9月17日(土)第197回例会

大学授業シリーズ⑩「音読、精読、多読などさまざまなリーディング指導」(幹本下巻第3章)

0. リーディング指導の実際

「中学生ひいては英語学習者の苦手はリーディングなのではないか?」

理由:教科書の英文量は大して多くない(厚い教科書は売れないから)

→時間をかけて、丁寧に教え過ぎている

方策:速読の手法を教える 知らない単語があるのは当たり前 その度に止まらない

→skimming(大意を掴む)、 scanning(必要な情報を探す)

1. 単語の認識

松香フォニックス≠フォニックス

理由:「ルールをまず教えて、当てはめる」というやり方では新しい発見は生まれない

方策:フォニックスは、頻度の高いもの(二重母音、マジックe)から教えればよい

2. フレーズの認識

アクションカードは、「英語で授業」teacher talkのため

理由:授業で必要な動詞、カタカナ語として既に生徒が知っているフレーズをまず教えたい

方策:①強・弱・強の英語のリズムを意識させる ex) drink some tea

②対話、ジェスチャーに結び付けていく

③corpus(言葉のデータベース)、concordance(前後にどんな言葉がくるのか)を踏まえて指導する

3. 文の認識

英文理解は状況に合わせて工夫する

理由:生徒の意識、成長過程、扱う英文によって工夫が必要である

方策:①ジェスチャーで理解

→日本語を介さず、映像化して理解することの意味を理解すれば、生徒はやる

②くだけた日本語表現に変換して理解

→該当部分の英文を指さす、英文を読み上げる等させて確認 ex)Why?「なんで?」

*「教科書本文をテストに出すな」(文科省)にどう対応するか

モノローグ⇔ダイアローグ 教科書本文を書き換えて出題

穴埋め、抜けている単語発見等で、音読の習熟度を測る

4. パラグラフの認識と内容理解

脱Q&A、TFチェック

理由:内容理解を正しく測る方法として十分ではない

方策:①答えの部分にアンダーラインを引かせる

→学習者に一番負担が少ない理解度をみる方法である 線の長さにはこだわらない

②TPR(Total Physical Response)ジェスチャーで表現させる

→体感できる学習法 状況を視覚化できる

③Reproduction(再生) とRetelling(自分の言葉を足す)

→ピクチャーカードの活用

5. 速読指導、多読指導

時事的な話題で、細部を問わないリーディング

理由:教科書だけでは量が足りない!

方策:①「じゃれマガ」「読みトレ」の活用

→時事的な話題は生徒の興味を引きやすい

②速さを競わせ、答え合わせは生徒同士で

→ストーリーは一気に読ませ、生徒の関わり合いの場を設定

6.読み物教材の扱い

①スキーマの拡充に努める ex)「かわいそうな象」の時代背景

②pre reading→while reading→post readingの手順に従って指導

③部分和訳付記、または取得英検級によって、辞書を引く回数を制限

→レベルに応じた負荷を与える

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リーディング指導がテーマ

【1】フォニックス

・松香フォニックスのようにルールを先に教えてそれに当てはめる方法には、

違和感がある。元々、ネイティブの文盲の人向けに考えられたのがフォニックスなので、

日本の初期学習者のように、語彙が余り多くない段階でやるには無理がある。

・頻度の多いものから教える

第1段階 oo, ea, ee, magic-E

第2段階 ay, ou

第3段階 ow, au

【2】アクションカード

①何を優先して選んだか

・teacher talkで使われる動詞

・カタカナ英語など子どもが知っている言葉

②何から選んだか

コロケーション、コーパスBritish National Corpus、コンコーダンス

③強弱

・aやyourを入れることで強弱が生まれる

・imprinting刷り込みにならない程度にという思いがあった

【3】定期試験でのリーディングを踏まえた出題

・定期試験は、学力測定と学習の促進のためにやる。

・「音読をやって良かった」と思える出題。

抜けている語を書かせる問題は、音読をやっていればすぐに答えられる。

教科書の1ページ文の本文をそのまま全部書かせる出題は、今になって思えばやり過ぎた。

【4】『Reason to read』

・pre reading→while reading→post readingの手順

・1ページ毎に時間をwpmを計りながら、物語全体のgist要旨を掴む。

とにかく速いスピードで読むことが大事なので、速い生徒を褒める。

・2回目は英検準2級を持っている人は辞書を1回、3級は4回のように、

辞書を使う回数を制限して、推測しながら読む訓練をする。

「Gonの性格を表す1語を見つけなさい」

「Hoojuが亡くなったことが分かる表現は何か」

・新しいSunshineでは、readingのnew wordsに、

以前の版にはあった単語の意味がなくなった。文科省に新出語彙にカウントして貰うため。

・Faithful Elephantsのような教材には、生徒にバックグラウンドを知って貰ってから

読ませる必要がある。

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今回のテーマ:リーディング指導の実際「音読、精読、多読などさまざまなリーディング指導」

 幹本の下巻の第3章 リーディング指導

をもとに順を追って、北原先生が解説を加え、ときに参加者が生徒となりその指導を体験しながら進みました。(上智大での大学生対象の講義に準じた内容–基本から改めて確認させていただけて有難いです)

 まずこの章の冒頭でも触れていますが、北原先生は、リーディング指導の前提として、

「日本人は、聞く・話すはだめでも、読み書きなら、といわれていたが「読み」もあやしい。そもそも教科書の分量が3年間でもペーパーバック一冊にもならないのではどうにもならない」それに、「読みの活動にいたるまでいつも、語彙や文法の説明をしてからなので、実際に読むという活動や、日常で必要なスキミング、スキャニングなど、皆無で、どうするのか」という問題意識があったそうです。

第1節 アルファベットの認識(割愛)

第2節 単語の認識

単語をつづりから無理なく音声化できる指導について。

・フォニックスをそのままやるのは間違い。もともと話せるが書けない人(すでに相当な量の単語が頭に入っている)向けに開発されたもの。そうでない日本の中学生に、先にルールを教えそれをあてはめさせるのは無理がある

・その代わり北原先生は、教科書に出てくる単語を先にフォニックスルール別に分類して、,,まず頻度の高いもの oo, ea,

ee等から優先的に教え、第2段階(ay, ou)、第3段階ow, auと段階てきに指導していく。

第3節 フレーズの認識

・単語単独より、頻度の高い他の語との組み合わせから覚えたほうが効率が良い(都中英研の研究から)

・例えば eatの次にくる単語上位10は?(参加者がペアなり話し合った)

breakfast, lunch, dinner (のあと当たりがなかなか出ず)it, out, with など。

・コロケーション、コーパス、コンコーダンス–語彙研究の用語として知っておくべき。例:BNT=British National

Corpus(東京外大の投野由紀夫先生がかつて基礎英語3でよく触れていました)

・アクションカード(Sunshine)の単語・コロケーションの選定に配慮したこと

 ①英語で授業やる際にTeacher Talk で使うもの Open your book. /Pick up your pencil.など

 ②カタカナことばや小学校ですでに習ってきたもの(同時中学生だった北原先生の長女さんに聞いた)

他に動作(ジェスチャー)にしやすい、進行形にしやすい(loveやliveなどでなく)

・アクションカードは、はじめフレーズ毎切り離したカードにしたが、失くしやすい・探すのに時間がかかる、などから9個1ページにひとまとまりのまま、それをクリアファイルにいれて保管させるようにした。

第4節 文の認識

・1年生から2年生前半までは、ジェスチャーで内容理解を確認。その後は発達段階に配慮(羞恥心?)別の手法。幹本下巻p.43の教師が「堅苦しくない」日本語訳をランダムに言うのをきいて生徒が該当の文を指さす(実際はペアで先を競う)を体験。

・「頭のなかに像が浮かぶような」訳語を使うこと大事。たとえばLook at the Car.は「あの車を見なさい」でなく「あの車みて!」という。

・テストの目的は「学力の測定」にもまして「学力の促進」にあり。テストがあればこそより真剣に学ぼうとする。

・音読はした方がいいのは明白。音読した甲斐があったと思わせるようなテストづくりとは?語彙や文法の要所の穴埋め問題もあり――音読をよくやった生徒ほど良くできるから。北原先生はかつて、「Lesson

6の§2を(全文)書きなさい」という問題を出したそうですーー「さすがにそれはどうかと思うが」とも)(文科省の調査官が「教科書の文をテストにそのまま出してはいけない」と言ったそうだが・・・)

・教科書の会話文をモノローグにあるいはその逆に直すなども一つの方法

・TPR (Total Physical Response)

第5節 パラグラフの認識

・(幹本下巻のp.45より)内容理解チェックの方法として、true -false

〇×の二者択一だと信頼性に乏しく、英問英答だと、理解はしていても英語で答えられない場合もあるため、英問→該当箇所に下線、というやり方。

第6節 北原メソッドの内容チェック方法

・幹本下巻p46に①~⑧まで方法が列挙されているが、そのうち、⑥理由を聞く をp47に掲載の教科書本文で体験。

Why did yuki said ”Oh, is that Big Ben?”?

→知識として知っていたものが目の前に見えてきたため。(情景、状況、文脈をはっきりおもい浮かべ、前後をよく読んで答えられました。--一生懸命読ませるような発問が大事。

・生徒に輪になって並んでもらい、ピクチャーカードを互いに見えるように持たせて、その順序を整えるようにしたこともあり。

第7節 教科書本文内容理解までの授業のながれ(Bパターンそのものなので説明は割愛)

第8節 速読指導

・教科書のストーリー性のあるところのセクションA、B、C、Dをそれぞれ読ませて、かかった時間を記録させ、それを一覧表に記録すると、徐々に速度が上がっていくのがわかる。内容の予測がつくようになるので後の方に行くほど速度があがる。

第9節 多読指導

・教材になるものを探したが、中学生の関心や知的年齢にあったものがなかなか見つからなかった。新聞記事からの抜粋や北原先生自身やALTの自作エッセイ、過去の生徒のライティング素材などをつかって、設問を工夫して教材としてきた。

・新聞記事の例として、p53掲載の”St. Valentines Day Special

Messageで授業活動を体験。読者による投稿の、送り手も受け手もそれぞれに異なった6つのバレンタインメッセージを読んで、どのメッセージがいいか選び、同じメッセージを選んだクラスメートを探し、理由を語り合う(英語で)という活動。ほかに、どのメッセージが

a husband to wife / lover to lover/ wedding

proposal/などそれぞれ該当するかの英問→よく読んで該当メッセージを選択するという活動など。おのずと一生懸命読みたくなるようなタスクを用意することの大切さ。

・Catch A Wave(浜島書店発行の高校生向け英字新聞)を活用。受身形の多い記事をつかって、受身形の箇所すべてに下線を引かせるタスク。目的はbyが入っていないもののほうが多い実際の用例に触れさせる。

 *Catch A Wave 2007年のBerlin Marthon

の様子を、当時現地滞在中にK先生がレポートした記事と、ビールを飲みながらマラソン見物をしていたところを、逆に取材され地元紙にのった、その新聞もみせていただきました!

・自作エッセイやALT執筆のものは、生徒の関心やレベルを踏まえられることが利点

・Sunshine 2年生のReading Gon, the Little Foxで模擬授業体験。

 1週目 ページごとに読み終わったら起立 まずgist (要点)をつかむ

 2周目 準2:辞書なし 3級:2回まで 4級:4回まで 級なし:5回まで

辞書引き回数の制限を段階てきにつけて読ませる

 3週目 先生からの問い

設問の例:①decided to play a trickとしたときのGonの気持ちは?

②Gon の性格がわかる語は →sly

③picked up the eel with his teethをジェスチャ-で

④Why Gon said “Maybe, Hyoju’s mother died.”? → a line of

people とwearing white clothes

・このReadingに新出語句が沢山入っているのは1800語をカバーするためここに(いままでと違い訳語無し)多く掲載してある!

 このあと、配布資料(レジュメ)の3~12ページ!じゃれマガに関する部分を駆け足で学びました。上智大生によるペーパーより「じゃれマガの効用」その後は、じゃれマガベストセレクト200からの冒頭解説部分の抜粋(じゃれマガとの出会い、2005年に最初に出会った号、2006年のワークシート第1号、から授業への採用の経緯、その効用など)が転載されていて、その中にはワークシートの作り方などもあり、あらためて実践のための懇切丁寧な「完全マニュアル」だと感じました。

 特に、文法の復習ができること(教科書作成においても既出事項をあとの章に入れようとするが字数制限などから難しい)と語彙が増えることに、大きな価値を見出している、と北原先生。

今回、あらためて印象にのこったのは、生徒の頭と体に英語が無理なく染み込み定着していくには、どのような手順、内容、分量、タイミングで教えるのがいいか、が考え抜かれ、教材が選ばれ、開発され、調整され、実践のなかに落とし込まれているのが北原メソッドなのだ、ということでした。

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1.日本人中学生の苦手な英語技能は?

リーディング。3年間の教科書本文を全部集めてもペーパーバックの数ページにしかならない。また、リーディングの指導に至るまでに文法を押さえ、語彙を押さえ・・と丁寧すぎる。教科書の厚さは、指導する文法事項や単語の語数が増えているにもかかわらず、何十年もさほど変わっていない。教科書を厚くしたら売れなくなってしまうため。

2.単語の認識

1年生の1学期の最初にフォニックスのルールを教えて当てはめるやり方に疑問を感じ、頭の中にある程度語彙があり、イメージができるくらい(1年生2学期頃)から指導をなさっていた。フォニックスは、元々アメリカで聞く・話すができるけれどつづりが書けない人のためのもので、その人たちはすでに頭の中に語彙がある。

3.フレーズの認識

動詞などを単体でおぼえるのではなく、コロケーションで認識させることが効果的。単語を単体でおぼえるのは効率が悪いため。

①eat (     ) で、( )に入るベスト10の単語は何かをペアで話し合った。breakfast, lunch, dinnerは出てきたが、その他はベスト10に入らず。他の答えは、it, out, withなど。食べ物は入っていない。

②アクションカードについては、選ぶ単語の基準として、「teacher talkで使う単語」「カタカナ用語になっている単語」「動作にしやすい単語(進行形にしやすい)」などの理由が挙げられた。また、英語は強弱の言葉なので、コロケーションはできるだけ”go to school”(強 弱 強)のように、リズムをつかめるようにしている。ちなみに、カルタ形式にすると失くす生徒がでるため、本から切り離すが、バラバラにしないで使用するとよい。

4.文の認識

1年生から2年生前半あたりまでならジェスチャーを使用する。しかし、2年生後半から3年生は、ジェスチャーしにくい抽象的な語が増えたり、生徒達の発達段階からジェスチャーをやらなくなる。そのため、本文を教師が読み、生徒が1回リピートした後、教師がランダムで日本語訳を言い、生徒が該当する文を指差しする活動をする。この時、教師は生徒の話し言葉のように簡潔に、生徒の頭に映像が浮かぶようにするとよい。例)It’s amazing! →びっくりだわ!(このように口語にする。)

5.パラグラフの認識

読解の内容チェックで、英問に対する答えの箇所に下線を引かせるやり方を、”Catch a Wave”(英語の記事が載ったフリーペーパー)を使用した教材で行った。キーワードさえ合っていれば、線が前後に伸びていても正解。(今回の例会で、K先生がベルリンにいらっしゃった時に、特派員として”Catch a Wave”に書かれた記事を見せてくださいました。マラソンの記事でした。K先生、貴重な記事をありがとうございました。ちなみに、リーマンショック後からフリーペーパーの作成が縮小、もしくは停止になっていったそうです。)

6.北原メソッドの内容理解チェック方法

その中で、今回実践してくださったのは、「理由を聞く」こと。「なぜホワイトさんは由紀ちゃんにListen!と言ったのでしょう」では、そのすぐ後の文章が理解できていれば答えられる。また、「なぜ由紀ちゃんは Oh, is that Big Ben?と言ったのでしょう」など、想像させると、行間を読むような指導になる。

7.多読指導

生徒の英語力と精神年齢に見合う教材はなかなかなく、特定の分野の読み物では、興味のある生徒にとっては嬉しいが、そうでない生徒にとっては食いつきがよくない。そこで、英字新聞から「バレンタインの日特集 スペシャルメッセージ」を使ってらっしゃったとのこと。まず内容を読み、誰が書いたメッセージが一番好きか選ばせる。そして、同じメッセージが好きな仲間がいないか英語で質問しあって探す。このとき、自分と意見の異なる人を排除しないよう、”That’s a good opinion!”などを会話の中に入れ、相手の意見も尊重させる。

その後は、誰から誰に向けてのメッセージなのかを考えさせ、できた人から集まって答えをチェックする。このとき、まちがってもいいから速くやる。教師が答えを言ったり、いくつあってたかを生徒に聞いたりしない。速いことがいいときがあっていい。ちなみに、文章に書いていないことをあえて質問の中に入れると、生徒たちは一生懸命読み、scanningの練習にもなるとのこと。

8.実演

“Catch a Wave”の例では、「受け身形すべてに下線を引きなさい」で、出題の意図は受け身形の文法の復習だけでなく、もう一つの意味は、この記事ではbyが使われていない(実際使われることの方が少ない)ことを認識させるため。

教科書のGon, the Little Fox(ごんぎつね)は、本文と同じような音読はせず、ストーリーをつかめればOKなので、一気に読ませる。1ページごとに読めた人から立つ。(計3ページなので、それを3回繰り返す。)1回目は速読し、大まかな内容をつかむ。

2回目は辞書を使用させる。しかし、英検準2級以上は辞書なし。3級は2回まで使用可。4級は3回まで・・のように、制限をかける。友達と相談してOKというパターンにしたこともあったそう。

3回目は教師から質問。①ゴンの性格は?それを表す単語は?→sly ②ウナギをどう取り出した?ジェスチャーを使って。なぜ噛んだ?→ウナギが逃げないようにするため。③なぜ母が死んだと思った?line(葬列)やwhite clothesから。

また、slyはproductiveでもreceptiveでもなく、「題材語」この本文でしか使わないような、めったに使用されない語。さらに、前の教科書までは、slyなど、new wordsに意味が載っていたが、今回からは載らなくなった。意味が載っていると、文科省の方で単語数としてカウントされないからだそうです。basic dialogにしても、前は新しい文法をやるため、新しい単語をいれなかったそうですが、今はそんなこと言ってられなくなってしまったとのこと。誰のための教育なんでしょうか、と思ってしまいます。

また、Faithful Elephants(かわいそうなぞう)では、pre-readingで当時の時代背景などを伝え、backgraound knowledgeを活性化させることの重要性を教えていただきました。

その後はThe Akasaka English Timesのお話を聞いたり、じゃれマガを解いたりと、最後までたくさんのことを勉強させていただきました。また、「テストは学力測定だけじゃなく、学力の促進になる。これをやったらこうなる!というのを見せ、音読を生かす問題も作ると良い。(例:穴埋め問題)」と、お話をいただきました。

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●テストの目的

(この「テスト」は「定期テスト」。幹『テスト編』第2章冒頭に「なぜ必要なの

か?」が書かれている)

フロアから「学力測定」、次に「学習の促進」があげられ、後者については北原先生

が学生からは一人もあがらなかったと。

…でですね、私の数週間のもやもやを数人の方に披露しました。

ある人と指導と評価(形成的のつもり)についてラフにやりとりしていたら、

「中学の先生って、なんで自分の授業に則ったテストを実施したがるんですかね?そ

れで内申とかつくから、子供からみたら先生との相性が死活問題ですよね…。」(原

文ママ)という反応が。

かなりびっくりした(思ったことなかった)ので、いろんなことを考えまして。(小

学校には内申はないのは別として)

親の立場からも言っているので、それに対しては、生徒が力をつけていること、楽し

んでいる姿、人間的に成長していること(→誰もが幸せになれる)、を示すことで

しょうか。でもそんなこと言う親も忙しいのもわかり、またもやもや。

●じゃれマガ

じゃれマガの利点の一つは「ネイティブはこうやるんだあ」。

気づかなくても、ほんの少しでも、文字と音声で繰り返し(読んで解答するだけでな

い)触れて入っていくことが、EFL環境ではありがたい。

最後に。宣伝ではありません。

北原先生がじゃれマガで指導する動画(去年の今頃撮影)を見てください!ほとんど

活用されていない(あまり見られてもいない?)ことに気づきました(うえーん)。

T先生、S先生のご協力も得て「作った」ものですが、それだけにいいところを押さえ

たつもり。言葉の感じ、タイミング、目線、動作、そしてユーモア。参考にどうぞ。

(北原先生の深い声も味わえる)

https://www.teacher.ne.jp/jiten/movie.html

リンク飛べない方は「ベネッセ辞典ムービー」で検索するのが簡単。

最初の「はじめて見る英文を〜」ってやつね。

私は昔昔映画の字幕やってたので、8割がたテロップもうまく入ったと自画自賛。モ

ノ作りは楽しい。

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幹の本下巻(p.37-67)に沿って、メモを取ったことを中心にまとめました。

よろしくお願いいたします。

1 リーディング指導の実際「音読、精読、多読などさまざまリーディング指導」

第1節 アルファベットの認識

Readingに行くまでが丁寧すぎるのはよくない。

昔と比べて、語彙が倍になったのに教科書の厚さは薄くなった。(売れないから)

知らない単語があって当たり前。そこで止まらない練習をする。

skimming, scanningが必要。

第2節 単語の認識

ルールを先に教えて、それに当てはめても何も生まれない。フォニックスのルールを先に教える前に、頭の中に語彙がないといけないので1年生のProgram5から始めるといい。小学校でも、いきなり教え込まず、1つずつ丁寧に指導したいと思いました。

第3節 フレーズの認識

アクションカードはなぜいいのか。→語彙を身につけるのに、単語ひとつで覚えるのは効率よくない。よく使うフレーズで教えたほうがいい。

アクションカードの単語はどのように選ばれたのか。→teacher talkで使う動詞。カタカナ語になっているもの。動作にしやすい。進行形にできる。英語の「強 弱 強」のリズムが練習できる。open your notebookなどyourがあるので会話に使いやすい。

カードをバラバラに切るとなくす生徒が多いので、改良し、①②見開きで18個使えるようにして、定着したら③④を使う。ただし、やりすぎや刷り込みはNG。eatの後にくるものトップ10は何か考える。 eat breakfast/lunch/dinner…名詞だけではなくit/out/withなどがくる)

第4節 文の認識

1、2年生 ジェスチャーリーディング

3年生 指差し(内容が抽象的になるため)先生はカジュアルな日本語で言い、生徒がポイインティングor英語で読み上げる。

第5節 パラグラフの認識

理解度を見る英語の質問に対する答えの部分に線を引かせる。

本当の理解度を測るには線を引く方法が良い。

第6節 北原メソッドの内容理解チェック方法

TPR(total physical response) ←ジェスチャーリーディングがまさにコレ!

第7節 教科書本文内容理解までの流れ

第8節 速読指導

早く終わった子を認めるのだ大切。正解の数を生徒に尋ねる必要なし。(正しさより、速さが重視されることがあっていい)

第9節 多読指導

生徒の知的好奇心に合わせて時事ネタが良い。←じゃれまががまさにコレ!

なぜじゃれまがが良いのか。→長文を読む練習になる。文法の復習になる。(←これがポイント)語彙が増える。素材が楽しい。

St.Valentines Day Special Messageを使い、自分のお気に入りのメッセージと同じものを選んだ人を探すアクティビティーでは、それを成し遂げるだけでなく、他を認めるリアクションをとるように指導。(授業で行う生徒指導の大切さにまた気付かされました。)

Ex)I thought that would be good, but I found a better one.

読み物のページでは、どのような内容のリーディングが行われるか

Readingのページは1時間で行う。

①1ページ黙読→終わったら立つ。これを3ページ分行う。(大まかな内容をとる)

②英検の級によって辞書を使う回数を決める(準2→2回、3級→3回など)

③先生が日本語で質問する ex)Gon the Little Foxだったら どんな狐なの?- 単語ポインティング)

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