2016年9月17日 北研9月例会報告(135回 復活15回)

0-1.リオ・パラリンピックのPV”We Are Super Humans.”の紹介
イギリスが制作したパラリンピックのPVを視聴。
北原先生がある中学校の授業研究を見に行ったときに、授業で生徒に見せていたそうです。
You Tubeで「パラリンピックPV」で検索をすると見られます。

0-2.北研会員の夏休み中の研修報告
「北研合宿高知で高知支部の人達と交流」「イギリス旅行」「e-prosで田口先生と向後先生の話を聴く」「幹の本の読み直し」「灘校、木村先生の福島勉強会に参加」「県の教員指導力向上研修に参加」  「都英研のワークショップで実践発表」「中英研の研修に参加」「『英語教育愉快な仲間』に参加」「高教研関東大会に参加」「ELEC研修会に参加」「自宅で英語の勉強」などバラエティに富んだものでした。  北原先生はテンプル大学の研修に参加したそうです。

 

0-3.港区の「世界で活躍する真の国際人の育成」

 

 

  1. 最新のパフォーマンステスト映像
    1) 2年生スキット「スキット作りを楽しもう」2016.6.9
    I’m going to ~./ I have to ~./I want to~.を必ず入れることが条件のペアのスキット発表。それぞれのペアが工夫を凝らしたスキットを生き生きと発表していました。ジェスチャーによって心から意味のある言葉を音にのせていて、どの子もはっきりとした発音・声の大きさで発表できるのはジェスチャー指導が身についているからだと確信できるビデオでした。

 

・途中でつまって日本語を挟んでしまった生徒は即終了。北原先生の ただーーん の声でアウトの合図。総合評価はD ・ジェスチャーをほぼ1語ずつに入れているにも関わらず、生徒の話すスピードが落ちない。速い! ・パートナーの生徒がセリフをスムーズに出せなくてもリーダー生徒がジェスチャーでセリフを導きだしている。双方が全体のセリフを頭にいれて、ストーリーを理解して発表に臨んでいるのだろう。 ・評価項目は、発音、内容、演技の3つ。よければ○がつく。それにより総合評価A B C Dがつけられる。
〇正確には再現できていませんが、作品を1つ紹介
【火星へ旅行】
A : I’m going to go to outer space.
B : How will you go there?
A : I will buy a space ship.
B : Where will you go?
A : I’m going to go to Mars.
B : Why will you go to Mars?
A : Because I want to see Alien.
B : Will you bring back some souvenirs for me?
A : Sure. I will bring back (聞き取れなかった)

 

自作のスキットをペアで発表し、お互いのTurnの間に間がなく、スムーズに展開していること、またジェスチャーも自然な形で使用していることも、とても印象的でした。北原先生がスキットの指導でこだわっていらっしゃることの1つが”Be Authentic.”ということで、「道案内」のスキットは外で実施する。     「買い物」は校舎の外で、ブルーシートを敷いて、フリーマーケットを演出して実施する。など、ただ教室で活動させるだけでなく、場面、環境も整えて、指導されているとお話しされました。

 

言語設定:「I’m going to~、I’ll~、I have to 」を用いて、あとは自由にスキットを作って話す
⇒ペアになって、それぞれ楽しそうに、生き生きと話していました。
男女のペアで、
I’m going to go to the space this summer.
I want to see an alien. ―It’ll be exciting!
など、自由な発想で考えるのも中学生ならではでした。最小限の言語設定をしたうえで自由にスキットを作るのは、中2生の発達に合った、楽しい活動になると思いました。
2) 1年生スピーチ「自分のことを話そう」2016.7.6

スピーチテーブルとマイクを前に一人30秒以上10文またはそれ以上の英文(部活動、家族の事など)を流れるようにジェスチャーをつけながら様子はとても1年生には見えませんでした。

 

・どもってしまったり、目線がおぼついていたり、原稿用紙をチラ見していた生徒は、やはり評価も高くない。 ・↑このような生徒でも、th の発音がとてもきれいで正確に発音しようとしているのが分かり、驚いた。 ・ABC評価とは別に、北原先生は数字での評価も出されています。それをどのように計算?されているのだろうと資料を読んでいて、他生徒からのチェックマークの合計数だと分かりました。→これも成績評価に入れられるのか?気になりました。質問すればよかったです。 北原先生よりコメント、、、 ・Be authentic にこだわる。だから、スピーチではスピーチテーブルを用意し、マイクを用意する。もし買い物や道案内のシーンであれば、be authentic に外へ連れ出す。校長室からハンガーをかりる。

①ほとんど全員が使っていた表現
Hello, everyone.   /   My name is ….   /   I’m ….  /   I’m an Akasaka junior high school student. / I’m …. years old.   /   I’m in ….. club.    /   I’m on ….. team.

②他に出てきた表現
I like …. , but I don’t like …..      /     Do you like …..? / I have …. sister or brother(s).    /    His or Her name is …  /  I enjoy ….   /   Because it is fun.    /    My dream is to be a ……
・単語一語一語を、急がずに、ゆっくりと1つ1つにジェスチャーを入れながら話している。「早く話す」のではなく、「ゆっくり確実に話す」ことがいいことなのだと生徒は理解している。

・手の動きが、とても大きく、話す者にも、聞く者にも内容がわかりやすい。

・1年では、発音ひとつひとつを、徐々に確実に指導していくことで、2年生の発音へとつながっていくのだと思われた。
・生徒の次のような語彙使いに、ありきたりではないオリジナリティや工夫が感じられる。
⇒My dream is to be a motor car rider.  She is good at singing.  I read novels.

・パフォーマンスは、オーセンティックに、実際の場面を実物に近い状態で作って行っている。(スピーチでは、演題、マイクを用意する。買い物の場面設定は外でブルーシートを敷いて行うなど)

 

相互評価用紙

*「発音」「内容」「演技」の欄はできていればチックマークを入れる。
*「総合」には下の規準を規準を参考にA~Dをつける。
A+ ・・・3つの要素をすべて満たし、かつ発音がネイティブ並みである。
A  ・・・3つの要素をすべて満たし申し分ない出来である。
B+ ・・・1つの要素に不満がある。
B  ・・・1つまたは2つの要素に不満があるが合格
C+ ・・・2つの要素に不満がある。ぎりぎり合格。
C  ・・・2つ以上の要素に不満がある。不合格。
D  ・・・途中で止まってしまった。不合格。
*総合には発音、内容、総合3つのチェックマークの合計数

 

3)港区70周年記念ビデオ
北原先生のインタビュー…「書くことより、話すこと、聞くことを。」「先生は話さず、生徒が活動する時間を多くする。」「答えは教えず、何で間違っているのか考えさせる」※北原先生は「話すこと。音声が、書く力・表現の能力に必ずつながる」とも例会でも話されていました。

 

夏休み前だったでしょうか、MLでも話題になり、北原先生の授業風景が赤坂中の実践として紹介されていました。北原先生が以下、ご自身の実践について補足されていました。

・子どもたちの活動時間を多く、先生の説明を少なくする。

・答えは教えない。(子どもたち同士での学び合いを引き出す。)

・「聞く」「話す」を重点的に指導し、それが「書く」力につながっている。

  1. 発音による誤解、和訳の弊害
    ・洋楽好きなことから、発音もキレイにできている転校生が「前の学校では、発音を抑えていました」と言ったとこから考えられること
    ・教師の発音の曖昧さ using s instead of th , カタカナ語のrule, courage vs college, team vs
    cheam, r vs l …
    ・その教師の発音は、子どもにもそのまま影響する! first vs fast , throw vs
    slowを区別して使えない。コミュニケーションの弊害が起こる
    ・発音マスターになるためには、自分の好きな曲をそっくりそのまま歌うのがあり!

①赤坂中に転校した来た生徒の話
普通、赤坂中に転校してきた生徒は、在校生と比べて圧倒的に発音が悪いが、この生徒の発音はむしろ在校生よりも良いくらい。【理由】洋楽が好きでいつも真似して歌っている。転校してくる前の学校では発音の良さを隠していた。

音がきれいな転校生は、洋楽を歌うのが好き。自分の好きな曲を間やピッチまでそっくり歌い、自分の声と原曲がピッタリ合い原曲の声が聞こえなくなるまでまるまるそっくり歌えるようにすること。タケカワユキヒデさんもビートルズの曲が歌いたくて練習した。
転入前の学校では、先生の発音が、以下のようだったそうです。、・”th”の音が”s”で代用されている。 ・”rule”が「ルール」、”courage”が”college” 、”team”が”cheam”と発音される。 ・”l””r”の使い分けができていない。特に2つ目のものは、”Communication Breakdown” の原因にもなると、指摘されました。前の学校での詳しいことは北原先生も聞いていらっしゃらないとのことでしたが、「おそらく他の子よりも英語の発音が上手すぎるためにいじめられ、下手な発音でoutputせざるを得ず、いやな思いをしたのではないか」と推測されていました。
②教師による発音の誤解
thが全くできずにsで代用していることが多い。teamがcheamになっている。lとrが全く区別できていない。(courageがcollegeになる)。ある研修会で小学校の先生から発音の相談を受けたときの北原先生のアドバイスは「自分の好きな洋楽を完コピできるまで歌ってみること」
各グループから1人を廊下に読んで先生が「ボッチャ」のルール◎First Team A throws a white ball. This called “Jack ball”.を教え、それをグループメンバーに伝える活動の際、生徒はFirstをFast、throwをslowと発音したため、Fast! Slow!を繰り返し、相手は「Sitting Rugby」と勘違いした。

 

③和訳の弊害

ある中学校の授業研究で「パラリンピックのモットー」を日本語訳させる活動をしていたところ”Olympic is where heroes are born, Paralympic is where heroes come.”1人の男子生徒が「オリンピックはヒーローが生まれるところ、パラリンピックはヒーローが来る」訳せてはいるが、2文目のパラリンピックに集うものたちはみな(障害を克服した)ヒーロー」というニュアンスを理解できていない。

 

・パラリンピックのモットーの訳。生徒は単語は日本語にできるが、(2)の意味を理解して訳すことができなかった。(1)Olympics is where heroes are born.(オリンピックはヒーローが生まれるところ) (2)Paralympics is where heroes come.(生徒:パラリンピックはヒーローがくる⇒先生:パラリンピックに集う者たちはみな[障害を克服した] ヒーローだ! ) ■生徒に、字面だけでなく、それはどういうことか?と常に問うていきたい。※パラリンピックサポートビデオ⇒Youtube:“We’re the Superhumans ”
“Olympics is where heroes are born.  Paralympics is where heroes come.”ある生徒に訳させると、「オリンピックはヒーローが生まれるところ、パラリンピックはヒーローが来る」という訳しましたが、この訳では2文目の意味を理解していると言えない。「パラリンピックに出場している選手はみな障害を克服したヒーローである。」という裏にある意味を読み取れていない。書かれているものだけを訳して終わりにしていると、このようなことが起こる。

 

  1. 新たに発掘したクリスマスソング3曲

①”Bed time for toys” by Stevie Wonder

②”Under the Christmas Tree” by Albert Hammand

③”Someday at Christams” by Stevie Wonder 17歳のときの曲
③はStevieバージョン、Jackson5バージョン、Justin Bieberバージョンの3曲の聴き比べと、Appleのコマーシャルで使われた時のメイキング映像を見ました。多分、全てのものをYou Tubeで見られると思います。

・生徒役になって歌詞カードの穴埋めをしました。今回の歌詞カードにはYou Tubeに書き込まれている     コメントも載せられており、生の英語に触れる機会を作っていました。【感想】上手く書けませんが、北原先生の歌に対する取り組みを見ていると英語を本当に楽しんでいるというか、これが英語学習のあるべき姿というか、何か感じ入るものがありました。曲をどのように授業で導入されているか、体験しました!
・まず今日を音声のみで味わう Stevie Wonder version
・ワークシート配布。縦に4分割されていて、左から、英語歌詞そのまま→いくつかの単語、フレーズの意味→fill in the blanks 数単語→和訳by 北原先生

・一番左のfull lyricsを隠して、和訳を見ながらfill in the blanks
・ここでSomeday at Christmas では、うまくrhyme のところを空白であけておられました。
・もう一度曲を聴きながらfill in the blanks 完成させる this time, Justin Bieber version
・さらにJackson 5 version
・最後に映像つきで。昨年度のApple TV commercial で使われたもの
・プリントには、その曲に対するコメントやメッセージなども一緒に載せて紹介する。歌詞のどの行を読んで、このコメントを言っている?考えてみて、と問う

・一般的に歌詞にはピリオドがない。それでは中学生は余計に理解しにくい。教師がピリオドをつけてあげたり、行替えの工夫をしてあげる。CDの歌詞カードそのまま印刷するのは教師としてダメ。
・ステップを踏んで何度も繰り返し違うversionの同じ曲を聴くことで、深まりを感じられた。曲の良さを噛み締める感じ。愛着もわいて、歌ってみたいという気持ちになる。
・選曲するときは、中学生に心情的、構造的にわかるものを。
・bedtime for Toysは、子どもが幼い時に歌ってあげたかったような内容。→わたしも未来の我が子に歌ってあげたいです。
「自分の好きな歌を、1曲、そっくりに歌うこと」が大切。それによって発音がだいぶ変わる。
☆タケカワユキヒデさん=「ビートルズの歌をまねして、その人の歌が聞こえるようではだめ。    そのうちに、ぴったりそっくり歌えるようになって、自分の声だけになるよう歌いこむ」

注意 ☆歌詞はm必ず英語教師が自分で手で打つ。(CDの歌詞で、ミスのないものはない!)生徒に読みやすいよう、文の最初は大文字、次は文字を下げて打つ、ピリオドを打つ。押韻の箇所にアンダーラインを入れるなどの「わかりやすい工夫」をすること。☆教師が、本物の教材を楽しんで探す、仕入れる、味わえることがまず大切だと思われた。

 

クリスマスに平和と平等な世界を願う名曲を紹介しつつ、北原先生は、「まだもっといいものがあるだろう、だから教員をやっているんです」と、言われていました。英語を教えるだけではなくて、英語をとおしてどんな生徒を育てるか、考えることができました。

 

中学生にわかる曲であることを条件に選曲し、歌詞を配布するときは、センテンスの切れ目にカンマやピリオドを入れて、連ごとに1行スペースを空けるなど、見やすくする。また日本語訳は歌詞カードをそのままコピーして渡すことはしない。(必ずといっていいほど訳の間違いがある。)また曲に関する書き込みで、生徒がわかるものをいくつか拾って、”I think I just found the perfect Christmas song.”や、また「(書き込み) Hopefully, prayfully, in OUR life time!  Even so, come quickly Lord Jesus!が、歌詞のどの部分に反応しているか?」など、歌詞の深読みにつなげる活動も紹介されました。

 

1 Bedtime for Toys / from “Someday at Christmas” 1967 when Stevie was only 17 years old.
2 Under the Christmas Tree live 2008 / Albert Hammond
3 Someday at Christmas / Stevie Wonder,  Justin Bieber,  Jackson5,  Stevie & Andra
選曲のポイントとして中学生が心情的に、構造的に分かることが大事。
生徒役になって英語の歌を進める手順を学んだ。歌詞にはピリオドがないため、区切りが分かりにくいことから、生徒に配布するワークシートには①1文の終わりにはピリオドをつける、②1文が長いときは2行に分け、2行目は1マス分下げる、という工夫をしておられた。初めにSomeday at ChristmasをStevieが17歳の時、Justineが16歳のときなどさまざまなアーティストの歌声で聞いた。また、You TubeでStevieとAndraのPVを視聴。このPVを見て、生徒に見せたい!と強く思ったし、私もすっかり気に入り、帰りの新幹線で何度も見ました。

  1. 和訳を使わない内容理解方法
    3年program 5-3
    ① 黙読、、、内容理解ができたらstand up and go to the back of the classroom to share what was written
    ② 範読、、、音で聞けば意味が分かる時もあるため
    ③ 内容理解、、、1文ずつ
    1) Look at the map below. Point to the map. Look at your partner. Are you pointing the same thing?
    2) Today there are many Japanese restaurants around the world. Read with gesture.
    3) Do you know why Japanese food has become so popular?  has become はなに?→現在完了
    現在完了の3つの用法のどれ?証拠は?
    4) People think it is healthy because traditional Japanese dishes use fresh fish and vegetables.  Why is Japanese food healthy? Underline the answer.
    5) They are low in fat.  What does “low in fat” mean? Use a dictionary and find the meaning.  What is the keyword you have to look up for?
    6) Now, look at the graph on the right.  Point to the graph ( just like for the #1).
    7) It shows how fast the number of Japanese restaurants is increasing in the US.
    How fast以下を普通の疑問文に書き換えなさい。できたらstand up.
    How can you say this? →グラフが急に上がってるからetc.
    8) There were about 6,000 Japanese restaurants in 2000.  Point to the exact bar.
    9) In 2010 there were over twice that number.  Point to the exact bar.
    10) Clearly, more and more people like to eat Japanese food in the world.  How can you say that? Any evidence?
    →本文中ではなく、マップ上に答えがある。今後、マップやグラフなどを活用する力が必要とされていく。答えが本文中にあるとは限らない。また、教科書のマップは日本語ではで書かれていたため、赤坂中の生徒は即興でALTにマップに書かれている情報を伝えることができていたそうです。まさに生きた即興スピーキング力。

①黙読させる。(事前にオーラルイントロダクションはしない。PCを使ってのピクチャーディスクライビングのみ)だいたい意味が分かったら教室の後ろの方へ行き、友達と内容を確認。
②全員が立ち上がり、黙読が終わったら、席に戻し、教師が範読。
③教師が1文ずつ読み、必要に応じて発問し、理解しているか確認していく。
(例)
①Look at the map below.という英文が出てきたら、T : Point to the map. Ss : 下の地図を指差す
②Today there are many Japanese restaurants around the world.の英文に対しては
T : Show your gesture.
Ss : 文の意味をジェスチャーで表す
③They are low in fat.の英文では
T : What does the expression “low in fat”
Ss : ???
T : Use your dictionary.
方法:黙読(意味がわかったら友達と内容を確認)

⇒範読(音を聞くことによって理解されるため)
⇒内容理解(先生が1文ずつ読み、必要に応じて発問し生徒に活動させる)
■内容理解の発問⇒活動例:内容理解を問うため地図やグラフを指す。ジェスチャーで英文の意味を表す。理由を表す英文にアンダーラインを引く。隣の人と確認する。“Low in fat”のlowの意味を辞書で引く。品詞を聞く。fatは、前置詞inの後なので名詞という根拠も引き出す。間接疑問文を単独の疑問文に直す。
■字面を訳す訳読ではなく、発問の意図することが分からなければ活動できないため、その度先生の指示を全身全霊でしっかり聞かなければならない(リスニング)。様々な活動をするので緊張感がある。自分で考えて行動しなければならないので自立した学習者が育つ。私はまだこのような授業をしたことはなく、これから徐々に発問力を磨き、和訳を使わない授業をしたい。

 

北原先生が実践されている方法をご紹介いただき、参加者も実際にやってみました。
指導手順
①黙読
大体の内容を理解できたら立って、教室の後ろに移動し、友達と内容を確認する。
②範読
全員の黙読が終わったら、着席させ、教師が音読する。(文字だけでは意味がわからなくても、音声を聞くことでわかることがある。)
③内容理解
本文を一文ずつ説明していくが、訳す形はとらない。ジェスチャーや実際にアクションをするように指示をする。

Look at the map below.→”Point the map.”と指示をして、生徒は本文の下にある地図を指さす。
Today there are many Japanese restaurants around the world.→”Show your gesture.”生徒はジェスチャーで、文の内容を表現する。

There were 6,000 Japanese restamurants in 2000.→”Point the exact bar.”生徒は当該のグラフの棒を指す。

Clearly, more and more people like to eat Japanese food om the world.→どこを見たらそう言えるのか?生徒の答え:本文下の世界地図の各地域ごとに示された2013年(下段(   )内の数字)と2015年の数字(上段)を比較する。また即興スピーキング活動として、日本語で書かれている本文下の地図やグラフについて、ALTに説明する活動もご紹介いただきました。

 

①黙読
だいたいの意味が分かったら教室の後ろへ行き友達と内容確認
②範読
③1文ずつ読んで必要に応じて発問
・Look at the map below. Point to the map.で,生徒は地図を指さす
・Today there are many Japanese restaurants around the world.で,ジェスチャーさせる
・Do you know why Japanese food has become so popular?で,現在完了形の何用法かと,その証拠の確認
・Why is Japanese food healthy? Underline the reason.でbecauseからあとに下線を引かせる
・low in fatの意味を辞書で確認させる。どの語を引けばよいのかも考えさせる。
・Look at the graph on the right. Point to the graph.で生徒は右のグラフを指さす。
・How fast is the number of Japanese restaurants increasing in the U.S?で,how 以下の部分を単独の疑問文にさせる。
・グラフのどこからそれがわかるか。
・There were about 6000 Japanese restaurants in 2000. Point to the exact bar.で,生徒は2000年のバーを指さす。
・In 2000 there were over twice that number. 同じく,生徒は指さし
・どこを見たらそう言えるか。
本当に理解するとは,こういうことかと思いました。生徒は訳を知りたがりますが,単に和訳をしたところで本当に分かったことにはなりません。どこでどんな発問をするか,どこで辞書を引かせるかなど,しっかりとした計画を立てて授業をつくっていかなければと思いました。

 

 

参加者が生徒となり、北原先生による模擬授業のなかで直接体験できました。
①まず生徒は各自黙読し理解できたら席を立ち、静かにうしろのほうに移動して仲間と確認する。
②教師による朗読を聞く。*音声を聞くことでわかることがある。
③和訳はつかわず内容理解 (*和訳をしても時間はかかる、つまらないし、その上理解につながるかもわからない)
以下、教師の発問に生徒はその都度答えていく。答えられたものは立ち上がり、立ている者どうしで解答を確認し合う。

本文: Look at the map below.
JTE: Point to the map. Look at your partner. Are you pointing the same thing?

本文:Today there are many Japanese restaurants around the world.
JTE:Show your gestures.
・ ジェスチャーができれば教師は生徒の理解を確認でき、かつわからない生徒がいても、仲間のジェスチャーをみて理解を補うことができる、と気づきました。(以下の設問についても同様)

本文: Do you know why Japanese food has become so popular?
JTE :has become はなに?→現在完了
JTE:証拠は? →Ss なし
*証拠無しの場合は(つまりeverなどなら経験、sinceがあれば継続など)

本文:People think it is healthy because traditional Japanese dishes use fresh fish and vegetables.
JTE: Why is Japanese food healthy? Underline the reason.

本文: They are low in fat.
JTE: What does the expression “low in fat” mean?
JTE:Use your dictionary.

本文: Now, look at the graph on the right.
JTE: Point to the graph.

本文: It shows how fast the number of Japanese restaurants is increasing in
the US.
JTE:How以下の部分を単独の疑問文にしなさい*(これは北原クラスでもできたひとは多く無かった)(How以下を板書し、isをhowのすぐ後にもってくる。
JTE:グラフのどこからそれがわかるか?

本文: There were about 6,000 Japanese restaurants in 2000.
JTE: Point to the exact bar.

本文: In 2010 there were over twice that number.
JTE:Point to the exact bar.

本文:Clearly, more and more people like to eat Japanese food in the world.
JTE:どこを見たらそう言えるか。
→ページの下の方の世界地図の地域ごとに示された2013年
(下段(   )内の数字)と2015年の数字(上段)を比較する。
このデータが日本語なのでALTが理解できないことを良い機会ととらえ、生徒にALTに分かるように英語で説明することに挑戦させた。北原先生は、生徒がまだ知らない表現を少し補ってあげて、通じさせることができた。かなりレベルの高い内容を中学生が英語で表現できる力があることに感心させられました。北原先生「中嶋(洋一)先生もいつも言うように、教師の発問によって生徒の力が引き出される・伸びる」ということでした。そのよき具体例に触れることができ、ぜひ私の授業にも取り入れていきたい、と感じました。
5.3年生の分詞から関係代名詞までの後置修飾の学習手順
・1年生の前置詞を使った後置修飾から復習させる
a book on the desk   /   a girl with long hair
こだわっていたのは日本語にすることではなくイメージを頭の中に持たせること
「机の上に本がある様子」「髪の長い女の子の姿」を頭の中にイメージできるか

・授業での板書は
a book on the desk (1年生)
下線の部分を考えさせる
*最初が大文字ではなくピリオドがないので文ではないことを気づかせる。
a book to read (2年生)
a book lying on the desk (3年生)

・この後に指差しゲーム
listening training powerdに載っているような、9つのカテゴリーそれぞれに3つのキーワードがあるプリント。カテゴリー”Singers”には”Eikichi Yazawa,  Daigo,  Sashihara Rino”の3つのキーワード。教師の発問”Singers seen in the car commercial.” Ss : Eikichi Yazawa

 

・1年生で習った前置詞修飾の復習:先生が与えた状況(教卓にあった本を床にポンと置く)の英文を作る。例)a book under the desk/by the desk/ on the floor etc.
・2年生で習った不定詞の復習: a bookを不定詞で修飾した英文ができたら立ち、一人ずつ言って同じならリピートして座る。例)a book to give you / to read / to be read last week etc.
・3年生で習った現在分詞の復習:上に同じ 例)a book lying on the desk / showing a picture / giving a good advice etc.
・スポーツ/ 文房具/ テレビタレント/ 野球選手などのカテゴリーの□の中に具体的な物や人の名前を書いたプリントを配布し、先生が言う後置修飾文をよく聞いて指さしをする。早く正しくさせた人が1点!
■指さしではゲーム性を持たせることで生徒が集中して英文を聞き、効果的な学習につながる事がわかりました。

 

①ジェスチャーをする ②どのグラフのことを言っているか指で指す ③現在完了のどの用法か確認する ④辞書引き ⑤質問して答えの部分について線を引くなど、さまざまな手法を織り交ぜることで、安易に和訳に頼らずに内容理解できているか確認する手法を学びました。合宿のレポートを読み、なんとなくイメージしていましたが、実際に生徒役になってみて納得しました。北原メソッドには、1年の復習から入る「易→難」の流れ、どこに戻ればいいかヒントがある、ペア活動など、全生徒がやりやすい工夫がたくさんあります。最近、ワークシート中心の授業で、英語が苦手な生徒が置いていかれる授業を見る機会があったので、そうした授業に何が足りないのか、わかりました。また、北原先生が生徒役の私たちに「英語の授業で一番悪いのは、ノロノロやること。まちがったほうが、心に残る」と言われていました。授業規律や授業を受ける姿勢から、きちんと生徒に指導しようとと改めて思いました。

 

(板書)

①a book                                                     1年

②a book                                                      2年
③a book                                                      Program 6

それぞれ空欄補充させ、全員立たせてから、生徒を指名し、自分が書き込んだものを発表させる。同じような句を入れていたら、声に出してリピートさせて着席させる。

①a book on the desk.   a book in your bag.   などの前置詞句を補充する

②a book to read today.    などのto不定詞形容詞用法で補充する

③a book telling about the World War Ⅱ.    a book written by Soseki Natsume.などの分詞の分詞の形容詞用法

学年が上がるごとのに型が増えて、新しいものがでたら始めに戻る形で繰り返し、積み上げていく。  この他、後置修飾を用いたゲーム形式の活動もご紹介いただきました。

いくつかのカテゴリーを挙げ、(baseball players,  TVtalents,  singers など)その枠の中で3つほど名詞を書き出し、(”baseball players” であれば、Ichiro Kuroda Hiroki   Kiyomiya   など)印刷された状態でプリントを配布する。生徒はプリントを見ながら、先生が言う英文を聞き、その内容に合う名詞を探して指で指す。例えば A baseball player playing for Hiroshima Carp.  A baseball player who made the world record.  などカルタなどにして同じような活動もできますが、道具を片付けたり、管理したりなど のことを考えると、やはりプリント1枚配布し、こちらでいろいろなバージョンの英文を用意して、楽しく実践できる活動は非常にありがたいと思います。

 

北原先生は、1年次は前置詞、二年次は不定詞、三年次は現在分詞、過去分詞、そして関係代名詞と後置修飾の新しい形がでていくる毎に、一年次の文法事項にまでもどりながら導入していく、という方法をとっています。具体的な手順は、
・まず a book                                          と板書し、
このブランクに修飾語を入れられたら生徒は立つようにします。座ったままの生徒にはWould you like a hint?と問いかけ、Yes, please.  bookの直後に前シカクの「前」が来ることを板書でしめします。そして全員立ったら、一人ひとりあてて、ブランクに入れたものを言わせます。周りの生徒は、同じ前を使った生徒は口頭でリピートし、座ります。このように復習の場面では、一人ひとりの違いを、シェアしながら互いの学びにつなげていくことも素晴らしと感じました。以下、同様に、2年次レベルでは、a bookのあとに不定詞を入れる活動、そしてing、過去分詞、とつづいていきます。そして、後置修飾のまとめのハンドアウトが配られます、活用されます。このハンドアウトは中学3年間で出てくる10種類の後置修飾が左半分まとめてあり、右半分にはbaseball players, TV talents, singers, animals, fish, birds, vehicles, statinaries, sportsなどのカテゴリーの下にそれぞれ具体的な有名人、生き物、品物などの名前が3つずつ書かれているもの。これをペアで指さし競争させるという楽しい活動のために使います。例えば、前置詞のところでは、先生がまず”a TV talentというと生徒はまずそのカテゴリーに注意をむけ、そこにでている3人のうちだれか、と身構える。そして先生が“with glasses”と行った瞬間、Sugi-chan/ Tokoro George / Taka and Toshi のなかからTokoro Georgeをぱっと指さす、とう具合にすすんでいきます。ここでもやはり、一年時に戻って、1つ1つ確認していく、ということ、ひとりひとりの違いを生かそうとすることや、それに加えてコミュニカティヴでかつ楽しい活動を用意していること、ひとつひとつのなかに生徒の英語力と人間的成長の両方を願う愛情を感じました。

 

最後に先生が説明するものや人を指さしするという活動を行いました。そこで戸惑っていると、北原先生から「一番悪いのはのろのろやること!」と一言。「スピードが大事。間違えてもいいから。間違えたら心に残る」と話されたときは、本当にその通りだと生徒役になって改めて感じ、心に残りました。

 

指さしのアクティビティは,とても楽しい活動でした。毎年このように行うけれど,今年はKuroda Hirokiを入れるなど,少しずつ作り替えているそうです。説明する英文の中には,TV talents I love the best.と,複数か単数か聞き分ければ答えがでるものなど,なるほど,と思わされるものがありました。

 

先生も生徒も「関係代名詞って難しいなあ。どうしたら理解できるかなあ」と思われる難しいテーマだが、北原メソッドでは「英文を聞いて、ゲームのように指さしをすることでなんとなく関係代名詞がわかった、聞き取れた。楽しい!」と思われる指導法だった。

 

これまでに習った後置修飾
①前置詞を使ったもの(1年)
a book on the desk,   a girl with long hair,   a boy with a bag in his hand など
② to + 動詞の原形を使ったもの(2年Prog.6-3)
・something to drink,  a very important subject to study,   some books to read など
board work でこれらのことを復習したあと、
新出文法である、
③現在分詞(ing)を使ったもの (3年Prog.6-1)
④過去分詞を使ったもの(3年Prog.6-2)
⑤関係代名詞who  (3年Prog.7-1)
⑥関係代名詞which (3年Prog.7-2)
⑦関係代名詞that 主格 (3年Prog.7-3)
⑧関係代名詞which目的格(3年Prog.8-1)
⑨関係代名詞that 目的格(3年Prog.8-2)
⑩後ろに主語+動詞を伴ったもの(3年Prog.8-3)
これまでに習った後置修飾

①a book on the desk, a girl with long hairなど前置詞を使ったもの(1年)、

②something to drink, a very important subject to studyなどto+動詞の原形を使ったもの(2年)

③the man sitting on the chair, animals living in Chinaなど現在分詞-ingを使ったもの(3年)

④the temple built by Ashikaga Yoshimitsu, a sport played by six playersなど過去分詞を使ったもの(3年)

⑤the girl who has just walked away, a singer who has left AKB 48など関係代名詞who主格を使ったもの(3年)

⑥the pen which is next to it, fish which is loved by Hokkaido peopleなど関係代名詞which主格を使ったもの(3年)

⑦ a shop that sells nice cads, a kind of fish that has eight legs など関係代名詞that主格を使ったもの(3年)

⑧a special dish which we eat during the New Year, stationary which we use to draw linesなど関係代名詞which目的格を使ったもの(3年)

⑨the pies that my father bakes, birds that we eatなど関係代名詞that目的格を使ったもの(3年)

⑩some pictures he took, a TV talent you can’t see on TV nowなど後ろに主語+動詞を伴ったもの(3年)をまとめて復習します。ホワイトボードにa bookだけ書いてこれらの後置修飾を用いた語句をどんどん作らせていきます。おかしな語句を生徒が作った場合は自分で気づけるように仕向けます。
Baseball players ,TV talents, singers, animals fish birds vehicles stationery sportsなど9枚のカードそれぞれにIchiro, Kuroda Hiroki, Kiyomiyaなどと書かれたカードを見て先生が説明するものや人を指さす。早く正しくさせた人が1点という活動。

例)A TV talent with glasses.
A singer to make hit next year.
A singer who shows on a car commercial.

北原メソッドのAパターンの board work をやるときに、どの辺を復習材料にするかという点がいつも悩ますところでした。「後置修飾」という点で考えると、とても良い復習材料が1年のときから出ていることを生徒に意識させ再確認させることとても大切だと感じました。

 

6.懇親会
美味しくて安い中華料理屋での懇親会
アクティブラーニングのことが話題に上がり勉強になりました。
京都大学の教授がアクティブラーニングを提唱している話
両国中学校の北原先生の弟弟子がアクティブラーニングの本を出版している話
文科省がアクティブラーニングについて明確な定義をしていない話
北原先生の授業がすでにアクティブラーニングになっていると言われている話