践例

不定詞の文をきちんと言えたという上記の活動の続きで、2008年12月18・24日と2009年2月10・12日に、中1に、「動詞の後に何を続けるか」を言わせた活動が紹介された。

「45分授業の前半はクリスマス・ソング2曲がカラオケ版で、1曲を歌付きで歌う活動。
50分授業の前半は”Yesterday”と「クイックQ&A」を行った。

その後の30分程度をこの活動に当てた。」

以下、レジュメから引用。

2 指導の手順
①生徒一人一人に動詞をあげさせ、それに続く語句を1つだけ全員にノートに書かせた。(つづりは間違えてもよい、と指示した。)したがって生徒は最初に頭に浮かんだ語句を書くことになる。
②書いた生徒は立ち上がって友達が書いたさまざまな答を見るように指示した。
③教師が一人一人に書いた答を言わせて板書した。
④全部終わったら、「小学校の時に口にしたことのあるのはどれ?」と尋ねた。

レジュメには、生徒が出したコロケーションをALTの手助けで整理したリストが示され、生徒が、どこで学んだかを分析した記号が書かれている。

例:

  1. go: to school 小(小学校で言えたもの) to the park 小 to the hospital TT(Teacher Talk) to the mountain TT to high school イ(1学期にインプットした動詞句で覚えたと思われるもの) to Okinawa 小 shopping, to the vsports center, before eight o’clock, home TT
  2. have: a ball in my bag 教(中学に入って教科書で覚えたと思われるもの) lunch 教 a dream, a pen, a nortebook

小学校で習った語句の表出が少ない理由を生徒に聞いてみた。
・ALTが一人で話している。
・英語のできる生徒がそれをすぐに日本語に訳してしまう。
・話す活動があまりなかった。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

北原先生は土曜日、姫路から蒲田へ直行して下さいました。大変お疲れのところを、いつも通り精力的に教えて下さいました。しかも今回も幹の本には載っていない新しい内容でした!これから先も進化し続ける北原先生から学べるものをできるだけたくさん逃さず学びたいと思います。

(北原先生より)
姫路市の助言者として行って来られた。新規採用7年目の先生の中2 Gerund
動名詞の内容。北原先生が手を入れた指導案だが、子供達が素直でまっすぐだった。しかし、今の指導要領の落とし穴に気づかれた。別の機会に見て学ぶことになるとのこと。またまた乞うご期待。

(姫路での生徒とのやりとり)
生徒「今日は先生が教えてくれるんですか?!」
北原先生「え?!教えて欲しいの?」
生徒「はい!」
このやり取りがあり、授業後ジェスチャーリーディングを教えられたとのこと。北原先生は与える精神に満ち溢れておられるので、初めて会った生徒からも慕われるのですね。

…ここから第210回例会レポートと思ったのですが、詳しい内容はもうすでに提出されているようですし、私のレポートが長すぎるようなので,感じたことを書かせて頂きたいと思います。

⚫︎ペアで「お年玉とは何か」を自分の経験を交えて外国人に説明する(本文の語句や表現を使ってもよい)というじゃれマガカルチャーの使い方について。北原先生は、「このような活動をリテリングというのでは?無理やり話させるのではなく生徒が知っていること,話したいことを話合わせるべきでは?」とおっしゃっておられました。本当にそうだなあと思いました、今まで、3年生をしばらく見ていなかったので,購入していなかったのですが,今回、じゃれマガカルチャーを購入致しました!
このような素晴らしい教材を作って下さった北原先生,ジャレル先生、浜島様、ありがとうございます!
参考にリンクを貼っておきます。

★☆★教材はサブスク,デジタルでご提供します。★☆★

⚫︎生徒のパフォーマンスビデオ⑤
2018年のもの(人物紹介)
(感想)
全体として発音やジェスチャーが素晴らしい。しっかり紹介したい気持ちが伝わる内容。「この世界の片隅で」の学年の、まだ成長段階の様子が見られた。

【道案内】学校から出て外でパフォーマンステストをした。最近はスマホがあるため、オンラインショッピングなども普及し,教科書から道案内が
減っている傾向である。

(感想)
道案内は赤坂中生でもまだたどたどしい。今は5年生から小学校で道案内が入っているため,この内容については、ここ最近の子供達の方がすらすら言えるかもしれないと思いました。小学校英語も無駄ばかりではないかも?!

【2年生power-up Speaking 】
特別支援学級の男の子も女の子も二人組でパフォーマンステストをしていたが、どの子が特別支援学級かわからないくらいすらすら言えていました。

3.Aパターンの前の文法導入
①一年生1学期頃に複数形3つの発音
ノートを縦に4分割させる。
一人ひとり立たせて名詞を言わせる。言えたら座る。言えなかったらたったまま。(その後思い出したら手を上げて言う→座る)
他の生徒は出された単語がどこに入るか(この時点ではどう言うカテゴリー分けか秘密。考えさせる。)左,右,真ん中(上)と手を上げる。1番右は×を作る。
教師は出された名詞を黒板の4分割したどこかにかく。生徒は写す。
⚫︎種明かし…基本はズ(z)で1番左に、2番目は(s)、3番目は(iz)、1番右の欄はa をつけない(数えられない名詞)になる。
(前回の懇親会で北原先生に教えてもらう約束をした内容で、やり方がわかり、即やってみたくたりました!)

【レポート続き】
✳︎Ice berg の上にあるのは使えるもの(発信語彙)なので、発信語彙を(productive)を増やすことが大切。
水面下にあるものを引き出すのは友達から学ぶことによってできる。教師の役目は受容語彙(receptive)を増やすこと。

4.北原先生の示範授業
愛媛県今治市立玉川中学校Y先生の3年生のクラス。教科書はOne Worldを使用。

(感想)
玉川中学校の3年生は、とても賢く,素直で,普段のY先生のご指導がよくわかる生徒さんたちでしたが、発達段階のせいか、少しシャイな感じがしました。北原先生も「普段から北原メソッド100%で教わっている子たちだから」とおっしゃっていましたが,どんどん吸収していく様子が画面を通してよく伝わって来ました。生徒さんたちは今回の北原先生の授業を通してまた一段と成長されたことと思います。例え一回だけだったとしても北原先生から直接受けた指導は,生徒たちの記憶に残るものだからです。そして普段からY先生の授業を受けているので、英語力がこれから先の人生にも大きな影響を及ぼすことと思います。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

1 じゃれマガカルチャー⑤
毎回、じゃれマガから始まる例会ですが、改めて「じゃれマガカルチャー」の使い方を読みました。以下、私がラインを引いた箇所です。

 前回の中学校外国語学習指導要領の4観点の1つに「言語や文化の知識と理解」という観点がありました。「言語」とはここでは英語という言語の構造など、「文化」とは英語そのものの中にある文化(例えば、「必ず主語が必要」「修飾語句が長い時には名詞の後ろに置かれる」など)の知識と理解があるか、という観点でした。言語と文化は密接に関わっているという事実からこの観点は生まれました。
 異文化を学び、お互いの差異を知ることは平和への第一歩であると同時に自国の文化を再確認して大事にすることでもあります。この「じゃれマガカルチャー」をカレンダーの歳時記に合わせて使って、文化の勉強にお使いください。

 私は小学校外国語専科なので、じゃれマガを授業で使用することはないのですが、毎日、北原先生からいただくじゃれマガを、子ども達との会話のきっかけとして使わせていただいています。

 例会で使われたじゃれマガのテーマはNew Yearで、ペアで行う即興発話は「お年玉とは何か」でした。即興発話は、子ども達にとって身近な話題にするという配慮が必要とのこと。

2 生徒のパフォーマンスビデオ⑤
・1年生2学期 スピーチ「人を紹介しよう」
 ジェスチャーも巧みに使いながら発表していました。
・2年生10月 道案内
 生徒は実際に外に出てやり取りをしていました。
 いろいろな生徒がいて、微笑ましかったです。

3 Aパターンの前の文法導入
・三単現sの3つの発音 [z][s][iz]
・規則動詞edの3つの発音 [d][t][id]
・規則動詞&不規則動詞
・形容詞/副詞の比較級・最上級 -er,-est / more- , most-
・to+動詞の原形

 教師がグループ分けしたものを生徒に提示するのではなく、生徒が答えたワードを板書しながら、どうグルーピングしているのかを推測させるやり方が新鮮でした。
 小学生に、アルファベットや月、曜日の学習の際に、応用できそうだと感じました。

 北原先生の、動詞のコロケーションをアウトプットさせた授業実践例で、最後に「小学校の時に口にしたことのあるのはどれ?」という問いに、「ALTが一人で話している。」「英語のできる生徒がそれをすぐに日本語に訳してしまう。」「話す活動があまりなかった。」という答えに、ドキドキしてしまいました。外国語専科として、ALTのマネジメントも大きな役割の一つだと感じています。

4 北原先生の参観・示範授業⑤
愛媛県今治市の公立中学校の示範授業の様子をみせていただきました。以下、初対面の生徒に北原先生が投げかけた言葉です。
・黙っているのはサイテー、間違えはGood! 人から学べる!
・自分の耳に聞かせるために、大きな声で!
・間違ってもいいから早く読む。
・(臨場感なく本文を読んでいる状況で)興奮して中継しているんだよ!→状況をつかませることで声に変化あり。

上記の4点は、月曜から今日までの授業で、早速使わせていただきました。即効性がある言葉でした。

5 徒然なるままに…
 小学校外国語専科になり5年目となりました。「小学生に英語授業」は間違っている?の記事を読み、いろいろな思いをもちました。

 総合的な学習の導入で、ゆとり教育に舵を切ったものの、学力論争が巻き起こり、元に戻してしまった日本。片や、同時期にゆとり教育に舵を切ったシンガポールは、大成功し、今も学力テストで1位を保っています。この違いは何でしょうか。