6月20日(土)第175回例会

1 北原先生と英語  隣のお姉さんから4、5歳のときにアルファベットを教わった。世界に興味を持ったが、中学校の板書して説明が中心の授業を受けて「無理!」となった。ラジオから流れる好きな洋楽を録音したりしながら何度も聞いて歌詞をおこし、どうしても聞き取れないところは、レコード店に歌詞カードを見に行って(当時は買わなくても、中身をみることができ、歌詞カードを見ることができた)1曲完成させた。また、「ぴったり歌いたい」(=歌詞の声が聞こえなくなる)と何度も歌っているうちに、これまで3くらいだった成績が2年生の3学期にいきなり5になり、周りから「発音上手いな」と言われるようになった。

(参加者同士で自分が受けてきた英語の授業などについてディスカッション)私にとっての「ぴったり歌いたい」は、今考えると基礎英語でした。ラジオから流れる音読練習の間に、自分がつっかかって最後まで発音できないことがとても嫌で、次の再放送(当時は確か、2日間同じページだった)の回までに上手に読めるまで何度も音読していました。あと、上手に読めたときの英語の音の感じがなんとなくきれいだな、と感じていた気がします。

2、近年の英語教育の動向

 英語教授法の歴史 ○Grammar Translation Method…海外の文化や考え方、文明を取り入れるために行われた。当時は限られた人だけが学ぶ時代でもあったし、時間的な効果があったので良かったのかもしれない。

 ○Direct Method(1880~1930年くらい)ネイティブの先生がジェスチャーなどを使って直接英文を教えていく。スピーキング中心。

 ○Audio-Lingual Method(1940~1960年)…Direct Methodと類似点が多く文法や単語を繰り返し練習する。文法説明のみ母語を使っても良い。

 ○Total Physical Response(1960~1980年)…体を動かしながら言葉を口にする。子どものクラスに向いている。

 ○Communicative Approach(1960年~)…「Approach」であって「Method」ではないので確立されていない。現在のベースになっている。

 「みんなの英語ひろば」より http://eigohiroba.jp/t/309#toc0 でそれぞれの授業が2,3分の動画で見られる。

A 北原メソッドを学んで(2019年秋学期英文科の生徒のコメントより抜粋)

「スピーキングやリスニングのみでなく、リーディングやライディングに関しても、従来の詰め込み式の学習方法とは異なるもっと生徒の負担が軽い方法で力を伸ばすことができるということに衝撃を受けました。」「日本の英語教育の問題点を解決する(しかも生徒にとっても教師にとっても最低限の負担で)画期的な方法であると思います」

「…単語テストをやめました。それに加え、どの様にしたら生徒が学びやすいのかが考えながら授業したり、以前より生徒を褒めるようになりました。北原メソッドは、先生ではなく生徒が主体になっていてとても生徒を気遣っている教え方だと思います。」→また、生徒同士をつなげる方法だとも思います

「生徒に興味を持たせるタスクで溢れており、退屈になる時間がない、という点です。」

「単語の教え方や、教科書のダイアログをノートに写さないこと、ロールプレイングなどのスピーキングのアクティビティを頻繁にすることなど、自分が過ごした学習環境との大きな差に驚いてばかりでした。」

「Bパターンの中では特にpicture describingが印象的だった。…この活動の最も良い面は、皆が平等に、他人の発言を聞くことができ、自然に自分のものとしてインプットができることだと思う。自分も確実に発言しなければならないプレッシャーはあるが、長い文を作らなければならない訳ではないので、苦手な子にとっても心理的プレッシャーが低くなる。…一つ一つの文が短いため、当てられる数が多いからだ。さらに短文であるからこそ、他人の言った良い発言を自分のものに取り込むのも容易にできると考える。」

「maybe, probably, perhapsなどの意味の同じ単語を一緒に確認するという点も類義語を関連して覚え、語彙力を高めることができるという点でも効果的だと感じた」

「今回はマイクロティーチングの2回目でした。去年の2人のマイクロティーチングでプレッシャーを抱えながらもみんなよく出来ていたなと思いました。今回のみんなの様子を見て感じたことは、それぞれ改善点があるものの、この人はずば抜けて出来ていないということがなかったということです。これは、北原メソッドでは細かく教え方が示されているからではないかと考えます。北原メソッドのやり方を理解してその通りに行えば個人差はありながらも良い授業ができるのではないかと思います。」

B 中3の3学期でここまで書ける!令和元年度3年生3学期学年末テスト「先生への手紙」

4人の生徒の手紙を紹介していただきました。学年末テストのライティング問題で。辞書持ち込みOKで書いた文。17文、32文、43文、42文、と英語の授業での3年間の思い出がぎっしりと書かれていました。日本語で書かれていたとしても感動する内容、そしてそれがしっかりと英文にできていること、本当に驚かされます。

C 令和元年度3年生2学期スピーキングテスト「日本文化をJ先生に紹介する」(11月6,8日)

春:ひな祭り、潮干狩り、夏:梅雨、お中元、盆踊り、秋:月見、冬:初詣、お年玉、節分、その他:押入れ、下駄、浴衣、寿司、畳 +授業でやっていないもの(ナイショ!)について、J先生に2分間で説明する。先生がその語を言い当てられたら2ポイント。授業でやっていないものについては3~5ポイント。3つ以上のキーワードを使って説明しなければならない。キーワードを落としたり、文でなく単語だけで説明したりすると得点にはならない。

テストまでに9月の最初から1日2つの文化紹介練習を3周するそうです。生徒はトップの生徒で11個の文化を説明していました。「1ポイントあたり(定期テストで言えば)5点を成績に入れる」そうです。一番できなかったという生徒でも7つを説明。1年生のときは不登校で、登校してからは間違えても手を挙げ続けた生徒。都立で80点。

○北原メソッドの成績、じゃれマガのすすめ、赤坂中の英検準2級取得率:平成28年度43パーセント、平成29年度44パーセント、30年度56パーセント、「中学校レベルの英語なら誰にでもチャンスがある」というお話。

1. 自身の受けてきた英語教育の意見交換 私が中学校で受けた授業は、中1、中2は、音楽がとても好きな先生だったので 必ず英語の歌を歌いました。ビートルズやカーペンターズなどが多かったように 記憶しています。その先生が、誰よりも楽しそうに歌っていました。今、悔やまれる のは、私は北原少年のように英語の歌にのめりこむのではなく、その先生を 「今日も楽しそうに歌っているな~」と思いながら見ていただけだったことです。 英語の歌は嫌いではなかったので、あのころもう少し一生懸命歌っていれば… と悔やまれます。中3では、それまで習っていなかった先生に英語を教わることに なりました。その先生からは、「基礎英語を毎日聞いて、暗唱しなさい」と言われました。その先生は、北原先生もご存じの先生だと思いますが、T県のM先生です。もう退職されていると思いますので、T県の北研支部にはいらっしゃらないかもしれませんが、以前、M先生にお会いしたときに「北原先生には何度もT県に来ていただいて講演していただいている」とお聞きしたことがあります。

2.英語教育の動向 以前の日本の英語教育では、Grammar-Translation Methodだったというお話でしたが、確かに、私も高校時代はほとんどがそうだったように思います。高校に入って、英語の授業が難しくなるだけでなく、つまらなくなったように思います。その後、ネイティブの先生が授業をするDirect Method、Audio-Lingual Mehod→ Total Physical Response、Communicative Approachと変遷していった。北原メソッドでいうと、身体を使って覚えるジェスチャーリーディングなどは、Total Physical Responseに値する。メソッドとApproachの違いは、確立されているかどうか、なので、北原先生の教え方は確立されたもののためメソッドとつけたとのことでした。

3. 大学生のレポートを読んで大学生が北原メソッドを体験、学習した感想をみなさんで読み、自分にとっても大切だと思うところにアンダーラインを引き発表しました。 私がアンダーラインを引いた箇所は、

・効率の中学生とは思えないほどすらすらと英語を話す生徒たちの姿があった

・(北原メソッドは)日本の英語教育の問題点を解決する(しかも生徒にとっても教師に  とっても最低限の負担で)画期的な方法

・生徒に暇な時間がなく、それでいて楽しい

・communicative なアプローチでありながらも、4技能すべてが身につくやり方

・誰にでも受け入れやすく効果が高い

・生徒が折れないレベルの絶妙な負担をかけられる方法

・授業を通して先生の熱意や生徒への思いも感じることができて、その成果に納得

・北原メソッドは教える側にも楽しい

・英語は一部の子だけが楽しめる教科ではない

・「できる生徒」と「できない生徒」の差が大きくなるのではなく、競い合って、高め合う授業

・全員の英語力を上げる

などです。

4. 令和元年度3年生学年末テスト「先生への手紙」 

英検2級や準2級、英語が好きな生徒が書いた英文ではありましたが、40文以上の手紙でした。G先生とJ先生が読んで くださり、より一層手紙の内容に感動し、うるうるしました。それぞれが印象に残っているエピソードを交えて書いてあり、3年間の思い出が目に浮かんできそうな素晴らしい手紙でした。

5. スピーキングテスト(日本文化紹介) 

お題を見て、すぐに話し出す生徒さんの様子から、頭の中でどのように伝えたらよいのかの構想がすでに練られている=練習の様子がそのままテストに表れているように思いました。ジェスチャーをつけて言っている子もいて、授業がそのまま生きていると思いました。

6. 北原メソッドの成績 

赤坂中の生徒さんの学力調査の結果は、平均正答率では、なんと 19ポイント以上も上回っていました。しかも英語だけ断トツ!私が教えている生徒たちは、区内でも最下位です。当然、全国的に見てもよくありません。昨年異動してきて2年生に飛び込みで担当する ことになり、授業規律もままならない、picture describingなんて当然英語が出てこない、どうしよう…という状況でしたが、まずは「帯活動のビンゴを必ず全員で参加しよう!」というところからスタートし、1年生の復習ができるように北原メソッドのAパターン、Bパターン、スパイラル学習シート、Basic Dialogの暗唱チェック、と生徒主体の活動を取り入れて1年間を過ごしました。一番、私の励みになったのは、常々北原先生がおっしゃっている「生徒のせいにするのではなく、自分の授業のやり方を見直し、生徒に合わせる」という言葉でした。そんな彼らも3年生になり、進路のことを考えるようになったのもあってか、6月から分散登校を経て、現在通常での授業になりましたが、今では 授業中に注意をすることがほとんどなくなりました。初めてスパイラルシートを彼らにやったときは、「疑問詞をできるだけ書き出してみよう」という問いに、ほとんど書けなかった子たちが、やり続けていくうちに「前にやったやつだ!」と書けるようになったり、Basic Dialogの暗唱も、「ジェスチャーをつけてね」「不自然な間はダメだよ」など条件を つけても5分以内で全員が合格するようになってきました。もちろん、まだまだ赤坂中の生徒さんたちのような素晴らしい発音とまではいきません。ジェスチャーも不自然なものもたくさんあります。でも、それでも 一生懸命に取り組む生徒の姿があり、「ブー」とボンゴボンゴを鳴らされても 合格するまで挑戦する生徒の姿に、私自身が授業を楽しんでいます。上智の学生さんが書いていたように、本当に「誰にでも取り組める」方法で ありながら、生徒の成長が表れる北原メソッドの効果を、改めて実感しています。本当にありがとうございます。最近の試みとして、N区ではコロナウィルスの影響で、長期休校対策としてGoogle Classroomを用いたオンラインでの動画配信などに取り組んでいます。そこで、どうしても答え合わせに時間がかかっていたスパイラルシートを、動画で解説することにして、生徒には宿題で問題を解き、答え合わせはGoogle Classroomを視聴して答え合わせをして、提出する形をとることにしました。まだ始めたばかりなので、どのような成果が出るかはわかりませんが、とりあえず 続けてやっていこうと思います。

上智大学生の感想文の中から。

1.北原メソッドは先生ではなく生徒が主体になっていてとても生徒を気遣っている教え方である。

2.生徒に興味を持たせるタスクであふれており、退屈になる時間がない。

3.ライティングノートも量が多いように見えるけれど好きな歌詞を書いてもいいと言われるときっと中学生なら喜んで書いたりすると思う。

4.今まで生徒に全力を尽くす先生なんていないと思っていたのに、そんなことないと感じた。

5.従来の、教科書の説明を淡々とし、必要とあらば黒板に黙々と板書する授業でなく、生徒の反応をみつつ、More hints?のように生徒との会話を楽しむため、嫌々教えることがないのではないかと思った。

6.英語は一部の子が楽しめる教科ではないこと、北原メソッドでは、全員の英語力をあげるというのは過言ではない、と感じた。

日本文化紹介について

北原先生が3年間の授業の集大成として、毎回行っている活動の一つであることが改めて分かりました。

私自身も、高校1年生に向けて、英会話授業で高校2年生に向けて、2度ほどこの活動を行いましたが、一部の生徒にしか楽しめる活動ではなかったように感じました。明らかな練習不足だとわかります。

それは、中一から始めて、2年間の活動の集大成として行ってこそ初めて生きるものなのでしょう。即興で日本文化を説明できた英検2級取得の生徒のビデオを見ました。海外での生活経験もある生徒だったりします。そういう自分の力で英語力を身に着けてきた生徒ではなく、授業を通して着実に訓練させ、伸ばしていくのが北原メソッドなのですね。

I.  The overview of the history of English language education in Japan was instructive, and I was interested to learn about Mr. Kitahara’s and others’ experiences of studying English during their schooldays.  I’ve come to the conclusion that all the methods of the present and past — the Communicative Approach, TPR, the Audiolingual Method, the Direct Method and, yes, even the Grammar Translation Method — had and still has something to offer.  The important point for me is that there is no one method, one magic formula among these methods for teaching English.  Each one sheds light on some aspect of language learning.  We can take bits and pieces from them and add our own original insights based on our personal experiences to create our own approach to teaching.  I feel that this is what Mr. Kitahara has done, and it inspires me to do the same.

II.  The “Kitahara Method” itself has transformed the learning experience of countless students and teachers, a fact that was made more evident to me as I was reading the student letters to Mr. Kitahara aloud to everyone at the meeting.  One thing jumped out at me as I was reading: Mr. Kitahara doesn’t simply rely solely on the mechanics of method to teach — he puts his whole heart and soul into it.  I got this impression from the students’ use of a lot of emotional, affective words like “interested,” “excited,” “let us laugh/smile,” “encouraged,” etc.  He may have looked like a “grumpy landlord” at first (by the way, I never thought so!), but students soon discovered Mr. Kitahara is a funny, warm-hearted teacher who genuinely cares about them.

III.  I was thoroughly impressed (and entertained!) by the performance of the 3rd graders in the “Secret Family” play.  Performing in skits, dramas, and comic story retellings, although very challenging, are wonderfully effective ways for learning and expressing oneself in another language.  I’ve been a judge many times at contests, and one common issue with students is clear pronunciation, but with these students in the “Secret Family,” there was no such problem.  If I had been judging the play, I would have given high marks for pronunciation.

IV.  The “Explaining Japanese Culture” speaking test, is one I have had the pleasure of doing many times myself, thanks to one awesome teacher I know who is a proponent of the Kitahara Method.  The number and variety of expressions the 3rd graders in the video could produce were truly astonishing.  What a great thing it is to see students doing all of the talking, with the ALT teacher only having to give the occasional encouraging comment!  It means the students have taken ownership of their learning.  And it means the Kitahara Method really works!  I know this through personal experience, and I have to say that this speaking test is one of my favorites.

0.まず初めに、ジャパンライムスタッフと北原先生からご挨拶がありました。

1.その後に、自分が受けてきた英語教育というテーマについて、周りの人と話し合う時間がありました。

私はA県出身ですが、私の中学生、高校生のときの英語授業は主に、教師が日本語で本文を解説していく授業でした。

音読活動、ペア活動、コミュニケーション活動は少なかった気がします。黒板をきちんと写して、毎回出せば大丈夫だという風に思っていました。内容は全く覚えていません。

2.日本における英語教授法の歴史、Grammar translation method, Direct Method, Audio-Lingual Method, Total Physical Response,Communicative Approach,の特徴を学びました。

日本の英語教育は Total Grammar translation methodから徐々に現在Communicative

Approachになってきたこともわかりました。

3.北原先生の授業について学生からの感想を読む時間がありました。読んでみて、特に共感できる部分がありましたので、下に書きます。

(1)わたしは、昔から英語の教師になりたいと思っていましたが、中学校で教えるよりも高校で教えたいと思っていました。

なぜなら、中学の英語は高校の英語の土台になるものであり、中学でしっかりと教えることができないと、生徒はそのあとずっと英語で苦しむことになるため、

責任が大きい。

(私自身も高校希望でした。なぜかというと、オールイングリッシュでレベルの高い英語を教えたいと思ってたからです。しかし、中学校の教員になり、一年生を教えて、とて楽しいなと思いました。子どもたちはとても素直で、授業が良かったときはすごく積極的に取り組み、授業準備不足で悪かったときはすぐに子どもたちの態度に表れます。そのため、それぞれの生徒の能力を把握し、わかりやすく細かく指導する必要があると思います。中学校で教えていて、常に自分の授業力を磨かなければならいと気付かされます。)

(2)北原メソッドは生徒に興味を持たせるタスクで溢れており、退屈になる時間がないという点です。自分が中学生の時を振り返ると、やはり教師の一方的な

授業でしたし、教科書を写してきてという宿題ばかりでした。

(私自身も全くそのような授業で正直、楽しいと一度も思ったことなかったです。)

4.中学生による作文

生徒たちの作文を読んでみて、英語力が高いとすぐにわかります。北原先生にしっかりと鍛えられているなと思いました。

5.3年生のスピーキングテスト「日本文化をJ先生に紹介する」

映像を見せて頂きました。生徒によるパフォーマンスを見て、感動しました。会話に慣れていて、日頃の授業ではしっかりとスピーキングの練習をしているなと伝わります。

6.じゃれマガ

じゃれマガの使い方を教えて頂きました。また3年生の授業を受け持つ機会があれば、必ず使ってみたいと思いました。

0.北原先生からのご挨拶

北原先生がお久しぶりの仕事ということで、とてもパワフルな笑顔でいらしたのが印象的でした。身に付けてらした魚の名前入りマスクは、浜島書店の方からのプレゼントだそうです。保冷タオルもおすすめしてくださいました。

また、参加者同士が話す際にも、体を完全には向かい合わせにしないことや、話し合いの最中には顔がうつっても大丈夫かどうかなど、今までとは状況が違う点があっても参加者が気持ちよく参加できるよう心配りをありがとうございました。

1.自己紹介と自分が受けた中高の授業の紹介

・幼少期は、世界の国名や国旗が載っている本を見て覚えていた。

・中学入学後、英語の授業は書いてはうつす授業で、成績は3年まではずっと3だった。しかし、モンキーズに興味をもってからは歌が流れる時にひたすらディクテーションをし、レコード店の歌詞カードを見て覚え、歌がぴったり合うまで歌った。テストは歌詞カードよりも簡単で、3年生で5になった。

お話を聞き、外国の文化に対する興味が英語を学ぶ原動力となり、聞いて、書いて、読んで、歌って(話して)と、4技能をフルに使って英語に触れることで、英語の力が身に付くことを改めて実感しました。

2.近年の英語教育の動向 「みんなの英語ひろば」より紹介してくださいました。

Grammar Translation Method

1800年代から使われていました。新渡戸稲造など、当時の人々が書いた英語は素晴らしいそうです。読んだことがないので読んでみたいです。また、お話を聞いていて、昔は今より人の行き来がまだ少なく、外国の情報を得るためには「読む」手段を使うことが一番多かったのではないかと思いました。さらに、近代化する日本が外国の情報や様々な方法を国内に行き渡らせるためには、翻訳が不可欠だったのではと思いました。

Direct Method

ネイティブスピーカーによる教授法です。

Audio-Lingual Method

音声から入る教授法です。

Total Physical Response

ジェスチャーなどを用いる教授法です。ちなみにですが、昨年度の海外研修の学びの中で、生徒によって言語を習得しやすい方法が異なり、視覚、聴覚、動き(身体活動)の3通りあるそうです。身体活動から入るのが得意な学習者をkinesthetic learnerという、と学びました。

Communicative Approach

日本では70年代からスタートしており、メソッドと呼べるほど確立されていないため、アプローチとなっているとのことでした。

※メソッドは確立されているものを指す言葉だと今回初めて知りました。北原メソッドは確立された教授法なので、アプローチではないということです。

A北原メソッドを学んで(大学生からの感想)

紹介された文章には北原先生がすでに下線を引いてくださっていたのですが、さらに印象的だったものを例会では担当を割り振り発表しました。

特に印象に残ったものを書きます。

・Picture describingの記述のところで、「この活動の最も良い面は、皆が平等に、他人の発言を聞くことができ、自然に自分のものとしてインプットできることだと思う。長い文を作らなければならない訳ではないので、苦手な子にとっても心理的プレッシャーが低くなる。」(上手な人がひたすら話す状態ではなく、自分で0から生み出す訳でもないからこそ、英語を使うことに自信をもちやすいのだと思いました。)

・「真似をしていくことで上手くなることができるというのは北原メソッドで学んだことです。」(実際に、生徒のスキットでよかった作品を生徒たちに見せたら生徒たちの意識が高まったように感じます。本当にその通りだと思います。)

・「中学1年生は例外的なスペリングは正確に書けなくてもいい」(北原先生は、「入試において、つづりが違うことで問題がすべてバツになるかというと、ならない。単語テストでみんな英語が嫌になる。」と話されていました。私たちも、漢字が分からない時は辞書を引きます。単語を正確に書けるようになることは、言葉を使う上で優先順位が低いことだと改めて思いました。)

B 中3の3学期でここまで書ける!3年生3学期末テスト「先生への手紙」

3月の例会で見せていただきましたが、何度読んでも生徒たちの書く力の高さに驚きます。何より話したい内容がつまっているところが、それだけ授業に取り組んできたからだと感じました。50分間で、英和・和英辞書は持ち込みOKで、教科書は持ち込んではいけないとのことです。また、書いた生徒の英検の順位も書かれていましたが、赤坂中では準2級が標準だそうです。

C 中3の2学期でここまで即興で話せる! 3年生2学期スピーキングテスト「日本文化をJoel先生に紹介する」

3年生の最後に行うテーマフリーの自由スキットを見せてくださいました。いきいきとした姿に、今教えている生徒たちにも、こんなふうに英語でスキットをできるよう自分が指導力をつけたいと思いました。

日本文化紹介は北原先生にとってのスピーキングのゴールで、20数年前からやってらっしゃるとのことです。2学期の9月の最初の授業から毎回2つずつ紹介する文化を取り上げて1週目はペアであてっこ、2週目はペアでもっと説明するのに良い言い方がないか考える、3週目は1人で・・というようにステップを踏んでやってらっしゃるそうです。スピーキングテストの日には、J先生が見せるカードに書かれた日本文化を紹介しますが、授業で行っていないものも含まれています。とにかく生徒たちがとにかく何か言って伝えようとする、カードによっては、言いたいけどうまく言えないと悪戦苦闘する姿が印象的でした。しかし、外国に行って外国の友達に一番質問されるのは日本文化なので、(私は「タイ焼きって何?」と聞かれたことがあります。)この活動はぜひ3年生を受けもっている今年度、自分も挑戦したいと思います。

現在、日本文化紹介の下地のような活動を行っています。読みトレとmikiノートの本来の使い方とは違うのですが、ライティングノートのページに、読みトレで日本の文化が紹介されているタイトルを抜き出し、その文化を説明している文を文中から1~2文選び、書き写すという活動をしています。自然な表現に多く触れるという目的です。選んで写すのが難しい生徒もいるのですが、続けていこうと思っています。

北原メソッドの成績

英検準2級以上の取得率が年々増加していました。語彙サイズが非常に重要で、3級は1200語くらいで受かるのですが、準2級は2400語が必要とのことです。平成25年度に赤坂中3年生だった生徒たちは、平均2900語を知っており、トップは6000語知っていたそうです。語彙の豊富な生徒たち、アンケートを集計された先生、皆さんに対してすごいと思うばかりでした。赤坂中が港区でトップの成績であるのも納得です。

「中学の英語は頭の良し悪しではなく、やれば必ずできる」、「(観点別で)表現の能力が高いのは、音が頭の中に入っていて、語順が入っているからミスが少ない」というお話を受け、改めて音の大切さに気づかされました。

じゃれマガの実践

最後に、じゃれマガをやって終わりました。自然な表現や語彙に触れられ、かつ力を伸ばすことができるということで、生徒たちには読みトレを使っていますが、生徒たちだけではなく、自分も磨かないといけないので送ってくださったものを読んで勉強していきます。生徒たちにも読んでもらえるような授業の組み立てをしたいです。

*Discussing Our English Education*

With English being my native language, I talked about my experience learning Spanish. As Spanish is the second most spoken language in the US

(41 million native speakers, or 13% of the entire US population), most American students learn it as their foreign language.  I was taught Spanish twice a week as an elementary school student. Lessons were mostly vocabulary-based and my teacher introduced us to art, music, and culture from Spanish speaking countries like Mexico, Spain, and Guatemala. We also learned simple conversational expressions, such as how to introduce ourselves, how to talk about the weather, or how to describe our feelings.

Once I became a junior high school student, I had Spanish class every day and learned the present, past, and future tenses. At this point, I could speak at a basic level. Lessons became more difficult in high school as we learned more advanced grammatical tenses like the present-perfect, pluperfect, and the subjunctive. But I had really great teachers who introduced me to authentic materials like Spanish poetry, art, and music. I still listen to those songs on my iPod today. I was also able to study abroad in Spain during the summer of my third year.

*Trends in English Education in Japan*

Mr. Kitahara outlined the timeline of ESL teaching methods in Japan.

“Grammar Translation” was the predominant method, beginning in the 1800s and stretching all the way to the 1960s. From the 1940s, the “Audio-Lingual” method was introduced, which emphasizes oral practice but does not focus on meaning.  Later, “Total Physical Response” was incorporated, which involves using the whole body and gestures. Finally the “Communicative Approach” was introduced in the 1980s and is currently being used today.

*Impressions on Mr. Kitahara’s Teaching Style from Sophia University

Students*

We looked at many comments from Sophia University students regarding the Kitahara method. Many remarked that the plays and skits made their English learning experience more active and helped them to become more familiar with English expressions.

*Impressions from Mr. Kitahara’s 3rd Year Students* We read letters written in English to Mr. Kitahara from his third year students.  They were really funny because they were so honest.  Many admitted that they felt Mr. Kitahara was scary at first but they learned a lot from him because he really pushed them to do their best. This is also reflected in how well their letters were written (very few mistakes!).

*”The Secret Family” Movie and Japanese Culture* We watched a short movie by Mr. Kitahara’s students.  They really seemed to be enjoying themselves and had the chance to be creative while sharing traditional Japanese stories like “Momotaro.”

We viewed the Japanese culture speaking tests between students and Mr.

Joel. I was impressed by how smoothly students could speak and their energetic voices.

*Jar(rell) Maga(zine)*

We read some past *Jare Maga* issues and graciously received a mini book of

100 stories from 2019.  Now that I’m in charge of my own classes, I hope to use *Jare Maga* in my lessons as it is an extremely useful tool and relevant to current events and students’ interests.

1. 中高授業の紹介

どんな授業を自分が受けたか、ディスカッションしました。私は自分の中高の授業のことをあまり覚えていないのですが、中学のときはLL教室でフォニックスやチャンツの映像を見ながら歌ったこと、自分の声を録音して聞いたり、ヘッドフォンを通して席の離れたクラスメートと音読の練習をしたことです。高校では訳読式・講義型の授業で、自分があたる前は緊張し、それ以外はひたすらメモを取っていた記憶しかありません。英語の授業は中2から習熟度別クラスに分かれ、定期試験ごとにクラスの上位と下位が入れ替わるので、上位のクラスに居続けられるように、必死でした。おそらく音読も練習したのでしょうが、本当に記憶にありません。

2. 近年の英語教育の動向 (講義)

 「みんなの英語ひろば」というサイトに英語教授法の変遷が示された表があり、また各教授法のサンプルビデオを見ることが出来ます。

1800~1960年ごろ:Grammar Translation Method、日本人が教えるという点では効果的であった。新渡戸稲造など、過去の達人が書いた英語はすごい。

1880~1930年ごろ:Direct Method 、ネイティブスピーカーが教える授業

1940~1960: Audio-Lingual Method

1960~1980:Total Physical Response (TPR)、全身を使って教える方法(ジェスチャー含む)

1960~: Communicative Approach  (日本に入ってきたのは実際は70~80年代)

*Method とは確立された学問であるが、Approachはまだそこに至っていない段階のもの。北原メソッドは、確立しているので、アプローチではない。

3. 2019年度秋学期英文科 北原メソッドを学んだ学生のコメント

学生のたくさんのコメントをレジュメに載せて頂き、それらを読み印象的だった文に線を引き、参加者が前に出てそれを読み上げる形式で進みました。一部抜粋して記載します。

・日本の英語教育に関して抱いていた疑問点が解消された。日本の英語教育の問題点を解決する画期的な方法だ

・生徒の映像や数値的結果を用いて教えてくださり、こんなにも身になる授業をやっている先生がいるのだと衝撃を受け、非常に説得力のある授業だった

・単語テストをやめた、教師と生徒の向き合い方に関して考えさせてくれる授業だった

・生徒に興味をもたせるタスクであふれており、退屈になる時間がない

・単語の教え方や、教科書のダイアログをノートに写さないこと、ロールプレイイングなどを頻繁にすることなど、自分が過ごした学習環境との大きな差に驚いてばかりでした。

・自分と同じ、日本人の先生が英語で授業することは、実現可能な目標を与える存在になれると思う。

・全員が常に能動的に参加する機会があるため、飽きてしまったり、授業を聞かなくなってしまう生徒を確実に減らすことができる

・何か一つの機能に特化した活動でも、他の3技能も同時に確認できる、1つの統合された柱に焦点を合わせている活動

4. 中3の3学期でここまで書ける!R元年度3年生3学期末テスト「先生への手紙」

生徒がテストで書いたものを読みましたが、どの生徒も相当の量の英文を書いており、また文面から、授業でやった活動について生徒がどう感じたのか、どう成長したのかを読み取ることができました。印象的だったのは、スキットの出来具合が過去最低だった学年だったとのことですが、

Mr. Kitahara said “This skit is (the) worst at Akasaka junior high school. But I hope next skit is (the) best.”  Mr. Kitahara gave us a chance again and again.

と、生徒を信じ、何度も機会をあげたことです。最後まであきらめずに、信じる力、それにこたえる生徒の力。私もこんな風に授業をしているだろうか、しなければ、と思いました。

5. 3年生2学期スピーキングテスト

日本文化紹介の生徒映像をいくつか見ました。お題は、ひな祭り、潮干狩り、梅雨、お中元、盆踊り、月見、初詣、お年玉、節分、押し入れ、げた、浴衣、寿司、畳、さらに授業ではやっていない初見のカードもあり、生徒は

3つ以上のキーワードを使って、文で説明をする。

9月から毎回2つのお題をペアで練習。1週目は、背中合わせになり黒板のお題を見た生徒が説明し、教室の後ろ側を向いている生徒が当てる形式。2

週目は、ペアで、もっとよい言い方はないか協力して取り組む。3週目は、一人でやる。

英語力はあるが、授業でまじめに活動に取り組まなかった生徒は、たくさん話せてはいるが表現は生徒毎に異なる。比較して、数年前の授業にまじめに取り組んだ生徒たちの映像では、あるお題に対して生徒が使用する英語表現はほぼ似ている、との生徒映像解説でした。

北原先生の3年間のスピーキングのゴールはこれだということですが、果たして自分は何を目標に据えて日々生徒に指導しているのか、もう一度考えてみます。

6. じゃれマガ

「毎日じゃれマガをMLに送っているから是非使ってね。そのまま使ってもいいんだよ。」と仰ってくださいました。勤務校では予習が必須となっており、生徒は英文を読んできているので、毎授業で新しい読み物を少しでも導入できるのはありがたいです。休校明けの短縮授業で、今は余裕が全くない状況ですが、担当している中2には力試し、高2には簡単すぎるところがありますが、正確に短時間で速読できているかの確認として、今後導入していければと思いました。

 【1】英語教育の歴史

北原先生「どんな英語教育を受けてきたかを話し合って下さい。」

北原先生「中学生の時、英語の授業に失望し、好きだった英語の歌とぴったりと同じにようになるまで歌った結果、英語の成績が3から5に上がった。」

北原先生のこの話を聞いたとき、「どうしたらリスニングの力がつきますか?」と質問した高校3年生の生徒のことを思い出した。

(以下、私の実践)

「聞く英語と自分が話す英語の違いをなくすこと。同じぐらいのスピードかそれよりも早くを目指し、発音の質を高めることが大事。

文になると単語と単語がどうくっついた音になるかに注意すると、意外に話すスピードが速くない事にも気がつくはず」とアドバイスしてしばらく経った頃、報告に来た。a lot of などの自分が聞き取れなかったフレーズを次々に上げながら、「自分の話す英語を録音してnativeと聞き比べていますが、この学習方法は正しいですか」と尋ねられたので「偉い!」と褒めて、そういう緻密な比較を続けるようにアドバイスした。

【2】上智大学の学生によるアンケートから

学生一人分ずつ割り当てられたアンケートから、特に印象に残った部分を前に立って発表した。

「こんなに破天荒に見える教え方」

「例えば中学1年生は例外的なスペリングは正確にかけなくてもいい、と聞いたときには、どんな時もスペリングを間違えるとバツがつけられた私のテストと真逆だったので、そんなことで中学3年生になったときに受験などできちんとしたスペリングが書けるようになるのだろうかと思いました。」

「ほどよい負担をかけながら教えるために考えられたメソッドだと思いました。」

「例えば授業中には生徒に遊ばせる時間(何もさせていない時間)を作らない、何かしら書かせる作業をさせるなど生徒に負荷の高いことを要求する代わりに、例外のスペリングはテストで書けなくてもOKというように、生徒が折れないレベルの負担をかけられる方法だと思います。」

北原先生

「東京都では高校受験で綴りを間違えると全部バツになるかと考えるとそうではない。

それよりも語順を間違えないように繰り返し練習させた方が良い。

コストパフォーマンス的にもそうするべきだ。」

【3】「日本文化紹介」中3の2学期でここまで即興で話せる

パフォーマンス映像2019年度の生徒

3人とも2分間で8つの説明

2020年度の生徒「できない」生徒が7つの説明

トップレベルの生徒が13の説明

北原先生

「できない生徒は1年生の時に不登校だった。(以下、他の不登校生の説明?何れにしても、1年生で不登校でも2年生からでも頑張れば間に合うという話。)学校の前でスパイラルシートを受け取る1年間だっだが、2年生から合流。暖かい学年で、何をやっても遅かったり、積極的に間違えるその生徒を受け入れて辛抱強く待っていた。文法で必ず1年生に戻ったのは大きいと思う。You’ll be better. といつも言ったが、本人は興味を持ってやっていたと思う。入試も高得点を取ったとの自己採点の通りの良い出来映えだった。」

「2学期11月(6・8日)にスピーキング・テスト。9月から準備を始める。毎回授業で2つずつ取り上げて3周ぐらいやる。1周目は当てっこ。2週目はペアで協力して説明。もっと良い表現を考えさせる。3週目は各自でやる。試験の1週間前に(クラスで出し合った)Key words集をわたしてスピーキング準備をさせる。早すぎると書いて覚えようとしてしまうから。」

*よく練習する学年だと、同じKey wordsを使うが故に、クラスの多くが似たような説明文になるというように北原先生の説明から想像した。

(以下、私の実践)

この活動を高校生にさせた意味。

内容的な重要性の他に、①西洋式の説明方法、generalからspecificへの流れで言えるようにする。

②語順があやふやな生徒がいるので、語順を練習する。説明で必要な後置修飾を使う。下準備で、授業で事前に違う英英辞典を引かせて読み聞かせを生徒同士にさせたり、Wikipediaの説明を何度か見せたときに、説明の手順にも注目させる機会を敢えて作る。高校では、授業の余った数分を利用して準備できる。勿論、最後に時間を余らせる工夫と、状況によって、お題が2つではなく1つにする柔軟性が必要。高校生はお題を見ると「え~っ何て言ったら良いのだろう」と盛り上がった。2週目では、ペアで当てっこをさせようとしたところ、上手く動いていない様子だったので、「2人で協力して2人とも説明できるようにしなさい」と急遽変えた。なおかつ、途中で、Key wordsを言ってあげながら止まった生徒を助けた。3週目は、授業で扱っていないお題を抜いた「お題集」をパワーポイントで作り、モニターに写されたお題を見ながら、各自で次々に説明練習をさせた。本番では、授業ではやっていないお題を混ぜたパワーポイント教材を使った。カードをめくるのが、不器用な私にはスムーズではなかったので、パワーポイントを使うことを思いついた。

【4】「じゃれマガ」について

毎日北原先生が作って下さるじゃれマガから学ぶことは多い。私がいつも悩むのは最後のQuestionである。「この記事で一番言いたいことは何か?」を中心に考えるが、時には、remindやpreventなど、生徒に馴染んでもらいたいと作問時に考えていると、思考がその方向に引っ張られる場合もある。

(以下高校での実践例)

所謂「英語教室」ではなく、各教科の教師が教室を移動する環境では、授業毎に「じゃれマガ」を実践する環境づくりが必要。私の場合、大きなカバンに半日分の準備物を朝セットして、早めに教室を移動しては必要な掲示物をマグネットで黒板に貼っていた。

間に合わない時でも、最初に歌を歌っている最中に準備完了。

  • 掲示物の作成(マグネットで黒板にすぐに貼れるようにする)

「不定詞

1. 【名】□の動 to … すること

2. 【副】文 to … ~ために

□の形 to … ~して

3. 【形】□の名 to … ~ための

    ~しなければならない」

「現在完了・過去完了

1. 完了 ~しちゃった

2. 継続 ずっと…

3. 経験 ~したことがある」

②ストップウオッチ付き時計(赤坂中の黒板についていたようなもの)

③各自でWPMが記入できる記録用紙・語数と秒でWPMが分かる一覧表(エクセルで作成)

一覧表は、語数を多めに作っておくと、じゃれマガ以外にも活用できる。

④「じゃれマガ」の加工

不定詞と完了形について、高校では、中学校の教科書に戻す代わりに、上記掲示物を使って、生徒には指の本数で答えさせる。他に、使役動詞・知覚動詞、分詞構文を含む場合は必ず触れている。私の場合、数回分溜まった中から、授業内容に合わせて、内容や文法で繋がりがあるものを選んでいる。

新生北研

「Overview(学生が受けてきた英語教育とこれからの英語教育。功罪と今後の展望」

講義とディスカッション。

中学3年生3学期の「先生への手紙」と中学3年生による「日本文化紹介」映像(2学期)を視聴することによって中学校英語の到達点を理解する。

1 自己紹介と自分が受けた中高の授業紹介(良かった点、改善点)

北原先生が受けてきた授業では、先生が説明をして、板書、写す授業だった。英語の勉強をしなくなった。英語の音楽から興味をもつようになった。ラジオを聞いたり、ピッタリになるまで歌う。タケカワさんは「ピッタリ歌えると歌手の声が聞こえなくなる。」と話している。中学2年生ごろから発音が良いと言われるようになる。歌詞カードに比べて、教科書の本文が簡単に思えるようになった。語彙力もつき、成績が上がった。

2 近年の英語教育の動向(講義)

2 Background

2.2

昔の英語の達人の英語が素晴らしい。自分で勉強してきた、readingとwritingができる。しかし、globalな世界になり、中高と勉強をしてきても、話せるようにならない。そのため、Direct Method, Audio-Lingual Methodが流行してきた。TPR体を使って学習する。Communicative Approach(Methodは確立された方法論。Approachはそこまでに至っていない)。CAが今流れが根底にある。「みんなの英語ひろば」https://eigohiroba.jp/ のサイトを見てみるとよい。

3 中学生による作文と映像視聴およびディスカッション

A 「英語授業の認識が180度変わった!」~これが北原メソッドの威力だ~

北原メソッドを学んで(2019年度秋学期英文科)

北原先生の学生が書いた感想の中から、印象的だったものを抜き出し、参加者で共有した。

私が抜き出した箇所

「(Picture Describing)の最も良い面は、皆が平等に、他人の発言を聞くことができ、自然に自分のものとしてインプットできることだと思う。」

「得意な人だけ長々と話し、苦手な人は一言しか話さない、というように学力や意識による分断が見られたので、話す機会の差がかなり開いていたように思う。だが、Picture

Describingではそのような問題は発生しにくい。」

「北原メソッドは全員が常に能動的に参加する機会があるために、飽きてしまったり、授業を聞かなくなってし合う生徒を確実に減らすことができる。」

授業をするたびに、学習する機会の差ができてしまうような授業をしてはいけないと思った。それが学力差につながってしまう。そのため、①苦手な生徒も参加できる、他から学ぶことができる、②得意な生徒も飽きない授業をする。北原メソッドはすでにシステムとして、習熟度に応じた指導をしているといえる。

B 中3の3学期でここまで書ける!

令和元年度3年生3学期学年末テスト「先生への手紙」

writingのgoal

C 中3の2学期でここまで即興で話せる!

令和元年度3年生2学期スピーキングテスト

speakingのgoal

関係代名詞を

1 紹介する日本文化

a授業でやったもの

春…ひなまつり、潮干狩り

夏…梅雨、お中元、盆踊り

秋…月見

冬…初詣、お年玉、節分

その他…押入れ、下駄、浴衣、寿司、畳

b授業でやってないもの

何かはナイショ!

1回目、ペアで当てっこする、片方は黒板を向き、片方は背を向けて答える

2回目、もっと上手い言い方はないか、ペアで協力して考える

3回目、自分で考える

4回目、テストの1週間前に家で練習用にプリントを配布する

何度も行うことで、少しずつ自分の言葉で表現できるようになる

学年で1番できない生徒、プレゼンが上手。英語が苦手だが、スキット、PDもめげずに、何度も発言する。それを見て、北原先生が「お前は良くなるよ。」と話し、できるようになってきた。その生徒は、2年生からきているので、語彙が不足していて、文法Aパタンの授業では、いつも終わらない。でも、周りは何も言わず待ってあげられる生徒だった。3年生になってビリじゃなくなってきた。都立入試も80点取ることができた。

ALTもNice work!, Good, Greatなど言ってあげる。

お花見、温泉、駅弁などは授業で扱っていない。上手く言えれば、得点が高い。

<考えたこと>

ジェスチャーは自分の言葉になると自然と出てくるのではと思った。イメージが頭にあり、それを表現しようとしたときに、英語が出ずに、ジェスチャーが出てくる。伝えようとする気持ちが高い。コミュニケーション活動を数多く行なっている証拠。ジェスチャーの指導もしているが、それだけではない。ジェスチャーは教えたらできるものではなく、教えた後に、伝えようとするから自然とジェスチャーが出てくる。英語劇は「劇」なので、演じているが、気持ちや考えを動きで表現することができる。まずはメッセージがあるか、アイデアがあるかが大切だと感じた。

参考 北原メソッドの成績

1 英検準2級以上取得率

3級:語彙1,200語程度。準2級:4,000語程度であるが、6割で合格だと考えると2,400語程度。北原先生が生徒の語い力を調査した結果、平均値が2,900語、トップは6,000語だった。

平成30年度56%過去最高!公立中学校日本一

2 平成28年度3年生2学期評定

3 平成28年度港区学力調査結果(4月実施 3年生)

4 平成28年度東京都学力調査(7月実施 2年生)

中学校の英語は頭の良い悪いは関係ない。やればできる。観点別結果は表現の能力が高い。中学レベルは音が入っていれば結果が出る。語順を間違えることがない。

5 生徒の英訳による英語劇制作(3年生2学期)

□北原先生 挨拶

魚の名前入りマスクがとても素敵でした。また首にクールタオル?を巻き、先の部分をマスクの中に入れると涼しくて快適だと紹介してくださいました。

1.中高時代に自分が受けた英語教育について

北原先生

幼いころアルファベット、国旗と国の名前を覚え、世界に興味がわいた。しかし、学校では黒板を写す授業だった。勉強をやめた。モンキーズを見て音楽が好きになり歌詞を知りたいとレコード屋へ行き歌詞カードを覚えた。FENも聞いた。テープレコーダーに録音した。中2くらいのとき、テストが簡単だと感じた。

高校では都内でも英語教育のレベルの高い高校だった。論理的に読む力がついた。

2.Overview(学生が受けてきた英語教育とこれからの英語教育。功罪と今後の展望)

これまでの英語教育の歴史についてエクセター大学の論文からの抜粋を読む。

・Grammar-Translation Method

海外の文化を取り入れて新しい日本を作るために取り入れられた。当時ネイティブがいなかったので日本の先生が教えるには効果的だった。当時は優れた学生が勉強するには良かった。日本人の英語の達人、例えば新渡戸稲造の英語。発音だけではなくリーディングがすばらしい。しかし、日本の英語教育は10年間英語をやっても使えないと批判されている。

・the Audio-Lingual Method

耳を大切にして行う。

・Total Physical Response

 身体を使って行う。北原メソッドのジェスチャーはその一部。

・Communicative Approach

Approachはまだ確立されていないもの。

※上記の教授法はHP「みんなの英語ひろば」にどんなものか3分くらいで動画で授業が見られるようになっている。

3.中学生による作文と映像視聴およびディスカッション

A「英語の授業の認識が180度変わった!」~これが北原メソッドの威力だ~

感想文 北原メソッドを学んで(2019年度秋学期英文科)を読んで各パラグラフごとに自分もそう思うところに線を引き一人ずつ発表。

以下、私が線を引いたところです。

・生徒に生徒が主体、生徒を気遣った教え方。

・英語力が身に付くし、生徒に暇な時間がなくそれでいて楽しいものだった。

・帰国子女でない生徒が転校先で帰国子女に間違われるくらいの英語力。

・4機能全てが身につくやり方

・そもそも教える側の教員が正しい発音を理解していないのではないか

発音を意識していない、できていない。負の再生産になってしまう。

北原先生のコメントから

「つづりは書けなくていいよ」「入試での配点は何点ですか。」「綴り間違えて全部×にしますか。」Noとなるとつづりを書けることに比重を置く必要はない。コストパフォーマンスを考えること。単語テストをやるといやになる。(会場でも単語テストが嫌だったとみんな答えていました。)

赤坂中の発音について

小学校で一緒で海外に行って帰ってきた生徒が自分より発音がよくて悔しくて泣いた。暴れた子もいた。

(確かにコストパフォーマンスのことを考えてもスペルに重点を置く理由はないと強く思いました。)

〇中3三学期でここまで書ける

令和元年度3年生3学期学年末テスト「先生への手紙」about 北原先生

生徒の作文を読む。生徒が50分で英和和英辞典持ち込み可で書いたもの。

G先生とJ先生の朗読聞く。(オンラインで配信されます。)

(ネイティブの先生の朗読を聞きながら生徒たちの北原先生への思いが伝わってきて感動しました。

関係代名詞もたくさん使い英文の数も多く42文書いている生徒も。英検3級以上の英語力だと思いました。)

★休憩後、スキットの視聴。

タイトル「Secret Family」

今年は英語劇は無理だということで自由スキットの1位の生徒だけ港区の発表に出場

(絵本の読み聞かせをしている設定で桃太郎、おむすびころりんなど次々と展開していきますが、映じている生徒はとてもリラックスしていて演技を楽しんでいました。観客側からも笑い声が聞こえ会場全体が盛り上がっているのが伝わってきました。)

〇中3の2学期でここまで即興で話せる

3年生 2学期 スピーキングテスト「日本文化をJoel先生に紹介する」

生徒のスピーキングテストを視聴

単語だけでなく語順を間違えることはなく、2,3文で説明。

わからないときはLet me skip it.と言っていました。

テストまでの流れ

9月から3週間かけて行う。

1週目

黒板にお題の言葉を書く。例えばひなまつり等ペアであてっこする。

2週目

さらに具体的にペアで説明をする。

3週目

一人で言ってみる。

みんな同じパターンで言っているのがわかる。はじめはセリフを覚えて自分の言葉になってくる。

1週間前に単語集を配る。初めから配ると見て単語練習してしまう生徒がいる。

制限時間内にたくさん言えた人は配点が高い。

4.北原メソッドの成績

①平成30年度 英検準2級取得率56パーセント 過去最高、公立中学校日本一。

語彙力が大事。英検3級は1200語。英検準2級は4000語、赤坂中では2950語

(生徒に辞書のA~Zまでの知っている単語に線を引かせ、集計したもの。)

②評定が1,2の生徒はゼロ。

③平成28年度港区学力検査結果では全国平均との差が19.6点差と大きく上回っている。

④平成28年度東京都学力調査では、観点別結果がと平均正答率との差が24.2点も上回っている。

ライティングをたくさんやっているわけではない。音を入れてからoutputするので作文していないのに書ける。語順を間違えない。

〇最後に北原先生によるじゃれマガの授業を体験しました。

Hands up!で始まり、全員手を挙げたところでスタート。

読んで問題の答えに線をひき、答える。先生が読み、質問を3つされました。

WPMを計算する。

1 これまでの英語教育を考える  北原先生がエクスター大学で学ばれていた時の論文の一部を読み、英語教授法の歴史を振り返りました。今日の参加者自身が受けてきた英語教育をシェアしました。現在の主流は、Communicative ApproachがベースになったCommnicative Language Teachingですが、昔は、Grammar Translation Methodによるものでした。我々自身もそのような授業を受けてきたのではないでしょうか。 明治時代の達人(例えば新渡戸稲造)などが書いた英語をよんでみると、なかなかのWriting Skillだそうです。(早速Kindleで「武士道」を見てみました。「昔の人がこのレベルの英文が書けたのか」という驚きです。)昔からの日本の学習法では、writing, readingに重きが置かれ、その結果、長年英語を学習しても話せない、使えないという現象が生まれてしまいました。参考資料:http://eigohiroba.jp/t/309#toc0

2 上智大学学生が北原メソッドを学んだ感想から 学生さんの感想の抜粋・北原メソッドで変わっていく生徒の映像を見て、日本の公立中学生とは思えないほどすらすら と英語を話す生徒たちの姿がありました。・北原メソッドは、日本の英語教育の問題点を解決する(しかも生徒にとっても教師にとっても最低限の負担で)画期的な方法。・生徒の映像や数値的な結果が北原メソッドの効果を教えてくれる・北原メソッドがあれば、自身を持って中学生に英語を教えることが出来そう・1週間で何十個も単語を覚えさせるのは非効率的・北原メソッドは生徒が主体になってとても生徒を気遣っている教え方・生徒自身が「学びたい」と思えるような授業・生徒に興味を持たせるタスクで溢れており、退屈になる時間がない・スピーキングのアクティビティを頻繁にしている・北原メソッドは驚きの連発で、Bパターンは想像を絶した・Picture Describing が印象的。想像力も駆使、自由に話すことができる。皆が平等に、他人の 発言を聞くことができる。自然に自分のものとしてインプットできる。一つ一つの分が短いので、当てられる数が多く、短文のため、他人の良い発言を自分のものに取り込める。・Aパターンは毎回復習から入る。ヒントを与えて帰納的に教えるため、特に英語が得意な生徒にとっては言語センスの向上にも寄与する。・音から入ってspellingはその次に覚えるという形式をとっている。覚えることが最低限。・比較的経験の浅い先生であっても、真似していく過程のなかでそれを少しずつ可能にする。・英語は一部の子が楽しめる教科ではないことに気づいた。・北原メソッドのやり方を理解してその通りに行えば個人差はあれど、良い授業ができる。

3 音声を軸に学習してきた3年生が書いた英文  ~中3の3学期の「先生への手紙」より~  中3の3学期学年末テストで行う、手紙文を北研の先生二人が読んでくださった。 会場からは、その温かく、ユーモアに溢れた内容に度々笑が起こった。辞書だけを持ち込んで書き上げた、生徒の手紙は分量も一文一文の長さも圧巻で、音声を重視して積み上げた第二言 語習得の中学においての最終形を示していると思う。生徒の英文には、たくさんの楽しかった英語の授業での内容が盛り込まれており、北原先生のことも、愛情たっぷりに面白おかしく描写している。複文、関係代名詞、不定詞等を駆使した英文で、本当に書きたい内容があれば生徒はこんなにも表現豊かに描写するということ、音声を主体にたくさんのタスクをこなしてきた生徒は、こんなにも英語表現を自分のものにしているということがわかる。いつも思うのは、日本人にありがちな語順のミスが一切見られず、また苦手とされる時制の扱いも見事にものにしているという点である。

感想 久しぶりの北研に参加することができました。やはり、有意義な時間で、あっという間に過ぎてしまいました。「北原メソッド」を行いながら、毎年毎年発見や修正があり、例会に来ては、気づくことがあります。コロナウィルス対策で、完全に「北原メソッド」を行える状況ではありませんが、生徒の立場になり、楽しく力のつく授業をしていきたいと思います。たくさんの学びをありがとうございました。

0 北原先生の登場!

魚好きの先生にお似合いの魚の漢字が書かれた手作りマスクと、そのマスクの下に冷感タオルをはさんだ先生が登場しました。お元気で、何よりもエネルギーを持て余されていらっしゃるようで、北原先生は本当にすごい!と圧倒されました。

1 自己紹介と自分が受けた中高の授業の紹介

 北原先生からのお話。幼少期に隣の家のお姉さんにアルファベットを教わってから、世界の国旗を覚えたりして世界に興味を持ち始めました。しかし中学校に入学すると、先生が説明をし黒板に書いて生徒がそれを写すという授業だったそうです。TVでモンキーズを見て歌詞の意味を知りたくなり、近所のレコード屋で歌詞をチェックしたり、ラジオで米軍放送をテープに録音したりして、歌詞を書き起こしていました。歌詞が分からない時は、レコード屋に再び走ります。また、原曲とぴったり歌うことを心がけたそうです。ぴったり歌えていると原曲が聞こえなくなるとのことです。そして、中学2年生になると先生や友人から発音をほめられるようになったそうです。成績も伸び、実際テストも簡単に感じるようになっていたそうです。高校ではGrammar Translation Methodでしたが、論理的文章を読む機会がたくさんあったとのことです。

 次に、近くの先生方と中高の英語の授業について振り返り話しました。私は中学校の時に「ヒアリング」がありましたが、ほとんど覚えていません。ペアワークはパターンプラクティス的なものを少しやっていますが、当時は口に出した英文は頭に残らないなあと思っていて、紙面で読み書きした方が覚えやすいと思っていました。そもそも自分で頭を使って発話したり、伝えたくて発話したものでもないので当然かもしれません。クラスメイト全員の前でスピーチする機会はありませんでした。高校では、ひたすら読解したり文法問題に取り組みました。

2 近年の英語教育の動向

英語教授法の歴史について教えていただきました。「みんなの英語ひろば」から引用のグラフを参考にしています。https://eigohiroba.jp/t/309#toc0 Grammar Translation Method, Direct Method, Audio-Lingual Method, Total Physical Response, Communicative Approachなどの移りかわりがわかりました。みんなの英語ひろばでは各教授法の動画も見られるそうです。

3 中学生による作文と映像視聴およびディスカッション

◎上智大学の学生さんの北原メソッドを学んだ感想を読みました。

私は自分が担当だと思って読んでいた部分で、下線を引いたところについてお伝えします。

「どのような授業が生徒にとって面白いのか、また教員は授業内でどのような役割を担うべきなのか」「生徒自身が“学びたい”と思えるような授業」「退屈になる時間がない」という箇所です。北原メソッドは、生徒の興味や関心を引き出して「学びたい」と思える授業であり、生徒が参加して作りあげていくような授業(でも実は先生の巧みなコントロールの上に成り立っているが、生徒には自分たちがやっているという達成感がある)だと思います。毎回4技能5領域がフルで活用できる授業です。

◎中3の3学期でここまで書ける!

令和元年度3年生3学期学年末テストより「先生への手紙」。英和・和英辞典を持ち込み可能のテストです。

G先生とJ先生による朗読で味わいました。生徒の思いが痛いほど伝わってきました。感動しました。Writingのゴール、北原メソッドでここまで達成することができるという証です。

◎中3の2学期でここまで即興で話せる!

★昨年の英語発表会の映像“Secret Family”

次の本を読み聞かせているという設定の中で、その内容を展開していきます。「桃太郎」、「竹取物語」、「おむすびころりん」。今回は学年での劇は難しいと判断されて、スキット1位の3人だけの出演でしたが、上手に展開していました。観客側の学生から笑い声が飛び交っていました。

★3年生2学期スピーキングテスト「日本文化をJ先生に紹介する」 11月に実施。

9月頭から毎授業2つずつ取り上げていくというもの。1週目はペアで説明しあう。一人は黒板に書かれた日本文化を説明し、もう一人は黒板に背を向けて、ペアの説明を聞いて当てるというもの。2週目はペアで協力して説明する。3週目は一人で説明をする。テスト1週間前にキーワード一覧を渡す。なぜ1週間前かというと、最初に渡してしまうと、書いて覚えようとしてしまう生徒が出てくるから。

映像を見ると、1つの文化を2~3文で説明していました。わからない時は、”Let me skip it.”と言っていました。This is ~.(It’s~)  we ~.という表現で、初めはGeneral、そのあとSpecificに説明していました。

4 参考 北原メソッドの成績

① 英検準2級以上取得率 平成30年度 56% 公立中学校日本一です。 

 語彙サイズがものを言う。英検3級は1200語、英検準2級は4000語。赤坂中では平均2950(←北原先生が生徒に1年間かけて辞書の知っている単語にマーカーをさせて、集計したもの)

② 平成28年度3年生2学期 評定1、2の生徒はいなかった。

③ 平成28年度港区学力調査結果3年生英文の読み取りや英作文では区平均を大きく上回っている。

④ 平成28年度東京都学力調査2年生都平均の正答率を大きく上回っているが、特に表現の能力では24.2と断トツであった。授業内でWritingをたくさんやっているわけではないが、音を入れてからoutputするから生徒は語順を間違えたりはしない。

5 じゃれマガ北原先生によるじゃれマガの授業。数分で終了するが内容は濃く、既習内容に生徒が何度も出会えるチャンスがある。

新生北研

「Overview(学生が受けてきた英語教育とこれからの英語教育。功罪と今後の展望)

講義とディスカッション。中学3年生3学期の「先生への手紙」と中学3

年生による「日本文化紹介」映像(2学期)を視聴することによって中学校生後の到達点を理解する。

1 自己紹介と自分が受けた中高の授業の紹介(よかった点、改善点)

2 近年の英語教育の動向(講義)

(こちらの資料を読んで日本の英語教育の変遷・英語教授法の歴史について聞きました。最初に北原先生の受けてきた英語の授業についての話。4~5歳の時から近所のお姉さんにアルファベットなど教えてもらっていた。しかし、学校に入ると先生が話してひたすら板書する授業になり、英語を勉強することをやめる。ビートルズより前にモンキーズを聞き始めラジオFENを聞く。テープレコーダーに録音して何度も聞く。中2から急に発音がうまくなる。通信簿は5段階の3だったが2年生3学期から5になる。それは当然のこと、歌詞カードに比べて教科書の英語は簡単に感じたからだった。その後、まわりの先生と自分の受けてきた英語教育について話す。悪魔のノートスタイル、文法説明を聞くスタイル、アクティビティがあったり、なかったり・・・。覚えることが自分の英語能力向上に役立った、ということは共通でした)

エクセター大学資料より↓

Background

The environment that surrounds the English language education found in Japanese secondary schools has changed greatly over the last 10 years.

 One note the main traditional English teaching methods has been the Grammar-Translation Method not only in upper secondary schools but also in lower secondary schools. With this method emphasis is put of reading and writing rather than listening and speaking. There is another method still dominant as well as Grammar-Translation Method, viz.The Audio-Lingual Method. It puts an emphasis on oral practice, however, lexical meaning is considered unimportant.

 Both methods have one thing in common; no consideration for communication (taken from “A study on Pair Work & Group Work that Provide Stages for More Communication Activities “ Nobuaki Kitahara, December 1989 University of Exeter)

(Audio-Lingual MethodやCommunicative Approach などについて出てきたが、”Method”は学問として確立されたやり方のこと、 “Approach”はそこまで確立されていないやり方のこと、ということ。北原メソッドは確立されたやり方!ということ。「「みんなの英語ひろば」http://eigohiroba.jp/t/309#toc0 に色々なメソッド、それぞれのやり方の3分くらいのミニ授業を紹介してくれているそうです。)

英語授業の認識が180度変わったこれが北原メソッドの威力だ北原メソッドを学んで

(2019年度秋学期英文科)の感想より

(一部抜粋)

・北原メソッドを学んで1番良かったことが今まで自分が日本の英語教育に関して抱いていた疑問点が解消されたことです

・そこにはまるで日本の公立の中学生と思えないほどすらすらと英語を話す生徒たちの姿がありました

・生徒の負担が軽い方法で力を伸ばすことができる

・生徒の映像や数値的な結果を用いて北原メソッドの効果を教えてくださったのでこんなにも実になる授業を見際にやっている先生がいるんだと衝撃を受け非常に説得力のある授業でした

・より生徒に気遣った授業をやろうと思えるようになりました

・単語テストを止めました

・生徒に興味を持たせるタスクで溢れており退屈になる時間がない

・単語の教え方や教科書のダイアログをノートに移さないことロールプレイングなどのスピーキングのアクティビティーを頻繁にすることなど自分が過ごした学習環境との大きな差に驚いてばかりでした

・生徒に程良い負担をかけながら教えるために考え抜かれているメソッドだと思いました

・ジェスチャーを使ってわざわざ日本語に訳さず体感で覚えると言う事も毎回頭で意味を思い出すと言う作業も必要なく体感で覚えられると言う点で斬新で効果的で方法だと思いました

・自分が学んできた中学高校の英語の授業と全く違っていて驚いた

・Aパターン、Bパターンの教科書の音読以外で英語を普段から用いているため英語に対する抵抗を自然になくすことができる

・ピクチャーディスクライビングが印象的だった

・全員が常に能動的に参加する機会があるため飽きてしまったり授業聞かなくなってしまう生徒を確実に減らすことができる

・比較的経験の浅い先生であっても真似していく過程の中でそれを少しずつ可能にしてくれる

・こんなに熱心に生徒に向き合う先生がいるんだなと驚いたのも事実です

・北原メソッドは教える側にも楽しいメソッドであること

・英語は一部の子が楽しめる教科ではないこと英語は帰国子女だけが使えるものではないこと

(北研ではこれらの感想を読んで印象的だった文などに線を引き、前に何人か出て線を引いたところを読み上げた。単語練習させて単語スペルをすべて覚える必要はない、こうすることによって英語嫌いを生み出す→都の入試で高校の先生たちに聞いたところ、スペルが間違っているからといってすぐにすべてを×にすることはない、とのことから。また英作文は全体の1~2割のみという理由から。)

(S県も同じで、入試採点をする時に何度も採点基準について先生同士で話し合いますが、学校によってスペルミスの採点の仕方は差があるものの、ミスによってその文すべて点数にならないことはない、と思い出しました。)

中3の3学期でここまで書ける!

令和元年度3年生3学期学年末テスト「先生への手紙」より

(3月の例会で読んだ先生への手紙を読む。最初はI thought he was just another grumpy old teacher.

から始まるが、I was wrong. He isn’t an old grumpy teacher, but a great old teacher.

と気づいていく手紙。もう一人の生徒は授業中あまりにうるさくてゴミ箱の上に板を乗せてそこで授業を受けるスタイルをしていた生徒の手紙。英検2

級を持っている生徒→”The Secret Family”というskitを書いた思い出、the stupidest class of my life!

と言われた思い出など。かなりの英文量を英和、和英辞書持ち込み可で50分間で書く。英検なしの子(お父さんが英語圏出身の方だが)でももはや英検3級以上どころではない英語力!)

中3の2学期でここまで即興で話せる!

令和元年度 3年生2学期スピーキングテスト 「日本文化をJ先生に紹介する」

実施日11月6日、11月8日

*前回のスピーキングテストで評価が上位の生徒たちが先。自分の出番は何番目で誰の次かを張り出される名票で確認しておくこと!

1紹介する日本文化

a.     授業でやったもの

春・・・ひな祭り、潮干狩り

夏・・・梅雨、お中元、盆踊り

秋・・・月見

冬・・・初詣、お年玉、節分

その他・・・押し入れ、下駄、浴衣、寿司、畳

b.     授業でやってないもの 何かはナイショ!(←実際のテストでは温泉、おみこし、駅弁が出ていた)

(9月の上旬から毎回2つずつ取り上げてペアで説明しあう。片方→黒板のお題を見て相手に説明する、を3週行う。1週目 あてっこ(ペアで) 2週目

もっとうまい言い方がないか協力してやる 3週目 ひとりでやる)

やり方

① 1人ずつ教室に入ります

②J先生に挨拶して、自分の出席番号いいます。

③J先生が日本文化にが書かれたカードを順番に見せます。

④示されたカードに書かれた日本文化について3

つ以上のキーワードを使って説明してください。キーワードを落としたり、文でなく単語だけで説明したりすると得点にはなりません。時々J先生が確認のために質問しますがそれには答えてください。(応答の速さも評価されます。)

⑤J先生が日本文化を表すその語を言い当てられたら点2ポイントになります。

⑥カードを見て説明できそうもないものについてはLet me skip it.と、言えばパスできます。(言わないと次のカードが出ません)

⑦制限時間は2分間です。

⑧例えば(温泉)など授業でやってないもの(色カード)について説明できた場合は3~5ポイント獲得できます。

⑨ポイントあたり(定期テストで言えば)5点を成績に入れます。

Evaluation

 Things to keep in mind are…

 1 Students must explain in sentences, not only with words.

 2 Students can skip only if they say “Let me skip it”.

 3 Give 2 points to a new word explained fully what’s appropriate keywords.

Give 1 point to a word which students manage to explain with a few keywords or/and a few mistakes. Local grammar mistakes are not a great matter, while fatal mistakes such as lacking subjects or/and verbs, strange word orders and incomprehensible intonation.

4 Give 3-5 points to a word which students first to see (which they have never experienced during the lessons.) Those words are written on colored paper.

5 Encourage students by praising for good sentences.

6 You can ask questions to make sure what each student is talking about.

7 Time allowed is two minutes.

(以上のテストを受けている生徒の映像4人分を最初に見る。最初のほうの生徒が成績上位。最初の生徒はスラスラとよどみなくそこに答えが書かれているかのように答えている。最後のほうの生徒は「え!(なんだこれ?)」というような驚きの声を入れつつ答える。しかし、その成績が一番下の生徒でもかなりスラスラと説明できて、英語の説明が止まることがない。黙ることもなかった!彼は不登校で学校に来なかった時期が長いのに頑張ってビリから上がってきた生徒でもある。)

北原メソッドの成績

英検準二級取得率

平成22年度で赤坂中で初めて3年間教えた学年で27%から始まり、平成28年度では43%、29年度は44%、30年度では56%で過去最高になる。平成28年度では

3年生2学期評定1,2はゼロ。

平成28年度港区学力調査結果(4月実施3年生)によると、全国平均正答率との差:赤坂中と全国との差→国語-2.9、社会+3.7、数学+5.0、理科+0.0、英語+19.6

と圧倒的な差を誇る。そのため、行事で英語劇や英語関係がジャックしていても他の先生たちも文句を言わないそう。入試でも英語で皆が点数を取っていることを知っているため。

じゃれマガ

そのまま使ってもらっていいので、どうぞ使って生徒にたくさんの英文を読ませてください!と北原先生のお言葉。

*1.英語教育の功罪と今後の展望*

*グラマー・トランスレーション・メソッド*

なにかと批判される訳読法ですが、指導法としてひろがった当初は、効果的であったと聞き、驚きました。

手っ取り早く外国文化を取り入れる、英語を操るエリートたちだからこそできる学習法であったということです。

東京藝術大学の創設者である岡倉天心の「茶の本」の英語版を読んだことがありますが、ネイティブと対等に向き合える格式高い英語を留学経験もない100年前の日本人が書いたことには感嘆します。

*メソッドとアプローチの違い*

メソッドとアプローチという言葉の意味にも違いがあるそうです。体系的に確立したのが、メソッドであり、そこに至る過程にあるのがアプローチであると。

北原先生は、指導法の名称をどちらにするか考え、体系としてすでに確立しているから、北原「メソッド」にしようと決められたそうです。

*2.北原メソッドを学んで(上智大学の学生のコメント)*

〇今まで受けてきた英語教育

●先生は、音読や新出単語の練習以外で英語を使わない。

●生徒も、挨拶や半強制的に会話や発言させられるとき以外に英語を使わない。

●教師が日本語で文法説明をして、生徒は黙って聞いている(あるいは寝ている)。

●従来の英語教育と北原メソッドの違いに驚き、日本語をもっと使っていいとさえ思った。

このような授業をあまり見たことはありませんが、実際にはまだ多く残っているのでしょうか。

*3.生徒のパフォーマンス*

*⑴    先生への手紙(ライティング)*

指導がまったくといっていいほど入らない生徒の様子を見ていただけに、3年3学期には「北原先生は最初無愛想なおっさんに見えたけど、本当はすごいおっさんだった」と書いていたのにホッとしました。

最後には教師の心は通じるんだと希望が持てました。

*⑵    日本文化紹介(スピーキング)*

1周目 あてっこ(Is it ○○?)

2周目 もっといい説明を考える(クラス全体でキーワードを使いながら)

3周目 ひとりでやる

※テスト1週間前にキーワード集のプリントを配る。

これが、スピーキングのゴールというのに納得です。

2分間の中では、これまで学んできたA・Bパターンの文法、語い、音読による発音、スピード、語順など、すべてを総動員されるからです。

* 3.じゃれマガ *

最後に、一緒にじゃれマガを体験しました。

「みなさん、じゃれマガ使ってください。そのまま使ってもいいから。」

という先生の呼びかけを聞いて、「使わなきゃ」と思いました。

3学年の授業がいっぱいいっぱいで余裕ないから、と思っていましたが、やっぱりやろうと思います。

 今年も、(できる限り)100%を目指してやっていきます!

0.ジャパンライムスタッフの方々より自己紹介と諸注意

北研映像配信が実現することになった経緯、感染症予防上の諸注意の説明がありました。セミナールーム入口にアルコール消毒を設置、到着した時や出入りする時に消毒します。また、1時間ごと休憩では換気をしっかりと行います。セミナールームを出たところに自販機があり、水分補給は可能ですが食べ物などは食べられません。

また、参加者は北原先生から「映像に顔が写ってもよいか」と確認がありました。途中でマイクを使用して前で話す機会があります。次回以降の参加者は映像に映ることの承諾を受付の際にスタッフ等へ伝えておくと会場運営がしやすくなると思いました。参加者が前で話す度に、北原先生が自らマイクの消毒をされていました。対策を十分に講じたからこその今回の北研、しっかりと学ぼうと先生のお姿をみて改めて思いました。

0北原先生からのご挨拶

約3か月ぶりの仕事ということで、とても嬉しそうに話されていました。交通機関を利用した外出も今回で2回目、それ以外は自転車で30~40キロ走ったり、筋トレをして過ごしていたそうです。北原先生のマスクは魚の名前入りマスクでした。浜島書店の女性従業員の方からいただいたものだそうです。マスクの中が暑くなってしまうのですが、保冷タオルを間に挟んで「清涼感ばっちり!」と実践してくださいました。

北研では参加者同士が対話する機会が沢山あります。それについても触れ、話す際はしっかりと向い合せにならない、飛沫をしないためにも声のボリュームを抑えて等、北原先生からも諸注意がありました。

1.中高の授業の紹介(良かった点、改善点)

【北原先生】

・幼少の頃アルファベットを学び、世界の国旗・国名を覚えた。

・中学に入って英語の授業が始まったが、読み書き中心の授業に飽きて学習しなくなった。

・テレビで「モンキーズ」を見て音楽にはまり、英語の歌詞を調べるようになった。

・レコードの歌詞カードを見て英語を覚え、ラジオをテープに録音し歌詞の聞き取り、分からない所はレコード屋に行き、歌詞カードを見て完成させた。

・1曲の歌詞カードが完成したら歌声がぴったり重なるようになるまで猛練習した。

・評定は5段階中3だったが、それ以降はいっきに5になった。英語が簡単に感じた。

・歌詞を調べるようになってから辞書の引き方を覚え、勉強の仕方が身に付いた。

私は中学の先生が沢山の教授法を実践されていたので、毎月スキットを録画、パソコン室でヘッドセットを用いた発音練習など色々な学習を英語の授業で行っていました。高校からは訳読法の授業が中心になってしまったので、先生から「なんで予習しないの」としょっちゅう言われ嫌々だった記憶があります。

中学生の時は、スキットも「面倒くせぇなぁ」とぼやきながらやっていましたが、英語教師になろうと思った時に高校ではなく中学でと自然と思えたのは、中学の時に教えてくださった先生がいたからだと思います。

2.近年の英語教育の動向(講義)

2Background

2.2 English language education in Japan 文部省長期海外研修で書いた論文の冒頭部分

「みんなの英語ひろば」というサイトから英語教授法の変遷年表をもとに教授法の移り変わりを見ていきました。

The Grammar-Translation Method:

・日本の先生にとってはこの方法が時間的に効果があったのだろう

・英文科に通うような学生にとってはこの方法が良いのかもしれない

・実際に過去の達人が書いた英語は素晴らしい(新渡戸稲造など)

The Direct Method:ネイティブスピーカーによる授業

The Audio-Lingual Method:音から入る教授法

Total Physical Response:全身を使って教える(ジェスチャーなど)

Communicative Approach →Communicative Language Teaching

・メソッドは確立された方法であり、アプローチはその前段階の方法論

☆すなわち、北原アプローチではなく北原メソッドは確立した教授法である。

3 大学生による感想と中学生の成長

A 英語授業の認識が180度変わった!

大学生から:

・なぜ週4時間も学んで英語が身につかないのか疑問に思っていたことが解消された

・英語教育に対する考え方が変わった、生徒に寄り添う授業がしたい

・明らかに生徒が「学びたい」と思えるような授業だった

・Bパターンのpicture describingが印象的だった。他の人が言った英語を聞き取ることも自分の英語を追加することもできる。

・教える側にも楽しいメソッド

・マイクロティーチングでは誰かがずば抜けてできていないという状況ではなかった。つまり、北原メソッドはやり方を理解すれば誰にでもできる方法

北原先生より今の中学校教育

・先生でさえ発音チェックで合格しない(先生が発音を直せない)

・先生が受けてきた今までの英語授業がベースとなることが多い

・北原メソッドでは単語のスペルを教えない。

B 中3の3学期でここまで書ける!

☆中3最後のテストで北原先生へ向けた英語の手紙を書かせた。辞書の持ち込みはOK、50分間で書いたもの。

・英検無しの生徒でさえも非常にたくさんの英語を書いている。反抗的な生徒だが、最後にいいことを書いてくれた

・英検3級の生徒はうるさくて大変だったが、レベルは3級を優に超えている。

・2級の生徒は英語が大好き。とても一生懸命に勉強している。

・準2級の生徒は姉から北原先生のことを聞いていた。

C 中3の2学期でここまで即興で話せる!

~港区英語発表会映像から~

中3のオリジナルスキット1位のグループから参加。生徒自身が楽しみながら演じていました。発音がとにかく素晴らしかったです。

~日本文化紹介~

☆日本文化を英語で紹介できることを中3の最終目標としている。最終目標は何か?というところから授業の計画を立てるとよい。

①This is ~ which ~. / We ~ to …(when ~). / こまったらlet me skip it.

②ah~ / 最初の一文言えたら、どんどん追加情報を入れられている

最初の二人は英語のパターンが固定され、かつ自分の答えとして自然な英語になっている

③In summer we dance in the festival. We look at the full moon with eating rice cakes.

We go to shrine or temples throwing coins into the box. February 3rd, we throw beans, etc.

④They are Japanese old shoes. It’s Japanese hot springs. In spring we go to the park or place and we watch cherry blossoms. We eat diamond shaped rice cakes. It’s Japanese rainy season. We always use umbrella. Bullet train. In summer we will wear yukata and dance it, etc…

・生徒を沢山ほめている。手を沢山挙げて沢山間違えていた生徒。皆が笑っていても絶対にめげない生徒をすごく褒めてあげていた。Aパターンの文型導入はいつも最後だが、最後にならなくなってきた。

・最後の手紙では「80点はとっていたと思う」それから高校では本当に80点とった。

1年生の時に学校来なかった生徒にとって、スパイラルワークシートは自分の力で学習できるようになれるものだった。

<日本文化紹介指導の流れ>

・日本文化紹介の導入は9月の最初の授業から

・1周目は説明役と答える役のペアワーク

・2周目からはペアでいい説明を考え協力する

・3周目は1人で素早く

・キーワードは1週間前に配布(ギリギリに見せる。書いて覚える生徒を回避するため)

・2分間で点取り放題

・授業でやっていない「お花見」など5枚用意(高得点)

北原メソッド成績

英検準2級以上取得率

・語彙サイズ:3級は1200語、準2級2400語 ※全体の6割

・語彙調査(辞書のAから知っている言葉にマーキング)2900語(成績中位)

→つまり、半分の生徒がこの語彙を獲得している。準2級は50%生徒が受かる計算

・3年生2学期評定で1と2がいない(全員が3以上)

*☆中学校の英語に関しては頭の良い、悪いは関係ない*

・観点別では表現の能力が一番高い

最後にじゃれマガの実践。ほんの数分ででき、沢山の英語に触れられる画期的な方法。

0 北原先生からのご挨拶

 北原先生も3ヶ月ぶりの仕事ということ、久しぶりの北研ということで嬉しそうでした。

1 自己紹介と自分が受けた中高の授業の紹介

 北原先生が受けてきた英語教育について聞いてから、隣の人と自分が受けてきた英語教育について話し合いました。私は中学時代の授業はほとんど記憶になかったので、高校で受けた授業について話しました。私の受けた高校の授業で今でも覚えているのはWritingの授業で、( )埋めの問題集を一人ずつ当てられながら延々とやっていく授業です。自分の書いた答えとそれを書いた理由を言わされました。いつも自分の当てられる順番を数えてその問題だけ一生懸命解いていたのを思い出します。

 また、「構文150」や「頻出英文法」という参考書を買わされ、毎週小テストがあったのも覚えています。毎週10問の小テストがあり、すぐに諦めて勉強しなくなりました。小テストの範囲は授業で扱う文法事項とは全然別のところで、いま思い起こせば、授業に何の繋がりもなかったのだと分ります。

2 近年の英語教育の動向

 北原先生からの話を聞きました。1800年代のGrammar Translation Methodから始まり、現在のCommunicative Approachに至るTeaching Methodの変遷を「みんなの英語ひろば」という英語学習サイトにある年表を見ながら、確認しました。

2.5 上智大学学生の北原先生の授業を受けての感想

 上智大学の学生の北原メソッドへの感想を読んで、共感できる部分を発表しました。

 私は「どのように発音を教えるべきかという点について、同じ発音と単語を関連させて色分けもしつつ教えるとよいということがとても参考になった。」「ジェスチャーを使ってわざわざ日本語に訳さず、体感で覚えるということ。」「劇やシチュエーションを生徒自身で考え、取り組むことによって、より身近な英語表現が身につく。」という部分を選びました。

 小学校外国語活動が活発に行われ出して、英語の使用場面が重要視されだしています。そこで、劇やスキットはすごく使用場面が容易に想像できて効果的な方法だと思います。

3 中学生による作文と映像視聴およびディスカッション

(1)令和元年度3年生3学期学年末テスト「先生への手紙」

 3年生が北原先生へ書いた手紙を北研に参加された2人のALTに読んでもらいました。読んでもらったことで英文が生き生きとしてきたように感じました。

 英文は量も多く、内容の構成もよく惹きつけられるものでした。

(2)3年生2学期スピーキングテスト「日本文化をJ先生に紹介する」

 令和元年度の3年生と平成30年度の3年生のパフォーマンスを見せてもらいました。授業を真面目に受けている生徒は使う表現を自然と身につけて、同じような言い回しになる。

 この活動について隣の人と話し合いましたが、後置表現を使うのに絶妙な活動で後置表現を学習する時期ともリンクしている。また、この時期に生徒は英語が口から出てくるようになり、スピーキングの練習にも3年生の3学期はちょうど良い。

4 じゃれマガ

 最後に北原先生のじゃれマガの授業を受けました。5分程度の授業なのに学習することが多く、じゃれマガは3年生の授業で必ず使いたいと思います。現在は北原先生が毎日じゃれマガをMLに流してくれているので、それをそのまま授業で使ってくれても良いと言ってくれました。

テーマ「Overview(学生が受けてきた英語教育とこれからの英語教育。功罪と今後の展望)」

1 自分が受けてきた中高時代の授業について

 北原先生は…

 幼児の頃は近所の大人の影響もあり、世界について興味を持っていたそうです。しかし、中学校の英語の授業は、教師が板書したものを写すことが中心のつまらないものでした。

そのようなとき、モンキーズのテレビドラマを見て、特にその音楽に惹かれました。音楽を録音して歌詞を起こしたり、FENを聴いたりするようになりました。

中学2年生のときには、友だちから「発音が上手」言われるようになっていました。3だった成績も5に。

タケカワユキヒデさん「歌手の声とぴったりになるまで歌う。ぴったり歌うと、歌手の声が聞こえなくなる。」

 先生の話のあと、ペアでお互いの中高時代の授業について話し合いました。

 自分自身の中高時代の授業を振り返ると…

 今考えても、北原メソッドからはほど遠い授業だったと思います。しかし、英語が好きになり、英語教師を目指すきっかけとなったのは、中学校の英語の先生との出会いでした。

英語を学ぶことで、英語で書かれた文章の意味がわかり世界が広がった気がしますし、たまーにしか来ないALTと会話をしたときに「自分が授業で学んできた英語は本当に通じるのだ」と不思議な気持ちになったことを覚えています。その後の高校でのつらい授業(大学受験に向けての暗記に次ぐ暗記)に耐えられた(?)のも、将来の夢が確立していたからだと思います。

2 近年の英語教育の動向

 「英語教授法の歴史」を講義していただきました。

興味深かったのは、明治時代から行われてきたGrammar Translation Methodについてです。

当時は高等教育を受ける人は少なく、そのような学校に進学する人は優秀でした。

そのような学生にとって、この教授法は非常に効率が良いものでした。(どれほど優秀だったのか驚かされます!)

教育や教授法は時代時代で流行がありますが、その時代の社会情勢や学習者の機根などが密接に関連しています。流行にも意味があるのだと感じました。

3 北原メソッドを学んだ大学生のコメント

 コメントを読み、印象深い箇所にアンダーラインを引き、一人一人発表しました。

多くの学生さんが、自分自身が中高時代に受けた授業と北原メソッドを比べています。北原先生の授業を受け始めた頃は、そのギャップに驚き、本当にこの授業(北原メソッド)で英語力が伸びるのだろうかと疑問に思っている様子でした。しかし、授業の中で北原メソッドを体験し、データを目の当たりにし、生徒のパフォーマンス映像を見ることで、その思いが変わってきたことが伝わってきました。

私自身も北原メソッドを長年学んでいますが、まだ教員ではない立場でメソッドを学んでいる(学生の)視点からのコメントを読むと、北原メソッドの素晴らしさを改めて感じることができます。

北原先生「(例外の)スペリングは覚えなくてよい。都立入試はスペリングが違っていても、全バツにはしない。語順の方が大切。単語テストは苦痛。コストパフォーマンスが大切。」

4 港区英語発表会 スキット「The Secret Family」視聴

 昨年度は英語劇ではなく、スキットで出場しました。校内のスキット発表で一位になった3人組の作品です。

昔話を題材にしています。非常にわかりやすい英語を使っており、内容も何だか面白くて笑ってしまいました。

5 中3の3学期でここまで書ける!中3の2学期でここまで即興で話せる!

 中学英語のライティングのゴール(3年生学年末の「先生への手紙」)とスピーキングのゴール(2学期の「日本文化紹介」)を示していただきました。

 4人の「先生への手紙」は、どの手紙はたくさん書かれていました。特に、英検3級の生徒が32文も書いており、驚きました。

北原先生がそれぞれの生徒のエピソードを話してくださいましたが、先生と生徒の強いつながりがあるからこそ、愛がある手紙(と先生からの返信)が書けるのだと思います。

また「日本文化紹介」では4人のパフォーマンス映像を視聴しました。

前半二人は、英語がよくできる生徒で話し方も流ちょうです。

3人目の生徒は、紹介文がどれも”It’s Japanese …”から始まっており、授業で学んだことが身についている印象でした。

流ちょうに話す生徒も理想的ですが、授業の中でこの3人目のような生徒を多く育てたいと思いました。

テストまでの行程は以下の通りです。

・2学期の最初から練習を開始する。(テストは11月)

・毎授業で2つ扱う。

・1週目はお互いに当て合う(黒板に書かれたものを説明)、2週目はペアで協力してよりよい説明をする、3週目は一人で説明する。

・テストまでに14の日本文化を扱った。

6 北原メソッドの成績

「中学校の英語は、頭の良い悪いは関係ない。だれでも5を取れる。だれでも英検3級を取れる。」

「北原メソッドは音を入れるから、語順を間違えない。」→都学力調査で「表現の能力」が高い。

7 じゃれマガ

 最後に、じゃれマガワークシートを実践しました。”Hands up.”から解説終了までほんの数分でした。

2月29日付けの北原先生のじゃれマガもいただきました。

北原先生:

3ヶ月ぶりに仕事をするので嬉しい。6月になり、みなさんが仕事で忙しくなってから、寂しく思っていた。浜島さんの会社の女性が作ってくれた魚の漢字の書かれた手作りマスクで講演。暑いので濡らすと冷んやりするタオルを活用しながらお話して下さいました。

「Overview (学生が受けてきた英語教育とこれからの英語教育。功罪と今後の展望)」

*北原先生の英語学習の歴史について

近所のお姉さんから世界にたくさん国があることを教えてもらい、国旗を覚えた。楽しみにしていたのに、中学校の英語授業はひたすら書くもの。嫌になってしまった。勉強をやめた。ある時、テレビでモンキーズを見て興味を持った。歌詞を覚えるためレコード屋に行って暗記した。覚えて歌とぴったりなるまで歌った。歌詞に比べて勉強は簡単だったので、成績は5になった。英語教育トップレベルの高校で難しい文章を読むようになった。

2、近年の英語教育の動向(講義)

Background   English language education in Japan

●Grammar Translation Method

明治時代の英語の達人の書いた文章を読んでみると驚く

ほどの文章力!に驚く。新渡戸稲造とか。しかし時代が変わって、ただ読み書きだけ。これではダメ。となって来た。

●Direct Method

●Audio-Lingual Method

●Total Physical Response→北原メソッドのジェスチャーリーディングはこれ

●Communicative Approach(CLT=communicative language teaching)

(アプローチはメソッドにはなっていないもののこと)

「みんなのひろば」より

http://eigohiroba.jp/t/309#toc0

→上記の内容について詳しく説明されているサイト

1、自己紹介と自分が受けた中高の授業の紹介(良かった点、改善点)

※そばにいる方と自分が受けた英語教育について話し合う。

私は、24歳の初めて北研に参加された先生とお話しました。彼はA県出身で、やはり訳読式の授業を受けた。歌はなかった。悪のノートもなかった。大学で初めてスピーキング中心の授業を受けた。A県のN先生に、「東京に行くなら北原先生から学びなさい」と言われて参加したとのこと。

私が中学校で受けた英語教育は、予習として悪のノート(当時は大学ノートで手作りするもの)で本文を左に書き、単語の意味調べと発音記号も書いて、右に和訳するというもの。フラッシュカードは裏表一度くらいしかやらないので、発音もアクセントもイマイチ分からず終わる。イントネーションや抑揚もよく分からないまま本文音読の宿題が出る。5回だったかな?書く気も読む気も起きないし意味がわからないから続かなかった記憶。当時都内K区の中学校に在籍していましたが、LL教室というのがありまして、音声を聞くために生徒がヘッドフォンをつけてリスニングトレーニングをするみたいな感じの授業が週1回あったかな?(約30年前の記憶なのでうろ覚え)中3の受験までに授業で関係代名詞が終わっていなくて、自力でやるのが大変だった記憶があります。

●資料を元に、上智大学の生徒の感想より発表

北原メソッドのどんなところが素晴らしいか

*生徒の負担が軽い方法で力を伸ばすことができる。しかも教師にとっても最低限の負担で画期的な方法。

*北原メソッドがあれば自信を持って中学生に教えることができる。より生徒を気遣った授業。どのようにしたら生徒が伸びやすいのかを考えて授業したり、以前より生徒を褒めるようになった。生徒が主体になっていてとても生徒を気遣っている教え方。授業は先生のためではなく生徒たちのためだから生徒に寄り添った授業をしたいと思うようになった。具体的な教え方を学ぶことができた。

*効率の良い英語学習方法を学ぶことが出来た。

*皆が平等に、他人の発言を聞くことができ、自然に自分のものとしてインプット出来る。など。

●講義とディスカッション

中学3年生3学期「日本文化紹介」映像(2学期)を視聴することによって中学校英語の到達点を理解する。北原先生は日本文化紹介が中学校英語のゴールだと思っているとのこと。

レジュメより

*前回のスピーキングテストで評価が上位の生徒たちが先。自分の出番は何番目で誰の次かを張り出される名票で確認して置くこと!

1、紹介する日本文化

α.   授業でやったもの

春…ひなまつり、潮干狩り

夏…梅雨、お中元、盆踊り

秋…月見

冬…初詣、お年玉、節分

その他….押入れ、下駄、浴衣、寿司、畳

b.   授業でやっていないもの

何かはナイショ!

  • やり方

①1人ずつ教室に入ります。

②J先生に挨拶して、自分の出席番号に言います。

③J 先生が日本文化が書かれたカードを順番に見せます。

④示されたカードに書かれた日本文化についてら3つ以上のキーワードを使って説明して下さい。キーワードを落としたり、文でなく単語だけで説明したりすると得点にはなりません。時々J先生が確認のために質問しますが、それにも答えて下さい。(応答の速さも評価されます)

⑤J先生が日本文化を表すその語を言い当てられたら、2ポイントになります。

⑥カードを見て説明出来そうもないものについてはLet me skip it.と言えばパス出来ます。(言わないと次のカードが出ません)

⑦制限時間は2分間です。

⑧例えば「温泉」など授業でやってないもの(色カード)について説明出来た場合は3〜5ポイント獲得出来ます。

⑨1ポイントあたり(定期テストで言えば)5点を成績に入れます。

キーワードのリストを頂きましたが、本町田中学校と狛江一中学校と赤坂中学校で、内容に変化が見られました。比較すると、本町田が一番語数が少なく、狛江一中は本町田の2倍のキーワードがあり、赤坂中は狛江一中の1.5倍と言ったところでした。学力によってこの差が生じているのかなと分析しました。

(例:spring. . . . hinamatsuri

本町田中: spring, girl’s festival, March 3rd, dolls, decorate(5語)

狛江一中: girl’s festival, March 3rd, figures/dolls, decorate, red stairs/ steps, diamond-shaped, rice cake, five musicians, sweet-flavored sake, colored rice clackers(10-12語)

赤坂中:March 3rd, girl’s festival, dolls, songs, rice clackers, red stairs, decorated, happiness, diamond-shaped, rice cake(10語)

●中学3年生の「先生への手紙」

Native speakers のG先生とJ先生が音読して下さいました。とても感動的な手紙+お二人の素晴らしい音読で涙が出ました。

*ハーフの子….北原先生のことを初めは He was just another grumpy old teacher, always angry and shouting, cold-hearted landlord and newbieだと思っていたが、今はgreat old

teacherだと思っている。

*うるさすぎて後ろのゴミ箱の上に板?を置いて苦学生の子(3級取得以上のライティング力)

*2級の子…Bad Dayの歌が印象的だった。英語はずっと楽しく勉強し続けたい。

*標準の子….北原先生がスキットで良い結果を出せなかった時に何度もチャンスをくれたこと。Mr.Kitahara’s class is the most funny and strict.

※4人の表現の多彩さ、ユーモア、自分の言いたいことをきちんと伝えられるスキルは日々の積み重ねで出来ているとわかる。

*英語劇Secret family視聴

3人の男子生徒。1人が眠れないというので、眠れるように物語を読む。お話は桃太郎、かぐや姫、おむすびころりん。すべてボスか出てくる話にして最後は3人がボスと同じ姿で現れたこと。演じるのを楽しんでいた。

 ●北原メソッドの成績

公立中学校日本一!

語彙サイズ

英検3級1200語

準2級2400語

赤坂中では平均2900語の語彙数を持っていた。

トップは6000語。半分は行けるのではないかと思ったらやはりそうだった。

*3年生の2学期の成績は1と2はいなかった

全国平均が下の学年だったが、2年後英語は圧倒的に高い港区は東京でもトップだが、その中でも3位以内

中学校の英語の好成績は誰でも取れる。

北原メソッドで授業を行うと、観点別

表現が高い。ライティングが高い。1年は書かせないのに。動詞が抜けてるとか語順ミスがない。→なぜか?たくさん話してチェックしているから。

●じゃれマガの読み取り

2019年版じゃれマガを頂きました。授業で北原先生作成のじゃれマガを是非使って下さい!とのこと。

感想

※今回、久しぶりに研修に参加して北原メソッドについて改めて感じたことは、やっぱり生徒も教師も楽しくためになる!ということです。北原メソッドのベースは、北原先生の経験に基づき、英語の歌と劇で出来ているから、アクティブラーニングに直結していて楽しい。生徒からの手紙にあるように、北原先生は怖いけれど面白い。北原先生は本当に生徒思い。そしてさらに後進のため、全力で素晴らしいセミナーをしてくださっている!北原先生のエネルギーはすごい!北原先生の凄いところはこれだけ完成されたメソッドなのに、そこにとどまらず、常に前進し続けることだと思います。

北研第175回「新生北研」

・ジャパンライム吉井さんから挨拶

2年前の全英連の滋賀で北原先生と再会した

北原先生が学校を引退すると聞き、それならセミナールームがちょうどありますよという流れで今に至る

・室町さんから挨拶

北研にも複数参加している。映像配信の企画をしたので、来られないときは映像を利用してください

・3か月ぶりのお仕事、外出も2回目。1日30~40キロ自転車で走ってる。

近所の学校は分散下校だそう。普通の時間割になっている人?分散登校している人?

学校が再開して焦った。上智の授業は秋からになったし、愛知淑徳大学は夏だから、僕だけ教えられない。

魚が書いてあるマスク着用。これいいでしょう。浜島さんのスタッフから頂いた。さらに、清涼感があるタオル。これもおすすめ。 この期間ウーバーイーツを頼んだ人?僕はOvereatsになった。

新生北研は、上智大学と愛知淑徳大での授業に則り北研を進めていく。今回は、北原メソッドはどんなものかを理解していくのがテーマ。

・皆さんは中学高校どんな英語教育を受けてきた?

僕は小学校、近所のお姉さんに国旗と国の名前をすぐ覚えた

小さい頃は誰でも神童

中学校での英語を楽しみにしていったら、先生が説明を聞いてひたすら写す授業だった。だんだんモチベーションは下がり、授業の宿題をやらなくなった。ちょうどそのころ、アメリカのmonkeysにはまって、歌詞を知りたくなった。そこから派生して色んな曲を知りたいなと思うようになった。ラジオ、当時はFEN米軍基地放送をテープレコーダーで取って、ディクテーションしていった。その後は、ぴったりになるまで歌う。

ぴったりになるまで歌うと歌手の声が聞こえなくなる。中2くらいから発音がうまいなと言われるようになる。

それまで英語は通信簿3だった。なぜか急に5になった。テスト簡単、歌詞カードに比べると。歌詞カードの意味を知りたいから辞書の使い方を自分で学んだ。高校では、都内でも英語教育の高いレベルの学校だった。

論理的に読むことなどを知って、鍛えられた。

参加者のディスカッションタイム「中学高校どんな英語教育を受けてきた?」

・「Overview(学生が受けてきた英語教育とこれからの英語教育。功罪と今後の展望)」

文部省によって派遣されたエクセター大学の論文を抜粋。

英語教育の背景について。明治期から海外の文化を取り入れて新しい文化を作らなきゃいけなかったからGrammar translation methodを使った。当時、ネイティブの先生がいなかったので日本人が教えるのには効果的だった。当時は一部の勉強ができる人たちのためだからこれでよかった。皆さん、明治の人たちの英語を見たことがありますか?例えば、新渡戸稲造の英語はすごい。ライティングに関してはかなりできていた。

それでいいだろうと思われていた。しかし、次第に中学から大学まで10年間英語を習ってもなんにも使えないと批判が多くされてきた。直接教授法はネイティブの先生が教える。Audio-Lingual methodも似ている。耳を大切にする。Total physical responseは体を全部使ってやる。北原メソッドでいえばジェスチャーはその一部。Communicative approach。Methodは確立されたやり方。Methodologyの省略。Approachはまだ確立されていないもの。始め北原approachにしようと思ったけど、謙遜する必要はないと思った。

現在はCAがベースになっている。

31年前エクセター大学から帰ってきたころと状況はあんまり変わっていない。

★HP「みんなの英語ひろば」を見るといい「https://eigohiroba.jp/t/309#toc0

それぞれの授業がどんなものか3分くらいのミニ授業が見られる。

3 中学生による作文と映像視聴およびディスカッション

A「英語授業の認識が180度変わった!」~これが北原メソッドの威力だ~

北原メソッドを学んで(2019年度秋学期英文科学生作文)

最初の講義の感想に「北原メソッドのとりこだ」と書いてくれた生徒がいた。

自分の疑問に思っていたことが解決したとも言っていた。

発音について。

全国の研修会でBDを先生にやっていくと、ほとんど先生たち受からない。発音を意識していない、できていない。負の再生産になってしまう。ある小学校の先生が「私の発音大丈夫かしら?」「大丈夫大丈夫中学もっとひどいから」と答えた。

「つづりかけなくていいよ」に学生も教員も愕然とする。

逆に「なぜ書けないといけないんですか?」と聞く。「入試での配点何点ですか?」「綴り間違えて全部バツにしますか?」No となるとつづりを書けることは比重を置く必要がない。コストパフォーマンスを考える。

単語テストやるといやになになる。嫌いになる。先生方に聞いても、単語テストいやだったとみんな答える。

東京都の採用試験で葛飾区の面接時に「大学時代にやった劇の一コマをやってください」

しめたと思った。迫真の演技でハムレットのワンシーンをやった。

赤坂中の発音について

小学校で一緒で、海外に行って帰ってきた生徒が驚く。小学校時代の馬鹿だった仲間が自分よりも発音がいい。悔しくて暴れた子もいた。

B中3の3学期でここまで書ける!

G先生とJ先生のプロの朗読を聞く。ネイティブの先生のリーディングはいいね。これがオンラインで配信される。

・1番目の生徒は英検なし。あきらかに違う。お父さんが英語圏の人。お兄さんは1級、弟は英検嫌い。

知らない言葉を色々使うから何度辞書を引いたか分からない。Grumpy。

・2番目

うるさい子。北原クラス首になって菅さんのクラス。すごい英語伸びた。迷惑だけど面白い生徒だった。

・3番目

英検2級。英語大好き よく単語知ってた。

・4番目

英検準2級

関係代名詞もいっぱい使っている。

これを最後の期末テストの50分で英和和英合本の辞書を持ち込み可能で行う。

ライティングのゴールの次

・スキットの視聴

去年の港区の発表です。休憩明けなので楽しんで笑ってください。

タイトル:「Secret family」

毎年英語劇をやっていたのが、今年は無理だろうということで

3年生の自由スキットの1位の生徒だけ港区の発表会に出した。

C中3の2学期でここまで即興で話せる!

スピーキングのゴール視聴

日本文化を簡単な英語で紹介できる。

(※英語は確かではありません)

生徒の英語

It is a rainy season from June to July.

It is Japanese food which sells near the station.

We dance around yagura tower.

It is held at night.

We drink tea in the Japanese mat.

On new years day, we go to the shrine to pray for the future.

We throw beans to demon.

This is the place where doraemon sleep.

It is light and easier to wear.

We dip say source.

This is event which we watch cherry blossom.

This is day when we celebrate girl.

Each station has their own food.

3人目

In summer, we send presents to friends.

We do dance festival.

We look at full moon and eat rice cake.

The way is very important Japanese culture.

On January 1st we go to the shrine.

Coin go to the coin box.

On February 3rd,  we should eat as many as our age.

It is Japanese style closet.

4人目

It has square shape.

We wear it when we go to summer festival.

It has vinegar rice and raw fish.

In spring, we go to the park and we watch Cherry and eat lunch.

We dig some shells.

We always use umbrella and raincoat.

In summer, we wear Yukata and dance in a circle

11月の初めにやるスピーキングテスト。

9月の最初の授業から導入する。

9月の頭から毎回2つずつ取り上げて毎回2トピックずつ行う。

片っぽが黒板見て、片方が聞いて何かをあてる。「Is it shiohigari?」

1週目はあてっこ

2周目はペアで協力して説明

3週目1人でやる

1週間前に単語集を配る

初めから配ると見て書く練習してしまう人がいる

昨年度はてこずった学年

テストも過去最低

ちゃんとやんないから過去最低

最初の2人の子の違いは最初の二人は2級。残りの2人は北原クラス。

2級の方は自分でしゃべれるからほとんど授業中練習していない、ちゃんとやらない。

みんな同じパターンで言っているがわかる。何度も練習しているうちに自分の言葉になっている

劇と一緒、何度もやっているうちに自分の言葉になってくる。点取り放題問題になっている。制限時間内にたくさん言えた人は配点が高い。

後ろの2人は北原クラストップとビリの生徒。

1年生の時不登校だった。2年生の時から北原先生のクラスに来て。自分勝手にやるの好き。バンバン手を挙げる。みんなが笑うほど間違えても挙げる。よくなるよ~と励まし続ける。自分を見てもらいたいから何度もやる

絶対大丈夫と思っている。1年のハンデがあってるけど、スピーキングとリスニングは何の問題もない。文法指導も常に1年生から振り返るから大丈夫。いつも立つのが最後。ヒント7つくらい出してあと1文字しかなくても分からない。それでも待ってくれるのがあの学年。仲間には優しい。びりだったけど3年で変わってきた。

最後の手紙の中でこの前の都立で80点ライティングと報告してくれて、実際返ってきた結果も80点だった。

幹の本にも同じようなことが書いてある。サンシャインの教科書とスパイラルワークシートやればいいよ、いつでも挽回はできる。

・一昨年の生徒のDVD視聴

一昨年よりはいいが、これも例年よりよくない。

授業でやっていないのをやると点数がよくなる。

・英検について

赤坂の前の学校で英検準2級を学年の3分の1が受けて、16%取得率。赤坂に来てからそれを常に上回っている。語彙サイズで大体わかる。3級1200語、英検は6割で受かる。準2級出題4000語で2400語で受かる。文法より語彙力をつけなければいけない。

25年度1年間かけて辞書にマーキングさせた。エクセルで集計したら平均が2900語だった。数値的なのも

真ん中の子のも同じく2900語。半分の生徒は2900語いくから準2級が半分を超えると予想した。最高の56%達成した。東京都でいうと中高一貫校80%と言われている。普通の公立校ではありえない数字。

28年度評定1,2はゼロ。テストは難しくてスピーキングテストもあるけど。

学力は中学に入った時に全教科全国平均の下だった。3年の春、英語全国+19.6

英語だけ圧倒的にできる。それを担任とか知っている、英語で高校入っている。だから、多少英語関係で学芸発表会多くても文句言わない。区の平均でも13.6点以上高い。東京でもトップ。

中学校の英語は頭の良しあしは関係ない。表現の項目がいつも一番高い。

何でライティングが高いんだろうと20年前思った。音を入れることが多くてライティングをあんまりしない。

音が入っていれば問題なしということが分かった。語順間違えないから、音を入れて。

生徒による英訳による英語劇制作4回

・じゃれマガ生徒役体験

読んで問題の答えに下線引く、Q答える、答えたら点もらえる、先生の範読、質問3つ、WPM出す。

生徒へのメッセージを書いた北原先生のじゃれマガのプリントは安倍総理の突然の全国休校宣言の翌日で使えなかった。ちなみに、北原先生のじゃれマガのエッセイは、新しい2019年のP156に載っている。